ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
コンパスの艦隊、そして連合軍艦隊とネオ・ザフトの艦隊がそれぞれ戦闘を行っている頃。
過激派によるクーデターから逃れて来た現議長であるワルター・ド・ラメントと、今まで過激派を上手くコントロールしていた女傑エザリア・ジュール。
そして過激派が再びザラ派を名乗ってクーデターを起こしている以上、危険があるとしてエターナルへと避難した元プラント最高評議会議長であるパトリック・ザラ、シーゲル・クラインらは、ようやく落ち着いたエターナルのブリッジで一息ついていた。
「しかし、あのアスラン君がこんな事をするとは、思ってもみなかったな。パトリック。血は争えんという事かな?」
「嫌味を言っている状況ではない。シーゲル。あのバカ者を止めなくては再びこの世界は終わりを望む者同士が際限なく争う物となる。我らが身を引いた意味も無かろう」
「そうだな。それで、ラクス。状況はどうなっているのかね?」
「それが……」
「ん?」
「実は少々複雑な事になっておりまして……。私もまだ話を聞いたばかりで混乱しているのです」
「どういう事だ。説明して貰おうか。ラクス嬢」
「その為にはまず、こちらの方を紹介してからですわね。キラ。お願いします」
ラクスに名を呼ばれ、ブリッジの中に入ってきた人物に、キラを良く知る人物は皆目を見開いた。
そう。彼らの前に姿を現したキラはつい数日、数週間前に話していたキラとは大きく違い、大分大人びて見えたからだ。
しかも肩にかかる程度で切られていた髪も、腰まで長く伸びており、浮かべている表情も落ち着いた女性を思わせる。
「初めまして。というのは変ですね。私はキラ・ヤマトです」
「キラちゃん……? 本当にキラちゃんなの?」
「はい……っ! レノアおば様? 本当にレノアおば様なのですか?」
「え、えぇ。私は確かにレノア・ザラだけど」
「そう。そうなのですね。パトリックおじ様に、シーゲル様。それにエザリアさんやラメントさんも。懐かしい人たちばかり。この世界はセナの理想が叶った世界なのですね」
目に涙を浮かべながら語るキラの姿に誰も何も言えずにいたが、凍り付いた空気を壊す様に艦長席に座ってエターナルを指揮していたアンドリュー・バルトフェルドが笑いながら、言葉を投げかけた。
「いやー。驚いたでしょう。どうやら彼女は、未来から来たキラだそうですよ」
「未来から、だと?」
「えぇ。とは言っても我々の知っている歴史とは大きく違う歴史を歩んだ未来。だそうですがね」
「どういう事か。説明して貰えるか? あー。キラ嬢」
「はい。パトリックおじ様」
「……」
「何か?」
「いや、普段話しているキラ君とは大分違うのでな。少々戸惑っていた」
「そうなのですね」
ふわりと微笑みながら頷くキラの姿に、普段のやんちゃな姿を知る面々は微妙な顔で笑う。
そんな面々を穏やかな顔で微笑みながら見つめ、キラは緩やかに語り始めた。
「私たちの生きていた世界は、争いの絶えぬ世界でした。血のバレンタインを切っ掛けに戦争が始まり、私もその戦争でラウ兄さんやトール、フレイ、ウズミ様やナタルさん。そして多くの大切な人を亡くしました。最後はパトリックおじ様や地球軍の方が命を落とす事で戦争は止まりました」
「ですが、ユニウスセブン落下事件を切っ掛けに再び世界は戦争の中へ」
「暴走する地球軍を止める為に、私もデュランダル議長やセナと共に戦いました」
「ですが、デュランダル議長とセナは世界の争いを止める為に、デスティニープランを実行し、私たちもそれを止める為に挑んで……また多くの大切な人を亡くしました。レイ、デュランダル議長、タリアさん、ハイネ。彼らだけではなく、前の大戦と同じく多くの人を亡くしました」
「そして私たちはこれ以上の争いを起こさぬ様、コンパスを設立しました。しかし、コンパスは利用され、ファウンデーション王国がデスティニープランを実行する為にレクイエムとアルテミスを占拠、世界に戦争を仕掛けました」
「私たちはコンパスとして、これを撃破。ですが、また多くの仲間を失いました。ハーケン隊のみんな、アグネス、それに……セナ」
キラが消えそうな声で呟いた名に、今まで黙って聞いていた面々も、驚き声を漏らしてしまう。
「セナは最期まで世界の平和を願っていました。多くの亡くなった人たちが誰も死なない世界を、理想を語っていました。もし、私たちがセナのデスティニープランを受け入れていれば……そう考えなかった日はありません」
「ですが、世界はそんな私たちの後悔を待ってはくれず、セナが亡くなった事で世界の争いは激化し、コーディネーターを狙ったテロにより、ラクスが……そして、地球軍の残党が起こしたレクイエム強奪事件によりオーブと共にカガリやユウナさんが亡くなりました。それでも、世界から争いが消える事はありませんでした」
「そんな時に起こったのが、メサイア落下事件です」
「そう。デュランダル議長の残した宇宙機動要塞メサイアを、地球に落とす事件が起こりました。その被害は凄まじく……地球は人が住めない環境となり、私たちはプラントで生活を始めました」
「私は亡くなったセナやラクスの代わりに、皆の希望として生きていく事を決めました」
「争いこそ消えましたが、これから先、私たちにどれだけの未来が残っているのか。それは分かりません」
「ですが……人には希望が必要ですから」
「そして月日は流れ、私たちはプラントで生活する事にも慣れ、地球の再生計画を始めました」
「再び地球を人が住める場所に変える為に」
「しかし、その計画の中、アスランの駆るジャスティスが地球に残る多くの意思に触れ、暴走を始めました」
「私もアスランを救うべく動きましたが、間に合わず、気が付いた時にはこちらの世界に」
キラが話し終わると、各々が自分の中で話を整理し、しかし追いつかず、うめき声を上げる。
そんな中、誰よりも早く復活したパトリックはキラを見据えながら、一つの確認をするのだった。
「ならば……ネオ・ザフト等と言う物を率いて争いを始めたのは」
「はい。私の知る世界から来たアスランです。おそらくこの世界のアスラン君はどこかに囚われているのではないかと」
「ならば奴の目的は何だね。隕石を落としてどうする」
「アスランの目的はデスティニープランです」
「デスティニープランだと?」
「はい。彼は私以上にセナのデスティニープランが失われた事を悔やんでいましたから。地球に隕石を落とし、人口を減らしてから強制的にデスティニープランを実行するつもりなんです」
「バカな……」
「本当に、バカな人。この世界の人を傷つけても、戻る物なんて何も無いのに」
「……キラ様」
「ごめんなさい。ラクスさん。それに皆さんも、謝って済む問題ではありませんが……申し訳ございませんでした」
「いや、キラさんが謝る話では無いだろう。アスランが起こした問題だ」
「そういう訳にはいきませんよ」
キラはシーゲルの言葉に微笑みながら首を振った。
「私は何があっても、どこまでもアスランと共に行くと決めましたから。アスランが罪を犯せば私も共に償いましょう」
「そうか……」
「その言い方だとまるで夫婦にでもなったみたいだな。いや、まぁそんな事は……」
バルトフェルドが茶化す様に言った言葉にキラは微笑み頷いた。
そして左手の薬指にある指輪を見せる。
「はい」
「え?」
「数年前からアスランは私の夫です」
「「「「えぇぇぇえええええ!!?」」」」
エターナルは大勢の絶叫に包まれ、その中でキラはニコニコと微笑んでいた。
ラクスは……。
キラ「ニコニコ」
ラクス様「」
はい。
という訳で、未来編のお話でした。
まぁ、ざっくばらんですが、こんな感じ。
殆どアニメと同じ未来を辿りつつ、運要素で全部失敗した世界線ですね。
では、また明日ー