ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
多くのMSが隕石を押し返そうと、機体を動かしていたが、隕石は変わらず地球へと向かってゆく。
このままでは地球に落ちて、また多くの悲しみを生み出してしまう。そう思われた。
だが。まだ、人はこの世界を見捨ててはいない。
『状況はよく分からんが、待たせたな! 私が来た!! 私が来たからにはもう大丈夫だぞ!』
「この声……カガリか!」
『お前! アスラン!? コイツ! よくも私の前に顔を出せたな!』
「今回の事件を起こしたのは俺じゃない!」
『何ィ!? 私がお前を見間違えるとでも思っているのか!』
「いや、だからアレは……! って、今はそんな話をしている状況じゃないんだ! 隕石が」
『フン。良いだろう。言い訳があるというのなら、後で聞いてやる。確かに今はそれどころじゃないな。よし。例の品を頼むぞ!』
『よっしゃ! 任せろォ! 何とか間に合って良かったぜェ!』
『どうやら、隕石の進行が僅かに遅れていたらしい。急ぐぞ』
カグツチから飛び立ったいくつかのMSは巨大な皿の様なミラーを隕石に取り付けてゆく。
そして、それと同時にカグツチはカガリの指示の下、戦闘モードへと変形するのだった。
「何をするつもりだ!?」
『D.S.S.Dという機関を知っているか?』
「……確か民間の深宇宙探査機構だったか?」
『そうだ。カグツチ計画の際に、外宇宙への航行手段として、D.S.S.Dに技術協力をして貰った事があってな。その際に得たのが、ヴォワチュール・リュミエールという推進システムだ』
カガリは通信で語りながらカグツチを地球へと向かわせる。
そして、カグツチの主砲エネルギーを最大まで高めながら大気圏に突入した。
『MSにも転用された技術であるが、本来は外宇宙への探索の為に開発されたシステム……! つまり、巨大な光エネルギーをぶつけてやれば、地球の引力に引っ張られている隕石だって……! 押し返せるというワケだ!!』
『代表さん! 準備オッケーだぜ!』
『よし! 宙域の全MSに退避勧告!! カグツチ主砲照準!! 巨大隕石のミラー!!』
『主砲エネルギー充填120%』
『照準固定。巨大隕石』
『MSの退避を確認』
『カグツチキャノン! 発射!!!』
カガリの言葉を合図として、大気圏の熱に焼かれたカグツチは地球に迫りつつある隕石へと、その巨大主砲を撃ち込んだ。
かつてジェネシスを破壊した時よりも膨大なエネルギーで放たれた一撃は、巨大隕石を飲み込んでしまいそうなほど大きく、巨大隕石はその場所で動きを完全に止めた。
「止まった……!?」
『だが、これでは! カグツチのエネルギーはどうなってる!?』
『限界です! これ以上出力を上げれば内部崩壊します!』
『くっ! だが、地球に落ちるくらいなら……!』
『いや、もう十分だ。カガリ』
『え? この声は』
『行こう。キラ』
『えぇ。そうですね』
カグツチの主砲が隕石へとぶつかっているまさにその場所へオーロラの様な光を放ちながら、二機のMSが隕石へと触れ、そして光を放ちながら押し出してゆく。
多くの人の光をその内部に集めて、ジャスティスとフリーダムはフレームの力を最大限に発揮したのだ。
隕石は二機から溢れる光を受けながらゆっくりと地球を離れてゆく。
『隕石! 離れてゆきます!』
『成功だ!』
地球へと落ちてゆくカグツチの中で、カガリは隕石を押し出してゆく二機に手を伸ばした。
届く訳が無い。
だが、手を伸ばさずにはいられなかったのだ。
そして、モニターの向こうへと、遠い宇宙の向こうへと消えてゆくオーロラの様な光を見ながらカガリは頬に一筋の涙を流すのだった。
それから。
戦闘宙域へと到達したドミニオンを中心として、地球へ向かう隕石の破片を破壊する作業が行われ、人類は二度目のブレイク・ザ・ワールドから逃れる事が出来たのである。
『終わったか』
『アスラン! 事情はしっかりと話してもらうぞ!』
『あぁ、分かってるさ』
その後、地球軌道上にてプラントの代表である最高評議会議長ワルター・ド・ラメントと、地球連合軍の代表である大西洋連邦宇宙軍艦隊作戦参謀のウィリアム・サザーランド中将、そしてオーブの代表であるカガリ・ユラ・アスハの三名を中心として話し合いが行われ、今回の事件に関して、その大半を極秘とする事で合意される事となった。
無論、地球軍としては何事もなく終わらせるなど許せる事では無かったが、首謀者が未来から来た人間であるという事実、そしてもう以前の様な絶滅戦争をするつもりが無いという事がこの事件を闇に葬る事で頷かせたのだ。
「それで? 首謀者に関してですが」
「分からん」
「分からない? それはどういう事ですか」
「地球から離れたあの隕石にムラサメ部隊を送って、МSを探したが、見つからなかった」
「逃げた。という事でしょうか」
「いや、それはどうだろうな」
カガリはサザーランドやラメントの言葉に肩をすくめながら答える。
ラクスから聞いた話から導き出した一つの答えを。
「あの二人はおそらく……未来に帰ったのではないだろうか」
「未来に?」
「まるで映画の様な話だな」
「しかし、セナのフレームならあり得る。彼ら自体が未来から来たのだからな」
「まぁ、私は彼らが未来から来たという話自体懐疑的ですがね」
「そう思うんなら、エターナルから観測された戦闘データでも見てみれば良い。特にフリーダムをな。あれだけの距離で正確に撃てるビームライフルなどこの世界のどこにも存在しないぞ」
「……」
「まぁ信じるのも疑うのもどちらでも良いがな。どの道、補給も無しに何処かへ消えてしまった彼らを探す事は難しい」
「そうですね」
「では世界に対してはどの様に発表しましょうか」
「それならば、アスランの名を騙る身元不明のテロリストという事で良いだろう。そして、隕石を撃ったカグツチの主砲に巻き込まれて死亡したと」
「まぁ、その辺りが妥当でしょう」
「ではオーブからの正式な発表後の行動はまた」
「えぇ」
「あぁ」
かくして、ネオ・ザフト隕石落下事件と名付けられた事件は終わりを迎え、オーブを中心として作成された事件の概要が発表される事となった。
そして人々は公開された事件の概要資料から隕石を巡る攻防と、その事件を起こした……英雄アスラン・ザラの名を騙る謎の男について知るのだった。
だが、既にアスランを名乗る謎の男は行方不明となっており、自らの偽物と戦い正義を示したアスランは英雄としてまた名を売るのだった。
オーブのアカツキ島では、キラ、ラクス、アスラン、カガリ、セナの五人がやや大きい焚火を砂浜に作って、話をしていた。
「そっか、結局見つからなかったんだね。あのアスランと、未来の僕」
「あぁ」
「では未来に帰ったという事でしょうか」
「どうだかな。また何か企んでいるのかもしれないぞ」
「あらあら。アスランは厳しいですわね」
「当然だ。今回の事件の原因は俺たちの油断にあった。油断なく、連中の動きを先に察知していれば……」
「ですが、察知したアスランが単独行動をしていたのでは意味がありませんわ」
「う、ぐ」
「そうそう。アスランはもっと他の人に頼らないと」
「そもそもアスラン。お前、なんで私たちに言わなかったんだよ」
「それは……」
アスランの脳裏に蘇るのは、未来から来たアスランに心の奥底へ封じた想いを見透かされた事と敗北した記憶だ。
「何でもない」
「何でもないって事は無いだろう!」
「とにかく! 何でもないんだ! 次回は気を付けるさ!」
「お前! 大丈夫か!? そんなんで!」
「あぁ。問題はない」
アスランは、もう二度と同じ様な事を起こさないように強くあろうと誓うのだった。
はい。
本当は色々とあとがきで書く事があったんですが
台風で頭痛いので、今日は投稿して終わりです。
では、また明日ー