ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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PHASE-26『もう一つの宿命』

(第三者視点)

 

 

 

デスティニー、レジェンド、リュニックの戦いは激しさを増し、周囲の艦隊やМSを巻き込みながら、一瞬の判断ミスが破滅に繋がる様な戦闘へと移行していった。

 

そんな戦闘がパイロットに与える影響は大きく、三人は荒い呼吸を繰り返しながら、消えそうになる集中を何とか繋ぎとめているのだった。

 

「くそっ、コイツ!!」

 

『シン! 油断するな!』

 

「分かってるさ! コイツはここで落とさないと!」

 

シンはレイの言葉に強気で返すが、そんなシンとレイの会話に笑いながら介入する男が居た。

 

そう。リュニックを操るアル・ダ・フラガである。

 

『随分とデカい口を叩くじゃないか! 若造が! この私を落とすだと? 出来ると思っているのか! そんな事が!』

 

「なに!?」

 

『既にリュニックの力はМSとしての極限にまで達している! あらゆる戦場で勝ち続け、生き残る事が出来る! 最高の機体だ! 貴様らごとき何人集まろうが、私には勝てん!』

 

リュニックはミラージュコロイドの技術を応用し、レーダーすら誤魔化せる様な残像を残しながら高速で移動し、デスティニーへと接近しながらビームライフルを破壊する。

 

『シン!』

 

「大丈夫! ビームライフルをやられただけだ!」

 

『フン。次はその忌々しい機体ごと落としてやろう!』

 

笑いながら、再び距離を取ったアル・ダ・フラガのリュニックに、レイは警戒を強めたまま意識を集中させて、その内側を探った。

 

レジェンドにはフリーダムやジャスティスの様なフレームは搭載されていない。

 

だが、レイの持って生まれた直感が、フレームと同じ様に存在への干渉を可能にしたのだ。

 

『……やはり』

 

「レイ?」

 

『お前、アル・ダ・フラガでは無いな?』

 

「えぇ!?」

 

『何をいう! 私は……』

 

「俺の中にある感覚が言っている。お前はアル・ダ・フラガではないと、俺やラウと同じ、クローンであると!」

 

『……』

 

レイの言葉にリュニックは警戒したまま動きを止めた。

 

そして、様子を伺う様にレジェンドを見つめる。

 

「えぇ!? クローン!? いや、でも」

 

『いつ気づいた』

 

『たった今だ。おそらくはリュニックにもフリーダムやジャスティスと同じフレームが採用されているんだろう。それが俺に教えてくれた』

 

『フン。操縦性が上がるからと組み込んだが、余計な事はするべきでは無かったな』

 

「じゃ、じゃあ」

 

『あぁ、いかにも。私はアル・ダ・フラガのクローン。その一人だ』

 

「っ!?」

 

だからどうした。とばかりに鼻を鳴らすリュニックに乗った男に、レイは複雑な顔でリュニックを見つめる。

 

『だが、レイ・ザ・バレル。私はお前やラウ・ル・クルーゼとは違う。出来損ないのクローンとは違うのだ! 完全だ。完璧な存在なのだ。私の元になった男よりも、優れている! 決してあんな男の代替品ではない!! 私こそが真実なのだ!』

 

リュニックは男の激しい怒りをその身に宿しながら、ビームサーベルを抜き、レジェンドへと迫る。

 

『完璧な私が、より高みを目指す為にはキラやセナが必要なのだ!! 私は自分の意思でこの世界に生まれ、神として蘇る!! 旧時代の神話と同じ様にな!!』

 

『下らんな』

 

『何!?』

 

「この声! セナ!?」

 

『いや、違う! この声は……!』

 

『貴様、ミアか!? 私のセナに寄生する害虫が』

 

『害虫はお前だよ。アル・ダ・フラガ……いや、今は名も無き男か』

 

『これは、リュニックの操縦が……! 貴様、何をした!?』

 

『おいおい。忘れたのか? セナの得意技だろう? まぁ、セナはこんな事、しないだろうが』

 

動きを完全に止めたリュニックを見据えながら、シンとレイはコックピットに響く警戒音とメッセージに目を向けた。

 

「これは! 宙域のМSに退避勧告……? レクイエム!? レイ!!」

 

『あぁ、退避するぞ!』

 

リュニックから離れていく艦船やMSを見つめながら、リュニックに乗る男は操縦桿を動かし続けていた。

 

鳴り響く警戒アラートとモニターに映る光景から逃れる為に。

 

だが……。

 

『くっ、動け、リュニック! 何故動かん!! 動け!!』

 

『レクイエム、起動……まぁ、収束システムはオーブのMSに破壊されたが、MS一機落とすには十分過ぎる威力だ』

 

『ミア! 貴様も世界の支配者となりたいのだろう!? ならば、私が導いてやろうじゃないか!』

 

『興味無いな』

 

『ならば、何故! 何故こんな争いを起こした! 支配者となって、世界に復讐がしたかったんじゃないのか!?』

 

『……』

 

『お前の事は一通り調べた! メンデルで、お前は愚かな者達の身勝手な考えで産み落とされ殺されかけた! この戦いはその復讐なのだろう!? 私だって同じだ! この世界に復讐を!!』

 

男の必死な叫びに、ミアは大きくため息を吐くと男に言葉を投げかけた。

 

絶望的な言葉を。

 

『お前と一緒にするな』

 

瞬間、モニター全てを覆いつくす様な光が溢れ、リュニックはレクイエムの直撃を受ける。

 

何とか一瞬前に取り戻した機能で、シールドを構えるが、その様な物でレクイエムが防げるはずもない。

 

『教えろ……! ミア! お前は、何のために戦った!! 世界への復讐でも、支配でも無いのなら、何のために……!』

 

『決まってるだろ? 愛だよ』

 

『あ、い……?』

 

意味が分からないと、呟いた男の声も、レクイエムの破壊の力に飲み込まれてゆく。

 

『なんだ、それは……ズルいじゃないか』

 

シールドは破壊され、機体の本体が光にさらされる。

 

『私には、あの男の力を利用したかった愚か者しか居なかったのに……どうしてお前たちばかり……』

 

そしてレクイエムが奏でられる中、リュニックは光の中で爆発し、やがて宇宙には静寂だけが残された。

 

『まぁ……地獄へは共に行ってやるさ。名も無き男』

 

ミアの声も誰にも届かぬままどこかへと消え、残されたのは、もはや戦う意思のない艦隊やMS……そしてデスティニーとレジェンドであった。

 

「……レイ」

 

『忘れろ。どの道、この世界であの男に救いなど無かった』

 

レイの言葉にシンは、あぁと小さく呟きながらレクイエムが残した光の跡を見据える。

 

『奴は俺だった。ラウだった。愛を知らず憎しみばかりの世界で生きた俺たちだったんだ。一歩間違えれば……もし、ギルやセナ、隊長やシン達に出会えていなければ……同じ様に世界へと憎しみをぶつけようとしたかもしれない』

 

「んな訳無いだろ!!」

 

『シン……』

 

「変わんないよ。レイは。だって最初からレイは優しかったじゃん。俺、出来損ないのコーディネーターだってアカデミーでバカにされてた時、レイが最初に声掛けてくれたのよく覚えてるよ」

 

『……』

 

「レイはさ。そういう人間なんだよ。辛くても、苦しくても、最後にはきっと自分勝手な答えを選ばない。誰かを想った答えを出すんじゃないかな。って俺は思う。うん!」

 

シンは普段と何も変わらない笑顔を浮かべながら沈む親友に語り掛けた。

 

「だからさ。アイツとは違うよ。どんな未来になっても、きっとレイの周りにはレイと一緒に居てくれる奴が居るさ」

 

『そうか』

 

シンはレイの頬に流れている光る雫に気づかないフリをしながら、静かになった宇宙を眺めた。

 

「これでようやく終わりかな」

 

『……あぁ、レクイエムの直撃を受けて無事なMSが居るはずがない。これで終わりだ』

 

「ま。そうだよな。……じゃあ帰ろう。隊長たちの所へさ」

 

『あぁ』

 

そして、デスティニーとレジェンドが去った宙域には静けさだけが残るのだった。




なんとか残業回避。
したので、いつもの時間に更新。

はい。
という訳でサヨナラ。名無しさん。
やったか!?

MSでレクイエムが防げるワケ無いですからね。
確実にお別れです。
勝ったな。ガハハ。


長かったFREEDOM編もそろそろ終わりが近いですね。
では、また明日ー。
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