ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
PHASE-60『選ばれた未来』
(第三者視点)
戦いは終わった。
地球の軌道上で行われた戦いは、ホープセイバー、ストライクフリーダム、インフィニットジャスティスに使用されている特殊機能によって、声という形で、この世界に生きる人々に届けられ、人々はセナの想いを知った。
だからだろうか。
あれから一ヶ月程経ったが、世界は未だ静かなままである。
そして、キラは久しぶりにアカツキ島にある家に帰ってきて、何をするでもなく砂浜に座りながら静かに空を眺めていた。
相変わらずというか、宇宙での戦いで散った宇宙艦やMSの破片が地球の重力に引かれ、落ちてきており、流星となって夜空を彩っている。
「……はぁ」
今キラは非常に微妙な立場にいる。
一時期ザフトに所属していたが、脱走しており、現在は脱走兵という扱いなのだが、ザフトからはすぐにでも戻ってきて欲しいというメッセージが毎日の様にキラの連絡先に届いていた。
人手不足なんだろうなとキラは考え、とりあえず考えておきますとだけ返していた。
まぁ、実際には人手不足というだけでなく、キラがザフトに所属して生まれたモノが大きく、また呼び戻せという声が大きいのが原因なのだが、何だかんだと自己評価の低いキラには分からない事情であった。
そして、問題となるのはここからなのだが、現在ザフト、連合の脱走兵という扱いになっているキラに、カガリがニコニコと満面の笑みを浮かべながら自分の秘書をやるか、オーブでアイドルをやるかの二択を迫ってきたのだ。
「いや、アイドルとか意味分からないんだけど」
「まぁ、聞け。キラ。これも全てラクスとの未来の為だ」
「ラクスとの?」
「そうだ。考えてもみろ。ラクスには二つ。特別な所がある」
「いや。ラクスの特別な所は二つどころじゃないから。もっといっぱいあるから。一つずつ言おうか? まずは可愛い所でしょ。次に実は結構嫉妬深い所でしょ。それにそれに、ラクス自身はその嫉妬があんまり良くないって思ってるみたいで、僕に不満を言った後不安そうにしてる所が可愛くて」
「だー! じゃかしい! 今はお前の惚気を聞く時間じゃない! 私は真剣な話をしてるんだ」
「はいはい。分かったよ。それで?」
「あぁ、まぁ。それでだ。まず一つはラクスが元プラント最高評議会議長シーゲル・クラインの娘だという事だ」
「うん。そうだね」
「しかし、この点はキラが私の妹という事で世間から見ても立場が釣り合っている様に見えるだろう。今やオーブは連合、プラントに並ぶ強国だからな」
「うん。あー。なるほど。それでアイドルって訳?」
「そうだ。ラクスはアイドルとしてプラントでは有名だったからな。そこでお前がオーブのアイドルとなれば、より二人は釣り合って見えるだろう?」
「なるほどね?」
「という訳だ。キラ。お前はアイドルになれ。もしくは私の専属秘書だ」
「いや、オーブで働くならオーブ軍が一番良いんじゃ?」
「ダメだ! ダメだ! 軍本部にはユウナが居るんだぞ! 何かあったらどうする!?」
「どうもしないと思うけど。ユウナさんって結構紳士だし」
「とにかく駄目だ! という訳で、二つのどっちにするか決めておけよ!」
そう言って、カガリはさっさと話を終わらせてしまったのだが。
その事がキラを悩ませていた。
キラはカガリとの会話を思い出しながら、砂浜に寝転がり、目を閉じて、戦火の中、消えてしまった少女の事を想う。
「……ミーア」
ただの学生だったキラがストライクに乗り、戦って、フリーダムに乗り戦った。
それから一度は平和になったけど、ザフトに入り、多くの人と戦って、そして多くの命が散っていった。
それらは皆、キラの心の中に刻まれている。
忘れた事など一度だってない。
しかし、それでも、そんな人の中で彼女の存在は特別だった。
誰よりも近くに居た。
誰よりも多くを話した。
そして、誰よりも……強い想いを向けられていた。
冷たい言葉を吐いていたのは、危険な場所から早く離れて欲しかったからだ。
突き放したのは、自分の近くに居ては傷つくと分かっていたからだ。
でも、結局何も意味はなくて、ただ傷つけて、ただ失われた。
それがキラの心をジクジクと蝕んでいるのだった。
「そんな所で寝ていては汚れてしまいますよ」
「……ごめん。ラクス。少しだけ、って!? 君は!!」
キラは聞こえて来た声にラクスだと思って返事をしたのだが、その違和感に思わず勢いよく体を起こして、その声のした方を見た。
楽しそうに笑っているラクスと、その横でどこか不満そうな顔をしているラクスによく似た少女……。
「ミー、ア?」
「あーあ。絶対に分かんないと思ったのになぁ」
「どうして……これは、夢?」
「いいえ。違いますわ。キラ。ミーアさんは確かに生きております」
「そんな、ラクス。でも、どうして」
「あの時、ミーアさんが生きていると知られれば命の危険があったので、それを隠す事にしたそうですわ。申し訳ない事をしたとユーレン様もヴィア様も仰っていました」
「あぁ……」
キラは駆けだして、ミーアを強く抱きしめた。
「夢じゃない。本当に君はここに居るんだね」
「うん。ごめんね。心配かけて」
「良いよ。もう全部。良い。僕は君が生きていたのなら、それで……」
キラは今ここには居ないユーレンとヴィアに感謝した。
そして、生きていてくれたミーアにも同じ様に感謝するのだった。
それから月日は流れ、キラはカガリに一つの書類を見せていた。
「おい。聞いてないぞ」
「うん。だってここまで内緒にしてたし。オーブの話はウズミ様とユウナさんとで進めたからさ」
「なんだと!? お父様とユウナが私を裏切ったのか!? 私はオーブの代表なんだぞ!」
「まぁ、でも参加しない理由はないでしょ?」
「くぅ……オーブが参加する事は認めよう。そこに異論はない。だが、なんだこれは! 聞いてないぞ!」
「言ってないからね」
「キラ!! 私はお姉ちゃんだぞ!!」
「いくらお姉ちゃんでも、僕の人生に口を出す権利は無いかなぁ」
「ぐ、ぐぐぐ!!」
キラはカガリに笑いながら、早くしてと煽る、
そして、カガリは一時間ほど唸っていたが、ようやく折れ、頷くのだった。
「……分かった」
「ありがと。では、これで正式に世界平和監視機構コンパスは活動を始めます! これからよろしくお願いしますね。オーブ代表首長。カガリ・ユラ・アスハ様。僕はこれよりオーブを離れ、コンパス所属、ヤマト隊隊長としてプラントへ向かいます!」
「くぅ! キラぁ!」
「じゃ。またね。カガリ」
そしてキラはそのまま部屋を出ていくのだった。
カガリはそんなキラを見送ってからすぐにアスランを呼び出し、緊急兄姉会議を開催する。
「という訳だ。アスラン。お前にはオーブの軍人としてターミナルに出向してもらう。セナとキラのサポートをする関係上、情報に精通した者も必要だろう。メイリン・ホークも共に連れていけ」
「あぁ。分かった」
「セナが起こした奇跡からこっち、きな臭い動きをしている連中は多い。何としても二人を守り、何だかんだと理由を付けて、オーブへ戻すのがお前の仕事だ。分かったな?」
「分かっている。問題ない。任せておけ」
「では頼んだぞ。アスラン」
そしてカガリは次なる策を考えるべく、軍本部やモルゲンレーテへと連絡を取るのだった。
はい。
本編がまぁまぁシリアスだったし、後日談くらい明るくするか。
と思ったけど、そこまで明るくならなかったですね。
いや、約一名明るい方が居ますけど。
夫婦でギャグやってる所ありますけど。
実は本編中一瞬しかシリアスやってないらしいですよ。代表。
私の中に残された最後の良心なのかもしれない。
という訳で映画のポジションに移動中ー移動中ー。
ま、今日はこんな所ですかね。
ではまた明日ー