ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
その報告を受けたミレニアムでは小さな悲鳴がいくつも上がった。
「消えた……ですか? ジャガンナート中佐」
『あぁ。我々が現場に到着した時には既にライジングフリーダムは破壊されており、ヤマト隊長の姿が消えていたのだ』
「まさか、ライジングフリーダムが破壊されるとは、敵はそれほどの存在だというのか」
ジャガンナートの言葉を聞きながら、届けられたライジングフリーダムを解析するハインラインを横目で見つつ、コノエは通信相手であるジャガンナートとの話を続ける。
「それで、敵の正体は」
『分からん。先ほども言ったが、我々が到着した時には既に、だ』
「分かりました。ではこちらでも調査します」
『頼む。彼女はセナ様と並び、プラントの希望だからな』
「承知いたしました」
コノエは通信を切り、ハインラインのモニターに映るボロボロのライジングフリーダムを見ながら語り掛けた。
「どう思う?」
「どうもこうも。犯人は90%以上の確立でジャガンナート中佐でしょう」
「だろうねぇ」
コノエとハインラインの言葉にブリッジが少しだけ騒がしくなる。
が、特に気にせず二人は話を続けるのだった。
「しかし気になるのはヤマト隊長を落としたパイロットです。並の腕では無いでしょう。少なくともジャガンナート中佐が独自に動かせる部隊では不可能だ」
「うむ。そうなると……」
「プラントではない別の勢力の介入です」
「しかし、地球軍はないだろう? ジャガンナート中佐は大のナチュラル嫌いだ。ナチュラルと共闘する事はあり得ない」
「でしょうね。しかしオーブもヤマト隊長を襲う計画に手を貸すとは思えません」
「だろうな。という事は、どこか別の国……」
「その可能性が高いかと」
「ただ、この状況ではまだ分からんな。本国の総裁に意見を伺うとしよう」
「そうですね」
ハインラインはコノエの言葉に頷き、周りからは見えない様に手のひらの上に紙を乗せてコノエにそこに書かれたメッセージを見せながら話を続けた。
「それと艦長。調査は行っていくとして、ライジングフリーダムについては修理を行い、ヤマト隊の誰かを乗せるのでしょうか。それならばそれ用の調整を」
「……いや。その必要はないよ。元のままでいい」
「しかしライジングフリーダムはヤマト隊長用に大分調整しています。並のパイロットには使えない。もしくは遊ばせておくつもりですか?」
「いや? 機体を遊ばせておくつもりも無いし。適当なパイロットを乗せるつもりもないよ」
「では……」
「フリーダムに最適なパイロットを私は知っていてね」
コノエはそう言って笑いながら、指でハインラインのメッセージを確認したと返した。
そう。『ミレニアムの中に裏切者がいる』というメッセージを。
ライジングフリーダムが撃墜され、キラ・ヤマトが行方不明になったという知らせは瞬く間にミレニアムの艦内に知れ渡り、パイロットが集まるブリーフィングルームでは激しい言い争いが行われていた。
「レイ! すぐにでも出撃しよう!!」
「そうよ! 隊長が待ってるのよ!!」
「落ち着け。既に捜索部隊は出ている。お前たちが出たところで出来る事はない」
「分からないじゃないか! 俺、目は良い方だぞ!」
「探す人は多い方が良いでしょ!?」
「良いから落ち着きなさいよ。アンタたち。隊長の捜索がしたいのは分かるけど、地上だってテロだなんだで忙しいのよ? そうそう戦力を遊ばせていられないでしょうが」
「ルナマリアの言う通りだ」
「「……」」
ルナマリアとレイの言葉にシンとアグネスは酷く不満そうな顔をしながらも黙り、大人しくなる。
「とにかく。俺たちの任務は変わらん。地上でテロを繰り返す者たちの鎮圧だ」
「はぁーい」
「分かったよ。レイ」
「納得出来た様だな。では、本題の話をしようか」
「本題?」
「そうだ。隊長のライジングフリーダムだが、現在修復されており、修復次第」
「新しいパイロットね!?」
「そうだ」
「そんなの私! 私よ! 私で決まりでしょ!?」
「はぁ!? 隊長のフリーダムなら俺が乗る! 俺の方が適任だ!!」
「はぁー!? アンタにはジャスティスがあるでしょうが! ジャスティス! 受け取った時喜んでたじゃない!」
「あれは……その、隊長と並べるからで……別に俺はアスランの機体なんか乗りたくないね!」
「隊長から渡された時、何も言わなかったでしょ!」
「だからそれは……! って、そうだよ! アグネスだってジャスティスの時、自分が乗りたいって言ってたじゃんか! アグネスが乗れば良いだろ!」
「覚えてなーい」
「こいつ!」
「二人とも喧嘩は止めろ」
「レイ」
「でも」
「機体に乗る権利くらいでなんだ。みっともない」
「じゃあレイは誰が乗るのが相応しいと思うのよ」
「ふむ。そうだな……」
レイはアグネスの質問に少し考えた後、一つの答えを出した。
「フリーダムは隊長の象徴的な機体だ。ならば、ヤマト隊の隊長が乗るべきだろう」
「その隊長が行方不明なんだけどー?」
「そうだな。ならば、隊長代理が乗るべきだな」
「隊長代理って」
「……おい! レイ! 何だかんだと理由を付けて自分が乗りたいだけじゃないか!」
「そんな事はない。俺は客観的な判断で言っているだけだ」
「嘘つけ! 顔がにやけてるぞ!」
「お前の気のせいだ。シン。とにかく。私情を一切交えない客観的な立場から考えればフリーダムはヤマト隊の隊長が乗るべき、だが、隊長が居ない以上隊長代理である俺が預かるべきだな」
「勝手だぞ!」
「そうよ! そうよ! ルナマリアも言ってやりなさいよ!」
「いや、私は別にゲルググ乗るから。フリーダムは射撃機体だから合わないだろうし」
「ほら! ルナマリアだってアグネスが乗るべきだって言ってるわよ!」
「そんな事一言も言ってないけどね?」
全員が全員言いたい放題言っている状況の中、ある男がブリーフィングルームに入ってきた事で状況は一変する。
「とにかく! 隊長が居ない以上、俺の意見に従って貰おう。ライジングフリーダムは隊長代理が乗る。以上だ!」
「横暴だぞ! レイ!」
「独裁反対!」
「やかましい。何を言おうが、今隊を預かっているのは俺だ。隊長の意思は隊長代理が継ぐべきだ」
「レイの言う通りだな」
「っ! その声は」
「ア、アスラン!」
「あぁ、いかにも俺はアスランだが? 何か言いたい事でもあるのか」
「べ、別にない! ですけど」
「そうか。それで? ライジングフリーダムの件だったな。先ほども言ったが、俺はレイの意見に賛成だ」
「……アスラン! どうやら私は貴方の事を誤解していたようだ。オーブ戦では失礼な事を言い、申し訳ございませんでした」
「いや。構わない。しかし驚いたな。レイがそれほど俺にフリーダムが相応しいと思っていたとは」
「は?」
「あぁ、改めて挨拶をしようか。キラが戻るまで、ヤマト隊を預かる事になった。アスラン・ザラだ。まぁ隊長代理という奴だ。よろしく頼む」
「……」
「ライジングフリーダムは俺が乗るとして、他の機体はそのままという事で良いか?」
アスランが確認する様に尋ねた言葉は、ようやく停止した時間が動き出した面々によって激しい言葉で返される。
「帰れ!」
「見損ないましたよ! アスラン!」
「貴方にはジャスティスがあるでしょ!?」
「え? なら俺がフリーダムって事?」
「乗るのは私! アンタにはギャンを貸してあげるわよ!!」
アスランは荒れ狂う戦場を見ながら頭を抱えた。
「……相変わらずだが、これで正規軍か。どういう教育をしてるんだキラは」
「「「隊長の悪口を言うな!!」」」
「はぁ」
はい。
みんな大好きアスラン。
レイの手のひらクルクルが書いてて一番楽しかったですね。
という訳で前回の話で撃墜されたライフリだけが戻ってきました。
これからアスランが乗るので、まぁファウンデーション王国編で……。
では、また明日ー!