ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
セナはヤマト家の前にある砂浜から星空を見上げ、静かにその時を待っていた。
この世界から戦争を完全に消し去り、自分がこの世界に来た役目を果たして、終わりの時を迎える事を。
ただ、静かに待っていた。
「セナ。風邪ひくよ」
「……ミーアさん」
「後二週間で、セナの言う最後の戦争が始まるんでしょ? なら、風邪ひかない様にしなきゃ駄目じゃないの?」
「そうですね」
セナはミーアに上着を貰いながら、それを羽織ってミーアと共にヤマト家へと向かって歩く。
その途中で、ミーアはセナを見て怪しげな笑みを浮かべるのだった。
「ふふふ」
「ミーアさん?」
「セナ! 貴女きっと驚くわよ?」
「なんでしょうか」
「それはね! 私、遂にザクを一人で動かせるようになったのよ!」
「おー。それは凄いですねぇ」
「ふふん。まぁね」
ミーアは嬉しそうに笑いながら、ポーズを決める。
それはかつてプラントに居た時と同じ様なやり取りで、セナは酷く懐かしい気持ちで目を細めるのだった。
「あー。でも、セナが月光蝶しちゃうとザクも無くなっちゃうのか~。残念だなぁー。私、せっかく特技が増えたのになぁ」
「そうですね」
「いや、そうですね。じゃなくて、そこはやっぱり考え直しますね。でしょうが!」
「ミーアさんは頑張ればなんでも出来ますから、ザクに拘らなくても良いと思いますよ」
「もー! そうじゃないでしょー!」
地団太を踏むミーアを見て、セナはクスクスと笑いながら、変わらない足取りで砂浜を歩く。
その姿は年ごろ……というよりはかなり小さい見た目だが、どこにでも居る様な少女の姿であった。
これから世界を滅ぼそうとしている人間の姿には見えない。
「セナ。どうしても駄目なの?」
「ミーアさん。そのお話は二週間後って決めていたでしょう?」
「やだ! だって、一日だけじゃセナを説得出来る気がしないんだもん! 毎日だって言うわ」
「……ミーアさん」
「もし、嫌だな。面倒だなって感じるのなら、止めちゃえば良いんだよ。全部。全部」
「……」
「今までやっちゃった事で怒られるのが怖いならさ! 私と一緒に逃げよう? どこか誰も知らない町でさ。二人で生きていけば良いじゃない」
「ミーアさん」
「セナはずっと、ずっと世界の為に頑張ってきたんでしょ! 何で、そんな風になっちゃうの!? 私はセナが居なくなったら悲しいよ! 苦しいよ! その気持ちは無視!? どうでも良いの!?」
「ごめんなさい」
「ごめんじゃなくて! 私は、生きたいっていうセナの言葉が聞きたいんだよ」
セナは泣きながら強く手を握るミーアに小さく息を吐いて、優しく見つめた。
ミーアの手を握り返し、微笑む。
「分かりました」
「セナ?」
「ミーアさんの言うようにします」
「本当に?」
「はい」
「じゃあ、怖い事はもう、しない?」
「そうですね」
「じゃあ、もうあのMSは捨てて、ここで、静かに暮らす?」
「はい。そうですね」
セナの言葉にミーアは喜び、セナの手を握ったまま乱暴に自分の目から溢れる涙を拭った。
そして、ボロボロの姿でセナに笑いかける。
「じゃあ、じゃあ。買い物に行こう? ラクス様とかキラも誘って。オーブの本島に大きなショッピングモールが出来たって話を聞いたから……」
「ミーアさん。その前に」
「……何?」
楽しそうに話していた所をセナに止められ、ミーアはまだ何かあるのかと不機嫌な顔でセナに問うた。
「楽しい事も良いんですが、その前に。あのMSを処分しないといけないんですよ」
「……別に良いじゃない。そんなの。誰かに頼めば」
「駄目ですよ。アレはこの時代にあってはいけない危険な物ですから。ちゃんと元の時代に返さないと」
「それはセナがやらないといけない事なの?」
「はい。私が呼び寄せてしまいましたから。私が責任を持ちます」
「……分かった」
ミーアは渋々という風に頷くと、再びヤマト家に向かって歩き出した。
「じゃあ、あのMSを捨てて、それで全部終わりね」
「そうですね」
「まぁ、皆さんには怒られてしまうかもしれませんが」
「大丈夫! 前も言ったでしょ。私がちゃんと一緒に謝ってあげるって」
「……それは心強いですね」
「それに、どうせキラもラクス様も、みーんなセナには甘いんだから。何だかんだ許してくれるよ」
ニコッと笑うミーアにセナは微笑みながら、頷いた。
「では、五日後。私はあのMSを還してきますから、ミーアさんはここで、カリダさん達と一緒に待っていてください」
「うん。分かった」
「これで、怖い事は全部終わりですから」
「……」
ミーアには、振り返った時に見えたセナの表情が……夕日に溶けて見えなかったが、何故か酷く悲しそうに見えた。
泣いている様にも見えた。
しかし、何度かまばたきをする内に、セナの表情はいつもと変わらない笑顔になっていた事もあり、気のせいかと再び前を向き、歩き始める。
そして、その夜。
セナが説得に応じてくれたとヤマト夫妻に、ミーアは嬉しそうに語り、ヤマト夫妻はその言葉にどこか不安を覚えたが、既に眠ってしまったセナを起こす気にもなれず、翌朝に話を聞こうと眠りにつく事にした。
翌朝。
朝早くから目を覚ましたミーアは、昨日の喜びを抱えたままセナの寝ている部屋に駆け込み……誰も居ないベッドに息を呑む事になった。
何処かへ行ってしまったのかと近くを探すと、セナは砂浜で貝殻を探している所で。
その姿を見つけたミーアは驚きと安心で涙を流しながら砂浜に座り込んでしまうのだった。
「何で泣いてるんですか? ミーアさん」
「だって! セナが、どっかに行っちゃったかと思って」
「そんな事しませんよ」
セナは微笑みながらミーアの手を取り、朝食を食べる為にヤマト家へと戻った。
そんな姿を見て、考え過ぎかとヤマト夫妻も笑いながら二人を迎え入れ、いつもの一日を始めるのだった。
五日後。
セナは砂浜で拾った貝殻を何とかネックレスに加工し、一つはミーアに。
そしてもう一つはミアの墓に掛けるのだった。
「本当はキラお姉ちゃん達の分も作りたかったんですけどね」
「まぁ、時間も少なかったし。しょうがないんじゃない?」
「そうですね」
「ま。そんなに心配しなくても、大丈夫大丈夫。キラ達も許してくれるよ。ま、私はこのネックレスを自慢するケド」
「その後が怖いですね」
「そうなったら、作るのも手伝ってあげるよ。にひひ」
「……ありがとうございます」
「良いの良いの。私たちの仲でしょ?」
ミーアは笑いながらセナの背を軽く叩き、セナはその力に少しよろけてから笑うのだった。
「じゃあ、行ってきますね」
「夕食には戻ってくるの?」
「ん-。どうでしょうか。ちょっと分からないので、夕食は大丈夫です」
「分かった。あんまり遅くなっちゃ駄目だからね」
「分かってますよ」
セナはミーアと笑顔で別れてから、ミアの墓の近くに隠したMSへと向かい乗り込む。
そして、ミアの墓のすぐ近くで手を振るミーアに軽く頭を下げてから転移するのだった。
遥かな遠い空の果て。
これから戦争が始まる宇宙へと。
「……ごめんなさい。カリダさん。ハルマさん。ミーアさん。私は嘘つきなんです」
そして、セナはMSを動かしながら、これから戦闘が始まるであろう宙域へと向けて飛ぶ。
「セナ・ヤマト。ガンダム、行きます」
はい。
という訳でヤマト家での最後の休息も終わりですね。
果たしてここに帰ってくる事が出来るのか……。
まぁ、帰ってくる時は全てが終わった時なので
どうなるか。という所ですね。
ちなみに本作ですが……
PHASE-15でHOPE編の本編が終了し
PHASE-16-PHASE-24、AFTER-PHASE『』がエピローグ
特に読まなくてもいい
PLUS_PHASE-01、02
で作品として完全終了となる形です。
それ以降は、外伝の方でちょいちょいリクエストのあった話でも書こうかなという感じですね。
今月で終了となりますので、まだ少しかかりますが、お付き合い頂けますと幸いです。