ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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PHASE-24『希望と絶望の天秤』

(第三者視点)

 

 

 

リュニックが突き出した実体剣を受け止め、火花を散らしながらホープセイバーにぶつかったブラックナイトスコード カルラはドラグーンを使い、リュニックを遠ざける。

 

『チィ。余計な邪魔を!』

 

『オルフェ!? 何故! お前は私を疎ましく思っていただろう!?』

 

「何も……知らぬまま、終わる貴女が哀れ、だったからです」

 

『なに……?』

 

火花の散ったコックピットの中で、オルフェは右半身から血を流し、口を開く。

 

「オルフェ……! 喋らないで!」

 

「イングリット。すまない。君を危険に」

 

「私はいいの! 今は貴方が」

 

「大した、傷じゃない。気にするな」

 

それが強がりである事くらい誰にだって分かる。

 

だから、せめてオルフェが静かに語らう時間を作れる様にと、レイとシンはすぐさまアル・ダ・フラガの駆るリュニックに向かって飛び込んでいた。

 

もはや何もさせないという強い意思で。

 

『オルフェ』

 

「あなたは、言いましたね。人は変われない、と」

 

『あぁ』

 

「それは、間違いだ」

 

『なに?』

 

「だって、そうでしょう。他でもない。貴女自身がそれを証明している。人は変わっていけるのだと」

 

『……』

 

「かつての貴女は、支配者であったのでしょう。ですが、セナ様と出会い、変わった」

 

『……そうだな』

 

「そして、それは我らアコードも同じだ。我らも役目以上に欲しい物を見つけ、変わっていく」

 

血を吐きながら、それでも想いを伝えようとするオルフェに、ミアは自分でも気づかぬ内に涙を流していた。

 

一筋、二筋と涙が頬を伝ってゆく。

 

「世界の、歩みは、遅いかもしれない。絶望的だ。破滅に瀕しているというのに、目先の損得や思い込みに取りつかれ、足を引っ張りあう事しかできない、愚か者ばかりだ」

 

『だからこそ、我らが導く必要があるのだろう? この世界の争いを止める為に』

 

「ちがい、ますよ。人に、世界に必要なのは、希望の、光だ」

 

『変われぬよ。そんな物を見ても、真実変われなかったではないか。セナとシン・アスカが起こした奇跡を見ても』

 

「そう、かもしれません。ですが、いつか……」

 

『まったく、夢物語を語るのが好きな奴だ』

 

ミアは呆れた様に笑うと、ホープセイバーとデミスシルエットの機能を全て解放し、力を集めてゆく。

 

『ミア!?』

 

『オルフェ・ラム・タオ。そして、キラ・ヤマト、ラクス・クライン。お前たちの信じる未来! そして私の望む明日! どちらが強いかくらべようじゃないか!』

 

どす黒い憎しみと、白く輝く希望が世界中からホープセイバーに集まり、機体を半ば暴走させてゆく。

 

人の意思が集まり過ぎて、機体が小爆発を起こしているが、それでもなおミアは機能を解放し続けていた。

 

『ホープセイバーには一つの可能性がある!! 神にも届きうる可能性だ!!』

 

ミアの声を聞きながら、キラはラクスとセナの安全を考え、距離を取ろうとした。

 

が、少し離れた程度では安全とは思えない程の大きな力が今、ミアの元に集まっていた。

 

『ハインラインです。ヤマト隊長。総裁。危険です。その宙域から離れて下さい』

 

『え!?』

 

『既に空間が歪むほどの影響が出始めています。このままでは、ホープセイバーを中心として全てが消え去る可能性があります』

 

『そんな!』

 

『っ!』

 

『セナ!?』

 

マイティーストライクフリーダムのコックピットを開き、外へ飛び出したトリィはホープセイバーのコックピットに飛び込むと、ミアにぶつかる様にして、その動きを止めた。

 

『……何をしにきた。セナ』

 

『ミアさんを助けるために』

 

『無駄な事を……今も昔も変わらないな。お前は』

 

『ごめんなさい』

 

『いや、良いさ。それがきっとお前なのだろう』

 

セナはミアの足の上でトリィの翼を広げ、ホープセイバーのシステムに介入し、動きを安定させてゆく。

 

そして、集まった人の意思を一つに束ねて、ホープセイバーは一つの奇跡を起こした。

 

 

 

「……ここは?」

 

ホープセイバーが作り出した何もない白の空間で、オルフェはイングリットに支えられながら座っていた。

 

動くだけで苦痛を与えていた傷はどこにもない。

 

「オルフェ」

 

「大丈夫だ。イングリット。私の傍を離れるなよ」

 

「……はい」

 

そんな空間の中でオルフェは警戒する様に周囲を見るが、ここには何もない。

 

「いったい、何が起きているんだ」

 

戸惑った様なオルフェの疑問に応える様に、この空間を作り出した主が姿を現した。

 

そう。ミアである。

 

「ここは時の狭間だ。世界の果てと言っても良い」

 

「……」

 

「ホープセイバーはな。理論上、時間を超える事が出来る機体なんだよ。過去や未来。その時間に触れる事が出来る。ただ、まぁ……どの様に触れるかは得ているエネルギーによるがな」

 

「エネルギーとは」

 

「お前も気づいているだろう? 人の想いだ。それが憎しみに寄っていれば破壊を産み、希望に寄っていれば奇跡を起こす」

 

「……」

 

「フン。そんな顔をするな。今私の手にあるのは奇跡だ」

 

ホッとした様に息を吐くオルフェにミアは目を細めた。

 

「お前は一体、いつからそんな風に変わってしまったんだ? オルフェ。やはりキラ・ヤマトか?」

 

「いえ」

 

「……」

 

「私が変わったのはイングリットが原因です。無論、キラも影響していると言えばしていますが」

 

「は? イングリットが? どういう事だ。イングリットが想定外の動きを見せたことなど無かっただろう」

 

「ではお聞きしますが、ミア様。今まで一度でもイングリットの心を読んだ事はありますか?」

 

「は? そんな物……いや、待て……まさか」

 

「私も、シュラも、誰も一度だってイングリットの心を読んだ者は居ないのですよ」

 

オルフェは柔らかく笑いながら、イングリットを見据える。

 

「それに気づいた私はイングリットが裏切者かと考え、疑う様になりました。しかし、真実は違った。ミア様。イングリットは誰よりも早く、キラが来るよりも前に、アコードの宿命から逃れ、人としての道を歩み始めていたのです」

 

「……なるほどな。イングリットはお前に愛情を抱いていたのだな。オルフェ」

 

「っ! 私の心を?」

 

「舐めるな。集中すれば多少隠していようが関係ない。が……そうか、ここまで強固に隠していたか。そして、その想いを知り、人の道を歩み始めたか。オルフェ」

 

「はい」

 

「しかし、その想いに気づいていながらキラに想いを向けるとは、罪な男だな。お前も」

 

「いや、それは!」

 

「まぁ良い。そうやって想い、悩んで生きていくのがお前たちの選んだ道という事なのだろう」

 

「……はい」

 

「ならば、その先を見せてみろ。愛を得て、役目を捨てたお前たちアコードがどんな希望を世界に見せるのか。地獄の底から見させてもらうよ」

 

ミアは小馬鹿にした様に笑いながら、座っているオルフェの右肩を叩き、そして消えた。

 

次の瞬間、オルフェは……いや、この宙域に居る全ての人間、そしてこの宙域の戦闘を見ていた全ての人間はホープセイバーが起こした奇跡を目の当たりにした。

 

 

 

「こ、これは……私の傷が、消えている?」

 

「オルフェ!」

 

「これが……奇跡か」

 

ホープセイバーを中心として宇宙に溢れたオーロラの様な輝きは、この宙域に居る全ての傷ついた人を癒し、更に広がって地球を包んでゆくのだった。

 

流星の奇跡以上の奇跡で、人々の心に希望の灯を宿す為に。

 

そして、セナは久しく戻った自分の体で、奇跡を起こす代償に消えたミアを想い、一人静かに涙を流すのだった。




はい。
という訳で、さよならミア。

まだFREEDOM編の終わりじゃないですが、いったん色々と終わりです。

しんみりしてる時は、あんまり喋らず私も終わりましょう。
ではまた。

あ、っと明日、明後日の更新なんですけど。
仕事が深夜残業まで突っ込みそうなんで、更新出来ないかも(出来ても深夜遅く?)
なので、あまり期待しないで下さいー。

ではー
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