ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
ダイダロス基地へ向かって進んでいたミネルバ、アークエンジェル、エターナルは進行方向先から発生した高エネルギーに、その行く先を調べ、神に祈った。
そして、その祈りが届いたのか、地球軍の放ったその破滅の光はプラントに直撃する事はなく、プラントの前に現れたMAに阻まれ、僅かに逸れた物が慰霊用のコロニーを一部破壊しただけで済んだのである。
まさに奇跡のような出来事であった。
シンは思わず流れてしまった涙をそのままに、プラントを守ったMAに感謝した。
父を母を妹を。
プラントに残してきた家族を守ってくれた事に、深く深く感謝した。
そして、その映像を見る。
火花が散るコックピットの中で真っすぐにこちらを見ているセナの姿を。
『皆さん。どうか落ち着いて下さい』
「っ! セナ!」
「ちょっと、大丈夫なの!? これ、あの機体にセナが乗ってるって事よね!?」
ハッキリとは見えないが、巨大な人型のMSに良く似たソレは、本来は黒い機体だと思われるが、表面に流れるオーロラの様な光がその色を分かりにくくさせている。
そして、その背にある大きなリングが、光を帯びながらオーロラの様な光を世界に向けて放ち始めた。
さながら神話の天使の様であるが、どこか禍々しさも感じる物であった。
『私は……争いを望みません。人と人は分かり合える。そして、どうかその想いを、皆さんにも分かっていただきたいと考えております』
「っ! なんだ!?」
「なに……これ? 頭の中で、セナちゃんの声がする?」
「……始まったか」
「レイ。何か知ってるのか?」
「あぁ。だが……少し待て」
レイはそう言うと、モニターの電源を切る。
そして、電源が消えた瞬間に、シンとルナマリアが感じていた謎の感覚が消え去った。
「艦長! レイです!」
『レイ!? どうしたの?』
「すぐにセナの放送を切って下さい。そして、アークエンジェルとエターナル。別行動をしているオーブの艦隊にも打電を!」
『えぇ!? どういう事!?』
「このままでは戦う事が出来なくなります。とにかく急いで!!」
『わ、分かったわ! アークエンジェルとエターナルを呼び出して! 早く!!』
レイはブリッジへ通信を繋げてから頭を軽く押さえて左右に振り、いつもの真剣な表情に戻った。
「レイ。さっきのは何だったんだ……?」
「セナの願いだ」
「願い?」
「世界を平和にしたい。争わないで欲しい。武器を捨てて欲しい。そういうセナの願いを増幅し、セナの声を聞いた者に届けていたんだ。心に直接な」
「……」
「セナが発見した旧世界の遺物を使い、連合が作り出した『ゆりかご』と呼ばれる洗脳装置を通してセナの声を届ける事により、人から闘争心を奪い、憎しみを奪い、平和を望む心を植え付けているんだ」
「そんな事が可能なのか?」
「その効果は実際にお前が今、感じただろう?」
シンはレイに言われ、自分の胸に手を当てた。
先ほどまではシンの胸にあった、ジブリールに対する憎しみ、そしておぞましい兵器を見た怒りが消えているのをシンは感じて、ようやく震えるような恐怖を覚えた。
そして、ルナマリアと目線をかわした後、レイを見据える。
「こんな事をして、セナは何をしようって言うんだ」
「さっきセナが言っていただろう。争いを望まない。人と人は分かり合える、と」
「こんな方法じゃなくても! 人は、分かり合えるだろ……?」
「……どうかな」
「レイ」
「シン。俺とお前は憎しみのままにアスラン・ザラを討とうとした。戦争を止める為という理由を掲げてロゴスを討った。それだけじゃない。俺たちは様々な理由を作り、争い、殺し合っている」
「でも! ステラとだって分かり合えた! アスランだって!」
「だがそんな物は俺たちの事情でしかない。世界を見れば、争いの火は消えていない」
「それは! そうかもしれないけど!!」
「だからセナと議長は、この世界を変える為に動き出したんだ。これで世界は変わる、それが良い事なのか。悪い事なのか。それは分からないが……確かに変わるんだ」
「……レイ」
「とにかく今はダイダロス基地だ。もっとも……もう手遅れかもしれんがな」
そして、レイの言葉が真実であったと証明する様に、ミネルバらが近づいてもダイダロス基地は一切の防衛行動を取る事はなく、警戒しながらも基地の内部へと進んだシン達が目撃したのは、涙を流しながら家族や、恋人、友人に謝罪する兵士たちの姿だった。
「これは……」
「おそらくセナの放送をきっかけとして、強く良心が揺さぶられた結果でしょう。もはや戦えないと思いますが、基地の無力化はするべきだと考えます」
「そうだね。レイの言う通りだ。みんな。あの兵器を使えなくするよ。それに、核ミサイルとかその辺もね」
キラの合図に皆がそれぞれの場所に散ってゆく。
ただ、その中で一人アズラエルだけはダイダロス基地の指令室の中をゆっくりと見まわしながら疑問を口にした。
「おかしいですねぇ?」
「何がですか?」
「ジブリールの姿がありません」
そのアズラエルの言葉に皆がハッとなりながら、周囲を見渡すが、確かにどこにもジブリールの姿は無かった。
しかし、床に落ちていた血痕をクルーゼとムウが見つけた事で、一行は慎重にその血痕が続く先へ向かう。
そして、その暗い部屋の中で真っ青な顔をしながら、腕から血を流し、椅子にもたれ掛かっているジブリールを見つけるのだった。
「おや……っ、おや。随分と、遅い、ご到着だ……」
「ジブリール」
「貴方は、アズラエル。我ら、から……逃げた男が、今更」
「貴方方と仲良しこよしの仲間だった覚えはありませんね。利用できるから利用していただけだ」
「それ、でも……コーディネーターを、憎んで、いたのだろう!」
「えぇ。正確には『いた』ではなく『いる』ですが」
「ならば」
「セナが争いを望んでいなかったので」
「っ、くぁ……」
ジブリールはアズラエルの言葉に、セナの声を思い出して涙した。
そして、それを振り払う様に自らの腕を押さえつけて、うめき声を漏らしながら、キッとアズラエル達を睨みつける。
「あの、砂時計を……全て破壊すれば……世界は、あの、少女は!」
「セナはそんな物を望まない。その程度の事も分からないから、こんな無駄な事をして苦しんでいるんです。さ。誰か医者を呼んでください。こんな男でも、地球の経済を管理していた男だ。殺せば無用な混乱を招く」
「でも!」
アズラエルの言葉にシンが噛みつくが、アズラエルは小さくため息を吐くとシンを指さして笑う。
「別に。貴方が秩序なく無差別に暴れまわるテロリストを全て相手にするというのであれば、構いませんがね? そんな未来がお望みですか?」
「っ! 俺は!」
「はいはい。シン。ごめんね。向こうで話をしようか」
「いや、隊長!」
シンはキラに連れられ外へ出る。
そんなキラを見ながらアズラエルはやれやれと一人呟くのだった。
「……なぜ、わたしを、ころさない」
「僕一人で地球を管理するのは面倒だからです。セナを神の座から引きずり下ろした後は忙しくなるんですから」
「……神、か」
ジブリールは椅子に深く体重を預けながら天井を見て、意識を失う前に小さく呟いた。
「いや、あの子は……ただの少女だったよ」
はい。
特にジブリールの過去に興味がある人は居ないので、オールカットですね。
という訳で、セナの想いをみんなが理解して、世界を平和にする計画が進行中です。
全世界の人間から強制的に戦闘する意識を消し去って、
平和ダイスキーという思考を植え付ければ、世界は平和になる(確信
これ以上ない程にクリーンな戦争かつ恒久平和を手に入れる方法ってワケですね。
そして、デスティニープランによって、人は完全に管理された社会で生きてゆく事になり、いつしか争うという言葉を忘れてしまう事でしょう。