ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
月面都市コペルニクス
キラやアスランが幼少の頃に過ごした場所であり、クルーゼにとっては全てが始まった場所でもある。
その場所で、三人を長年にわたり振り回してきた少女との最終決戦に向けた会議が行われようとしていた。
会議には錚々たる面々が並び、物々しい雰囲気の中、静かにその時を待っていた。
国際連合議会 議長 カガリ・ユラ・アスハ
世界平和監視機構コンパス 総裁 ラクス・クライン
同 統合作戦室所属 作戦参謀 ナタル・バジルール
同 独立機動部隊ミレニアム所属 ヤマト隊隊長 キラ・ヤマト
国連議会地球方面相談役 ムルタ・アズラエル
同じく ロード・ジブリール
旧地球連合軍、現大西洋連邦宇宙軍 ウィリアム・サザーランド中将
同宇宙軍第八艦隊提督 デュエイン・ハルバートン中将
プラント最高評議会 議長 エザリア・ジュール
同 元議長 シーゲル・クライン
同 元議長 パトリック・ザラ
プラント防衛軍 Z.A.F.T宇宙軍 総司令官 ハリ・ジャガンナート中佐
本作戦における最高司令官 ラウ・ル・クルーゼ
以下、各組織の艦隊司令官数名
モニターに宙域図を映している関係上、やや薄暗い会議室でクルーゼは円卓に座る面々を見据えながら口を開いた。
「お集まりいただき、感謝しています。私は本作戦における現場での最高司令官という立場を拝命されたラウ・ル・クルーゼです」
「あー。自己紹介は良いですよ。さっさと始めましょう」
アズラエルの言葉に反論する者はなく、その言葉通り会議は緩やかに始められた。
とは言っても、ほぼ全員が既に承知済みの話である。
この場で確認するのは、ナチュラル、コーディネーターという二つの種が共同作戦を行う上で『問題は無いか』という確認となる。
「作戦に関しては良いでしょう。それは既にコンパスを中心として構築されている。今更何も問題は感じない。そう。問題はそこじゃない」
「何が言いたい。ムルタ・アズラエル」
「そちらこそ、分かっているんでしょう? パトリック・ザラ」
一瞬二人の間に火花が散り、会議室は物々しい雰囲気になる。
が、あくまで話し合いの場である為、それ以上は誰も動かず、ただ状況を見守るだけだ。
「我々はセナを止め、地球を守る為に戦いますが……背後から撃たれてはたまらない」
「フン。その様な事。我らとて同じだ。お前たちが我らを背後から撃たない保証などどこにも無いのだからな」
「……」
「……」
「お二人とも……」
睨み合うパトリックとアズラエルを止めようとラクスが口を開いたが、それに待ったを掛けたのはキラであった。
キラはラクスの行動を制しながら、無言で睨み合う二人を見据えた。
「まぁ、僕としては正直好きにすれば良いと思うんですよ」
「キラ……!」
「まぁまぁ。落ち着いてよラクス」
キラは緊迫した雰囲気に似合わない朗らかな笑顔でこの場に居る全員を見据える。
「今ここに居るのは僕の知っている人ばっかりだから、言っちゃっても良いかなって思うんですけど。実は僕、アコードの因子も入った最高のコーディネーターって奴だったんですよね」
「は?」
「あ。ごめーん! カガリにも言ってなかったよね。それでさ。実はセナも同じなんだ。最高のコーディネーターで、アコード。いやー。厄ネタの塊って感じ!」
「……ククク、ハッハッハ、アーッハッハッハ!!」
キラから放たれた衝撃的な発言に、会議に参加していた全員が呆然としている中、クルーゼだけは我慢が出来ないとばかりに腹を抱えながら笑う。
そして、笑みを浮かべたままクルーゼもまた衝撃的な発言を投げ込むのだった。
「作戦を始める前に、改めて自己紹介をしておこうか。私は己の死すら金で買えると思いあがった愚か者。アル・ダ・フラガの出来損ないのクローンだ。私は私である故ラウ・ル・クルーゼと名乗っているがな」
「……ラウ兄さん」
「キラばかり危険な事はさせられんよ」
キラとクルーゼが笑い合っている状況の中、一番最初に反応したのはアズラエルであった。
アズラエルは深いため息を吐くと、正面に座るコーディネーターたちを見据えて感情の読めない瞳で己を語る。
「僕は、コーディネーターが嫌いだ。傲慢で不遜で自分たちが世界の支配者だとする様が気に入らない。現実を見ようともせず、奢り高ぶる姿を見ているのは気分も悪い」
アズラエルの言葉にコーディネーター側の人間たちは僅かに震え、直接向けられる言葉に何かを言い返そうとするが、誰よりも早く動いたのはパトリックであった。
「我らはただ自由が欲しかっただけだ」
「自由が欲しいというのならば外宇宙にでも行けば良いでしょう」
「何も無い場所で生きていく事など出来る訳が無い」
「プラントを作ったのだから出来ないという言い訳は聞きたくないね」
「コロニーを建造するのはそれほど容易い事ではない。それもいきなり外宇宙など、夢物語だ」
「その夢物語を現実にした国を僕は知ってるけどね。そうだろう? オーブ連合首長国の元代表サン」
「む」
「あ、あぁ。中々微妙なタイミングに呼ばれて戸惑っているが、まぁそうだな。一応外宇宙へ向けた移民船と移民船団の用意は進んでいるぞ。まぁ、無論私はオーブの代表では無いから詳細は分からないがな」
「ありがとうございます。まぁ、こういう事ですよ。オーブには出来た。しかしプラントには出来ない。これはおかしいと思いませんか?」
アズラエルの言葉にパトリックは感情的な方面から言葉しか返す事が出来ず、その代わりにシーゲル・クラインが口を開いた。
「我らもな、一度は外を目指した事もあったのだよ。ムルタ・アズラエル。しかし、皆が皆、勇気を以って旅立てる訳では無いのだ。ただ、己が安心できる場所で、静かに暮らしたい者も多く居る」
「ムルタ・アズラエル」
「なんですか? プラント最高評議会の議長サン」
「我々は変わっていく。その歩みは確かに遅いが、確かに変わっているのだ。プラントの中にも、コーディネーターだからと驕る者は少しずつだが減っている。それはこれまでの戦争でコーディネーター以上の力を示すナチュラルを見た事。そして、何度も示されたセナによる奇跡もそうだろう。いずれ我らも地球圏に存在する国家の一つとなる。それまで見守ってはくれないか?」
地球連合軍の者達へ静かに頭を下げるエザリアにプラント側の者達はざわめき、驚きの声を上げるが、それでも止めようとする者たちは居なかった。
そして、言葉ではなく態度で、驕る気持ちなどもはや無いのだと示したエザリアに、アズラエルは鼻を鳴らすと先ほどよりも少しだけ柔らかい視線と言葉で願いを返した。
「昔、第一次世界大戦の時、セナに言われた言葉があります。コーディネーターはコーディネーターだから驕っているのではない。驕っているその人が特別なのだ、と……大多数のコーディネーターはその様な存在では無いのだと」
「……」
「そう言ったセナの言葉、信じさせて貰いますよ。どうかこれからも、セナの気持ちを裏切らないで貰いたいものですね」
「あぁ、肝に銘じよう」
かくして、最後の話し合いは終わりを告げ、それぞれがそれぞれの居場所へと帰っていった。
この話し合いでいきなり多くが変わる事は無いだろう。
ただ、一つ会議の前後で大きく変わった事があった。
それは、ザフトと連合軍がそれぞれの艦隊を友軍として、登録した事であった。
そして、戦いの時が迫る。
はい。
ここまで来るのに、すんごい時間が掛かった。
たった一個。
利害を抜きにして、連合とザフトが互いを友軍として扱う事にした。
これがやりたかった為に、色々な事件を起こしたと言っても過言じゃない。
という訳で、長かったですが
いよいよ次回から戦闘開始ですわ。
また明日ー!