ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
プラントの防衛の為に出撃したイザーク達は、プラントに向けて動く物体があるとして警戒の為に出撃していた。
そして、そのオニール型コロニーとそれを守る為に存在する地球軍の護衛艦隊と戦闘状態に入るのだった。
「チィ! 報告通りけっこうな数だぞ」
『ああ。けど一体何故こんなところに』
『何か嫌な予感はしているんですが……なんでしょうか。この感じ』
「分からん。だが、このまま放置は出来ん。行くぞ!」
『おう!』
『はい!』
戦闘に入ったイザーク達は、その動くコロニーに意識を向けつつも、それ自体が何か出来る物でも無いため、あくまで地球軍の艦隊に攻撃対象を限定していた。
しかし、それは悪手であった。
「制動をかける? こんなところで!?」
『何だ? 何をやろうとしている!』
『イザーク! 今はあのコロニーを止める事を優先しましょう!』
「分かっている! とにかく止めるんだ!エンジンへ回り込め!」
『あぁ!』
『行きます!』
そしてイザーク、ディアッカ、ニコルは遅ればせながらコロニーへの攻撃を開始し、それと同時にイザークは母艦からの報告に叫び声を上げた。
『ジュール隊長! セナ嬢が出撃を!』
「何ィ!? 呼び戻せ!! まだ地球軍とは交戦中なんだぞ!!」
イザークが叫び、母艦から出撃したセナを止めようとした瞬間……この戦場にいるザフト全軍にメッセージが届く。
「なんだ、これは……? ヤマト隊が発見した地球軍の兵器? 曲がるビームだと!!? まずい!! 全軍回避っ!」
『月の裏側に高エネルギー体発生! こ、これは!』
イザークの叫びと母艦のオペレーターの声が重なり、コロニーの付近にいたMSは全てがその巨大ビームの範囲外から離脱する。
『イザーク!』
「何だこれは!?」
『ビームが曲がった!?』
『まずいですよ!! この方向は!!』
「う!」
『あ!?』
直撃すれば死を免れないその極大のビームはプラントへと真っすぐに向かい……その直前に現れた巨大なMAによって受け止められた。
『あれは!』
「ホープか!! 止めろセナ!! 死ぬぞ!!」
イザークの叫びも虚しく、ホープの発展形として生み出された守る事に特化したその機体、ホープセイバーは両腕を広げ、レクイエムの巨大なビームを受け止めた。
激しくアラートが鳴り響くコックピットの中で、セナは祈る様にホープセイバーの陽電子リフレクターを動かし続けていた。
レクイエムを受け止めきれなければ死ぬ。
受け止められれば自分もプラントも無事。
酷く簡単な図式でありながら、状況としてはセナ以外が見れば最悪である。
「やっぱり……私では駄目ですか、ね!」
コックピットの中では処理が追い付かず、様々な機器が熱暴走して小爆発を起こしている状態であったが、不思議とその機体は安定し、レクイエムの光を確かに受け止めている。
回収したデストロイを元に、ザフトが独自に開発した支援メカであり、ホープセイバー専用の絶対防衛形態であるデミスシルエットは、ホープセイバーから発せられているオーロラの様な光によって破壊されながらも、守るというセナの願いを叶え続けていた。
そう。セナがハインラインと共に発見した新素材が、セナの想いに応え、機体のスペック以上の力を発揮しているのだ。
その結果。
レクイエムは人の住まうプラントには直撃せず、セナが慰霊用にと作った前大戦の戦没者が眠るプラントを一部破壊するだけで消えてゆくのだった。
「……っ!」
レクイエムの光が消え、宇宙が再び暗闇を取り戻しても、人々は守られ、ホープセイバーもボロボロでありながら何とか無事であった。
「おわ、った?」
『……ナ! ……えるか! セナ!!』
「は、はい」
『貴様ァ!! 誰が出撃許可を出したか! バカ者め!』
「ごめんなさい。イザークさん」
『こっちを片づけたら、すぐに戻るからな! ボルテールで待っていろ! 三時間は説教だ!』
「……はい」
セナは荒い呼吸を整えながら、遠くで始まった戦闘を見つめた。
そして、ホープセイバーの性能に目を細める。
「人の意思を力に変える素材、ですか……。まさかこの世界で見つけるとは思いませんでしたが。でもどうやら本物の様ですね」
セナはコックピットの中でその小さな手を強く握りしめる。
ようやく終わるのだと。
願いが叶うのだと、笑う。
「これで戦争は、この世界の戦いは全て終わる。全ては過去になる。平和を願う人の意思を増幅し、世界を包めば……」
セナはこれで全てがうまくいくのだと笑った。
本心から……そう。何年振りか分からない本心からの笑顔で。
プラントから離れた場所を移動中であったメサイアはその攻防の一部始終を観測し、映像として録画していた。
全てはギルバート・デュランダルの意思の下でだ。
そして、青い顔をしながらモニターを見つめていた者たちが、ボロボロのホープを見て、ゴクリと唾を飲み込む。
「録画は終わっているな? 世界中にこの映像を流せ。後はホープセイバーからの通信を全世界へ」
「は、はい!」
「……ラクス・クラインらは間に合わなかったか。まぁ、これで我らが立つ理由も出来た。良しとするか」
「……議長」
「なんだ?」
「議長はこの兵器の事をご存知だったのですね」
「あぁ。この兵器で使う為であろう廃棄コロニーの情報が上がってきていたからな」
「では! 何故! 避難勧告を!」
「した所で無意味だろう。どの市が狙われるか……いや、違うな。どの市が実際に撃たれるかは分からないのだ。避難指示などしようがない」
「しかし、それでも!」
「それで、無用な混乱を招けと言うのか? 君は」
「いえ……そうではありませんが」
「それに、避難など無意味だ。彼女が居るのだからな。一度ホープセイバーの動作実験を見たが、凄まじい物だったよ。まぁ、かの兵器は想定よりも強大であったが、それだけだ」
「しかし、セナ様を矢面に立たせる必要があったのでしょうか!?」
「あるな。ホープセイバーの装甲にはセナの発見した新素材が使用されているが、あの素材は人の想いに反応するらしい」
「人の、想いに……?」
「そうだ。だからあの機体にはセナが乗らなくては意味がない。何故か分かるかね?」
「……いえ」
「この世界に生きる者で、武器よりも言葉を選び、心から平和を望んで、それを世界に訴え続けて来た者はセナ以外に居ないからだ。かのラクス・クラインですら平和を訴えながら銃を持ち、それを当たり前と考えているのだぞ」
「それは」
「相手が撃ってくるから、か。まぁ、そうだな。それは酷く当たり前な思考だ。故に。そんな当たり前の思考しか持っていない我らにはあの機体の力を発揮する事は出来ないだろう。ホープセイバー。希望の救世主などという存在は、狂人にしかなれないという事だ」
「……」
「準備を進めろ。準備が出来次第、デスティニープランを実行する!! もはや個々の意思など関係ない。全てが平和への願いによって押し流され、この世界から争いは完全に消え去るだろう」
デュランダルの言葉に周りの人間は懐疑的な顔をしながらも指示に従ってゆく。
しかし、そんな者たちを見ながらデュランダルは笑った。
結局。この世界に居る人間たちは大きな流れに流されているだけの者たちなのだと。
「後は……一応宇宙へと呼んでおいた方が良いか。地上は荒れる可能性があるからな」
「は?」
「ミネルバを宇宙へ呼べ。メサイア防衛の任につけろ」
「その事ですが、議長」
「なんだ」
「……先ほど連絡が入ったのですが。ミネルバはオーブ攻防戦以降、行方不明となっております」
「なんだと!?」
デュランダルはこの瞬間になって、ようやく自分の手から最大の駒が落ちている事に気づくのだった。
はい。
一部武装、機体等他版権作品クロスオーバー要素あり
のタグは追加しておきました。
とは言っても、知らなくても読める様にはなってますが。
知っている人向けに言うと、「 T 」です。
なんちゃらフレームって奴ですね。
この辺りの話が、この作品における最終章となる「HOPE編」の前準備ですね。
という訳で、また次回~。