ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
セナが地球で穏やかな時間を過ごしている頃、旧連合軍、及びザフトの艦隊は月面のコペルニクス近くに集結しつつあった。
既に先行した各勢力の代表者がコペルニクスにて事前会議を行っている状況であり、市内にはやや緊迫した空気が流れている。
「アズラエル」
「ん? あぁ、ジブリールですか。そちらの準備は?」
「問題などあるハズがない。当然だ」
「それは重畳」
アズラエルはニヤリと笑いながら、高価な椅子の上で両手を組んだ。
そしてジブリールもまた、アズラエルの正面にある椅子に座り、ガラス張りのテーブルに置かれたカップに手を付ける。
「それで? お前の方はどうなのだ。アズラエル」
「こちらに問題はありませんよ。サザーランド中将は優秀な人間だ」
「そうか」
ジブリールは一口カップの中に入った紅茶を飲みながら、右手を振り宙域図を空中に投影する。
「しかし、我らがコーディネーター共と共闘する日が来るとはな」
「分からない物ですね。だが、この地球圏全ての力を集結しなくてはセナを止められない」
「そうだな」
アズラエルの言葉にジブリールは深く息を吐いて、アズラエルが投影した髭のMSを見つめる。
どれほどの数のMSが相手であろうと、どれほどの強者が相手であろうと、罠を張ろうと、全てを破壊し、最後には初めから何も居なかったとばかりに姿を消してしまうMSを。
「果たしてレクイエムで止まるか」
「そこは、やってみなければ分からない。でも、システムダウンくらいはして欲しい物だね」
「しかし、現れないという可能性もあるが?」
「おや。君がそんな可能性を考えているなんて意外だね。セナが地球の市民が殺されるというのに、黙って見ている事なんてあり得ないよ」
「故に、セナをおびき寄せる為のダリア作戦か」
「そういう事。ま、もし来なくてもコーディネーター自治区なんて場所が消えるだけさ。僕らナチュラルには大した被害はない」
「だが、戦争になるぞ」
「そうなれば今度こそセナも理解出来るだろ? 一人で出来る事なんて何も無いってさ」
「……確かにな」
ジブリールはアズラエルの本心かどうか怪しい言葉に頷きながら、その時を待ち続けた。
アズラエルとジブリールが会談を行っている頃、月面に向かって移動中のミネルバでは、現プラント最高評議会議長であるエザリア・ジュールとザラ派とクライン派に大きな影響力を持つパトリック・ザラとシーゲル・クライン、そしてコンパス総裁ラクス・クラインらが事前の最終調整を行っていた。
「では、ジェネシスはセナ様を招くための物として使用させていただきますね」
「あぁ、構わない。どの道、これからの時代には不要の物だ。よろしいな? パトリック・ザラ」
「フン。もはや議員ではない私に聞く事など何も無かろう。今はお前が議長なのだ。エザリア」
「分かってますとも。ですが、アレを作らせたのは貴方でしょう?」
「バカを言うな。私が作らせた物は既にアスランが破壊した。アレは愚かな夢を追った者達の幻影に過ぎん」
「では、アレを完全に破壊し、新時代の象徴としましょう」
「あぁ」
「決まりだな。ではラクス。ジェネシスは頼んだよ」
「承りましたわ。お父様」
ラクスは穏やかな微笑みを返しながら、ジェネシスを移動する様にプラントへ通信を送る。
そして、宙域図を艦長席の後ろにあるテーブルに映し出すと、ザフト側の作戦参謀であるクルーゼへと視線を映した。
「今回の作戦ですが、まずは所在の分からないセナのMSを誘い出す所から始まります。その為、ザフトとしてはジェネシスを、旧地球連合軍としてはレクイエムを囮とする形です」
「うむ」
「この際、アズラエルはレクイエムをただ囮とするのではなく、地球へ向けて撃つ事でそれをセナのMSに阻止させるつもりです。これでエネルギーを大幅に奪う作戦となります」
「それは良いが、セナ嬢は無事なのか? それで撃墜されましたというのは笑えないぞ」
「そこはハインライン少佐も含めた技術開発部の計算で試算が出ており、ほぼ無傷で終わるだろうとの事です」
「……レクイエムを受けて無傷か、恐ろしいMSだな」
「しかし、直接対峙した経験から私の意見としては、正直これでもセナのMSへ与える影響は少ないと思われます」
「それほどか」
「はい。ですから、これはあくまで初撃。このレクイエムによる攻撃を先制攻撃と判断し、ザフトとしては地球軍艦隊へ向けてジェネシスを発射する予定です」
「勿論実際には撃ちませんわ」
「ですが、その様に宣言する事で、セナはジェネシスを放置出来ません。急ぎジェネシスの元へと向かうでしょう。そして我らザフト本隊はこの時のセナを狙い総攻撃を仕掛けます。セナ自身の技量ではジェネシスへ到達する事は難しい為、ここでセナはあの虹色の光を使う事になります」
「MSを一瞬で分解したアレか」
「はい。これによりジェネシスは無力化されますが、まだレクイエムが残っている。そこでセナは大軍に囲まれている状況から脱出する為に転移を行う事となる。その出現先は無論、ダイダロス基地。となります」
「当然だな」
「転移は非常に厄介ですが、出現先が分かれば待ち伏せも容易い。直接クレーター内部への転移はリスクも多い、セナもその様な行動はしないでしょう。そうなれば転移箇所はこの五ヵ所に絞られます」
クルーゼは地図上に光る点を出し、その場所を示す。
「この五ヵ所には、それぞれジャガンナート中佐麾下の部隊を配置します」
「例のネオ・ザフトの連中か」
「はい。好戦的ではありますが、戦闘力が高く強者揃いです」
「しかし、大丈夫か? クルーゼ。奴らは大のナチュラル嫌いであろう?」
「それはそこまで大きな問題とはならないでしょう」
「ほぅ?」
「何故なら、ここに……キラ・ヤマトとファウンデーション王国からの援軍を配置します」
「……! なるほどな。あの狂犬共もキラとセナの為なら大人しくなるか」
「そういう事です」
「クルーゼ」
「ハッ」
「キラ君は作戦の最終段階、オペレーションメテオにも参加するのだろう? ならば月面から移動するのは間に合わないのではないか? ミーティアという訳にもいかないだろう」
「それについても問題ありません。月面には私のヴァル・ヴァロも行きますから。そのままキラを引き連れてメサイアへ向かいます」
「そうか」
パトリックはクルーゼから帰ってきた言葉に頷き、地図を見据えた。
クルーゼは周囲を見つつ、それ以上の問いが来ない事を確認して、最終段階の説明を行う。
「以上で、作戦説明は終了となります。何かご質問は」
「いや、大丈夫だ」
「あぁ」
「私も無いよ。クルーゼ」
「ありがとうございます。クルーゼ隊長」
「いえ。では、連合軍との最終調整を行い、作戦を行います」
クルーゼはザフト式の敬礼を行い、ミネルバのブリッジを出ていった。
そして、ミネルバに随伴していたヴェサリウスへと移動し、加速しながら先んじて月面都市コペルニクスへと向かう。
これから起こる大規模な戦争と、今はどこか遠い場所にいる妹に想いを馳せながら。
はい。
今日はドタバタしてるので、特にコメントは無いです。
また明日ー。