ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
アカツキ島の南東。木々に覆われたその場所に、それはひっそりとあった。
ミアと書かれた墓石には、短すぎる生涯の年数が刻まれ、その周囲には色とりどりの花が咲き乱れる。
「セナ」
「はい」
そして、そんな墓のすぐ横で座りながら海を見つめていたセナの名をキラは呼ぶと、その横に座る。
「結構眺めが良いところだね」
「はい。ヴィアママとカリダお母さんが教えてくれました」
「そっか」
「ここならミアさんも静かに眠る事が出来ると」
「そうだね」
キラは静かに涙を流すセナを抱き寄せると、小さく息を吐きながら海を眺めた。
多くを知っている訳じゃない。
話した回数などたかが知れている。
だが、それでもミアがセナにとって大切な子だったという事はよく分かった。
「ねぇ。セナ」
「……はい」
「教えてくれないかな。ミアの事」
「はい」
そして、セナはゆっくりとだが、ミアという少女について語り始めるのだった。
「最初は、声が聞こえたんです」
「声?」
「はい。今はそれほど詳しくは覚えていないんですが、とても悲しそうな声でした。助けを求める様な、寂しさに押しつぶされそうな声でした」
セナはキラに語りながら思い出す。
初めてミアに出会った日の事を。
そして、ミアと共に過ごしてきた日の事を。
『……やだ、やだよ』
『声?』
『だ、だれっ? あなたも、こわいこと、するの?』
『いえ。何もしませんよ。怖くない』
『……うん』
『あなたのお名前を教えてくれませんか?』
『……ミア』
『ミアちゃんですか。私は星菜。結城星菜って、言っても……あー。難しいかな』
『ゆーき?』
『セナ。セナって呼んでください』
『せな』
『はい。ミアちゃん。よろしくお願いします』
「確か、名前を教え合って、お友達になって。この世界の事を教えてもらいました」
『なんてこったい! ここガンダムSEEDの世界か! 終わったー! 二度目の人生終了ー!』
『せな?』
『あー、あんまり気にしないで。あまりの絶望感に叫んでいただけだから。うーん。でも、これは運命かな』
『うんめー』
『そう。運命。ここで私とミアちゃんが出会えた事がさ』
『そうなの?』
『そうなの。この体の状況はよく分かんないけどさ。私の意識がミアちゃんの体に宿った事に意味があるハズだ。これからこの世界は過酷な運命に巻き込まれていく事になるけど、守るよ。私が。ミアちゃんの事。絶対に死なせない』
『……せな』
『ま。SEED、DESTINY、FREEDOMと全て何週もした私に死角はない! フハハハハ!』
『ありがとう、せな』
「いいえ。どういたしまして」
「あの頃は、まだミアさんがこの体の持ち主でした。だから、私は意識の底からミアさんに語り掛けて、色々な話をしていました。しかし……」
『セナ……! 助けて!』
『どうしたの!?』
『お父さんと、お母さんが私を殺すって、話してた』
『なん……!? そんな事ある!? って、あるのか。目の色が違うわ! の世界だしな。あり得るか。んー。どうするかな! あ、そうだ! ミアちゃん!』
『なに?』
『私に少しの間、体を預けて欲しい。何とかするからさ!』
『でも』
『ダイジョーブ。この体はミアちゃんの物だ。ちゃんと返すよ』
『そうじゃなくて……』
『ん?』
『あぶないから……わたし、セナに傷ついて欲しくない』
『あぁ、あぁ。気にしないで。私ってばこう見えて結構強いから』
「そして、あの日。私はミアさんと意識を入れ替え、直後激しいショックにより記憶の一部が失われてしまいました。そして、その当時の私を構成していた人格も破壊されました。咄嗟にミアさんを心の奥底へ隠す事は出来ましたが、それでも影響がなかったとは思いません」
「……ヴィアさん達が話してた奴か」
キラの言葉にセナはコクリと頷く。
「砕け散った人格は、元の形に戻ろうとしましたが、失われた記憶があり、完全に戻る事は出来ませんでした。そして歪に繋がった精神は、時間と共に新しい人格で塗りつぶされて……消えていった」
「……そう言われると、確かに昔のセナはもっと違う感じだった様な気もする。アズラエルさんの所へ行って変わったのかと思ったけど、そうじゃなかったんだね」
「いえ。アズラエルさんの家で受けた影響もあったと思います。不安定になった精神は、大きな衝撃を受ける度に歪んでいって、それを埋める度に少しずつ変わっていったのではないかと」
「なるほどね。じゃあ、もうセナの中に、昔の記憶とかは無いの?」
「……覚えてはいますが、まるで他人の世界を見ているような感覚、でしょうか」
「そうか……それは寂しいね」
「ごめんなさい。キラお姉ちゃん」
「いいよ。僕が覚えていれば良いし。それにセナは今、ここに居るからね」
キラはセナに微笑みながら頭を撫でた。
「私は、かつてセナと呼ばれていた人と、ミアさんを犠牲にして、ここに居ます」
「……」
「長い間ミアさんの事を忘れて、こんな事になってしまって……私は本当に、自分が情けないです」
「セナ」
「……っ」
「それを言うなら僕だって悪いよ」
「お姉ちゃんは何も!」
「そう。僕はお姉ちゃんだからね。セナの事情も、ミアの事も知らなきゃいけなかった。気づかなきゃいけなかったんだ」
「……」
「だからさ。二人で分け合っていこうよ。罪を」
「……お姉ちゃん」
「あらあら。それはいけませんわね」
「っ!? ラクス!?」
「はい。ラクス・クラインですわ。あ、いえ。そろそろラクス・ヤマトでしょうか」
「いや、その話は……って、ラクス。今は大事な話をしてるからさ」
「えぇ。分かっております。ですから私も大事な話をしておりますわ」
突如現れ、吹っ飛んだ思考と発言をするラクスにキラは呆れた様な声を漏らすが、ラクスは動じず、ただ微笑む。
「お二人とも。家族とは何か、よくお考え下さい」
「……家族」
「そうです。私は此度の事件で、非常に。非常に!! 心を痛めました。何故か分かりますか?」
「えと……?」
「それは二人とも、私を頼って下さらなかったからです。無論、キラ様は記憶を操作され、セナ様は罪の意識もあり、ミア様に体を預けていたのでしょう。ですが、だとしても! それでも! 何とか私を頼って貰いたいと思ったものです」
「無茶苦茶言うね。ラクス」
「えぇ。私は誰にも自身の想いを告げず、抱え込む事を強さとは思いません。本当の強さとは、愛する人と共に歩む事。困難に向かって共に立ち向かう事。そうでしょう? キラ。セナ様」
ラクスの言葉に、二人は何と返したら良いか分からず、微笑む歌姫を見つめる。
「お二人はご存知ですか? 愛の反対は憎しみではなく。愛の反対は無関心だそうですわ」
「キラ。セナ様。わたくしの中に二人がいます。お二人の中にわたくしはいますか?」
「わたくしの中にあなたがいるという喜び。あなたの中にわたくしがいるという力」
「明るいのか暗いのかは分からない。未来は何も見えない」
「ですが、繋げる手があれば、支え合っていける心があれば……見えない所にも進めるでしょう?」
「繋ぐ手のために、その手を強くする為に、互いの事を知りましょう」
「話します。私の心にある沢山のことを小さなことを」
「ですから、お二人も話してください。その心にある……沢山の小さな事を」
歌う様に奏でられたラクスの言葉に、セナは、小さな声で謝罪を繰り返しながら大粒の涙を流した。
そして、そんなセナをラクスとキラは抱きしめながら見つめ合う。
「懐かしいね。その言葉。初めての時に聞いたんだっけ」
「はい。私の想いは変わりません。キラは?」
「……当然。同じだよ」
キラはラクスと手を繋ぎ、小さな家族の中で、確かな絆を確かめ合うのだった。
はい。
昨日は、帰りが激しく遅くなってなんも出来ませんでしたが、今日はいつもの時間に更新しますわ。
という訳で、これでFREEDOM編は終了となります。
明日はエピローグを更新。
明後日からJUSTICE編ですね。
5thルナとかアクシズの大きさ調べなきゃな(ボソッ