ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
アスランのナイトジャスティスが中破、ブリッツ改とプロヴィデンスは消失という事でキャバリアーアイフリッドと共に帰投したクルーゼ達であったが、報告される内容は非常に重い物であった。
「すまないな。アスハ議長。結果は出せなかった」
「いや、報告を見る限りは仕方がない事の様に思える。あの機体は異常だ」
「あぁ。まさか核動力では無いとはな」
「しかし、バッテリー機であれほどの出力とは……」
「いえ。セナ君の機体はバッテリー機ではありませんよ」
「そうなのか? ハインライン少佐」
「えぇ」
カガリの問いに頷きながらハインラインは資料を空中に投影した。
「まず。バッテリー機の特徴となりますが、当然のことながらバッテリーを充電もしくは交換する必要があります。どれほどの出力があろうとこれは変わらない。ですが、セナ君はここまで完全な無補給だ」
「……いや、分からないだろう。隠れて補給しているのかもしれない」
「まぁ、無論その可能性もあります。しかし機体の形状を見る限り、外部からのバッテリーを受ける箇所がありません。これでは一度機体を分解ないし、一部解放しないといけない。だが、その様な工場はどこにもありません」
「う、む」
「それに世界を敵にしよう。という時にわざわざその様な設計にする事など非効率です。あり得ない。であるならば核動力かと思ったのですが……どうやら未来には核以上のエネルギーがある様ですね。理論上は存在する縮退炉でしょうか」
一人でブツブツと独り言を呟きながら部屋を出ていったハインラインは放置し、カガリは再び意気消沈したクルーゼに向き直る。
「エンジンの秘密はこちらで解き明かすとして、だ。クルーゼ隊長」
「あぁ」
「勝てるか?」
「……正直、難しいと言わざるを得ない」
「そうか」
「奇襲という作戦において、これ以上ない程に完全な作戦だった。しかし、その上で勝てなかった。これ以上は機体を変えても難しいだろう」
「クルーゼ隊長が言うのなら、真実そうなんだろうな」
カガリはため息を吐きながら椅子に深く座り込んだ。
クルーゼ、アスラン、ニコル、メイリンを動かすのはカガリの独断で出来る最大の手であった。
これ以上の戦力投入は各国の承認がいる。
しかし、セナが敵であるという状態に、セナの命を危険にさらすディスラプター等の兵器を承認させる事は難しい。
そう。ここにきてセナの救世主としての立ち位置がカガリ達の行動を邪魔しているのだ。
セナが弱者を救っているという姿もまた、コンパスとして非常に動き難い。
どうしようもない。
打つ手がない。
それがコンパスの現状だった。
しかし、沈み込むカガリに、太陽はまだ空で輝いていろとばかりに新たな手が扉から入ってきた。
「諦めるにはまだ早いですわ。カガリさん。クルーゼ隊長」
「ラクス……!」
「先ほどプラント最高評議会とのお話が終わりましたわ。セナ様を止める為に、協力して下さるそうです」
「本当か!?」
「えぇ。プラントがあくまで独自に動くお話ですから、コンパスは関係ありません。ですから、ミレニアム等のザフトから出向して下さっている方は、ザフトでの作戦に参加出来ますわ」
「確かにな! それなら大規模な作戦も立てられる! クルーゼ隊長! まだ、希望は消えていない!」
「……あぁ!」
「おっと。喜ぶのはまだ早いですよ」
椅子の上で飛び跳ねるような勢いで喜んでいたカガリはラクスの後ろから入ってきた男に顔をしかめた。
そして、見るからに不機嫌そうな顔で、腕を組む。
「なんだ! 私は今忙しいんだぞ!」
「これは失礼。ただ、セナへの奇襲作戦が失敗したと聞いてね。一刻を争っている時間もないというのが現状の認識ですが、議長サンは違う認識ですか?」
「……いや、違わない。それで? そう言うからには何かいいニュースを持ってきたんだろうな」
「えぇ。勿論。泣いて喜ぶ事でしょう」
「話してみろ」
「大西洋連邦及びユーラシア連邦の協力を得ました」
「は……はぁ!?」
「かつての連合程では無いですが、大規模な部隊を動かせます。それに、アルテミスなどの軍事要塞や、レクイエムもね」
「いや、アズラエル。お前……」
「やるからには本気でやらねば勝てない。セナの呼び出したMSはそれほどの物だ。それはクルーゼ隊長もそちらの総裁サンも同じ意見でしょう?」
「あぁ」
「えぇ。その通りですわ」
「なので、やるからには徹底的にやろうという話です。これが上手く行けば、議長サンの望んでいた完全平和に近づきますよ。何せ、レクイエムやジェネシスをあの子が見逃すハズがない」
「……そうだな」
カガリはアズラエルの言葉に項垂れながら言葉を吐き捨て、そして、緩やかに顔を上げた。
「やはり、セナはそれが目的なんだろうな」
「そうですわね。おそらくは私たちが動く事も計算の上でしょう」
「ならば、セナの計算を上回らねばなるまい。あの子の望む未来は我らにとっての終わりだ」
「その通りです。僕たちはここで勝たねば、何のために戦ってきたのかすら分からなくなる」
「あぁ。そうだな!!」
カガリは机を叩きながら真っ赤な意思に燃える瞳で三人を射抜いた。
「これより、恐らくは人類史上初になる大規模な作戦を開始する。各員、会議への招集を頼む。ただしセナにハッキングされる可能性を考慮して、月面コペルニクスでの対面会議だ。この招集も含め、これから行われる作戦の全てで通信を使う事は禁じる! 良いな!」
「えぇ」
「分かりましたわ」
「了解した」
「では、二週間後だ。二週間後に月面のコペルニクス! 良いな!」
カガリの声を最後にその場は解散となり、それぞれがそれぞれの役目を果たす為に急ぐのだった。
そして、そんなカガリの声を遠く離れたアカツキ島で聞いていたセナは、海を見つめながら一人呟いた。
「……二週間後、ですか」
その表情に恐怖の色は見えない。
ただ静かに自分の運命を受け入れている様であった。
これから世界を敵に回そうというのに、だ。
「ミアさん。ようやく終わりが来るみたいです。この地上も随分と静かになりました。大規模な戦争を起こせる兵器、工場。その殆どを壊しましたからね。コンパスでは成し遂げられなかった強硬策。これだけでもあの子を呼び出した甲斐があったという物です」
崖下に隠してあるMSへと視線を向けながらセナは小さく呟いた。
アカツキ島は外部から侵入してくるモノへの警戒は強いが、内部へ直接転移された場合、発見する事は難しい。
その特性を利用し、セナは長い事この場所に居たのだ。
まさか世界を敵にしているセナが、アカツキ島に居るとは思わない。
そういう心理の隙を突いた作戦であったが、イザという時に転移出来るセナからすればバレた所で大した事がないというのも理由としてはあった。
そう。セナはただ最期の瞬間までこの場所に居たかったのだ。
自分が生まれた事で失われてしまった命のすぐ傍に。
「……セナ」
しかし、だからこそ。
『彼女』はセナに接触する事が出来たのかもしれない。
一切の武器を持たず、度々シャトルでプラントとオーブを行き来する関係上、金属探知機に引っ掛かる様な物は何も持たない様にしていたミーア・キャンベルだけは。
セナの警戒網の内側に入る事が出来た。
「ミーアさん」
「話を、しましょう」
驚きと、少しの納得を胸に立ち上がったセナは、自分を真剣な眼差しで見つめるミーアに笑い返すのだった。
はい。
いよいよ世界VSセナの構図が出来てきましたねぇ。
折角の祭り、派手にやりませんとな。
そして、そんなこんなで世界は進んでいるのですが
ここから何話か、セナとミーアの話です。
これが書きたくて(以下略
色々と伏線回収して行きますぞい
ではまた明日ー