ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
コンパスの三隻艦隊がネオ・ザフトの艦隊とぶつかっている頃、カガリはオーブ国民を避難させながらまとまらない世界に苛立ちつつ会議を続けていた。
「今は裏切者がどうのと言っている状況ではない!! ネオ・ザフトを止めなくては地球は壊滅だぞ!」
『そうは言うが、艦隊を向けて戦力の減った国を狙われたらどうするんだ。誰が責任を取るというんだね』
『オーブとて、地上に戦力を残しているではないか!』
『我らに戦力を向かわせ、制圧する作戦なのではないか!?』
「お前たち……くだらない」
『下らない言い争いはそれくらいにして貰いましょうか!! 皆さん!!』
「っなんだ?」
「通信に割り込まれました」
『お、お前は』
『ジブリール……!』
『黙って聞いていればなんですか! 貴方方は、下らない妄想を垂れ流している暇があるのなら、さっさと軍部に命令を下しなさい! それとも? また連合軍に参加させても良いんですよ?』
『……! ふ、フン! 口では何とでも言えるわ! そういう貴様はどこに隠れているのやら』
『私は既に月基地へ上がり、迎撃作戦の準備を進めています! 貴方方が下らない言い争いに時間を使っている間にもね! ここは今最前線だ。私の所在に不満があると言うのなら、ここまでくれば良い。シャトルをすぐにでも用意しましょう!』
『いや、それは』
『わ、我らは地球で命令を出さねばならん』
『まぁ、良いでしょう。指示を出す必要があると言うのなら、さっさと出しなさい。出し惜しみをしている状況ではない。あのふざけた隕石が地球に落ちれば地球は今度こそおしまいなのだから』
『あ、あぁ』
『分かった』
『カガリ・ユラ・アスハ』
「なんだ」
『無駄な時間を使っている暇があるのなら、脅しでも何でも良いからさっさと話を進めてもらいたいモノですね』
「分かっている」
『やれやれ。無能が多いと疲れますよ』
嫌味を言いながら通信を切ったジブリールにカガリは額に青筋を浮かべながらも、何とか平静を保って通信を切った。
アズラエルとジブリール。
元ブルーコスモスの盟主である二人は表舞台から消えてからも地球の国家に大きな影響力を持っており……カガリのストレスの元にもなっていた。
二人はナチュラルでありながら、コーディネーターを従えてオーブを率いるカガリにある程度の信頼をおいているが、それはそれとして未熟な部分も多い為、カガリに忠告するのだ。
が、その口調がイチイチったらしい為、カガリは二人の事があまり好きでは無かった。
だが、優秀ではある。
故に、三人は互いに互いの事が薄っすらと嫌いでありながら、信頼はしているという奇妙な関係にあった。
そして、宇宙ではそんな三人の内一人、アズラエルが、集まった軍関係者の前で話をしていた。
「さて。お集まりいただいた皆さん。既にお話はご存知かと思いますが、地球の危機です。仲良く手を取る必要はありませんが、協力はして貰います」
「あぁ。分かっている」
「よろしい。まぁ、解体されたとは言え皆さんは元地球連合軍の所属だ。それぞれの軍隊の上層部は当時のコードを使用。連携を取りつつ、下への連携は各国家にお任せします。よろしいですね?」
「あぁ」
「では、作戦の総司令として大西洋連邦宇宙軍艦隊作戦参謀のウィリアム・サザーランド中将より話をさせて貰いましょう」
「預かります。アズラエル様」
アズラエルの言葉を引き継いで姿を現したサザーランドは宙域図を会議机の上に投影すると、現在の状況とこれからの作戦について話をする。
「まず、ネオ・ザフトの艦隊ですが、現在はこの位置でコンパスの艦隊と交戦中。上手く隕石が破壊出来れば良いですが、出来ない場合は、この地点まで後退し、ミレニアム、エターナルと合流後、再び隕石に攻撃をします。こちらに関してはザフトが主な作戦指揮を取る事になります。まぁ、コーディネーターなど信用は出来ませんが、あの艦隊の中心に居るのは元アークエンジェルクルーだ。彼らなら上手くやるでしょう。何せコーディネーターよりも優秀な我らが同胞、ナチュラルですからな」
「うむ」
「まぁアークエンジェルのクルーなら問題は無いだろう」
「もし、コーディネーター共が失敗しても、ケルビムには新型の核弾頭、反応弾を持たせてるからさ。問題は無いよ。最悪はあの艦だけで上手くやるさ。バジルール中佐も艦長さんも優秀だし。ラウ・ル・クルーゼも居るしね。向こうの艦隊は囮で数も少ないから問題は無いだろう」
「えぇ。そうですね。となると、問題になるのはこちら。という事になる」
アズラエルの補足説明に頷きながら、サザーランドは現在目撃されているネオ・ザフトの艦隊とは違う宙域に見つかった隕石を映し出した。
直径は約40km
アスラン達が見せた隕石よりも遥かに巨大な物だ。
「この隕石が落ちた場合、地球の全ては消え去る事になる。かつて恐竜を滅ぼしたとされる隕石の大きさは約10km。これはそれの四倍だ。落ちればまず助からない」
サザーランドの言葉に、会議室に居た者達は最悪の未来を想像して唾を飲み込んだ。
「偵察隊からの報告も入るでしょうが、まず間違いなくここに連中の本命が居ます。艦隊規模は不明ですが、おそらくは相当な規模の艦隊が居ると考えて良いでしょう。ですが、我らはそれを打ち破り、隕石を破壊する必要があります」
そしてサザーランドは地球連合軍の艦隊の位置を説明しつつ、すり合わせを行ってゆく。
地球を守るという一つの目的に、彼らはかつての連合軍とは違い、意思を一つにした軍隊へとなりつつあるのだった。
「艦隊は理解した。ただ、一つ確認したい」
「なんでしょう?」
「セナ様はどちらにおられるのでしょうか。お姿が見えない様ですが」
「残念だけど。セナはここには居ませんよ」
「……では先行艦隊に?」
「いや」
かつて連合軍の一員として戦い、今はとある国で軍を率いている男は、短く自分の言葉を否定したアズラエルへと視線を向けた。
そして、アズラエルは何人もの視線を受けながら、静かに言葉を返した。
「セナは連れ去られた。犯人はネオ・ザフト」
「っ!」
「やはり、奴ら」
「おのれ……!」
「だが、既に救援部隊は月基地を出立し、セナに付けている発信機の位置情報を追跡している」
「「「おぉー!」」」
「して、その部隊は?」
確実に任務をこなせるのか?
セナを無事救出できるのか? という問いを言葉の裏に置いて男はアズラエルに問うた。
そんな問いにアズラエルはニヤリと笑いながら、悠々と答える。
「えぇ。問題無いでしょう。あの男はかつて第一次世界大戦でヤキン・ドゥーエへ潜入し自爆させ、第二次世界大戦ではコーディネーターからMSを奪取し、デュランダルの連合軍にも潜入していた。そして、第三次世界大戦では君たちの艦隊の内部に入り込み、ホープセイバーの間近まで接近している」
「ま、まさか……!」
「生きていた? 奴はレクイエムで」
「待て! アズラエル! あの男はセナ様を狙って!」
「いや。もうその心配は無いでしょう。どうやらセナやキラ、ラクス・クラインと過ごした時間で奴も大分考えを改めたらしい。今回の作戦も死ぬ可能性が高い作戦だが、何の迷いもなく飛び込んでいったよ。いやはや。愛の力という奴は偉大だね」
「まさか……本当に」
「えぇ。ジブリールから来た報告では半日ほど前、既に出撃した様ですよ。ガーティ・ルーを母艦とした第81独立機動群と、隊長ネオ・ロアノークはね」
自信に満ちたアズラエルの言葉に、一応その場に居た者達は信じて頷くのだった。
はい。
という訳で、帰って来たあの人。
特に光落ちした話とかは本編で書かないので、需要有れば外伝ですかね。
ではー、また明日。