ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
翌日に行われるブルーコスモスのミケール大佐捕縛作戦の前に、コンパスの面々はファウンデーション王国で開かれている夜会に参加していた。
無論、アスラン達は軍服のままだが、ラクスとセナはドレスで着飾っており、淑女らしい笑顔を浮かべたままアウラやオルフェ達と話をしているのだった。
「では、ユーラシア連邦とは……」
「オルフェが上手くやってくれているがな。どうあっても我らが独立するのが気に入らないらしい。何度も攻め込まれておるよ。我らはただ静かに暮らしたいだけなのだがな」
「そうですか」
「……確か先日の戦闘でも、あの悪夢のMSデストロイが居たとか」
「それは本当ですか? セナ様」
「はい。公的な記録には残っておりませんが、確かに」
「ユーラシアはかつて、アレによって多くの民が被害を受けました。命を落とした者。愛する者を亡くした者。帰る場所を失った者。どれほどの悲しみがアレによって生み出されたか。ユーラシアも忘れた訳では無いでしょうに」
「それほどに、我らが憎いという事なのだろう。悲しい話だな」
「……」
ラクスはオルフェとアウラの話を聞きながら、その正体を見極めようと話に合わせて表情を変えながらジッと観察していた。
アウラやオルフェが嘘を言っている様には見えないが、だからと言って信用は出来ないと心を強く保つ。
そして、それは隣に座っているセナに対してもだ。
この場に来る前にアスランから極秘に知らされた事実、セナがキラを裏切り、この国に渡したという話を胸に、ラクスはこの騙し合いの中に潜るのだった。
キラがこの国に居るという確証を得るために。
だが……。
「あぁ、そういえばラクス姫に紹介したい者が居るのを忘れていた」
そんなラクスの決意は最悪の形で返される事になる。
「それは楽しみですわ」
「……ふふ」
「あっと、申し訳ございません。遅れました」
ラクスは不意打ち気味に現れたその少女に大きく目を見開いた。
そして、激しい動揺から思わず立ち上がってしまう。
だが、それも仕方のない事だろう。
何故なら、その栗色の髪を背中まで伸ばし、アメジストの様な透き通る瞳を持った少女は、ラクスの恋人でありながら約一年前より行方不明になっていたのだから。
「はじめましてでしょうか。ラクス・クライン様。あ、それとも姫様と呼んだ方が良いでしょうか」
「キラ。そういう事は聞くものじゃない」
「えー。だって僕、こういう場は初めてだからさ。よく分かんなくて」
「ふふ。キラは本当に仕方ないのぅ。失礼したな。姫。人当たりは良いのだが、どうもマナーには疎くての」
「い……いえ」
「ふふ。さ。ラクス様座って下さい」
ラクスはセナに手を引かれ、座ったが、その瞬間に何かに意識を引き込まれる。
精神だけの空間に迷い込んだラクスは、両手を後ろで組みながら笑うセナに見つめられ、その言葉を聞いていた。
本来であれば、理性による思考があるが、この空間では直接精神に言葉が届いてしまう。
『さ。ラクス。貴女の運命を受け入れて下さい』
『私の運命は……キラ』
『違うでしょう? 貴女の運命はオルフェ。オルフェ・ラム・タオ。遺伝子がそう示している。キラもセナも貴女の物じゃないの』
『私の、運命……オルフェ』
『そう。運命を受け入れなさい。そして私とセナの為に世界を……『違う』え?』
『私は、私の運命は、私が選ぶ!!』
『なっ、まさか抵抗するのか!? この空間で!』
次の瞬間、ラクスは弾かれた様に意識を取り戻し、何があったのかを思い出せないまま、小さく息を吐いた。
何か酷く嫌な事があったような気がすると、ラクスは早くなる心臓を手で押さえるのだった。
「あの、姫様? 大丈夫ですか? もしかして、僕が何か不愉快になるような事を」
「……いえ。何でもありませんわ」
ラクスは自身に何が起きたのか、その正確な所は分からずとも、何故そうなったのかは理解した。
動揺した心の隙を突かれ、何かが入り込んできたのだと。
故に、ラクスは二度と心を明け渡すまいと強く固く意識を保ち、キラを見据えるのだった。
「キラ様。でよろしかったでしょうか」
「え、あ、はい! そ、そうですね。キラです」
キラはラクスの微笑みを受けて、頬を赤くしながらへへと笑い、頭を下げるのだった。
その姿が、記憶を失う前と重なりラクスは泣きたくなるのと同時に、怒りが燃え上がるのを感じた。
そして、ラクスの正面に座っていたオルフェが立ち上がり、ラクスへと手を伸ばす。
「よろしければ……」
「えぇ、喜んで」
ラクスはオルフェの手を取りながら微笑み、同時に会場の端でこちらを見ていたアスランに目線で指示を送る。
ラクスの視線を受けて、アスランは壁から離れると、キラの所へと向かうのだった。
「失礼」
「え? あ、はい。えっと」
「私はアスラン・ザラです。キラ様」
「あぁ、キラで大丈夫ですよ。この様なドレスは着ていますが、別に偉い人間では無いので」
「そうなのですね。しかし、一目見た時から気になっておりました。一曲如何でしょうか」
「え!? で、でも。僕ダンスとかは」
「大丈夫。リードしますよ」
「ちょ、アスランさん」
「大丈夫だ。セナ。マナーは覚えている」
「いや、そうではなく」
「お主……!」
「では参りましょう」
アスランは半ば強引にキラを連れ出すと、そのまま踊り始め、キラをジッと見据える。
そんなアスランにキラはクスっと笑うと、踊りながら口を開くのだった。
「ふふ。そんなに怖い顔をして、どうかしたんですか?」
「いえ。ただ昔を思い出していました」
「昔、ですか?」
「えぇ。昔。泣き虫で我儘な幼馴染と兄妹の様に過ごしていたのですが、その妹がどうしても綺麗なドレスでダンスをしてみたいと言っていましてね」
「……なんでしょうか。不思議ですね。私も同じような思い出があります。それで、どうにかドレスを作ろうとして、ワンピースを着てからカーテンを重ねて」
「お母さんに怒られた」
「はい! そうなんです。あれ? でもおかしいな。お母さんは、僕を捨てて」
「キラ」
「ふぇ!? は、はい」
キラはギュッと手を握るアスランにドキドキと高鳴る心臓の鼓動を感じながら、その強い目を見つめる。
「その幼馴染は誰ですか?」
「え? 僕の幼馴染は、オルフェとシュラで」
「髪の色は」
「え?」
「その幼馴染はどんな目の色をしていましたか? どんな目で、君を見つめていましたか」
「いや、オルフェは金髪で、シュラは銀髪……あれ? でも、あの子は、あの人は……夜みたいな藍色の」
「……」
「あの人は……アスラ「キラ」……シュラ」
キラがその名前を口にしようとした瞬間、離れた場所からシュラがキラの名を呼び、キラを見つめた。
瞬間、その瞳にキラは飲み込まれて、意識を手放しアスランにもたれかかってしまうのだった。
「キラ!!」
「おっと。これは失礼しました。お客人。キラは疲れている様です」
「……お前は」
「これ以上ご迷惑をおかけする訳にもいきませんし。一度下がらせていただきますが、よろしいですね? アスラン・ザラ」
「シュラ・サーペンタイン……!」
そしてシュラはキラを抱きかかえ、パーティーの客が見守る中、外へと出ていこうと足を踏み出した。
アスランの近くで、アスランにだけ聞こえる声で挑発する言葉を残しながら。
「もうお前はキラの幼馴染じゃない」
「……!」
咄嗟に言い返そうとしたアスランを無言で押しとどめて、シュラはそのまま会場を出てゆくのだった。
はい。
オルフェ、ラクスは描写してませんが、普通に踊って、普通に終わりました。
共感現象はラクス様が全力拒否していた為発生しておりません。
まぁ、オルフェも気にしてないケド。
それはそれとしてバッチバチにぶつかってる二人が居ますが、はい。メインはこっち。
という訳で、明日はいよいよファウンデーションVSコンパス一回戦目ですが、
まぁ、サックリと終わらせる予定です。