ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
国連が発足し、コンパスも改めて人員の調整が行われ、大きな組織となってから約一年が経った。
世界は少しずつだが、確かに平和へと向かっている。
四度も行われた世界を巻き込んだ戦争。
そして、多くの者が終わらない戦争に疲れ果て、平和を望んでいた事が原因としては大きいだろう。
だが、そんな平和へと進みつつある世界でも、ちょっとした一言が大いなる争いを起こす事もある。
そう。それは、ネオ・ザフトの襲撃により流れてしまったキラとラクスの結婚式を再び行おうと話していた場での事だ。
美しいドレスを着るキラとラクスを見て、セナが誰に聞かせるでもなく小さく呟いた言葉があった。
「結婚ですか。良いですねぇ」
それは本当に何の意味もなく放たれた言葉であったが、周囲の者がそうですか。と流す訳がない。
必要以上に大きく受け止められたその一言は、即座に全世界へと拡散された。
『セナ様、結婚を前向きに考える』
『セナ様がご結婚相手を全世界へ募集』
『セナ様、明日にも結婚か!』
人から人へと言葉が伝わる度に、微妙に意味を変えて伝わっていく伝言ゲームは、もはや当初の意味などどこにも無くなり、完全な別物となって世界の人々に伝わってゆく。
ニュートロンジャマーの件から、地球の救世主として有名になり、それ以降の大戦でも多くの人を救うために奔走し、果てはデスティニープランで人類すべてを救済しようとした少女が結婚相手を探している。
このニュースに飛び上がらなかった者はこの地球圏には居ないだろう。
故に、オーブ近海にあるコンパスのオーブ支部、アカツキ島基地には多くの人間たちが押し掛ける事態となってしまった。
財閥の御曹司。
軍の英雄。
若き実業家。
著名な音楽家、果てはどこぞの国の王子まで。
それはもう選り取り見取りという状態である。
が、この事態に誰よりも混乱しているのはセナであった。
アカツキ島の最深部。核の直撃にも、レクイエムの直撃にも耐えられる様に設計された強固な防衛拠点のその奥で、セナは小さくため息を吐きながら、外の様子を見つめていた。
「……どうしてこんな事になっているのでしょうか」
「またセナが変な事言ったんじゃないの?」
「変な事を言った覚えは無いです」
「そう? まぁでも理由はどうあれ、外の人たちはセナの事が好きでここまで来たんだし。話くらいは聞いてみる?」
「……でも、私、まだ結婚とか全然考えてなくて」
「そっか。まぁ今のセナがそうならそれでも良いけどね。でも、いつか……」
「そのくらいにして貰おうか! キラ! セナを誘惑するのは!」
「……何か御用ですか。ユーレンさん。今はプラントで人工子宮の開発に忙しいって聞きましたけど」
「何が忙しいか! 娘の危機に何もせず親とは言えまい!」
「そうじゃそうじゃ!」
「……アウラさんまで来たんですか? あまりオルフェに迷惑を掛けるのもどうかと思いますけどね」
「ぐっ!」
「こっちも今は忙しいので、お二人の相手をしている暇は無いんですよ。オーブの兵隊さんを呼びますので、強制送還させていただきます」
「ま、待て! 待つのじゃ!」
「そうだ! アウラは良いが、私は駄目だ!」
「なんじゃと!? わらわのシャトルにタダ乗りしてきた癖に、よくも言えたもんじゃな!」
「金を払えと言うのなら、払ってやる! 受け取ったらさっさと故郷へ帰れ! セナの親面もするな!」
「血の繋がりも無い癖に!」
「血の繋がりがなんだ! 私とセナの間には心の繋がりがある。それで十分だ!」
ぎゃあぎゃあと顔を合わせる度に喧嘩をする二人を見ながら、キラは呆れた様にため息を吐いて警備兵を呼び、二人を部屋から追い出した。
静かに話したい状況ではあまりにも邪魔すぎる二人である。
しかし、刺客というのは思わぬ所からやってくるものであり、撃退したからと言って安心できない物でもあるのだ。
「まぁ、とにかくさ。実際に話してみたら何か変わるかもしれないよ」
「……そうでしょうか」
「気が乗らないのなら、無理はしなくても良いんだぞ! セナ!!」
「そうそう。結婚なんてまだ早いって!」
「……アスラン。シン。何か用?」
「セナが困っていると聞いてな! 飛んできた!」
「同じく! 来ました!」
キラはバカ親だけでなく、バカ兄まで来たかと再度ため息を吐きながら、警備兵を呼ぼうとしたが、部屋の向こう。
扉の影にもう一人隠れている人がいるのを察知する。
「……ラウ兄さんまで、こんなバカな事をやっているんですか?」
「……いや、私はまだ反対とは言っていないよ。キラ。あくまでセナの考えに従うつもりだ」
「そうですか。なら良いんですけどね」
「当然だ。私はセナやキラの幸せをいつも願っているからね」
「なるほど?」
「しかし。セナもまだまだ若い。家族で共に過ごす時間の方が大事なのでは無いかな。戦争ばかりでろくに休むことも出来なかっただろう」
「ごもっともです」
「ならばこそだ。有象無象に時間を割くのはもったいない。そこで、どうかな。まずは私のプロヴィデンスにМS戦で勝った者とだけ面談を行うというのは」
「……ラウ兄さん」
「セナと結ばれようと言うのだ! 当然! 私程度には勝てんと話にならん! そうだろう!?」
「隊長。そういうお話でしたら、私もジャスティスでご一緒させて下さい」
「俺もデスティニーで行きますよ! クルーゼ隊長!」
「心強いな。うむ。これが一番だと思うが、どうかな。キラ」
「警備兵を呼びますね」
キラは冷たく言い放つと、警報ボタンを押し、三人のバカ兄を施設の外へと放り出した。
ついでに彼らの愛機をシステムロックする事も忘れない。
「はぁ」
「あらあら。お疲れですわね。キラ」
「お疲れなんてもんじゃないよ。ラクス。誰も彼も言いたい放題。やりたい放題。セナの自由はどこにあるんだろうね」
「それだけセナ様の事を皆心配されているという事ですわ」
「それだけなら良いけどさ。心配するって言うのなら、将来の事も考えるべきだと僕は思うよ」
「そうですわね」
ラクスは近くにあるソファーに座りながら、すぐ隣に座っているセナを抱き寄せた。
「でも良いではないですか。皆さん実に楽しそうですわ」
「……それは、そうだね。確かに」
「ここに来るまでにも様々な方を見ましたわ。かつては敵として銃を向け合って居た方々が、手を取り合い、笑って、語り合っておりました」
「うん」
「これこそが、私たちの望んでいた未来の姿なのかもしれません。キラやセナ様はどうでしょうか」
「そうだね。僕も同じだ。こうやって、バカみたいに騒いで、誰も死なないで笑い合える時を待っていたのかもしれない」
「……はい。私も同じです」
「では、今この時を楽しもうではありませんか。これこそが私たちの望んでいた世界なのですから」
キラはラクスの言葉に、笑みを零すと、ラクスとは反対側に座ってセナを抱きしめる。
「じゃあ、僕もバカをやろうかな」
「よろしいと思いますわ」
「そうと決まれば! ラクス! 僕はセナの自由を手に入れる為に行くよ! ヤマト隊長より、マイティーストライクフリーダム出撃申請!」
「総裁ラクス・クライン。緊急事態につき、私が承認いたしますわ」
「え?」
セナが驚き、声を上げる間もなく、キラは部屋から飛び出していった。
その直後に部屋の通信装置からカガリの怒声が響く。
『おい! キラ!! 何とか言ってやってくれ! アズラエルの奴とジブリールの奴が、アカツキ島にブレイバーとデストロイ軍団を向かわせてるって……は? マイティーストライクフリーダムが発進したァ!? あのバカ! ここを戦場にするつもりか! こうなればしょうがない! アカツキ出るぞ! セナはまだ嫁にはやらん!! カガリ・ユラ・アスハ!! アカツキ! 出撃する!!』
「あらあら。カガリさんも楽しそうですわね」
ラクスは大型モニターに映る、大規模なMS戦を見ながら笑い。
セナはため息を吐きながら、ラクスと共にホープセイバーでこのバカ騒ぎを止める為に出撃するのだった。
はい。
やっぱりこういうお祭り回は書いてて楽しいですね。
私は! こういう話を書くのが! 一番好きですからね!!(大声
決して悲しい話や救われない話を書くのが好きという訳じゃないんです。
世界の為なんて言いながら、大切な人の気持ちを無視して、自己犠牲に走る話が好みという訳では無いんです。
という訳で。
またその内こういう話も書きたいですね。
では!