ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

143 / 222
本日2話目の投稿


PHASE-59『最後の力』(後編)

(第三者視点)

 

 

 

セナはホープセイバーで真っすぐに地球へと向かい、両手を広げながら背中にある光輪を輝かせる。

 

「まだ、まだ終わってません! 願いは消えていない! 世界を平和にする為なら、私はどんな事でもやってみせる!!」

 

『もう終わりだよ! セナ!!』

 

「まだ終わってません!!」

 

セナはホープセイバーと共に動かしていた大量の無人機と戦艦をストライクフリーダムに向かわせて、自機から遠ざけようとした。

 

しかし、キラは密度の濃い弾幕のギリギリを滑る様に走りながら、ホープセイバーへと近づこうとする。

 

「来ないで下さい!!」

 

セナはストライクフリーダムの近くにある機体を爆破させ、ストライクフリーダムを無理矢理にでも遠ざけた。

 

そして、自分もまた地球に向かってさらに近づくのだった。

 

グンとホープセイバーが重くなり、地球の重力を感じるような近くまで。

 

「私は世界を変えるんです! 例え、この世界に生きる人の考えを歪めたとしても、それでも!」

 

『そんな事、君に出来るわけが無い!!』

 

「っ!!」

 

『無理なんだよ。セナ! 君にはそんな事、出来ない!』

 

「わたしは」

 

『君自身が、誰よりも人の想いを踏みにじる事が駄目だと分かっているんだろう? なら……』

 

「わ、私は、構わないと思っています! 世界を平和にする為なら、その! 為なら」

 

『なら、なんでセナは泣いてるのさ』

 

「……え?」

 

セナは通信が繋がり、優しい笑顔を見せるキラに、動きを止めた。

 

そして目から溢れる涙をセナ自身もようやく自覚する。

 

『無理なんだよ。セナに悪者なんて、出来るワケがない』

 

「……」

 

『誰かが傷つくと傷ついて、誰かが悲しいと悲しくて、誰かが泣いていると泣く。誰かを傷つけてしまったと一人で泣いている。そんな子に、こんな事出来るわけが無いんだ。そうだろ?』

 

キラの言葉にセナはヘルメットを外し、溢れた涙をぬぐった。

 

戦う為に。

 

そう決めて立ち上がる為に。

 

しかし、どれだけ拭っても涙は止まらない。

 

「私は、間違っていたんですね……」

 

『全部が全部間違いだったとは思わないよ。セナの言葉で、その想いで、みんな一度は平和に向かおうとしたんだから』

 

「……」

 

『だからさ』

 

一緒に帰ろうとキラが言おうとした瞬間、それは起こった。

 

セナが操っていた機体が自爆を始め、その破壊された破片が地球に向かい落ち始めたのだ。

 

そして、キラの駆るストライクフリーダムもそれらの破片と同じ様に地球へと引っ張られ始める。

 

『もう、限界か。セナ! どこに居るの!? セナ! このままじゃ落ちる! 早く戻らないと!』

 

「……ごめんなさい。お姉ちゃん」

 

『セナ! どういう意味!? セナ!!』

 

「私は罪を償わなければならない。長く、多く重ねて来た罪を」

 

キラは何か嫌な予感がすると、必死にセナを探すが、デブリがあまりにも多く、さらに地球に近づきすぎて機体の周囲が赤熱しており、モニターも上手く作用しない。

 

『くっ、このままじゃ!! メイリン!! セナの位置は!!』

 

助けを求める様に、キャバリアーアイフリッドで戦闘宙域を観測しているメイリンに通信を繋げるが、メイリンから帰ってきたのは、更なる絶望の知らせだった。

 

『キラさん! 大変です!! デミスシルエットの自爆装置が作動してます!! このままではドッキングしているホープセイバーも爆発に巻き込まれます!!』

 

『な……に!?』

 

キラはそのメイリンの言葉に動揺し、どうすれば良いのかと思考しつつセナを探す。

 

しかし、あまりのも視界を遮る物も多く、大気圏に突入中ではまともに動く事も出来ない。

 

『だ、誰か……セナを』

 

追い詰められた状況の中、ストライクフリーダムのコックピットで、キラは一人言葉を漏らした。

 

絶望がキラの胸に襲い掛かり、視界が黒に染まっていく。

 

そんな中、一つの声が響いた。

 

 

 

『今行くぞ!! キラ!!』

 

『……あす、らん?』

 

『レイ。まずは残骸を破壊する!! ドラグーンを全て使え!!』

 

『分かった! ラウ! 合わせてくれ!』

 

キラの周囲を覆っていたデブリは、摩擦熱で爆発しながらもビームを放つドラグーンによって消えてゆき、少しずつ道が作られてゆく。

 

そして、落ちてゆくホープセイバーが見え、その前を塞ぐように落ちている戦艦はインフィニットジャスティスのファトゥム-01が突撃し、共に爆散した。

 

『坊主! 乗れ!!』

 

『はい!』

 

『シン! ステラ、守る!』

 

そして、デストロイの両腕が先行しビームを放ちながら小さなデブリを焼き、その後ろを、飛行形態となったムラサメの背に乗ったデスティニーが、真っすぐにセナのホープセイバーへと飛んで行く。

 

『シン!! お願い! セナを!!』

 

キラは地球へと落ちながら、ムラサメに乗ったデスティニーへと迫る巨大なデブリに、ストライクフリーダムの全火力を叩きこんで、それを爆破すると、さらに加速してゆくシンを見送った。

 

『もう二度と!! 俺は、誰も失わない!!!』

 

シンは、ムラサメの背を蹴り、光の翼を展開しながら落ちてゆくホープセイバーへと向かい、さらに加速して、翼も、武装も全てを破壊しながら、ただ前へと進み、デミスシルエットに右手で触れて、掌部ビーム砲パルマフィオキーナを撃ち込むと爆発したデミスシルエットの中からホープセイバーを引っ張り出すのだった。

 

『まずい! あの速度は!』

 

『行くぞ! キラ! このまま終わってたまるか!!』

 

『うん!』

 

 

 

アラートが鳴り響くデスティニーのコックピットで、セナのホープセイバーを救おうと、シンは必死にシステムを動かしていた。

 

しかし、無情にもこの状況ではデスティニーに出来る事はない。

 

『くそっ! このままじゃ!』

 

「シンくん。私を捨てて下さい。デスティニーだけなら……」

 

『そんな事出来る訳無いだろ! 助けるんだ! 俺は!! デスティニーは、誰かを苦しめる為じゃない!! 誰かを守るために、君が与えてくれた力なんだっ!! だから、その力で、今度こそ!!』

 

「っ! ごめ……んなさい。わたし、シン君を、傷つけて」

 

『良いんだ。もう! だから、俺を信じて……セナ!』

 

「……シン君」

 

『セナ?』

 

「願って、下さい。この、ホープセイバーは、人の願いや祈りを力に変えます。だから」

 

シンはセナの言葉にハッとなり、ただひたすらにセナが無事である様にと祈った。

 

そして、セナもまたホープセイバーにシンの無事を祈る。

 

 

 

その日、地上に居る人々。そして宇宙から地上を見ていた者たちは、決してこの光景を忘れないだろう。

 

コズミック・イラ74。12月24日。

 

地球の軌道上で行われたセナとギルバート・デュランダルのデスティニープランはその形を成す事は無かった。

 

しかし、多くの人の願いが集まり、オーロラの様な光をまといながら、流星と共に流れてゆく希望を、人々は見つめ、心に焼き付けた。

 

この世の物とは思えない美しいその光景を……。

 

MSの模型を持ちながら、走る子供も。

 

窓から息子と共に空を眺めていた老婆も。

 

家族を守る為に兵士となった青年も。

 

愛し合う人と共に手を繋ぎながら戦いの行く末を見守っていた恋人たちも。

 

家族が帰ってくるのを待っている夫婦も。

 

皆、同じ光を見て、同じ想いを心に宿す。

 

この想いがすぐに実を結ぶ事は無いだろう。

 

しかし、いつか。

 

終わらない平和が来るようにと、人々は空を見つめながら祈るのだった。

 

 

 

そして。

 

大気圏を何とか抜けて来たキラ達は、流星の後を追い、ホープセイバーとデスティニーを探していた。

 

ただひたすらに流星の背を追ってゆく。

 

そんな中、キラはとある島の上に撃墜しているホープセイバーを発見するのだった。

 

「セナ!!」

 

ストライクフリーダムを加速させ、仰向けで倒れているホープセイバーのコックピットを見るが、誰も居ない。

 

途中で落ちたのか? と周囲を探そうとするキラにアスランから通信が入った。

 

『キラ! デスティニーを見つけたぞ!』

 

「うん!」

 

キラはすぐに飛び立ち、レーダーからインフィニットジャスティスを探して……遠くにデスティニーを発見した。

 

島の岩壁を背に座り込んでいるデスティニーは、武装も翼も失い、右腕も無くしている。

 

しかし、フェイズシフトすらも落ちているというのに、デスティニーはそれでも誰かを守る様にシールドを前に掲げ、正面を見つめているのだった。

 

「……セナとシンは」

 

キラはすぐ近くにストライクフリーダムを降ろすと、コックピットから飛び出して、デスティニーに飛び移った。

 

そしてデスティニーの手の隙間から見えたのは、セナを抱きかかえるシンの姿だ。

 

キラはコックピットの中に片足を入れ、二人の呼吸を確認する。

 

「あぁ、二人とも……よかった」

 

それからキラは二人の無事を皆に伝え、全てが終わったと安堵の息を漏らすのだった。




はい。
DESTINY編終了ぉおおおお!!!
後2話ほど後日談が残っておりますが、本編はこれで終了。
いやー。ストーリーは原作そのまんまって感じでしたね!!

それで。
まぁ、SEEDの時もそうだったんですけど。
書けなかった話が死ぬほどあるね。
こっちは後々外伝でゆっくりですかね。


いやー。しかし満足した。
この話を書くためにDESTINYを(以下略

ハチャメチャ強くて格好いいデスティニーは映画で見たからさ。
シンが本来願ってた守りたいっていう想いを叶えたかった。
それだけなんや。

その為に結構な地獄へ落とした気がするけど、多分許してくれるだろう。


まぁ、なんか終わったみたいに書いてますが、特に終わっては無いです。
ここからみんな大好きFREEDOM編が始まりますからね。
いやー。緊張してきた。(大嘘

とりあえずSEED、DESTINYと完全に原作と同じ流れで書いてきたので。
原作の映画通りの話を頑張って書きますね!!

では!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。