ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
プラントから来たラクス・クラインを受け入れて、ミレニアムは地球への降下準備に入った。
既にアークエンジェルは地上からファウンデーション王国へ向かっており、ミレニアムも宇宙から同王国へ向かう。
その艦内にあるレクリエーションルームで、ヤマト隊の面々は話をしていた。
「ミケール大佐かぁ。本当に居るのか? その、なんとかって場所に」
「ファウンデーションとユーラシア連邦の軍事境界線ね。シン。アンタちゃんと覚えなさいよ」
「ダイジョブ、ダイジョブ。覚えてるよ」
「ったく」
「アンタ。あんまり間抜けを晒して隊長の名誉を汚さないでよね」
「うるさいなー。アグネスは」
「シン。名前は忘れても良い。だが、決して軍事境界線は超えるなよ。面倒な事になる」
「面倒って……」
「最悪はコンパスとユーラシアで戦争になるという事だ」
「っ」
レイの言葉にシンはゴクリと唾を飲み込んで、想像した状況に青ざめた。
「ま、あんまり心配しなくても良いわよ。アンタが暴走したら、私が撃墜してあげるから」
「へっ! 誰が墜とされるか!」
「いや、そこは素直に墜ちなさい……というか、そもそも超えようとするな!」
ルナマリアはシンの頭に軽くチョップすると、ヤマト隊の面々は笑いながら、拗ねるシンを見た。
しかし、そんな和やかな空気も、アスランが入ってきた事で霧散する。
「ここに居たか」
「……」
「なんだその目は。俺はお前らの敵じゃないんだがな」
「別に敵だなんて思ってやしないですけどね」
「そうか? その割には今にも噛みついてきそうだが」
「へっ、気を張ってるだけですよ!」
「そうか。それなら良いがな」
アスランはため息を吐くと、真剣な目で全員を見て、入り口をロックした。
そして、通信妨害をすると、改めて口を開く。
「キラが見つかった」
「っ!?」
「どこに!」
「これから向かうファウンデーション王国だ。そこでキラはMS隊の副隊長をやっているらしい」
「なんでそんな事に」
「分からん。だが、俺は一つ心当たりがある」
「心当たり……?」
アスランの言葉にシン達は首を傾げるが、続くアスランの言葉でアグネスを除く三人がかつてミネルバであった出来事を思い出すのだった。
「地球軍に囚われていたセナが、記憶を消されていた事があっただろう」
「まさか!」
「ゆりかご。ですね?」
「そうだ。キラはそれを使われ、記憶を操作されている可能性が高い」
シンはかつてステラ達に起こった悲劇、そしてセナが傷ついた過去を思い出し、拳を握りしめた。
あの時の怒りを思い出す様に。
「そしてもう一つ。お前たちに伝える事がある」
「……」
「今回のキラ誘拐事件について、敵の協力者がミレニアムの中に居る」
「は!?」
「まさか!」
「残念だが、これは確かな情報だ。証拠もある」
「いったい誰なんです!? 貴方ですか!? アスラン・ザラ!」
「そんな訳ないだろう! 犯人は……セナだ」
「……え?」
「いやいや、冗談はもう良いですよ」
「冗談でこんな事を言うか。証拠もあると言っただろう」
そう言って、アスランは持っていた記録ディスクを取り出し、ネットワークに繋がっていない端末でそれを開く。
「これはライジングフリーダムに残されていた通信の記録だが、ミレニアムには残されていなかった。しかし、ハインライン大尉が調べた所、削除された形跡があってな」
「それをしたのがセナという事ですね」
「あぁ。そういう事だ。そしてそれを報告した様子もない」
「……」
「アスラン」
「なんだ。シン」
「それは、本当に、本当の事なんですか?」
「あぁ。間違いない」
「ホントに、セナが! セナが隊長を裏切ったって!! なんで!」
「理由は分からない。キラと違って、セナは記憶を失っている様な様子も無いしな。俺たちの事も確かに覚えている」
「っ!」
「だが、目的が分からない以上は俺たちも迂闊には動けない。まずは見極めるんだ」
「その為にファウンデーション王国へ行くわけですか」
「そういう事だ」
ヤマト隊の中でレイとアスランだけが冷静に話を進めている中、シンとルナマリアとアグネスは動揺を隠せないまま受け取ってしまった話を自分の中で整理している様だった。
そして、ようやく落ち着いたのか、シンは真剣な眼差しでアスランを、そしてヤマト隊の面々を見つめる。
「俺は、セナを信じる」
「シン!」
「違う! 闇雲にそう言ってるんじゃない! 今更って思うかもしれないけど、俺、おかしな事に気づいてたんだ」
「おかしな事?」
「そう。セナがまるでセナじゃないみたいで……何か知らない奴がセナに乗り移ってるんじゃないかって思うんだよ!」
「なんだ。その知らない奴というのは」
「分かんないけど! でも、そうとしか思えなかった」
シンはアスランに語りながら、プラントにあるアスカ家でセナが話していた姿を思い出していた。
高圧的で、まるで人の事をゴミみたいに思ってる様な姿だった。
「あれはセナじゃない」
確信を持ったシンの言葉にアスランはなるほどと頷くと、専門家に確認しておくと告げた。
そして、ここで話した話は内密に。という事になり、皆なんでもない話をしてから解散となった。
それからミレニアムは海上でアークエンジェルと合流し、緩やかにファウンデーション王国へと侵入する。
今回は外交に近いという事で、ヤマト隊もミレニアムから外に出る人間は全て正装をして出てゆくのだった。
「シン。態度には気を付けろよ」
「分かってるよ。イチイチ煩いなアンタは」
「怒られてやんの」
「うっさいなアグネスは。態度って言うのなら、同レベルだろうが」
「はぁ~? 一緒にしないで欲しいんだけど!? アンタなんか山猿じゃない! 私はね! 子供の時から社交の場に居るのよ!」
「へっ! それで出来てないんなら重症だな!」
「んにー!?」
「シン。アグネス! ミレニアムの外に出たら、そういう行動は慎め。キラに恥をかかせるつもりか!?」
「「っ!」」
「……ったく」
アスランは先にミレニアムから外へ出て、次にレイが。
そしてアグネスとシンもそれに続いて外へと出てゆく。
「アンタのせいだからね」
「もとはと言えばアグネスが」
「もう二人とも。いい加減にしなさいよっ」
「「……」」
外交の場でじゃれ合いは不味いとルナマリアにもたしなめられ、二人は互いに軽く睨み合いながら大人しく降りてゆくのだった。
しかし、直前でどれだけふざけていようと、本番だけはしっかりやろうというキラの教育方針により二人とも艦を降りた瞬間から気を引き締めて、まるで別人の様に振舞う。
それを見て、ルナマリアとアスランは内心でため息を吐くが、やはりそれは表に出す事はない。
そして、ファウンデーション王国の宰相が姿を現して、ラクスとコンパスの面々を迎え入れる。
「ようこそ、ファウンデーションへ。私は宰相のオルフェ・ラム・タオと申します」
その姿には一切の嘘を感じないが、シンはあの時、セナではない何かが話していた名前だと思い出すのだった。
はい。
そろそろ事件起こしてぇなぁと思いつつも、ちゃんと映画をなぞる努力をする。
まだ、まだ……これから、これから。