ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
《血のバレンタインの悲劇》によって、地球・プラント間の緊張は一気に本格的武力衝突へと発展した。
誰もが疑わなかった数で勝る地球軍の勝利。
が、当初の予測は大きく裏切られ、戦局は疲弊したまま既に11ヶ月が過ぎようとしていた……
ててててーんてん てんてんてーん
(第三者視点)
アルテミス要塞から逃げ出したアークエンジェルは、ザフトからの追撃を逃れ、月への進路を進んでいた。
しかし、アークエンジェルを取り巻く問題は何一つとして解決していないのだった。
そう。補給の問題である。
アークエンジェルはろくな準備も出来ずにヘリオポリスから出撃し、ここまで戦闘を重ねてきたのだ。
補給無しでは既に限界であった。
だが、こんな状況にあって、アークエンジェルはムウのひらめきにより、一つの打開策を見出す。
しかし、それはそれを告げられたキラ達にとって、酷く忌諱する事であった。
「デブリベルトには、宇宙空間を漂う様々な物が集まっています。そこには無論、戦闘で破壊された戦艦等もあるわけで……」
「まさか、そっから補給しようって……」
「仕方ないだろ? そうでもしなきゃ、こっちが保たないんだから……」
ムウの言葉に、キラ達は何も言えず、押し黙ってしまう。
そして、そんなムウの言葉に続くように口を開いたのはセナであった。
「そうですね。私たちは生きている。生きようともがいている。であるならば、生きられる努力をするべき。生きる事が出来なかった者たちの為にも」
「そうですね。キラちゃん。あなた達にはその際、ポッドでの船外活動を手伝ってもらいたいの」
「……」
「あまり嬉しくないのは同じだ。だが他に方法は無いのだ。我々が生き延びる為にはな……」
ナタルの言葉に、キラ達は静かに頷くと、船外活動の為の準備をする為にブリッジを出て行った。
しかし、いざ船外で作業を行おうとした時、それを見つけてしまうのだ。
そう。ナチュラルとコーディネーター。その争いの切っ掛けとなった一つの悲劇。
血のバレンタイン。
その舞台となってしまった。ユニウスセブンを。
キラ達は再びブリッジへ戻ってくると、感情のままに叫ぶ。
「あそこの水を!? 本気なんですか!?」
「あそこには、一億トン近い水が凍り付いているんだ」
「……でも! ナタルさんだって見たでしょ? あのプラントは何十万人もの人が亡くなった場所で、それを」
「水は、あれしか見つかっていないの」
「誰も、大喜びしてる訳じゃない。水が見つかった! ってよ」
「……フラガ大尉」
「誰だって、できればあそこに踏み込みたくはないさ。けどしょうがねぇだろ。俺達は生きてるんだ! ってことは、生きなきゃなんねぇってことなんだよ」
「……それは分かってますけど」
「結論は出ましたかね。では私は先にセイバーに向かいますね」
「セナ!?」
セナはキラに名を呼ばれても振り向かず、顔を伏せたままブリッジから出て行くと、セイバーに乗り込んで、出撃した。
そして、そのまま船外の活動を始める。
セナからの音声を切り、受信だけ出来る状態にして、黙々と作業を続けるが、やはり心は落ち着かなかった。
「……ユニウスセブン」
作業を続けながら、セナは苦しそうに息を吐いた。
かつて義妹であるマリーに言われた言葉が頭の中で何度も蘇る。
そう。ここに眠るのは、セナが殺した人々だ。
そして、今は墓荒らしの様な事をしている。
「許されたいとは思いません。でも、どうか、世界を、私のせいで始まってしまった戦争を終わらせるまでは、こうして生きている事を許して下さい」
一度流れ始めた涙は止まらず、振り払っても、消える事は無かった。
それから長い時間をかけて全ての作業が終わり、キラ達や民間人の人たちが作った折り紙の花がユニウスセブンに向けられるのを見送ってからアークエンジェルへと帰投した。
しかし、どうやら格納庫ではキラが拾ってきた救命ポッドを開けている最中らしく、マリュー達も集まっており、セナもその近くへ向かって一緒に見るのだった。
これからの世界を導く、運命の出会いを。
「ありがとう。御苦労様です」
救命ポッドから出てきたラクス・クラインという名のピンク色の歌姫は、宇宙空間に慣れていないのか、あらあらと言いながら流されてしまうが、キラがラクスの手を取る事で、なんとか床に降り立つ。
「ありがとう」
「あぁ、いえ」
「うふ……あら? あらあら? まぁ! これはザフトの船ではありませんのね!?」
「えぇ……」
ラクスという少女について、詳細を確認したマリュー達は、これからの処遇について考えていたが、ラクス本人の要望と、セナが了承したという事もあり、セナの部屋に住まう事となった。
無論、マリュー達は激しく反対したが、上官命令だとセナに言われてしまえば何も言えない。
結果、何故か同じ部屋の中に居続けていたフレイが外に出る事となり、セナがラクスと同室となったのであった。
そんな事は何も知らず、食堂の辺りを歩いていたキラはフレイのヒステリックな叫び声に足を止めた。
「嫌ったら嫌!」
「なんでよ~」
「どうしたの?」
「ん。あの女の子の食事だよ。ミリィがフレイに持ってって、って言ったら、フレイが嫌だって。それで揉めてるだけさ」
「私は嫌よ! コーディネーターの! しかも、セナとの部屋を奪った子の所なんか!」
「フレイ!」
「はぁ? 何よ! 別にキラは関係ないでしょ! 私はあの子の話をしてるの!」
「それでもさ、キラもコーディネーターだろ?」
「だから何よ。関係ないって言ってるじゃない! 私、あの子の事何もしらないもの! 突然飛び掛かってきたらどうするのよ!」
「でも、あの子はいきなり君に飛び掛かったりはしないと思うけど……」
「そんなの分からないじゃない! セナが平和を訴えただけで、コーディネーターに殺されそうになったのよ!? あの子が同じ様に私を襲ったらどうするのよ!」
「まぁ、誰が襲われるんですの?」
フレイの叫びに、おっとりとした声が、返ってくる。
それは話の中心にいた少女であり、キラ達はその少女の登場に固まってしまった。
だが、少女はそんな事は何も気にせず、食堂の中に入ってきて、マイペースで話し続ける。
「驚かせてしまったのならすみません。私、喉が渇いて……それに笑わないで下さいね、大分お腹も空いてしまいましたの。こちらは食堂ですか? なにか頂けると嬉しいのですけど」
「ちょ、ちょっと待って下さい! セナは!?」
「あぁ、セナ様でしたら、セイバーさん? という方の所へ行きましたわ。私には待っていて欲しいと言っていたのですが。あ、でも、私、ちゃんとお部屋で聞きましたのよ。出かけても良いですかー? って。それも3度も」
「でしたら、すぐに戻りましょう! お、お腹減ったんですよね? 食事持って行きますから!」
「あら? あらあら」
キラは急ぎ、近くにあった食事二人分を器用にも片手で持つと、ラクスの背を押しながら、食堂からセナの部屋に向かうのだった。
そして、セナの部屋に入り、ラクスの食事を置くと、食事の乗ったプレートを持って外へ出て行こうとする。
しかし、そんなキラの動きを止めたのはラクスであった。
「あの、良かったらここで一緒に食べませんか? これからお食事なのでしょう?」
「それは、その、そうですけど」
「私、出来るのならどなたかとお話しながら頂きたいと思っていましたの。それで、食堂で、と思ったのですけれど」
「いや、それは……これは地球軍の船ですし、コーディネーターの事、そのあまり好きじゃないって人も居ますし、今は戦争中ですし」
「残念ですわねぇ」
キラの言葉にラクスは肩を落としながら、残念そうに笑う。
そんなラクスにキラはどこか癒されながら、椅子に座った。
「あら?」
「あの、僕も良かったら、ここで食事をしようかなと、思いまして」
「あらあら。良いんですか?」
「はい。貴女が良ければ」
「私は大歓迎ですわ。ありがとうございます。あ、そういえばまだ聞いておりませんでしたわね」
「え?」
「お名前を教えていただけませんか?」
「あ……僕は、キラです。キラ・ヤマト」
「キラ様。貴女はお優しいのですね」
「いえ。僕は……僕もコーディネーターですから」
「……」
キラの言葉にラクスは少し考え、そして穏やかな聖母の様な笑みでキラを見つめた。
そして、言葉を紡ぐ。
「そうですか。でも……貴女が優しいのは、貴女だからでしょう?」
その言葉は、確かにキラの中に響き、彼女の中にある苦しみを和らげる。
「……良かった」
そして……部屋の外で部屋の中の会話を聞いていたセナもまた扉に寄りかかり天井を見上げながら呟いた。
自分のせいで戦いに巻き込んでしまったキラが、戦闘を終える度に苦しんでいるのを知っていたから。
その苦しみが少しでも癒されて良かったと、心から安堵した声を出すのだった。
とりあえずジャブ。
セナちゃんを曇らせたい。
てぃてぃ! てぃてぃ! 雲った?
てぃてぃ! てぃてぃ! 雲った?
とりあえずラクスとキラの出会いは大事なので、丁寧に仕上げました。
キララクルートに進むために、余計な要素は弾いて行くゾイ!
なので、(尺の都合上)サイの無意識畜生セリフはカットです。
なんかこの辺りって、分かりやすくカズイとフレイの言動がアレ過ぎて見逃されがちですが、サイも結構アレな言動多いなってイメージ。
やっぱりキラの友達はトールとミリアリアしか居ないんやなって。
そう言えば、ピンクちゃんの霊圧がありませんが。
居るは居るので、脳内補完して下され。
という訳で、日曜日も連続投稿してゆくぞい!
ここからは当分セナちゃん曇らせタイムなので、よろしくー。
まぁ、ラクスが帰るまでなので!
多分、きっと、メイビー。