ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
悩んだ。迷いがあった。止めたいという気持ちもあった。
しかし、それでもシンは意思を決めた。
「アスランさん……いや、アスラン・ザラ」
『なんだ。シン・アスカ』
「俺は、アンタの事を多分、尊敬していた。でも、もう駄目だ。今のアンタを受け入れる事は出来ない」
『ならばどうする』
「ここでアンタを討つ!」
『そうか。ならば仕方ない』
ナイトジャスティスはビームサーベルを抜くと、それを静かに構えた。
そして、デスティニー、レジェンド、ライジングフリーダム、イモータルジャスティスもまたそれぞれが武器を構える。
『来い』
「行くぞ!」
シンとアスランの声を合図として、五機のМSはそれぞれの機体を落とそうと戦闘を始めた。
しかし、その戦闘はシン達の予想を裏切り、やや一方的なものになっていった。
そう。アスラン・ザラからの一方的な蹂躙だ。
『遅い』
『うっ!? こんな!』
レジェンドとフリーダムの暴力的な火線を潜り抜けて、最短距離で接近してくるナイトジャスティスは、フリーダムの火器を破壊しつつ、死角から迫るドラグーンシステムのビームスパイクを両足のグリフォン ビームブレイドで破壊し、さらにビームライフルでドラグーンを破壊しながらレジェンドへ接近し、シールドごと蹴り飛ばす。
『なんだ! この強さは!?』
「てやぁぁぁああ!!」
そして、レジェンドを攻撃しているナイトジャスティスにデスティニーがビームブーメランを投げ、それを弾いている隙に分身しながらアロンダイトを構えて突っ込むが、次の瞬間には両腕が破壊されてしまうのだった。
「そんな」
『っ! 引くわよ! みんな!』
「ルナ! でも!」
『このままじゃ全滅する! 良いわね! レイ!』
『あぁ……!』
レイは苦虫を嚙み潰したような顔で、苦し気な声を出しながら撤退を指示する。
そして、追撃をしようとしているナイトジャスティスにありったけのドラグーンを向け、さらにイモータルジャスティスからの援護を受けて各機は離脱するのだった。
『逃がしたか。流石はキラの教え子たちだ。判断も見事だな』
『総帥! ご無事ですか!?』
『あぁ。今戻る』
アスランから逃げたシン達は、艦隊の進行方向から大きく外れた宙域へ向かい、デブリの中に身を隠していた。
誰も推進システムが破壊されていなかった事が幸いし、何とか逃げ出す事が出来た形である。
「……はぁ、はぁ。みんな、生きてるか?」
『あぁ』
『ギリギリだけどね』
『ホント。なんなの? あの強さ。下手したら隊長以上よ』
「そうだな。機体だけじゃなくて、アスランも強い。それに、本気だった! 本気で俺たちを落とそうとしていた!」
シンは怒りを拳に込めて叩きつける。
その怒りにレイもルナマリアもアグネスも、誰も何も言えないのだった。
しかし、このままここにいつまでも居るわけにはいかない。
『とにかく今はミレニアムに帰投する事を優先しよう。アスラン・ザラが敵になったのだという事を伝えなくては、大変な事になる』
「……あぁ」
シンは未だ燃え続ける怒りを身の内に宿しながら、ミレニアムへの帰投を急ぐのだった。
何とかミレニアムに戻る事が出来たシン達であったが、状況は出撃前より悪化していた。
「おぉ。よく無事に帰投したなぁ。それで? どうだった。アスラン・ザラは」
「音声データは提出させていただきました。また、説得に関しては難しいでしょう」
「そうか。厄介な事だな。己の正義を持っている人間というのは」
「それで、艦長。隊長と総裁の件は」
「確認したよ。まだ正式な発表はしていないが、確かに攫われたようだ。一緒に居たセナ嬢もな」
「……そうですか」
コノエの言葉にレイは、俯きながら悔しさを表情に出す。
「考えうる限り状況は最悪ですね。あのサイズの隕石を破壊する場合、レクイエム等の大型破壊兵器が必要ですが、全て解体済み。そうなればメテオブレイカーによる破砕が有効ですが、隕石には護衛艦隊が付いている。しかもザフトの精鋭だ。あれらを突破して隕石を破砕するのは難しいでしょう」
「そうだなぁ」
「加えて厄介なのは、ヤマト隊長、総裁、セナ君が誘拐された件だ。現在、隕石に対抗する事が出来るのはマイティーストライクフリーダムですが、フリーダムはシステムロックされており、ヤマト隊長にしか動かせない。加えてディスラプターも総裁の承認無くては使えない。システムを改ざん出来るセナ君も誘拐されたとあっては、マイティーストライクフリーダムは事実上封印されたも同じだ」
「それなら、メイリンはどうでしょうか? メイリンなら」
「残念だが、ルナマリア。君の妹は現在行方不明だ。彼女はアスラン・ザラと共に行動をしていたからね」
「……ぁ」
「さて、いよいよ打てる手が少なくなってきたな。こちらの手の内を知り尽くした者が敵になると、本当に厄介だ」
「……アスラン」
シンはコノエのぼやきを聞き、怒りを手に込めながら握りしめた。
「しかし、まるで手が無いわけでもありません」
「ほう?」
「ブレイク・ザ・ワールドの事件以降、セナ君が開発していた装備があります。しかもこの装備は私とセナ君、そして開発チームとデュランダル議長しか知らない兵器です」
ハインラインはブリッジに居る全員の視線を受けながらその兵器を巨大モニターに映し出した。
「名を、『ゼウスシルエット』」
「ゼウス」
「シルエット」
「これは、超大型の携行式リニアキャノンによって拠点の中枢まで貫通弾を打ち込み、内部から破壊する兵器ですが、計算によればレクイエムすら一撃で破壊出来るほどの威力が出せます」
「……これを隕石の中心部に向かって撃ち込むと?」
「無論それだけでは足りない。故に、ゼウスシルエットで大穴を開け、そこに核弾頭を撃ち込むのが最適ではあります」
「なるほど。確かにそれなら……」
「しかし、問題はネオ・ザフトの艦隊をどうやって突破し、ゼウスシルエットの一撃と核ミサイルを撃ち込むか、だな」
「アスラン・ザラが居る以上、容易では無い。ナイトジャスティスは私たち四人でも勝てなかった強敵だ。隕石を破壊しようとすれば確実に出てくるでしょう」
「まぁ、それなら手はある。それにネオ・ザフトの艦隊も」
「え?」
「昨日の敵は今日の友。というだろう? もしもという事態に備えて、ファウンデーション王国から出向しているメンバーが、オーブから宇宙へと飛び立ったそうだ。例の新型アークエンジェルに乗ってな」
シンはその言葉に、何度もぶつかってきた者たちを思い出す。
相性はそれほど良くないが、ファウンデーション王国に居る最強の男は、かつてアスランと互角の戦いを繰り広げた猛者だ。
倒せなくても、抑える事は出来る。
「であれば、ミレニアムはカグツチと合流を目指すという事でしょうか」
「あぁ。そうなるだろう。向こうが十分に準備をしている以上、こっちも相応に準備をしないと、勝てるものも勝てなくなる」
「はい」
「さぁ。ここからは時間との勝負だ。幸いこっちは戦いにおいて重要な情報を掴んだ。それを活かさなくてはな」
「ハッ!」
コノエの言葉を合図として、シン達は敬礼をしながら次なる戦いへと意識を向けるのだった。
はい。
という訳でアスラン無双からのゼウスシルエットの公開。
まぁ、まだ出番は先ですが、これから使います。
では、また明日ー