ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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PHASE-15『動き出した時間』

(第三者視点)

 

 

 

メサイアが地球に落下してから数年。

 

地球は勿論、メサイア落下事件を前後して起こった最終戦争により、月面ももはや人の住める場所ではない。

 

故にこの世界において、人類はプラントを中心に生活圏を構築していた。

 

かつては地球圏に大きく広がり、外宇宙への探索まで行っていた人類であるが、既にその様な未来への展望は消え失せ、今を生きる事に精一杯であった。

 

そんな小さく静かな世界で、人々はキラとアスランという希望に縋りながら生きていた。

 

 

 

分厚い雲に覆われた地球を見下ろしながら、シンはデスティニーを操り、今日も居なくなってしまった希望を探す。

 

『シン。艦長から連絡よ。後一時間で帰還だって』

 

「っ! 後、後少しだけ」

 

『無理よ。そう言って前も無茶したでしょ』

 

「分かったよ」

 

シンは深くため息を吐きながら、今日もモニターに映る地球を見つめる。

 

声が聞こえると、地球に近づいた瞬間光に包まれて消えてしまったアスランのジャスティス、そしてジャスティスを助けようと手を伸ばし、消えてしまったキラのフリーダム。

 

あの日以来消えてしまった二人を探してシンは雲の合間に目を凝らすのだった。

 

そんな時。

 

『シン君』

 

「ん? ルナ?」

 

『何? 何か見つかった?』

 

「いや、今俺の事呼ばなかった?」

 

『呼んで無いわよ』

 

「そっか」

 

シンは気のせいかと再びモニターに目を戻したのだが、暗雲の隙間に光る何かを見つける。

 

その光が酷く気になってしまい、シンはデスティニーを地球に向かって近づけるのだった。

 

「……」

 

『ちょっと? シン。あんまり近づくと危ないわよ』

 

「……」

 

『地球に落ちたら助けられないわよ! シン!? 聞こえてるの!?』

 

「っ! アレは!」

 

シンは地球を覆う雲の隙間に見える光に向かって飛び、デスティニーの両手でその光を受け止める。

 

「……セナ」

 

『ご無沙汰してます。シン君』

 

「セナ。君はファウンデーションとの戦いで……」

 

『はい。今ここに居る私は意識だけの存在です。かのフレームのお陰か、意識だけでもお話出来るみたいですね』

 

「そうなんだ」

 

『シン! どうしたの!? って、セナちゃん!?』

 

『はい。ルナマリアさん。ご無沙汰しております』

 

「それで、セナはどうなるんだ。プラントに帰れるのか?」

 

『それは出来ません。私はただ届けに来ただけですから』

 

「届けにって……」

 

シンはセナが指差す方を見て、目を見開いた。

 

そこにはずっと探していたシンやルナマリア……そして、この世界に生きる人々の希望が居たのだから。

 

「隊長……!」

 

『あれって! フリーダムにジャスティス!』

 

『お姉ちゃんとお兄ちゃんをお願いします』

 

セナの声にシンは急いでデスティニーの手のひらを見たが、そこには何も残っていなかった。

 

ただ、静かな静寂が宇宙に広がるばかりだ。

 

シンは名残惜しい気持ちを感じつつも、宇宙に漂うフリーダムとジャスティスの元へと向かい、無事キラとアスランを回収するのだった。

 

 

 

キラとアスランが戻ってきたという報は、プラントに残る人々の気持ちを湧かせ、人々は希望が未だ消えていなかった事に涙した。

 

そして、多くの人に祈られる中、二日の時を経て二人は静かに目を覚まし、再びプラントの希望として戻ってくる事になったのである。

 

「お邪魔します!」

 

キラとアスランが目を覚ましてから一週間ほど経ち、精密検査からようやく解放された二人は久しぶりに再会した戦友を家に招いていた。

 

「さ。そんなに遠慮しないで、入って」

 

「はい! 隊長!」

 

「失礼しまーす」

 

「ふふ。二人とも相変わらず真面目だね」

 

クスクスと笑うキラに招かれ、キラとアスランの家に入ったシンとルナマリアは緊張したまま、案内されたリビングのソファーに座る。

 

そして正面のソファーに座る、以前よりも穏やかな顔をしているアスランとキラを見据えるのだった。

 

「それで、何があったのか。聞いても良いですか?」

 

「シン! いきなりそれは無いでしょ!」

 

「えぇ!?」

 

「すみません。隊長。デリカシーが無くて……」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

頭を下げるシンとルナマリアを見ながらキラは穏やかな微笑みを浮かべ、両手を足の上で組んで目を伏せた。

 

「二人を見ていると、私達の世界に戻ってきたんだなって思えるよ」

 

「「私達の世界?」」

 

「そう。私達は多分夢の世界に旅をしていたんだ」

 

「そうだな。あの世界は夢みたいな世界だった」

 

「はぁ……」

 

キラはゆっくりと、自分たちが光に包まれてから行った世界の事を語り始めた。

 

「あの世界は私達と同じ様な世界だった。私達と同じ名前と顔をした人たちが居て、私達と同じ様な運命を歩いていた」

 

「……」

 

「でも、色々なめぐり合わせが良かったんだろうね。あの世界には『僕』にとっての大切な人が多く生きている世界だったよ」

 

「それって!」

 

「うん。レイやアグネスやステラ。それにコンパスのみんなも生きていたよ」

 

「……!」

 

キラの言葉にシンは息を呑み、ルナマリアも両手で口を覆う。

 

「それは……確かに夢みたいな世界ですね」

 

「そうだね」

 

シンは告げられた名前に、かつて失った仲間たちを思い出し、拳を強く握りしめる。

 

そんなシンの手にルナマリアは自身の手を重ね、体を預けるのだった。

 

「でも、夢の世界だよ。いつか覚めてしまう夢だ」

 

「……隊長、その世界に、セナは」

 

「居たよ。何も変わらず人の為に生きていた」

 

「そうですか」

 

「でもね。シン。どれだけ愛おしい子がいたとしてもあの世界は夢の世界なんだ。私達が生きている世界じゃない。あの世界の話をしたら、多くの希望を持ってしまう人がいるかもしれないけど、この事実だけは変えちゃいけないんだ。分かるね?」

 

「……はい」

 

「それに、私達はもっとより多くの宝物をあの世界から貰ったからね。これ以上を望むのは贅沢じゃないかな」

 

「宝物、ですか?」

 

「そう。未来へと繋がる希望という名の宝物だ。最後の一瞬まで絶対に諦めないという力を教えられたよ」

 

「最後の一瞬まで諦めない力」

 

「もしかしたら私達の世界とあの世界の違いはそこにあるのかもしれないね」

 

キラは寂しそうに笑うと、ソファーから立ち上がって、多くの写真が貼りつけられた壁に向かう。

 

そして、ラクスとセナとカガリ、自分とアスランが写った写真を見て涙を一筋零した。

 

「もう、今更かもしれないけどさ」

 

「隊長!!」

 

「っ、シン?」

 

「隊長とアスランさんが居ない間に! 検査で分かったんですけど! 俺とルナに子供が出来たんです!」

 

叫ぶ様なシンの言葉にキラは大きく目を見開いた。

 

そう。この世界が終わりへと向かっている一番の原因はコーディネーター同士の出生率にある。

 

改善はされている。が、どうやっても増えない第二世代同士の子供。

 

そして、ほぼ滅んでしまったナチュラルと第一世代のコーディネーターに、人類は自らの業を呪っていた。

 

しかし、希望はまだ消えていなかったのだ。

 

「それは……本当に?」

 

「はい。双子で、検査でも順調だと」

 

「あぁ……そうなんだ」

 

キラは泣きながらルナマリアの傍まで行き、その手を取った。

 

ルナマリアもキラの手を取りながら、涙を流し微笑む。

 

「戦いましょう。キラさん。こんな世界でもまだ終わりじゃないんだと示す為に」

 

「……うん。うん!」

 

「名前は決まってるのか?」

 

「はい。レイとメイリンって」

 

「そうか……良い名前だな」

 

「アスランさん!」

 

「なんだ?」

 

「今度は、アスランさんの番ですよ! ずっと気にしてたんでしょ!? 俺達の事! でも! もう心配いらないですから!」

 

「……全てお見通しか」

 

「はい!」

 

「まったく素直な奴だな。お前は」

 

アスランはフッと笑いながらルナマリアと語らっているキラを見た。

 

そして失ってしまった多くを想い、目を閉じる。

 

「そうだな。俺達も未来へ進む時なのかもな」

 

アスランは呟いた言葉の中に、遠くへ消えた仲間たちの声を聞いた様な気がして、また小さく笑うのだった。




はい。
昨日は大変申し訳なくー
明日更新しますね。とか言っておいて、体調不良で起きる事も出来ませんでしたわ。

という訳で、遅ればせながら更新です。

明日は更新出来る様にしますねー。
では、また!
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