ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
ネオ・ザフト隕石落下事件以降、テロ事件であっても大きな被害に繋がる可能性があるとし、世界各国はより安定した世界を求めて動き始めた。
かつて地球連合軍統合最高司令部が存在したアラスカには、世界平和監視機構コンパスの本部が置かれ、コンパスの艦隊及び部隊の意思決定の場として国際連合議会会議が設立された。
そして本日は、その国連議会の初代議長である元オーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハの就任会議の日である。
『はじめまして! 私は国連議会の初代議長として就任したカガリ・ユラ・アスハです。アスハの名を名乗っているが、私は既にオーブ連合首長国代表の地位から退いており、オーブだけが有利となる様な施策を進めるつもりはない! それは私がオーブの人間である前に、この地球圏に生きる一人の人間だからだ。ナチュラルもコーディネーターも関係なく、ただ一人の人間として、この世界に生きる全ての者の為に戦い! 生きる事をここに誓おう!!』
これまで何度も世界に示してきた在り方と何も変わらず、カガリは獅子と呼ばれた父に負けぬ程の熱を込めて、世界に訴えかける。
「しかし、まさかここまでやるとはな。思わなかった」
「そうだねぇ。コーディネーター共に初代議長の座は渡せないと、それなりの連中を送り込んだけど、まさか全てを倒して議長に就任するとは」
「まぁセナやキラの後押しもあっただろうが、それでも7割の票を確保するとは……今の世界人口は知っているか? アズラエル」
「さて、ね。どちらにせよ。議長がナチュラルなら地球も多少は静かになるさ。サザーランド中将も、そろそろ休暇が欲しいとぼやいていたからね。ちょうど良い」
そして、カガリの演説は世界中に届き、多くの人が彼女の演説に耳を傾ける。
例えばオーブに存在する知る人ぞ知る喫茶店の中でも。
『私は力を無用な物とは考えない。何故ならそれは迫りくる脅威から身を守る為に必要な物だからだ! 故に、私はこの世界に生きる人間として同胞たる諸君を守る為に力を振るおう!』
「ふぅ……これでようやく一息つける訳か」
「まだ艦隊司令の座が残ってるだろうが、働け。サザーランド」
「お前がやれば良いだろう。ハルバートン。コンパスからの打診も来ているのだろう?」
「まぁ、弟子が優秀だからな。中々休ませてくれんのが玉に瑕だが」
「マリュー・ラミアスか」
「アイヤー。彼女は優秀だからね。何せあの砂漠の虎を打ち取った程だ」
「……」
「貴様! ここで何をしている。アンドリュー・バルトフェルド!」
「ここで何をって、僕はこの店の店主だよ」
「何!?」
「ほぅ。砂漠の虎はコーヒーにも理解があるのか。美味いコーヒーをありがとう」
「おや、第八艦隊の知将殿にお褒めいただけるとは、光栄だね」
「ハルバートン!」
「良いじゃないか。サザーランド。お前だって先ほどまで美味そうに飲んでいただろう? それとも、コーディネーターが淹れたと分かった途端にコーヒーが不味くなるのか?」
「……そういう訳ではない。まぁ、コーヒーの味は認めてやろう。味はな」
サザーランドは乱暴に座りながら、再びコーヒーに口を付けた。
そして、サングラスを掛けているバルトフェルドを見て、ニヤリと笑う。
「だが……このサンドイッチは駄目だな。野菜にこだわりがない。所詮はこの程度か? 砂漠の虎」
「ぐっ、痛いところを突くじゃないか」
「明日。私が最高のサンドイッチを持ってきてやろう。覚悟しておくんだな」
「ほぅ。最高のコーヒーに最高のサンドイッチか。それは悪くない休日だな」
ハルバートンはテレビで流れるカガリの演説に目を移し、どうかこの平和が長く続く様にと願うのだった。
そして、演説は遠く離れたプラントでも流れていた。
『未だ世界に残る問題は多い。しかし、それがどの様な問題であれ、私にとっては大きく見過ごせない問題ばかりだ。故に声を上げて貰いたい。この世界に生きる同胞諸君。私は諸君の声を決して聞き逃す事はない!』
「まさか、カガリちゃんが初代議長になるなんてねぇ。どうする? パトリック。彼女、まだまだ隠居するつもりは無さそうよ?」
「どうもこうもない。これはアスランの問題だ」
「でも、このままじゃいつまで経っても孫に会えないわよ?」
「む。確かにそれは問題だな」
「ハッハッハ。お前の所は大変だな。パトリック」
「……シーゲル」
「こちらはもう秒読みという所だからな。まぁ私は娘たちが幸せであればそれで十分だが?」
「フン。人工子宮の研究はユーレン博士に進めさせている。問題はいずれ問題ではなくなるだろう。我らの英知が未来を拓く!」
「二人の意見はちゃんと聞くんだぞ。パトリック」
「分かっている!」
「はぁー。やれやれって感じね」
レノアはモニターの向こうで多くの熱を集めながら、声を上げる息子の嫁を見ながらため息を吐くのだった。
プラントから離れた遠い宇宙の果てでも、カガリの演説は届いており、彼らは作業の手を止めずにモニターを見つめる。
『私たちの生きる世界! この世界は誰の物でもない。だが、私たち全ての物でもある。共に明日を見つめ、前に進み続ければその果てに輝かしき未来が待っているだろう!』
「でも、本当に良かったの? アスラン」
『あぁ。この実験にはナイトジャスティスが必要だからな』
「いや、前も言ったけど、僕のフリーダムとセナのホープセイバーで十分なんだって」
『何かあった時に戦力は多い方が良いハズだ!』
「はぁ。まぁ、アスランがそれで良いなら良いけどさ」
『あらあら。アスランは変わらないですわね。意地っ張りで』
『でも、そういう真っすぐな所がアスランお兄ちゃんの良いところだと私は思います』
『セナ!』
「駄目だよ。セナ。アスランを甘やかしちゃ。すーぐ暴走するんだから」
『そうですわね』
『なんだと!?』
『ヤマト隊長。アスラン・ザラ。セナ君。そろそろ実験宙域に到達します。私語は後にしていただきたい』
「はぁーい」
『あぁ』
『分かりました』
『では、三機は指定された地点への移動を……完了次第、フレームの共鳴実験を開始します』
「……」
キラは示された地点へと移動しながら、カガリの言葉に耳を傾けていた。
そして騒乱の時代が終わり、これから平和の世界が作られていくのだと感じさせるその姿を見つめる。
『キラ』
『キラお姉ちゃん』
「うん。じゃあ始めようか」
キラはフリーダムの両手を広げて、少し離れた場所にあるジャスティスとホープセイバーの中にあるアスランとセナの意識を探す。
そして、意識の中で二人を捕まえると、自分の意識も伝えて、意識を三人の中で増幅してゆくのだった。
『……綺麗ですわね』
『フィールド展開を確認。エターナル主砲照準』
『はい。では三機には当てないで下さいね。発射して下さい』
『主砲発射!』
瞬間、エターナルから主砲が放たれ、それは容易く三機が生み出すフィールドに阻まれて消えていった。
『実験は成功です。フィールドの揺らぎから考えても、レクイエムを受け止める事も可能でしょう』
「……そっか。それは良かった。カガリには良い報告が出来そうだね」
『しかし、本当に良いのか? キラ』
「なぁに? アスラン」
『実験は確かに成功したが、問題だって……』
「大丈夫だよ。そんなに心配しなくても。僕たちは道を間違えたりはしない。間違えても、正してくれる人たちが大勢いるからね」
『……』
「だから、そんなに怖がらなくても、怖い事なんて何も起こりはしないよ。何度も奇跡を起こしてきた物じゃない」
『……そうだな』
時代は確かに平和へと進んでゆく。
多くの者が望んだとおりに。
はい。
書き始めた当初はこんな予定はなかったのですが、国連の議長に就任したカガリ。
何か凄い出世してる……!
という訳でなんか雰囲気的に最終回っぽい話ですが
もうちょっとだけ続くんじゃぞい。