ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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PHASE-47『雷鳴の闇』

(第三者視点)

 

 

 

ここまで多くの物を失ってきたシン・アスカは、デスティニーの整備を手伝いながら、その強さに喜びを感じていた。

 

これで、全てを守る事が出来ると。

 

もう何も失わなくて良いのだと。

 

しかし、そんなシンの未来を暗示するかの様に、工廠内の電気が全て消え、完全な暗闇に包まれる。

 

そんな中、シンの懐に入っていた携帯端末が鳴り響いた。

 

「もしもし? レイ? 何か急に電気が消えちゃってさ」

 

『シン! デスティニーとレジェンドの発進準備をさせろ!』

 

「え? なんで?」

 

『隊長が、機体を奪って逃走した!』

 

「えぇ!? な、なんで!」

 

『おそらくは、まだアークエンジェルに囚われているんだ。動揺しているのかもしれない!』

 

「っ!」

 

『あの艦を落とした俺たちの責任だ。止めるぞ!』

 

「……あぁ! 分かった!」

 

シンは急いで近くに居る整備員に言い、二機の発進準備をする。

 

しかし、その心は激しく揺れ動いていた。

 

 

 

そんなシンの心を知ってか知らずか、キラは海上でセナと合流し、逃げる為の準備をしていた。

 

ジブラルタル基地に合流する地球軍の中に紛れていたレドニル・キサカが用意したボートに乗り移り、グフを自動操縦に切り替える。

 

そして、ホープに乗っていたセナにもボートに乗る様に言ったのだが、それはセナによって拒否され、さらにボートの操縦を奪われてしまう。

 

走り出したボートの上で、キラは船体にしがみつきながらホープへと通信を繋げた。

 

「セナ! 何を!!」

 

『ここは私が引きつけます。お姉ちゃん達はこのまま脱出を』

 

「セナ!! 一緒にオーブへ帰ろう! 僕たちの家は!」

 

『オーブへは帰れません』

 

「セナ! 我儘を言うんじゃない!」

 

『……お姉ちゃん。アスランお兄ちゃんに伝えてください。ごめんなさいと。そして、貴方に妹だと言って貰えて、幸せだったと』

 

「セナ!!」

 

『これから、世界は本当の平和と幸せを手に入れます。キラお姉ちゃんもどうかラクスさんと幸せに』

 

「セナぁぁあああ!!」

 

キラの声は激しい嵐の音に飲み込まれ、海の彼方へと消えていった。

 

 

 

そして、セナはそんなキラやメイリンの姿を見送りながら、基地からこちらへ急速に接近する機体に視線を向ける。

 

ZGMF-X42Sデスティニー。ZGMF-X666Sレジェンド。

 

どちらもセナが設計から関わっている機体だ。

 

その強さはよく知っている。

 

だから、確実にここで二人の足を止める必要があった。

 

「ここから先は私の演技力が重要ですね。まぁ、そこは慣れたものですが。後は生き残る事が出来るか……いや、それはもうどうでも良いですね。別に私が生きようが死のうが、もうプランは止まらない。世界は平和になる。後はお姉ちゃんとお兄ちゃんが何を選択するか。それだけです」

 

セナはホープの翼を広げ、グフを操りながら、デスティニーとレジェンドに向き直るのだった。

 

『セナ! 隊長!』

 

「シン君とレイ君ですか」

 

『基地へ戻れ!! まだ!』

 

「脱走は重罪です。戻っても無事では済みません」

 

『今ならまだ間に合う! 基地は誰も気づいていない!』

 

「それでも……私たちは」

 

セナはそうと分からない様にグフを操りながら、シンの駆るデスティニーに牽制の意味で4連装ビームガンを放ち、ビームソードを抜き、横に薙いでホープに迫るデスティニーを遠ざける。

 

『っ! 隊長!!』

 

「お姉ちゃん!」

 

『駄目だ! シン! まずは戦闘力を奪え!』

 

『でも!』

 

『このままでは基地の機能が回復し、二人の逃亡がバレる! そうなれば、全てがおしまいだ!!』

 

『くっそぉぉおお!!』

 

シンは覚悟を決め、ビームライフルをグフに向けた。

 

それを見て、セナは小さく笑みを造る。

 

「お姉ちゃんをやらせる訳にはいかない!! ホープ、システム起動!!」

 

セナはホープのシステムを使い、デスティニーの操縦を奪い取った。

 

『これは!?』

 

『どうした! シン!』

 

『デスティニーが、動かない……! いや、勝手に動いている!』

 

『セナか!』

 

レジェンドはビームジャベリンを抜き、ホープへと迫るが、それを阻む様にグフが立ちはだかった。

 

『くっ! 隊長! こんな事は無意味だ! どの道、グフではレジェンドは止められない!』

 

そしてその言葉通り、グフはパワーで押し負け、ビームソードごと腕を切られてしまう。

 

『終わりだ!』

 

「やらせません!!」

 

しかし、セナはホープを動かして、レジェンドの背部ドラグーンからのビームをシールドで受け止めると、シールドを破壊されながら、グフと共に後方へと飛んで行った。

 

『『セナ!! 隊長!!』』

 

「……! そう、か。いい方法が思いつきましたよ」

 

セナはグフを自分から遠ざけ遠方に逃げる様に操作しつつ、デスティニーのシステムに入り込んで、仕込んでおいたシステムを起動させる。

 

「今、システムを起動しました」

 

そのセナの言葉が切っ掛けとなり、デスティニーは完全にシンの操作を跳ね除け、勝手に行動を始めた。

 

敵と認識した機体を落とす為に。

 

『止めろ! デスティニー!! 止まれ!!』

 

「今、デスティニーの自動操縦プログラムを起動させました。敵を排除するまでその機体は止まりません」

 

『敵!?』

 

「……ホープです」

 

『止めろ! 止まれ!! デスティニー!! お前はそんな事をするために!』

 

『シン!』

 

『レイ! デスティニーを止めてくれ!! 早く!!』

 

シンはレイに叫ぶが、レジェンドの放ったビームはデスティニーが作り出す残像によってかわされ、デスティニーは高速で動きながら、ホープを追い詰めてゆく。

 

「シン君も、レイ君も、私が落ちたら、きっと、止まってくれますよね。これで、お姉ちゃんは……逃げられる」

 

『セナ!! もう良い! 止めろ!!』

 

しかし、セナが口にした形になる事は無かった。

 

デスティニーによってホープが破壊されていた為か、グフが高速で戻ってきたのだ。

 

そしてデスティニーは、武装をデスティニーに向けるグフを、敵と認識した。

 

『え?』

 

決着は一瞬であった。

 

4連装ビームガンを放つグフはデスティニーの放ったビームブーメランによって腕や足を落とされ、直後急加速したデスティニーがグフのコックピットに右手を当て、超至近距離のパルマフィオキーナでその部分を撃ち抜いた。

 

『キラさん! メイリン!!!』

 

『くっ! シン!!』

 

そして、背後から迫るレジェンドの攻撃も空中で反転しながらかわし、ビームソードを背中から抜いて、光の翼を展開しながらホープへと迫った。

 

『止めろぉぉおおお!!!』

 

シンの叫びも虚しく、ホープは雷鳴の中、腹部を貫かれ、海へと落ちる。

 

直後大爆発が海上で起こり、デスティニーはようやくシンの操縦を受け付ける様になるのだった。

 

『はぁ……はぁ……俺、おれは?』

 

『シン! セナを探すんだ! シン! 聞こえるか!』

 

『レイ……? 俺は』

 

『ホープのコックピットは胸部だ! まだセナは生きている! 急げ』

 

『せな……いきてる、生きている』

 

シンは必死にデスティニーを海中に飛び込ませ、ホープのコックピットブロックを探した。

 

そして、海中へと沈んでゆく、コックピットブロックを見つけ出し、そこからセナを助け出すのだった。

 

デスティニーの手の上で眠るセナは目を覚まさず、動かない。

 

『あ……あぁ……』

 

『シン。急げ。基地へ戻るんだ』

 

シンはレイの言葉に自分を取り戻し、コックピットの中へずぶ濡れのセナを入れると、急いで機能を取り戻しつつあるジブラルタル基地へと戻るのだった。




はい。
今回の話は構成が結構大事でして。
まず冒頭部でシンがデスティニーに大きな希望を抱いている所から始まる訳ですね。
そして、そんなシンの願いはこの力で大切な物を守る事。

しかし、その力が起こしたのは、自分が守りたかった大切な物を壊す事。
うーん。美しい。
これ以上の芸術は無いでしょう。(自画自賛


という訳でデスティニーとレジェンドの初出撃です。

まぁ、予定調和な感じですね。
ほら、そろそろ乗り換えの時期だし。
古い機体は処分しないとね。

という訳で、また次回~
明日はいっぱい更新します。
時間は未定!!
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