ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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PHASE-13『崩壊の大地』(後編)

(第三者視点)

 

 

 

帰投したマシューとミゲルの戦闘データを確認していたクルーゼは一つの疑念が確信に変わるのを感じた。

 

「やはりな」

 

「隊長。やはりというのは」

 

「情報に無かった一機、このМSのパイロットは、コーディネーターだ」

 

「まさか……!」

 

クルーゼの発言に、会議の場に居たナスカ級高速戦闘艦ヴェサリウスの艦長アデスは顔を強張らせながら、その言葉を否定する。

 

しかし、クルーゼはそんなアデスに笑みを返しながら、自身が得た確信を口にするのだった。

 

「まず間違いあるまい。戦闘中に敵機のシステムにハッキングし、その制御を奪う。そんな真似がナチュラルに出来ると思うか?」

 

「それは確かに……そうですが」

 

「しかし隊長。そんな芸当コーディネーターでも出来ませんよ」

 

「いや、出来る。少なくとも一人出来る者を私は知っている」

 

「……」

 

「エイプリル・フール・クライシスにて、我が軍の機密であるニュートロンジャマーの情報を盗み出し、さらにそれの無効化装置を作った少女ならば、可能だろう? ザフトの機密を盗む事に比べれば、ジンの制御を奪う事など片手間で出来るだろうな」

 

クルーゼの言葉にアスランは、過去にヤマト家であった事を思い出しながら、表情を引き締めた。

 

そう。幼少の頃、アスラン、キラと共に居た少女セナは正義ごっこと言いながら、連合、ザフト、どこぞのテロ組織の通信や情報を盗み出して、そこから民間人が狙われる事件を世間に公開していたのだ。

 

一人でも犠牲が減る様にと祈りながら。

 

「そして通信に記録されていた音声データを例の演説と照合すれば……どうだ?」

 

「こんな少女が」

 

「しかし、分からないですね。なんでこの少女はコーディネーターなのに、連合に居るんですか?」

 

「それは分からんが「隊長!」……どうした? アスラン」

 

「この少女、セナについて私から説明をさせて下さい!」

 

アスランの言葉に、クルーゼは静かに頷くと、その続きを促した。

 

「ありがとうございます。この少女、セナですが、私の幼年学校時代の幼馴染であります」

 

「……なんと」

 

「おい。アスラン。お前、どうやって地球連合の娘っ子と知り合ったんだよ」

 

「違う!」

 

「あん?」

 

「セナは、地球連合なんかじゃない。月で一緒に過ごしてきたセナの本名はセナ・ヤマト。地球連合なんて本当は何の関係も無いんです!」

 

「なら、どうして……」

 

「セナは俺が12歳の時に、誘拐されたんです。多分、脅されるか、騙されるかして利用されているだけなんだ。セナは本当に優しい子だったから、エイプリル・フール・クライシスも、今回の件も、ただ苦しむ人を救いたいってだけで」

 

「いやでもよ。ニュートロンジャマーの無効化装置を作ったなんて、どう考えても敵対行為だぜ? こっちはプラントに核を撃たれてんだからな? また撃たれたら、どうするんだって話じゃねぇか」

 

「でも、ユニウスセブン以降はまだ撃たれていない」

 

「いや、それは」

 

ミゲルの戸惑った様な声に応えたのはずっと黙って聞いていたクルーゼであった。

 

「アスランの言葉の裏付けでは無いが、プラントで独自に、彼女の作った装置を解析した所、核分裂を抑制する作用の無効化機能については解析が出来なかったようだ。まぁ、時間をかければ可能という事だったが、ナチュラルには無理だろうな」

 

「つまり、このセナって子が止めたって事ですか?」

 

「その可能性が高い。という事だ。現に通信を回復させる機能はすぐに解析出来たとの事だしな」

 

「……」

 

「セナは、あの放送された映像の通り、ただ戦争を止めたかっただけだ。でも、その気持ちを連合に利用された」

 

「そうか。分かった! じゃあ、アスラン。お前はどうしたいんだ?」

 

本来、話を進めるのは隊長であるクルーゼなのだが、すっかりミゲルが話の中心になってしまっている状況にも関わらず、クルーゼは己の目的のためにただ静かに流れを見守るのだった。

 

「俺は、助けたい。このまま連合に居続ければセナは苦しむだけだ。だから」

 

「わーかった。じゃあ助けてやろうじゃねぇの。なぁ? オロール。マシュー?」

 

「そうだな。俺も特に何かされたって訳でも無いしな」

 

「アスランの恋人を助けてやるかぁ」

 

「恋人って! そんなんじゃあ! セナは妹みたいな子で」

 

「はいはい。……隊長! 我々は連合に囚われた姫君を救い出すべく、行動したいと考えております!」

 

「ふっ、すっかり忘れられてしまったかと思っていたぞ」

 

「申し訳ございません!!」

 

「まぁ私としては止める理由は無いな。彼女を手に入れるという事は、そのまま連合の戦力が減り、ザフトの戦力が大幅に増えるという事だからな」

 

「隊長!」

 

「ただし抜かるなよ? MS戦までした以上、彼女も容易くこちらに付きはしないだろう。もう一機の新型も居るしな。油断せずにかかれ」

 

「「「「ハッ!」」」」

 

クルーゼの言葉を合図として敬礼で返したアスランたちは、作戦会議を行い、それぞれの機体で出撃する事になるのだった。

 

 

 

そして、再びヘリオポリスの内部に侵入したアスランは、先ほどの会議では確信が無かった為話さなかったもう一人の幼馴染によって苦しめられていた。

 

そう。キラ・ヤマトが駆るソードストライクである。

 

『チッ! なんだコイツ! 速い! 回り込め! アスラン!!』

 

「っ!?」

 

ミゲルはジンで大型のビームライフルを発射するが、ストライクはまるで踊る様に攻撃を紙一重でかわしてゆく。

 

タイミングを合わせたアスランのビームライフルもあっさりと避けられ、お返しとばかりにバルカンがイージスの表面に当たりフェイズシフトに弾かれるのだった。

 

攻防を重ねるたびに、動きの滑らかさと鋭さが増してゆくストライクに、ミゲルとアスランは冷や汗をかきながら追い詰めようと攻撃を繰り返すのだった。

 

しかし、どれだけ攻撃を繰り返しても、ストライクにはかすり傷一つ付かず、ただ全てが無意味に虚空へ消えてゆく。

 

しかも、最悪とは重なる物で、母艦を追い詰めて、ストライクセイバーを出撃させようとしていたオロールとマシューの機体が、アークエンジェルの攻撃によって爆散してしまう。

 

何故か直前で、少女の声が聞こえ、緊急脱出装置が作動し、二人は無事に逃げ出す事が出来たが、機体は完全に破壊され、破壊された機体の一部とアークエンジェルの放った主砲がヘリオポリスのメインシャフトに命中してしまうのだった。

 

「くっ、このままじゃ」

 

『この……! ナチュラルが!』

 

いつまでも好転しない状況に業を煮やしたミゲルは無理に接近戦を仕掛け、攻撃を当てようとするが、やはりストライクはそれらを全て避けて、逆にミゲルの作った隙にビームブーメランを投げた。

 

ミゲルはギリギリでビームブーメランをかわしたが、それはブーメランという武器の特性上ミゲルの背後から戻ってきており、ミゲルの駆るジンの片足を切断するのだった。

 

そして、体勢が崩れた隙にストライクが高速で迫り、ミゲルの駆るジンを斜めに袈裟斬りにし、爆発させる。

 

『うぉぉおおおお!?』

 

「ミゲル!!?」

 

『……こっちは、大丈夫だ! 爆発前に放り出された。アスラン! 後は頼んだ!』

 

「分かった」

 

ミゲルの無事を知らせる通信にアスランは自分を落ち着かせる様に息を吐くが、ストライクはそんなアスランを待ってはくれない。

 

ミゲルのジンを袈裟斬りにした時同様に、大型の対艦刀を振り上げて、アスランの駆るイージスに迫る。

 

アスランはそんなストライクの攻撃をシールドで受け止めながら、ストライクに向かって叫ぶのだった。

 

「キラ! キラなのか!? キラなら返事をしてくれ!!」

 

『……まさか、アスラン? 本当にアスランなの?』

 

「そうだ! 僕だ! キラ! アスラン・ザラだ!」

 

『なんでアスランがここに、何でヘリオポリスを襲うのさ!』

 

「ここで、連合が兵器を開発していたからだ!」

 

『なら、もう良いでしょ!? もうここには何も残ってないよ!』

 

「……まだセナがいる」

 

『っ!?』

 

「セナをプラント本国へ連れてゆく。だから、キラ。お前も」

 

『君も、そうなの……?』

 

「なに?」

 

『地球連合の人たちも、ザフトも同じだ。みんな、みんなセナを利用しようとして、苦しめて!!』

 

「違う! 話を聞け! キラ!!」

 

『もう二度と、セナは誰にも奪わせない……! 僕が、セナを守る!!!』

 

「キラ!?」

 

瞬間、キラのストライクの動きが変わった。

 

先ほどまでの滑らかな動きとはまた違う、荒々しいが、鋭く、力に溢れた物に。

 

アスランはその変貌に戸惑いながら、攻撃を避け、そしてストライクの援護にと飛んできたミサイル群をかわし、高速戦闘を続けた。

 

しかし、アスランの避けたミサイルはヘリオポリスのメインシャフトに当たり、遂にヘリオポリスは大きな音を立てながら崩れ始めてしまうのだった。

 

そして、ヘリオポリスの内部にあった空気は宇宙空間へと流れ、それが大きな空気の動きを作り、МSすらも、その放出される大気に巻き込まれて、何処かへ流されてしまう。

 

そう。それはイージスも、ストライクも例外は無い。

 

「キラー!!」

 

アスランはストライクに向かって手を伸ばしながらスラスターを全開にし、キラを追うが、キラは宇宙空間の闇の中へと消えていくのだった。




後編という名の、ザフト側の視点。
しかし……まだ本編3話で2話使うのか……。
これ、最終話付近とかどうなってしまうん?
前中後とかで済んだらマシレベルな可能性も。

まぁ、良いや。その時に考えましょ。

てな訳で、ヘリオポリスは崩壊しました。
いや、一応ギリギリまで崩壊せずに済む方法があるんじゃないか考えたんですけど。
崩壊した方が、次の話に繋げやすかったので、崩壊させました。(無慈悲

ま、まぁ、本編でも殆どの住民は脱出したってクルーゼ隊長が言ってたし。
血のバレンタインよりはマシだからセーフ。

でも、冷静に考えると、血のバレンタインの被害者24万3721名で
エイプリル・フール・クライシスは約10億人の被害者が出てるんですけど。
流石に一方的な被害者面はもう出来ないのでは……?
やる事やってんでしょ、アンタらも、って感じがしますが。
しかも言ってるの、何も知らない民間人とかじゃなくて、軍人だし。

まぁ、言うてコロニー落としも大した事無かったわとかいう人も、どこぞの漫画に居ましたし。
ガンダム世界の倫理観はこんな物なのかもしれませんね。
良い人は良い人なんだけどなぁ。良い人ほど苦しむのがガンダム世界。

もしガンダム世界に転生した時は、やりたい放題した方が良いって事ですわ。


という訳で、まだ昼なんですけど1話更新しました。
土日は、出来上がり次第更新していく感じになりそうなんで。
よろしくですー。

では!
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