ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
世界は今までにない程、急激に変わりつつあった。
セナはコンパスが中立組織である以上、どうやっても介入出来なかった内乱や内戦にまで踏み込み、とにかく一般市民が巻き込まれる様な戦いを全て破壊していった。
弱者へと銃を向ければ、セナはどこからともなく現れ、MSや大型の兵器を全て破壊し去って行く。
力によって他者を支配してきた者にとっては非常に厄介な物であり、力を持たぬ者にとってはまさに救世主であった。
だが民衆の中で、救世主としてセナの名が呼ばれる事が面白くない大国は、より大きな力を得る為にセナとセナの駆るMSを手に入れる為、いくつかの国と協力し、罠を張る事にする。
それは、大国の外れにある中規模の都市で、あえて戦争行動を起こし、そこに現れたセナを捕獲しようという物だった。
無論この様な作戦は、多くの戦闘データからセナの駆るMSの戦力を把握しているコンパスや大西洋連邦などの超大国からすれば失笑物の作戦ではあったが、どの様な結果になるのか、彼らには興味があった。
故に、スパイを送り込んで戦況を観察しようとしたのだが、そこで彼らは衝撃的な物を目にする事になる。
『様子はどうだ。クルーゼ隊長』
「問題はない。無事入国する事が出来た……ニコルやメイリン、アスランもミラージュコロイドで身を隠したまま待機している」
『そうか。あり得ないだろうが、もし万が一セナが捕縛される様な事が起きても大丈夫という事か』
「そうなる。そして、我らの作戦も問題なく進行中だ」
『新型のニュートロンジャマーか。これでニュートロンジャマーキャンセラーの上からでも核動力を止める事が出来るという事だな』
「あぁ。そういう事だ。無論セナのMSがより強力なキャンセラーを積んでいる可能性もあるが、基本的にキャンセラーというのは元のジャマーに対応して作られる物だ。あらゆる妨害兵器を止められる物は存在しない」
『うむ。では、頼む』
「無論だ……む? 現れた様だ。また状況が変化次第連絡をする」
『分かった』
クルーゼはカガリとの通信を切り、既に始まっている戦闘へと目を向けた。
セナの駆る白い髭のMSは逃げまどう市民を助ける為に、その身を盾にしつつ、ビームライフルで空を飛ぶウィンダムの群れを撃ち抜いてゆく。
だが、敵は市民の逃げる方向を制限しながら、セナも誘導し、遂には罠を張った場所へと追い込んで発動させるのだった。
それは巨大なネットの様な物で、セナのMSを上から覆ってしまう。
そして、セナは下に居る市民に被害が出ない様にと上空へと飛び上がったのだが、瞬間電流が流されて空中でよろけてしまった。
『セナ!』
「待て! アスラン!! まだ動くな!」
『しかし!』
『抑えて下さい。ここで出ても、セナさんに逃げられてしまうだけです!』
『くっ!』
苛立つアスランの声を聞きつつ、クルーゼは冷静に状況を見守っていた。
確かに電流などを流されて地面に落ちたセナが心配ではあるが、殺すつもりでやっていない事はよく分かる。
故に、クルーゼは唇を噛み締めながら、静かに待つ。
セナが動けなくなるその時を……。
もしくは、セナが再び動き出す時を、だ。
そして、待ち続けた甲斐もあり、セナのMSが排気音を出しながら動き出そうとしているのを確認する。
『隊長!』
「あぁ。見えている。だが、ここからどうやって脱出するつもりか。おそらくあの網、ビームサーベルも効かんぞ」
『セナちゃんのMS周辺で異常なエネルギーの膨大を確認』
「何!?」
『微細な物質の放出を確認。これは……敵の兵器を破壊……いえ、崩壊させています』
「崩壊だと?」
『はい。まるで砂の様に……崩れて、あ。今、網が崩壊しました』
『これがミゲルのスモーを破壊した力か』
クルーゼは冷汗を浮かべながら、周囲を囲んでいたMSをも破壊してゆく虹色の奔流を見つめる。
そして、操縦桿を握る手に力を込めながら静かにタイミングを見計らうのだった。
『セナさんのMS以外の全てのMS、機動兵器の停止を確認』
「今だ! システム作動! ニュートロンジャマー起動!」
『新型ニュートロンジャマー。起動します。対象、セナさんのMSを中心とした都市全域』
「全機、バッテリーに切り替え! ミラージュコロイド解除! セナを捕縛する!」
クルーゼの言葉を合図として、ミラージュコロイドのマントを脱ぎ棄てて、ニコルのブリッツ改、アスランのナイトジャスティスとメイリンのキャバリアーアイフリッド、そしてクルーゼのプロヴィデンスが姿を現した。
『っ!?』
「動力さえ抑えれば! どの様なMSであろうとも!!」
クルーゼは、ビームライフルを放ち、セナの手に持っているビームライフルを破壊しようとした。
しかし、それはセナのMSが発するフィールドに阻まれて消えてしまう。
「何!?」
さらにそれだけでなく、ニュートロンジャマーを使用されている状況だというのに、セナのMSは特に何の影響も受けていない様子で迫りくるブリッツのビームサーベルをフィールドを発生している左手で受け止めて、ビームサーベルでブリッツを攻撃しようとするのだった。
『隊長!? 動いています!』
「まさか、バッテリー機だというのか!? あの出力で!? あり得ん!」
『セナぁぁああ!!』
『アスランお兄ちゃん……!』
セナの振り下ろしたビームサーベルをブリッツがかわした直後に、ナイトジャスティスの奇襲を受けたセナは、咄嗟に機体を動かして逃げようとするが、アスランが逃がすはずもなく、二本のビームサーベルを両手に持ち振り下ろした。
しかし、そのビームサーベルもセナのMSが発生するフィールドに阻まれてそれ以上は進まない。
『ならば!』
だが、アスランは空中で停止した様な拮抗状態の中で、右足を勢いよく振り上げながら仕込んでいたアーマーシュナイダーを、セナのMSに向けて射出し、僅かに届かず空中で止まったそれを腕で殴りつけながら押し込むのだった。
アーマーシュナイダーはセナのMSの肩部分に刺され、そこから火花が吹き出す。
「やったか!?」
『いえ、まだ! 完全に機能停止させるには!』
クルーゼはビームライフルを放ちながらセナに接近し、ビームサーベルを振り下ろしながら肉薄する。
そして、ブリッツ、ナイトジャスティスと連携しながら熟練のパイロットですら捌けない様な連携攻撃を繰り出して、セナを追い詰めていった。
流石に何度もビームを防いでいると、出力も下がるのかフィールドは以前ほどの強度を出せておらず、揺らぎを見せている。
クルーゼはここに可能性を見た。
しかし……。
クルーゼはある可能性を見落としていた。
それはセナの危機を何度も救ってきたあの虹色の光が放たれる可能性だ。
いやしかし。クルーゼを責める事は出来ないだろう。
何故なら、それは今まで、この一瞬前までは確かに、一度の戦闘で一度しか発生させる事が出来ない物だったのだから。
そう。だからクルーゼたちは何度も戦闘記録を確認し、連発は出来ないと考えて、今日ここに臨んだ。
「終わりだ! セナ!!」
『確かに。そうですね。少し前までは。その可能性もありました。ですが、ようやくこの子も目覚め始めてくれた様です』
「何!?」
各々が武器を構えて、セナのMSへと飛び込んだ瞬間、視界を覆う様な……今までとは比べ物にならない様な量の光が溢れた。咄嗟にクルーゼはアスランのナイトジャスティスを蹴り飛ばし、影響範囲の外へと飛ばすが、自機とブリッツ改は間に合わない。
虹色の光に飲み込まれ、全てを砂に変えられ……地面を転がる事になった。
虹色の奔流も収まり、砂となって崩れ始めているヘルメットを投げ捨てて、クルーゼが見上げた先には何も残っておらず、ただ戦闘の跡が残るばかりであった。
セナ「そろそろ起きないかな?」
髭「おはよー!」
セナ「起きたわ」
クルーゼ、アスラン、ニコル「「「」」」
はい。
という訳で、順調に進行中ー。
ではーまたー明日―