ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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本日1回目の投稿


AFTER-PHASE『シン』

(第三者視点)

 

 

 

戦争が終わり、デスティニープランも終わり、静かになった世界でシンは、プラントへ一度戻って家族の無事を確かめた後、セナが居るという慰霊用のコロニーに来ていた。

 

そして、静かなその場所でセナの姿を探す。

 

「……!」

 

レクイエムの影響で、一部が破壊されたそのコロニーではまれに突風がふく事があり、シンはその強風に煽られながらも、コロニーの中心部にある慰霊碑の前でしゃがみ込むセナを見つけた。

 

両手を握り、祈っている。

 

おそらくは亡くなった人の為に。

 

「……」

 

シンはどう声を掛けたら良いか分からず、セナの姿がよく見える場所まで移動すると、セナが祈りを終えるまで待つことにした。

 

一時間。

 

二時間。

 

……シンがセナを見つけてから随分と時間が経ったが、セナはいつまでも動く事はなかった。

 

ただ、ひたすらに、手を合わせ続けているのだ。

 

「シン」

 

「っ、隊長」

 

「ちょっと向こうに行こうか。まだ時間が掛かるからさ」

 

「……はい」

 

そして、シンは休憩所の様な所に座ると、キラが持ってきた飲み物を受け取って礼を言う。

 

「ありがとうございます。それで、隊長。セナは」

 

「うん。あの日。僕らがセナと議長のデスティニープランを壊した時からずっと。変わらないらしいよ。あの場所で。祈ってるみたいだ」

 

キラはコップに入った飲み物を飲み、小さく息を吐いた。

 

「困ったものだね」

 

「……隊長」

 

「なぁに? シン」

 

「俺たちは……いえ、俺は間違っていたんでしょうか」

 

「さぁ。どうだろうね」

 

「どうだろうねって」

 

「分からないよ。未来の事は。何も」

 

「……はい」

 

「でも。僕たちはセナに言っただろう? 戦うってさ」

 

キラはシンに、一枚の書類を見せながら笑う。

 

そこには世界平和監視機構コンパスの詳細と、キラ・ヤマトを隊長とするヤマト隊のメンバーとしてシン・アスカを出向させて欲しいと書かれている。

 

「君はどうする? シン・アスカ」

 

「俺は……俺も、戦います。隊長!」

 

「ありがとう。そう言ってくれるって信じてたよ」

 

キラはシンの手を握ると笑った。

 

そして、よっこいしょなんて言いながら、席から立ち上がる。

 

「じゃあ、最初の任務だ。セナの事。頼んだよ。いつも、祈りが終わると気絶するみたいに倒れちゃうからさ」

 

「隊長は」

 

「これからレイとルナマリア、それにアグネスの勧誘。今は一人でも強い子が欲しいからね」

 

「……分かりました。シン・アスカ。セナの護衛任務に入ります」

 

「うん。よろしく」

 

キラはそれだけ言うと、シンに書類を預けてそのまま去っていった。

 

シンは大事に書類を懐にしまい込むと、再びセナの近くへと移動する。

 

キラが言うには、まだまだ時間が掛かるそうだが、それでも近くに居たかったのだ。

 

 

 

そして、すっかりプラントの時間も夜になった頃、ようやくセナが慰霊碑の前から立ち上がり、帰る為か一度頭を慰霊碑に下げてから振り返って……驚いた顔をした。

 

それもそうだろう。

 

セナのすぐ近くにはシンが居て、何も言わずただセナを見つめながら立っていたのだから。

 

「……っ、シン君。居たんですね」

 

「うん。まぁね」

 

「言ってくれれば良かったのに」

 

「セナのさ。邪魔をしたくなかったんだ。もう」

 

「そう、ですか」

 

セナはシンの言葉に目を伏せて、僅かに震える。

 

「もう寒くなってきたね。帰ろうか」

 

そして、シンはセナに帰ろうと手を差し伸べたのだが、セナはそんなシンの手をジッと見つめる。

 

「セナ?」

 

「シン君は、これからどうするつもりですか?」

 

「俺はコンパスに参加するよ。隊長の下で、戦う。平和が来るまでね」

 

「……」

 

「それがセナとの約束だから」

 

「シン君は、強いですね」

 

「セナほどじゃないよ」

 

「……セナは、強くなんかありませんよ」

 

「セナ?」

 

シンがセナの答えに奇妙な物を感じて、セナに疑問をぶつけるが、セナはただ笑顔で「なんでもありません」とだけ告げた。

 

そして、そのまま歩き始めると、シンの隣を通り過ぎて、ゆっくりと進んでゆく。

 

そんなセナにシンは不思議そうな顔をしながら付いてゆき、その背中が何故かシンを拒絶している様に見えた為、思わずセナの手を取ってしまうのだった。

 

「っ、何か?」

 

「あ、いや。その……大丈夫かなって」

 

「あぁ、その事ですか。セナならもう、大丈夫ですよ」

 

まるで他人事の様に告げられた言葉に、そしていつもと変わらない笑顔の様に見えるのに、どこか寒気がするその瞳にシンはセナの手を離してしまうのだった。

 

「これからも世界の争いは消えないでしょう。ですが、もう大丈夫です。私が居ますから」

 

「……セナ?」

 

そしてセナは再びゆっくりと歩きながら話し始める。

 

「では帰りましょうか。私もそろそろコンパスに参加する為の準備をしないといけませんからね」

 

「やっぱりセナもコンパスに参加するのか」

 

「えぇ。平和へ道はそれが一番の近道ですからね」

 

「そうだよな。でも、大丈夫だ。セナの事は俺が必ず守るから!」

 

シンの言葉にセナは足を止め、振り返ってシンを見つめた。

 

「……傷つけた癖に」

 

「え? セナ?」

 

「あぁ、いえ。なんでもありませんよ。信じてますと言いました」

 

「あ、うん! 任せてくれ」

 

一瞬シンの目にはセナが酷く冷たい顔をしていた様に見えたが、すぐにいつもの顔に戻った為、気のせいだったかと忘れる事にした。

 

そして、それからは何も変わりなくいつものセナと夜の時間を過ごし、シンはセナと共にアスカ家に戻るのだった。

 

 

 

深夜。

 

皆が寝静まったアスカ家で、一つの小さな影がベランダに出てゆき、懐から携帯端末を取り出し、どこかに通話をする。

 

「あぁ、もしもし? 聞こえますか。私です」

 

『聞こえていますよ』

 

「よし。では確認だ。状況はどうなっている」

 

『はい。現在作戦は順調に進行中です。地上に墜ちたホープセイバーはリデラード達が回収し、現在王国内で修復中です。またデミスシルエット四号機も確保しました。こちらの動作実験は未だ行われておりませんが』

 

「構わん。私が戻ってから行えばいい」

 

『承知いたしました』

 

「それで? 母上はどうしている」

 

『何も変わりませんよ。ユーレン・ヒビキやシーゲル・クラインへの恨み言を日々語っております』

 

「フン。変わらないな。あの人も。それで? どうだ。まだ『必要』か?」

 

『いえ。既に我ら兄弟の中でも不要と意見がまとまっております』

 

「ほぅ。イングリットもか?」

 

『あ、いや……それは』

 

「なんだ。話が違うな。オルフェ。皆が不要と判断したのでは無かったのか?」

 

『申し訳ございません』

 

「いや、良いさ。別に責めている訳じゃない。ただ、そうだな。まだアレを必要だと思っている子が居るのなら、残しておいてやろう。どんな物にも使い道はある。それがセナの理想だ。そうだろう? オルフェ」

 

『はい。その通りです』

 

「そう怯えるな。私は慈悲深いんだ。しかし、そうだな。せっかくだし、あれで実験するのも面白いかもしれないな」

 

『ゆりかご、ですか』

 

「あぁ。本番で使う前に実験はしておいた方が良いだろう? 不服か?」

 

『いえ、その……記憶をというのは。母上の記憶にはまだ有益な情報が……』

 

「無いな。もはや価値を感じない。それにな。あの女のせいで私は死にかけた。それだけでも万死に値する」

 

『っ!』

 

「と、言ってもだ。私は感情に支配されている旧人類とは違う。オルフェ。お前が嫌ならやらないよ」

 

『……ありがとう、ございます』

 

「そう固くなるな。私たちは家族だ。仲良くやろうじゃないか。ふふふ」

 

『……はい』

 

「では、計画を進めてくれ。後は頼んだよ。オルフェ」

 

『はい。失礼します。ミア様』

 

少女は通話が切れた事を確認すると、携帯端末を懐にしまい、右手を強く握りしめながら、笑う。

 

「ようやくこの体を取り戻した。待たせたな。セナ。私が今度こそ、ちゃんと平和を作ってやるよ。お前の為にな。完璧なデスティニープランで。ククク」




はい。
これで後日談含めてDESTINY編は終了です。

ちなみに、ここからは基本的に1日1話更新となる予定です。
たまーに2話更新とかするかもしれませんが、基本は無いです。

すみませんな。

ただ、今日は夜にも更新します。
FREEDOM編1話ですね。

次回「PHASE-01『フリーダム強奪事件』」
ではー。また夜に!
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