ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
大西洋連邦大統領フォスターは以前より話を聞いていた、ファウンデーション王国の発表に笑みを深めた。
そう。彼女はこの時を待ち望んでいたのだ。
「あなたの言う通りになったわね。アル・ダ・フラガ」
「えぇ。当然ですよ。この為に私も準備を重ねてきたのですから」
「ふふ。怖い人。それで? これからは、どうされるおつもりかしら」
「無論宇宙へ上がりますよ。アコードだか何だか知らないが、世界を導く者は決まっておりますからね」
「……そうね。世界を導くのは私と貴方だわ」
アル・ダ・フラガは人好きのする微笑みを浮かべながら、フォスターの手を取り、そこに唇を落とす。
「必ずや御身に栄光の未来を」
「えぇ、楽しみにしています。アル」
アル・ダ・フラガはフォスターに微笑みを投げてから部屋を出ていこうとしたのだが、そこで、あっと思い出したかの様に立ち止まった。
そして、振り返りながら一つ忠告をする。
「そういえば、オーブへはどの様な対応を?」
「無論、今回のコンパスの件を強く抗議しつつ、宇宙へ上がったファウンデーション王国を攻撃させる様に言うわ」
「それは重畳。では我々はオーブ艦隊の動きを見つつ、本命を奪うとしましょう」
「えぇ。所詮はセナ嬢の後押しで大きな顔をしているだけの国。彼女とキラ・ヤマトが消えれば世界からの信用など得られないわ」
「そうでしょうね。では、地上はお任せします」
「貴方も。無事に帰ってきてね?」
「無論ですよ。大統領」
「あら。二人きりの時はフォスターと呼んでと言ったでしょう?」
「……そうでしたね。フォスター。勝利をお待ちください」
そして、アル・ダ・フラガの笑みに、大統領としての顔を崩しながら座り込んだフォスターから視線を外してアル・ダ・フラガはシャトルに向かって歩き始めた。
これから宇宙へと、月基地へと向かうのだ。
漁夫の利を得る為に。
そして、大統領の専用シャトルで宇宙へと静かに飛び立ったアル・ダ・フラガは簡易ミラージュコロイドで外装だけでも隠せとパイロットに指示しつつ、自席に戻る。
「お疲れ様です。フラガ大佐」
「あぁ。まったくだ。ババアのご機嫌取りは疲れる」
「ハハハ。自分には出来ませんからね」
「どうかな? 案外お前の様な男が好きかもしれんぞ。今度迫ってみたらどうだ」
「ご、ご冗談を」
「フン。それで? 情勢はどうだ」
「良くないニュースが三つほどあります」
「……良いニュースは無いのか?」
「残念ながら」
「そうか。なら順番に話せ」
「はい。まず一つ目ですが、ユーラシアはファウンデーションの声明に対して、早速声明を出しまして、艦隊を宇宙へ上げる準備を行っております」
「まぁ、だろうな。奴らも面白くないだろう。今まで独立戦争でぶつかっていた相手が、いきなり世界の支配者面して宇宙から叫んでるんだ。潰したくもなるさ。それで? 二つ目は」
「連合で秘密裏に修復していたレクイエムが何者かに奪われました」
「……手が早いな。ファウンデーション。レクイエムを撃った瞬間民意は無くなるが……それでも奪ったか。まぁ、撃たれない様にする為には奪うのが手っ取り早いからな」
アル・ダ・フラガは一人ブツブツと呟きながら考え、そして、一つの悪意に満ちた結論を出す。
「いや、考えようによっては利用出来るな」
「利用でありますか?」
「そうだ。レクイエムを奪われた件だが、大統領に伝えておけ。そして全世界へ発表させろ。我らが平和を守る為に抑止力として保持していたレクイエムが何者かに奪われたとな」
「分かりました」
「それと、ファントムペインに連絡し、レクイエムに向かわせろ。あれのコントロールを奪い……ユーラシアを撃て」
「ユーラシアでありますか!? プラントではなく」
「そうだ。当たり前だろう。ナチュラルがナチュラルに撃つなどあり得ない。そう誰もが考える。ならばこのレクイエムは誰が撃ったと思う?」
「コーディネーター……!」
「そういう事だ。この事件はレクイエムを奪った人間に対する強い疑心暗鬼を生むだろう。このまま世界征服などさせんよ」
「分かりました」
「それで? 三つ目のニュースはなんだ。ファウンデーションにプラントが正式に協力でも申し出たか」
「いえ……まだ未確定の情報にはなりますが、コンパスのMS部隊が生存している可能性があります」
「ほう? どこまで信用できる」
「かなり高い精度で」
「分かった。では目標変更だ。目標はミレニアム。奴らがオーブを離れ、宇宙へとその進路を決めた段階で打ち落とせ」
「よろしいのですか?」
「あぁ。アレの役割は既に終わっている。それに宇宙へと向かう他の連中への牽制にもなるしな」
「分かりました」
「なんだ。悪いニュースと聞いていたが、そこまで悪いニュースでは無いな。これで我らは正義を失わないまま邪魔な連中を消し去れる。一石二鳥じゃないか」
「そうですね……あ、しかし懸念はあります」
「懸念だと? なんだ」
「いえ。レクイエムを直撃出来ない場合、コンパスの連中にファウンデーションと戦う理由を与えてしまいます……そうなれば、最悪ファウンデーションが」
「バカな。常識で考えろ。常識で」
「……はぁ」
「この世界のどこにレクイエムを避けられる戦艦が居る。あり得んだろうが。それに、万が一ミラーの位置がズレ避けられたとしてもだ。宇宙ではファウンデーションに協力を申し入れた連合、プラント、ファウンデーションの艦隊が待ち受けているんだぞ」
「そ、そうですよね」
「まったく。貴様も余計な妄想をまき散らしていないで、自分の事を考えろ。これから我々はオーブとデスティニープラン同盟軍との争いの中で、上手く立ち回らねばならないんだぞ」
「はっ! 承知いたしました!」
「まぁ、奇跡の様な出来事だ。その様な事はな。考えるまでもない……無いが、万が一という事もあるか」
「フラガ大佐?」
「月基地に到着次第、ザムザザー三機にロケットブースターを装備させ、無人AIを積んで地球へ向かわせろ。そして、レクイエムがミレニアムを撃つと同時に大気圏へ突入。陽電子リフレクターを展開しながら、地上から宇宙へと向かう艦に全火力を叩きこませろ」
「ハッ!」
「もしも。という事は無いだろうが、これで万全だ。ミレニアムがどれほどの艦か完全に把握している訳ではないが、流石に大気圏から離脱しながら武装を使えるとは思えん。これで沈む。まず間違いなく」
「……」
「いや、一応宇宙艦も3つ向かわせよう。例の試作機を連れてな」
「高機動型デストロイでありますか?」
「そうだ。どうせ艦隊戦では使えん。万が一という事があるのなら、ここで使うべきだろう。火力を削ったデストロイとはいえ、周囲にビームとミサイルを放ちながら高速で飛び回るなど百害あって一利なしだ。落ちるなら落ちるで構わん」
「ハッ」
「うむ。頼んだぞ」
アル・ダ・フラガは自らの感覚に頼り、十分な対策を行った。
行ったが、どうしても不安な気持ちは消えず、何故かミレニアムが艦隊へと突撃してくるだろうという想像をしてしまう。
そして、その予測はおそらくは正しく、アル・ダ・フラガは更なる準備を行うべく月基地へと焦る気持ちを向けるのだった。
はい。
おそらくは、オバサンと若返った元オッサンという宇宙一読者が見たくなかったであろう話を描きつつ、しれっと帰って来た人の話。
まぁ、多分誰も死んだとは思ってなかっただろうけど。
生きてました。
これからも暗躍して欲しい。便利だから。
という訳で、絶体絶命のミレニアム!!
地上に居る所を宇宙からレクイエムで狙撃されるなんて!!
これはもうおしまいですね。
まぁ、実際に撃たれるのはまだ先の話ですが。
一応、ミレニアムにこれでもかと戦力を向けておきました。
ウルトラハードモードだけど、ミレニアムの諸君には楽しんで貰いたい。