ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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PHASE-10『それが全ての始まり』

(第三者視点)

 

 

 

オーブのアカツキ島にある地下の秘密工場へと戻ってきたアスラン達は全世界へ放送されているファウンデーション王国の演説を聞いていた。

 

『我々はただ、平和を望んでいただけだったが、そんな我らに向けられたのは野蛮な者たちが放った憎しみの核だ!』

 

『ただ、自由を、平和を望んでいるだけだというのに、何故それが許されないのか』

 

『諸君は覚えているだろうか。かつてデュランダル議長が提唱したデスティニープランを』

 

『セナ様が平和を願い、我らを想って起こした奇跡を!』

 

『どうか平和を望む諸君。立ち上がって欲しい。我らはセナ様の意思を継ぎ、再びデスティニープランを実行する!』

 

『そして! 我らの意思に、セナ様だけでなく、キラ・ヤマト、ラクス・クラインも共に立ち上がってくれた事を皆に知らせたい』

 

『我らは同じ平和を願う同士だ』

 

『ナチュラルもコーディネーターも関係なく、我らと共に平和への道を歩もうではないか!』

 

オルフェの演説は、世界中に届けられ、その意思を集め始めていた。

 

そして、放送を見ていたシンは苛立ちのままに左手に右の拳を叩きつける。

 

「くそっ! アイツら、好き放題言って!」

 

「隊長の事洗脳してるくせに!」

 

「落ち着け。シン。アグネス。ここで騒いでいても何も起こらない」

 

「レイは悔しくないのかよ!」

 

「悔しいかどうかは重要じゃない。重要なのは具体的にどうするか。という話だ」

 

「レイの言う通りだ。俺たちには機体もまともに動く戦艦もない」

 

「アンタは黙ってなさいよ! 誰のせいでこんな事になってると思ってるのよ!」

 

「そうだ! そうだ!」

 

「アスラン。貴方がパーティー会場で呑気に隊長と踊っていたからこんな事になった。という事はお忘れなく。あそこで隊長を連れ出していれば、全てが解決していた」

 

「無茶を言うな!!」

 

アスランがいつも変わらないヤマト隊と言い争いをしていると、機体の調整が終わったのだろう。クルーゼが部屋に入ってきてザフト式の敬礼を行う。

 

それに反応して、シン達もクルーゼに敬礼を行うのだった。

 

「遅れてすまないな」

 

「問題ありませんよ。ラウ」

 

「はい! クルーゼ隊長のお陰で助かりました!」

 

「ホント。流石は隊長の尊敬するお兄さんです!」

 

「……お前たち」

 

先ほどまでアスランに向けていたものとはまるで違う態度に、アスランはため息を吐きながら頭を押さえた。

 

そして、そんなアスランを労いながら、クルーゼはモニターに情報を映し話を始める。

 

「さて、我々はまんまと敵の罠にハマってしまった訳だが、混乱の中、アウルとスティングが王国に潜入してな。面白い物を見つけて来てくれた」

 

「面白い物……ですか?」

 

「あぁ。コロニーメンデル。そこで生み出された新たな人類。アコードの情報さ」

 

クルーゼがそう言いながらモニターに映し出してゆく情報は、最高評議会の議員を親に持つアスランや、政府の高官を親に持つアグネスすら知らず、デュランダルの子であったレイも知らない情報であった。

 

「……つまり、アスランが暴走したのは、そのアコードの力という事でありますか?」

 

「そうなるな。私やレイが持つ直感の力を拡張し、相手を知るだけでなく、相手に自分の思考を強制的に映す事が出来るのだろう。例のセナが発見した新素材と同じ様な物だな」

 

「でもそんな新人類がなんでまたセナや隊長、総裁を攫ったんです?」

 

「それは……」

 

シンの問いにクルーゼが口を開こうとした瞬間、奥から別の人物が現れ、言葉の続きを語る。

 

「それに関しては私が話そう」

 

「……ユーレン博士! それに、ヴィアさん」

 

「久しぶりね。アスラン君」

 

「……アスラン・ザラか。カガリの近くを飛ぶ害虫……」

 

「ユーレン!」

 

「分かっている。私から何を言う事はない。カガリの意思だ。分かっている」

 

分かっていると言いながらも、アスランを睨むユーレンに、アスランは何も言わず小さく頭を下げた。

 

そんなアスランに鼻を鳴らしながら、ユーレンは再び口を開いた。

 

「今回の事件だが、首謀者はセナでも、ファウンデーション王国のアコードでもない。ミアだ」

 

「ミア?」

 

「そう。セナの遺伝子に刻まれた……いや、アウラが刻み込んだ記憶。セナの体に宿ったもう一つの人格だ」

 

「っ!?」

 

「もう一つの人格って」

 

「それを話す為には、セナの生まれから話さねばなるまい」

 

ユーレンはそう言うと、皆に飲み物を配る様に言って、自分も椅子に座りながら語り始める。

 

「あれは……キラ達を手放し、メンデルの中にある隠れた研究室でヴィアと生活をしていた時の事だ。その場所では何人かの研究者も生活していたのだが、その中にあの女……アウラ・マハ・ハイバルも居た」

 

「……」

 

「アウラはヴィアに恋をしていた。しかし、ヴィアが私と結ばれた事で怒り、自分とヴィアの子供を作る計画を立てたのさ。その結果、生まれた子がセナだ」

 

「ちょっと、待って下さい! では!」

 

「あぁ、セナはアウラとヴィアの子供だ。遺伝子上はな。ただまぁ母親は同じだから、キラやカガリとは姉妹という事になるだろう」

 

その衝撃的な発言に、アスランもクルーゼも、シンも誰もが言葉を発せずに黙って聞いているのだった。

 

「アウラはセナに様々な遺伝子操作を行い。私がキラに施していた最高のコーディネーターとしての才能、そして、自身が研究していたアコードとしての能力、その両方を組み込んだ。そしてアコードの能力を組み込む際には、その能力に紐づく人格を遺伝子に刻み込んだ。それがミアだ」

 

ユーレンがそこまで話し終えると、その言葉を引き継ぐ様にヴィアが語り始める。

 

「もうそろそろあの子が生まれるっていう段階になってね。アウラから聞かされたわ。ミアの事を。命として宿った意味と目的を。そして、私とアウラの子供であるという事を」

 

「そのままヴィアが攫われそうになったんだが、何とか逃げ出してな。遺伝子に刻まれた記憶等と信じがたい話ではあったが、一応ミアと名づけ、育てていたんだが……三歳の誕生日に事件が起こった。そう。ミアの人格が目覚めたんだ」

 

「あの子は言ったわ。遺伝子に刻まれた通り、世界を支配するのだと。そしてユーレンを殺すのだと。だから……私たちは」

 

ヴィアはそこまで話して拳を握りしめながら唇を噛み締めた。

 

その反応にクルーゼは目を細め、叫ぶ。

 

「何をしたのだ。ユーレン・ヒビキ、ヴィア・ヒビキ!」

 

「……分かるだろう? ラウ・ル・クルーゼ。消そうとしたんだよ。ミアの人格を」

 

「なっ」

 

「あの子は私とヴィアが望み、愛して生まれて来た子だ。そうあるべきだと考えた。だから、アウラの呪いから解放してやりたいと考えた。だが、そうだな。どう言い訳をしようが、私たちがあの子を殺そうとしたのは確かだ」

 

「そして、生まれたのは……セナ。とは言ってもあの当時はまだミアって呼んでいたのだけれどね」

 

「セナはとてもいい子だった。ミアとは違い。優しく他者を想い、傷ついた人に寄り添う事の出来る子だった。だからだろうな……。ある時、私たちの元を離れた『このまま一緒に居ると殺されてしまう』と言ってね」

 

「多分覚えていたんだわ。私たちがミアを消そうとした事を。そして消される前にミアを守って、守り続ける為にセナは私たちの下を離れた。安全が確認出来るまで」

 

「それが……全ての始まりか」

 

「えぇ」

 

「そうだ」

 

クルーゼの問いに、ユーレンとヴィアは頷き、アスランは様子のおかしかったセナを思い出しながら、そうかと呟いた。

 

「なら……セナ、いやミアは」

 

「デミスシルエットの影響で弱ったセナの精神を抑え込み、動き出した。おそらくは世界を支配する為に。まぁ、支配者となるべく生まれた子だからな」

 

そのユーレンが放った言葉に、皆が黙り込んでしまうのだった。




はい。
という訳で諸々の伏線回収回です。
ようやっと書けた……!

長い旅であった。

という訳でセナ誕生までの話。
0話ですかね。

ではー! また!
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