ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
ヤマト家へ久しぶりに戻ってきたセナはミーアと共に風呂に入った後、用意された食事を前に圧倒されていた。
「……えと」
「どうかした?」
「いえ、その……凄い量だなと思いまして」
「セナは小食だからね。たまにはいっぱい食べないと、でしょ?」
「そうそう。何をするんでも食べないと動けないよ」
「あら。ミーアさんは良い事を言うわねぇ」
「へへ。そうですか?」
パンを食べながら笑うミーアを見て、セナは小さく笑みを浮かべてから近くにあったスプーンを手に取りスープを一口食べる。
久しぶりに食べたスープは温かく、その身に染みわたってセナの心を僅かに癒した。
「……っ」
更に涙を零しながら、セナはゆっくりとスープを一口、一口とスプーンで掬って食べるのだった。
「おかわりはいくらでもあるからね」
「……はい」
それからセナは長い時間を掛けて、食事を終えた。
それでも普通の人からすれば大分少ない量ではあったが、セナにとっては十分すぎるほどに十分な量であった。
それから夜も深まり、セナとミーアはヤマト家の外にある椅子に座って夜風に当たりながら話をしていた。
近くには片づけも終わったカリダや、仕事から帰ってきたハルマも居る。
「それで、あの白いMSは何なの? どこかの国の秘密兵器?」
「そういう物ではありませんよ。というよりも、この時代ではあのMSを建造する事は出来ません」
「この時代では出来ません。ってじゃあ未来から連れて来たとでも言うの?」
「いえ。遥かな過去から持ってきました」
「過去ぉ!? いや、過去に何で現代よりも凄い兵器があるのよ。そんなのおかしいじゃない」
「んー。どの様に説明すれば良いか難しいんですが、今私たちが居るこの地球、そしてこの宇宙は何度も死と再生を繰り返しているんです」
「……はぁ?」
「んー。どう説明しましょうか。難しいですねぇ。あー。ほら、ミーアさんも聞いた事ありませんか? 今地球上で絶滅しそうになっている動物が居るという話」
「うん。あるわ」
「それが、絶滅したらこの地球から居なくなる訳ですよね?」
「そうね」
「それが人類でも同じ事が起きたんです」
「でも、私たちは今ここに居るじゃない」
「それは同じ様な姿をしているだけで、実は違う存在なんですよ。過去に滅んで絶滅した人類と、今の私たちは似て非なる存在なんです」
「んー!?」
「人類という大きな括りで考えるから分からなくなるんでしょうか。例えば、私とミーアさんは同じ人間ですが、セナとミーアさんという違う個体なのは分かりますか?」
「うん。それはそうよね」
「そう。そして私とミーアさんは違う場所で生まれて、違う姿で育った。同じ様に、今この世界で生きる私たちと、過去にこの地球に居た人類は違う場所で違う様に生まれた、偶然同じ様な姿をした別人だった。という訳ですね?」
「なるほど」
「……理解していただけましたか!」
「うん。何となく、だけど」
「それは良かったです」
セナは小さく息を吐きながら、胸を撫で下ろす。
そしてそんなセナにミーアは更に質問をぶつけるのだった。
「でも、なんでそんな事が分かるの? 過去にも人が居たなんてさ」
「遺跡が見つかったんですよ。そして、人類以外の生命が繫栄していた証拠も見つかっています」
「証拠?」
「エビデンス01の事だね?」
「はい。そうです」
セナはハルマの言葉に頷きながら、羽クジラの事を思い出しているミーアを見つめた。
「そして、プラントはエビデンス01以外にも多くの遺物を遺跡から発掘しました。それはかつてこの地球圏に存在した『宇宙世紀』と呼ばれる世界の技術やMS等です」
「MS! その遺跡にはMSまで存在したのか!」
「はい。第一次世界大戦以降、ザフトが開発してきたミレニアムシリーズと呼称されるMS群は発掘されたMSを元にして開発された物なんです」
「えぇー!? ザクとか、グフとか、そういう奴でしょ!? あれって大昔のMSだったの!?」
「無論そのまま。という訳ではありませんよ。発掘された物はまともに動かない物も多数存在しましたからね。ですから機体を解析して、ザフトのMSとして転用できる様にしたんです」
「そうか。ではセナが見つけたという例のフレームも」
「はい。その遺跡から発見しました。名前が意味を持ち、本来の力を呼び起こす事が怖くてアレにだけは名前を付けませんでしたが、正式な名を『サイコフレーム』奇跡を起こすと言えば聞こえは良いですが、アレは人の意思や魂を吸って力を世界に示しているだけの物です。全ての争いが終わった際には封印して貰える様にハインラインさんやデュランダルさんには言ってあります」
「……もしかして、ホープセイバーにも?」
「はい。実験する必要がありましたからね」
「この……バカ! バカセナ!! 何でそんな危ない物を!」
ミーアはかつてセナがホープセイバーに乗る度に血を吐いていた事を思い出し、涙を浮かべながらセナを睨みつけた。
そんなミーアを見て、セナは申し訳なさそうに目を伏せて、口を開く。
「ごめんなさい。私が知る限り、コロニーレーザー……いえ、レクイエムを防ぐ手段はアレしか無かった物ですから」
「……バカ、バカセナ」
「面目次第もありません」
「で? それで? じゃああの髭のMSは何なの? その宇宙世紀って所から見つかったMSなの?」
「違います。アレは宇宙世紀を終わらせたMSです」
「終わらせた……って」
「あの髭のMS、∀ガンダムには月光蝶と呼ばれるシステムがあります。そのシステムは極小のナノマシンによって触れた人工物の全てを砂に変える事が出来ます。かつてこの世界にあった宇宙世紀という時代は、かの∀ガンダムによって滅ぼされました」
セナの言葉に、ミーアも、カリダも、ハルマも息を呑んでセナを見つめた。
無論、それはその兵器の恐ろしさもあるが、親として、長く共に生きて来た友として、セナがその兵器を使おうとしている事が分かったからというのもあった。
「それで? その月光蝶を使ったらどうなるの? 使うんでしょう? セナは」
「はい。月光蝶を使用した場合、まず地上にあるMSや武器、そして車や飛行機などの移動手段が砂になり、砂となった人工物は自然に混ざり、地上は自然溢れる大地へと変わるでしょう。そして空気中に拡散したナノマシンは大気に混ざり、宇宙から来る人工物全てを排除する事になります」
「……セナは」
「私は地上に生きる全ての人から生活の全てを奪った罪、そして宇宙に住む人が地上へと帰る事が出来なくなった罪を償います」
「っ!」
「人は今居る場所から動く事が出来なくなり、協力しなければ生きていけない世界となります。そうなれば世界から戦争は完全に消え去るでしょう。争うよりも、協力する方がより効率よく生きていく事が出来ますからね」
「それでも、争う人は居るわ」
「その様な人たちも結局外界への移動手段がなければ何も出来ませんし。目の前に命を育む自然があれば自ずとそちらへ向かうでしょう。時間の問題です」
セナの言う言葉は正しく、ある意味で完璧な手段に思えるかもしれない。
だが、カリダもハルマも忘れてはいなかった。
そう。
今カリダ達が生きるこの世界。それこそが、一度∀ガンダムによってリセットされた世界なのだ。
つまり、セナがもう一度リセットを行った所で、やはり人は争いを捨てる事が出来ないだろうと。
ならば、これから無謀な事をしようとしている娘を。
どの様にして止めるか。二人は静かに考え始めているのだった。
はい。
はい!!!
この回が書きたくて(以下略
伏線回収ですわ。
ザクとか宇宙世紀のMSを出していた事には意味があったんだ!!
と、言いたかっただけー。
いや、ほら。
何かしらに意味を持たせたかったというか。
ね?
という訳で、書いてて楽しい実はこうだったんだよ回でしたー。
ではまた明日ー。