ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
キラは日中はレジェンドの整備を手伝い、夜はシンと共にホテルへと戻って、セナとも話をしながら状況を静かに見守っていた。
そして、その日は遂に来た。
「……お姉ちゃん」
「どうしたの? セナ」
「メッセージが来ました」
セナが真上を指さしながら言った言葉にキラは目を閉じて頷く。
「内容は?」
「平和の歌を歌うと」
「分かった。じゃあセナ。今夜動くよ」
「はい」
そして、セナはミネルバへ向かい、キラはホテルにある自分の部屋に行って、準備をしていたのだが、そんな中、扉が控え目に叩かれて、メイリンが中に入ってきた。
「メイリン。どうしたの?」
「キラさんとセナちゃん。今から逃げるんですよね?」
「……何の話かな?」
「大丈夫です。私、全部知ってるので」
「ハッキング?」
「はい!」
元気よく返事をするメイリンにキラは頭を抱えながら、大きくため息を吐いた。
本来であれば誰にも気づかれない様に出て行くつもりだったからだ。
「それで? メイリンはどうする? 議長や艦長に言う?」
「いえ! 私も一緒に行きたいんです!」
「駄目」
「断られても行きます!」
「あのね。これは遊びじゃないんだよ」
「分かってます! 私は何も知らない子供じゃありませんから! もしキラさんが断るのなら、今すぐ基地内の警報を全部鳴らしますよ」
メイリンはニッコリと笑いながら簡易的な装置を見せて笑った。
その姿にキラは真実困ったという様に笑う。
「じゃあ」
そして、メイリンに言葉を掛けようとした瞬間、次の訪問者がノックをする。
「今日は忙しいな」
「みたいですね」
キラはメイリンの言葉に呆れながら、扉を開けて、勢いよく飛び込んできたピンク色の少女を受け止める。
「君、ミー……あ、いや、ラクス。どうしたの?」
キラはラクスことミーアを部屋の中に入れながら、尋ねた。
どうせくだらない用事だろうと考えながら。
しかし、ミーアは真剣な表情でキラを射抜く。
「逃げるってどういう事!?」
「大きな声出さないでよ!」
「良いじゃない! ここに居れば! ここなら、キラは英雄なのよ!? みんなキラを慕ってる!」
「慕われたい訳じゃないんだよ。僕は。大切な人を守りたいの」
「それって、ラクス様?」
「まぁラクスもその一人だね」
「……なによ。そんなの」
「ミーア?」
「何よ! 今日まで、プラントでずっと頑張ってたのは私! 私なのよ!」
「それは分かってるよ。僕はよく知ってる」
「なら、なんで! なんで出て行くなんて言うのよ!」
「ここじゃ守れない物があるからだよ」
「どこに、行くの……?」
「オーブ。まずはカガリとラクスの所に戻って、アークエンジェルを探す」
「アークエンジェルは、もう沈んだわ」
「そうそう簡単に沈まないよ。あの艦は。きっとオーブに戻ってくる」
キラの言った言葉にミーアは唇を噛みしめて、キッとキラを睨みつけた。
「ラクス・クラインは私よ」
「ミーア?」
「違う! ラクスは私! 私がラクスよ! キラは、平和の歌姫の近くに居なきゃいけないんだから! ここに居なきゃ駄目よ!」
「……君はラクスじゃない」
「ラクスよ! だって、ずっと、私そうやってやってきたもの! 私がラクス!」
「前も言っただろ。ミーア。君はラクスじゃない。それに、多分、そんなにしないでラクスは表舞台に戻る。そうなる前に君はただのミーアに戻るべきだ」
キラの言葉にミーアは酷くショックを受けた様に、よろけた。
そして震える瞳でキラを見つめる。
「いや、いやよ。ミーアに戻ったら、私はもう」
「ミーア?」
「ね、ねぇ。キラ。見て。私を、見てよ」
「見てるよ。ミーア」
「違う!! 私は!」
「……話にならないな。悪いけど、僕は急いでるんだ。もう一秒だってこんな所には居たくないんだよ」
「ま、待って」
「じゃメイリン行くよ」
キラは、キラとミーアのやり取りを見ていたメイリンの手を握ると、悲し気な顔をしたミーアの隣を通って、扉から出て行こうとした。
しかし、ミーアがメイリンの手から、警報を鳴らす装置を奪った事で、キラの目が再びミーアを捉える。
「出て行くのなら、これを鳴らすわ!」
「ミーア」
「ラクスだって言ってるでしょ!! 貴方ばかり危険な場所に送る人なんかより、私の方が貴方の隣に立つ平和の歌姫に相応しいじゃない! 私の方がラクス・クラインじゃない!」
「君がどうしてそんなにその名前に固執するのか分からないけどね。僕はラクスがラクスじゃ無くなっても、構わないんだよ。僕が求めてるのは、僕の知っているラクスだけだ」
「っ……あぁ……」
ミーアはその場で崩れ落ちて、手から警報装置を落とす。
キラはその装置を回収すると、メイリンと共に部屋を出て行くのだった。
そして、メイリンと共に車に乗りながらMSハンガーを目指す。
「何か可哀想でしたね。あの人」
「しょうがないよ」
「そうなんですか?」
「まぁ……僕はそんなに器用じゃ無いから。二人の人間を同時に愛する事は出来ない」
「……私もキラさんの事好きです。って言ったらどうします?」
キラは信号で止まった車の中でメイリンへと視線を送る。
そして、真剣な表情でキラを見つめるメイリンに、ため息を吐いた。
「同じだよ。僕は器用じゃ無いからね」
「残念です」
「メイリンならきっといい相手がいるよ」
「分かりました。じゃあこれからはセナちゃんにアタックします」
キラはメイリンの言葉に車を滑らせたが、何とか通常通りの道に戻す。
「怒るよ。メイリン」
「まぁ。お仕置きですか? キラお姉様」
「本気で怒るよ」
「……ごめんなさい」
『もしもし? お姉ちゃん?』
「うん。聞こえてるよ。セナ」
『こちらの準備は終わりました。そちらはどうですか?』
「こっちももう少しで着くよ」
『分かりました。では、五分後に基地内のシステムを全て落とします。よろしいですか?』
「うん。お願い」
そして、キラは荒々しく車を止めると、中から出て一機のグフに近づいていく。
しかし。
「隊長!」
「っ!? レイ!!」
キラが来るのを待っていたとばかりに銃を持ちながら現れたレイに、目を見開きながら両手を上げる。
「やっぱり逃げるんですか? 俺達から」
「正確にはザフトから、ね」
「同じ事です! 俺達にはザフトしか生きる場所は無いのに!」
「そんな事は無い。生きる場所なんてどこにでもあるんだよ。レイ。オーブにおいで。シンやルナと一緒に」
「貴女はザフトに、セナの傍に居るべきだ!!」
「レイ!」
キラはレイが激昂した瞬間に、雨で濡れた地面を滑る様に走り、レイの近くに向かって手に持っていた銃を蹴り飛ばした。
「そのセナもオーブに行くんだよ。レイ」
「セナはオーブには行きません。決して」
「……? レイ?」
キラはレイの言葉に首を傾げるが、その答えが返ってくるよりも前に、ハンガーの電気が消えた。
「時間か!」
キラはレイから離れて、メイリンが先に乗り込もうとしているグフへと急いだ。
「キラさん!」
「先に入って!」
「はい!」
「メイリン!! 隊長を惑わして!!」
レイはキラに蹴り飛ばされた銃を拾い、グフに向けて銃を放つが、それはグフの装甲に弾かれるばかりだった。
そして鳴り響く警報と共に、グフは立ち上がり、空に向けて飛翔する。
「セナ! こっちはMSを手に入れたよ!」
『分かりました。では、セナ・ヤマト。ホープ。出撃します……さようなら、ミネルバ』
キラは急いでセナへと連絡し、セナもまたミネルバのシステムを奪い、ホープで夜空へと飛び立つのだった。
はい。
セナ(とキラとメイリン)脱走
ゆるして……ゆるして……
ちゃうねん!
ほら、原作もアスラン脱走って言いながら、メイリンも脱走してるし。
ね?
うん。
まぁ、小説の方はシリアスやってるからあんまりギャグやらない様にしよう。
では。
次回「PHASE-47『雷鳴の闇』」
君は生き残れるか……! ドギャーン