ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
キラが消えてから約一か月の時が経った。
あれからキラに関する情報は何も得られていないが、コンパスの活動を止める訳にもいかず、ラクスたちは変わらない日常を送っていた。
「また、ブルーコスモスによるテロですか。そして、こちらは地球に住むコーディネーターによるテロ。消えませんね争いの根は」
ラクスはくじけそうになる心を何とか持たせながら、小さく息を吐いて報告書を確認する。
書類に書かれているのは直視したくない情報ばかりだが、逃げるわけにはいかない。
そう。ラクス達は、セナとデュランダルが世界に作ろうとした平和の世界を否定したのだから。
「……私は弱いですわね。キラが居ないだけで、こんなにも揺らいでしまう」
「ラクス様……」
リオ・マオという女性は、辛そうなラクスにどうか休んで欲しいと告げるが、ラクスはそんなリオの言葉に頷く事は無かった。
自分がやらなければいけないと、責任を背負い、戦場に出れない代わりにと身を削る。
しかしそんなラクスに何かを言える人間は居なかった。一人を除いて。
「はぁー。しんど。戻りましたよ」
「あぁ、ミーアさん。ありがとうございます」
「いえいえ。これくらいは大した事ありませんよ。外に出てラクス様の真似っこをするだけですから」
「……いえ。非常に助かってます」
「そう? なら良いですけど。って! ラクス様。私が外に行ってる間くらいは休んでてくださいって言ったじゃないですか! なーんの為に私が影武者してると思ってるんですか!? 貴女を休ませるためでしょうが!」
「しかし……」
「でももしかしもありませんよ! ほら! キラが帰ってきた時、ボロボロのラクス様を見てなんて言うか!」
「……ミーアさん」
「はいはい。私は今からまた外に行ってきますから。今度はちゃんと寝て下さいね!」
ミーアは言うだけ言うと、テーブルに置いてあった飲み物を一気飲みして、乱暴に口元を拭い、どかどか足を鳴らしながら出ていくのだった。
そんな姿にラクスはクスリと笑うと、そうですねと言いながら仮眠を取る。
しかし、横になったラクスはリオが出て行ったのを確認して、また起き上がり、仕事を再開してしまうのだった。
ラクスと同じ様に追い詰められながら忙しい日々を送っている者は地上にも居た。
オーブ連合首長国代表。カガリ・ユラ・アスハである。
ただし、カガリには優秀な部下が多くおり、事務仕事などは殆ど苦となっていない。
そう。問題があるのは行政の仕事ではなく、連日入ってくる通信であった。
『こちらドミニオン艦長。ナタル・バジルールであります』
「あぁ」
『その……いつもの件ですが』
「分かっている。繋いでくれ」
『ハッ』
ナタルが敬礼し、通信を切り変えると、いつもの金髪が面倒な顔をしながら面倒な要求をしてくるのだった。
『聞こえますか? オーブ連合首長国代表サン』
「あぁ、聞こえているよ。それで? 今回はどうした」
『あぁ、それがですね? ジブリールから面白い情報が上がってきました』
「ほう。なんだ」
『えぇ。何でも連合が秘密裏に開発していたデストロイが、ブルーコスモスに奪われたそうですよ』
「またか……」
『大事になる前に連絡をお願いします。正義の味方。コンパスにね』
「分かった。送っておく」
『えぇ。急いでくださいね。騒ぎが大きくなると、またセナが無茶をする可能性があるので』
「分かっている。分かっているが、お前らは何でそうなんだ!?」
『何がです?』
「直接言えば良いだろ! コンパスに! 何でイチイチ私を通すんだ!! 私は便利な伝言板じゃないんだぞ! 私だって忙しいんだ!!」
『ほぅ。オーブには僕の知り合いを何人か送ってますし。彼らのお陰で貴女の仕事は椅子を温める事くらいのハズですが』
「私はオーブの代表だ! 最終決定権を持ってるんだよ! だから、上がってきた書類は全部確認する必要があるんだ! 暇な訳あるか!!」
『はぁ。無駄な事を』
「何ィ!?」
『良いですか? 代表サン。世界というのは一部の優秀な人間が動かしているんです。そんな者たちが問題ないと確認した物を貴女が再度確認する意味なんて無いんですよ。貴女には貴女しか出来ない仕事をなさい』
「なんだ。私にしか出来ない仕事というのは」
『先ほど貴女が自分で言っていたでは無いですか。便利な伝言板と……』
「連絡くらい自分でやれ!! もう二度と繋げてくるんじゃないぞ!!」
カガリは苛立ちのままに通信を切り、荒い呼吸のまま怒りを何とか自分の中に抑え込もうとした。
しかし、そんなカガリにトーヤ・マシマという少年が声をかける。
「でも、カガリ姉さま。ドミニオンはオーブの所属なのですから、連絡をオーブに入れるのは当然なのでは?」
「それなら軍本部に入れれば良いだろうが。ユウナに言え。ユウナに」
「それは確かに」
「しかしな。そう言ったらアイツ。なんて言ったと思う? 『ユウナさんは貴女と違ってやるべき事があるんですから。あまり優秀な人間の足を引っ張るものじゃありませんよ』だとさ!! ふざけやがって! アイツ!! 今度オーブに帰ってきたら叩きのめしてやる!!」
「あ、はは。あんまり無茶はしないで下さいね」
「フン!!」
カガリは怒りを全身に込めながら鼻息を荒くし、椅子に座り込んだ。
そしてその瞬間にまた通信が入る。
「またアイツか!! 私は暇じゃないというのに!! はい! 私だが!?」
『ん? なんだ。今は忙しかったか? 定期連絡の時間だと思ったが』
「あっと、すまない。クルーゼ隊長。いや、気にしないでくれ。いつもの奴だ」
『あぁ、アズラエルかサザーランドか、はたまたウズミ元代表かね?』
「アズラエルだ」
『それはそれは。苛立っているなら次の機会にするが?』
「いや、良い。いつもの事だ。それよりも、報告が聞きたい」
『あぁ、分かった。現状だが、ようやく国内に侵入出来た』
「クルーゼ隊長にしては時間が掛かったな」
『まぁ、中々厄介な国の様だよ。警戒が強くてな。ミラージュコロイドを使い潜入したが、首都イシュタリアにはまだ近づけていない』
「そうか……補給は大丈夫か?」
『問題ない。ニコルやメイリンも居る、バックアップは万全だ』
「分かった」
『では報告は以上だ。また次の定時報告で』
「あぁ。引き続き頼む」
カガリは通信を切ってから、深くため息を吐いて、PCの画面にクルーゼ達が今潜入している国の情報を映し出した。
ファウンデーション王国
先日、ユーラシア連邦から独立した新興国家であるが、独立を許さないユーラシア連邦を圧倒的な力で打ち破り、独立を果たしたのだ。
その際に現れた白銀のMSとその女性パイロットをファウンデーションの国民は月の女神と呼び、大きな信頼を寄せているらしい。
そんな情報を頭に浮かべながら、カガリはオーブでキラがよく月に例えられていた事を思い出していた。
嫌な予感がしている。
ハッキリと言葉には出来ないが、カガリはずっと何かまとわりつく様な不快感を感じているのだった。
しかし、結局その正体は分からず、カガリは暗闇の中でもがくばかりであった。
はい。
まぁ、嵐の前の準備回ですね。
特に話す事も無いので、また次回~