ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
「お久しぶりですね。ミーアさん」
「そうね」
「最近はミーアさんも私も忙しくて、昔みたいに話す事は少なくなってましたから、こうして落ち着いて話をするのが何だか懐かしく感じます」
「……うん」
ミーアはまるで警戒していないセナのすぐ隣に座りながら、チラチラとセナの様子を見ていた。
「そんなに見つめなくても、逃げませんよ」
「っ!」
「こうしてミーアさんと話す事も最後でしょうから」
「セナは!」
「はい」
ミーアは右手をギュッと握りしめながらセナに向かって口を開いた。
「セナは、セナは……! その、平和になったら何するの?」
「平和になったら、ですか」
セナは突然投げられた予想外の問いに目を丸くしながら呟き、それから少しして落ち着いたのか海を見ながら考えを口にし始めた。
「そうですね。特には何も考えてません」
「私は! 私はセナと一緒にショッピングに行きたい!」
ミーアは必死にセナに体を近づけながら叫んだ。
その想いを。
「映画も見たいし、美味しいパフェだって食べに行きたい。それで! 甘い物食べた後は、太っちゃうねって笑いながら運動もしたいし、カラオケだって行きたい! オーブ本島に出来たっていう遊園地にも行きたいし、いつか……いつか好きな人が出来たら、セナに紹介して、それで……それで」
「……ミーアさん」
「いっぱいあるのよ。もう本当に数えきれないくらい。いっぱいあるの」
「私は」
「セナは何も変わらない! あの時から、ずっと! 世界の為とか言って! 自分を苦しめて、追い込んで!! 何で? なんでそんなに自分が嫌いなの!?」
ミーアの言葉にセナは本当に驚いたという様な顔で目を見開いた。
今まで多くの者がセナに声を掛けて来たが、ただの一人もセナの本心を突いた者は居なかった。
だからこそ、セナはミーアの言葉に驚いて、思わず言葉を失ってしまうのだった。
「みんな、セナが優しいから、自分を大切にしてないからって言うけど、違う。セナは自分が嫌いなんだ。昔の私と同じで」
「……」
「ラクス様のフリをして、自分が何をやってるのか分からなくなって、それでも、世界の為だからって自分を騙して、騙されている自分が嫌いで!! 何も出来ない自分が嫌いで……! それでも、戦うしかないから、苦しかった! セナもそうなんでしょ!?」
「少しだけ……ミーアさんとは違いますね」
「……セナ」
「私は、この世界に生まれるべきでは無かったと後悔を抱えていました」
「それは……!」
ミーアはすぐにセナへ反論しようとしたが、セナがミーアの唇に人差し指を当てた事で押し黙ってしまう。
「元々、この体は私の物では無いのです。ミアさんの物でした。ですが、私が生まれた事で、ミアさんは消えてしまった。私はミアさんを殺して、のうのうと今もここで生きています」
「それは、違うよ。だって、あの子言ってたでしょ。セナが居なければ自分は死んでたって」
「それは結果論に過ぎません。もしかしたら装置が不完全でミアさんは殺されなかったかもしれない。アウラさんが助けに来て助かったかもしれない。過去は全て仮定です」
「なら、セナのせいでっていうのはおかしいじゃない」
「いえ。この事だけは確かなんです。何故ならミアさんは、私が傷つく世界を変える為にファウンデーション王国と共に世界へ戦争を仕掛けたのですから」
「……ぁ」
「私が居ない場合、ミアさんがどうなったのか、それは分かりません。ですが、私が居た事でミアさんが命を落としてしまったという事実は間違いなく変わらない真実なんです」
ミーアは何ががおかしいと感じながらも、その何かを示す事が出来ず、悔しさを感じながらセナを見つめる。
「でも、それでも、私はセナに死んでほしくない」
「何かが失われると考えるから悲しくなるんですよ。私はこの世界に生まれていなかった。そう思うだけで……」
「そんなの出来る訳無いじゃない!」
「っ」
「そんなの出来ないよ! だって、私がこうして生きて、ここで笑ってる事は全部セナのお陰じゃない!」
「そんな事は」
「プラントで! お父さんやお母さんが戦争で死んじゃった私は、何かに縋るしか無かった! 軍隊に入ったって、私みたいなのじゃすぐに死んじゃったわ! だから、歌手を目指したけど、歌手も無理だって、諦めて、デュランダル議長の誘いに乗って、怖いけど、これで生きていこうって決めたの! でも、あのまま誰も助けてくれなかったら、私きっと死んでたわ!」
「いや、それは」
「あの時、ラクス様の偽物がどうなったか分からない貴女じゃないでしょう!?」
「それは、そうかもしれませんが」
「そうなの!」
ミーアのごり押しに、セナは小さく息を吐きながら、「そうですね」と呟いた。
不安と狂気に支配されていた頃のプラント市民を支えていたのは間違いなくラクスとキラとセナ。
しかし、ラクスが偽物で、本物のラクスは遠い場所に居る。そして、そんなラクスの為にキラが離れたと考えれば、ラクスの偽物が何かをしていたのではないかと考えるのは容易い。
そうなれば、ミーアの未来は考えるまでも無いだろう。
「だからあのタイミングにセナが連れ出してくれたから、今の私があるの」
「……」
「あれからラクス様と色々な話をして、私、少しだけど自分の事が好きになったわ。こんな自分でも世界に居場所があるんだって知る事が出来た」
ミーアは涙の滲んだ顔で、セナの手を握り、訴える。
胸の内にずっと秘めていた想いを。
「今度はセナの番」
「……私は」
「私はセナがどんな事したって、絶対にこの手を離さないから。今度こそ、最後まで一緒に居る。もう助けられるばかりのミーアじゃないの」
「ミーアさんは強いですね」
「当然よ。ザクだって操縦できる様になったんだから! だから、セナのやりたい事を私は止めないわ。でも、その代わり、どこまでも一緒に行くから。それで、最後にセナが全部悪いって事になっても、私も一緒に謝るから。だから、簡単に命を捨てないで。今すぐ自分を好きにならなくても良い。ただ、この世界に居る事を認めてあげて」
「……」
「セナ」
「今は、まだ。何も応える事は出来ません」
「セナ!」
「でも、まだ時間はありますから」
「時間って? どれくらい?」
「そうですね。三週間という所でしょうか。それくらいで一大作戦が行われるようですから、それまでに答えを出しますよ」
「……分かった。三週間ね。三週間で絶対に気持ちを変えさせてみせるから」
「はい」
セナはミーアの言葉に笑顔を作りながら頷き、小さく息を吐いてから空を仰いだ。
その瞳は静かな湖面の様にミーアと話す前から何も変わらず、ただ静かに空を映している。
いつか来る終わりを夢見る様に。
「そういえば、セナ」
「はい?」
「ちょっと匂うから、お風呂入ろ」
「そうですか? 水浴びはしてるんですけど」
「それだけじゃ足りないよ! ほら! すぐに立ってお風呂に行くよ!」
「え? でもお風呂って、私が行くと大変な事になると思うんですけど」
「大丈夫! 絶対に安全な場所、知ってるから!」
ミーアはいたずらを思い付いた子供の様に笑うと、セナを引っ張ってその家に向かうのだった。
海岸沿いにある。ヤマト夫妻の家に。
はい。
という訳で、最後の争いは三週間後に起こるらしいです。
※注:一つ前の回を見に行くのは止めましょう。
セナは嘘などつかない誠実な子なのです。
はい。
という訳で、何だかんだとHOPE編ももう5話ですが
戦闘シーンが少ないね……
ホンマ申し訳ない。
いや、私の戦闘に期待している人がいるかは知らないですけど。
ガンダムだし。
どんな物であれ、あった方が良いよね。という感じな気がする。
まぁ、まぁ、どうせ始まったら今度は戦闘ばっかりになるんで、まぁ、って感じですわ。
バランスが! 難しい!!
まぁ、あんまり気にしてもしゃーないや。
ではまた明日~。