ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
ててててーんてん てんてんてーん
※注!
アスキラっぽい感じの話が微妙にあります。
後、アスランがちょちディスられてます。
お気を付けを!
(第三者視点)
ラクス・クラインを人質にとる事により、何とか難を逃れたアークエンジェルとモントゴメリーであったが、モントゴメリーの被害は大きく、アークエンジェルがしんがりを担う形で先に離脱していった。
そして、アークエンジェルのブリッジでは、いつもとは種類の違う重苦しい空気が流れていた。
その原因は艦長であるマリューとナタルの対立である。
「……ふぅ。ストライクに打電。すぐにセイバーを回収する様に伝えろ。先ほどから通信が繋がらない。急げ!」
「取り敢えずの危機は回避したものの……状況になんの変わりもないわね」
「……この間に体勢を立て直すことは出来ます! それに、少佐の身をお守りする事も出来た! 現時点では、それが最も重要かと!」
「そうね。貴女の言う通りだわ」
マリューの言葉はどこまでも冷たく、ナタルを見ようともしない。
そして、視線は常にモニターの中に映るストライクセイバーを見つめていた。
「約束を、破ってしまったわね……セナちゃん」
マリューの呟いた言葉は誰に届く事もなく、虚空に消えていった。
全ての戦闘行動は終わったが、格納庫では、未だ戦場ともいえる怒声が響き渡っていた。
そう。ストライクセイバーのダメージが想定していたよりも大きいのだ。
ナスカ級の主砲を受けた右腕は完全に失われており、その爆発の影響が本体にまで出ていた。
キラは慌てて、コックピットに向かい、マードック達が何とかコックピットを開けたが、内部は酷い状態であった。
コックピット内部の右側部分は爆発したのか、焦げており、セナもパイロットスーツに破片が刺さり、血を滲ませている。
「セナ! セナ!」
「……き、ら?」
「そうだよ! 僕だよ! セナ!」
「きらが、ぶじで……よか」
「セナ!」
セナはキラに僅かな言葉だけを伝え、そのまま意識を失ってしまう。
そしてキラは、そんなセナを抱きかかえて、医務室まで急ぐのだった。
驚異的な速さで医務室にたどり着いたキラはパイロットスーツを脱がしながら、傷付いた場所を消毒し、包帯を巻いてゆく。
既に一度見たからか、その動きはよどみなく、そして静かに行われた。
「……セナ」
全ての作業が終わり、ベッドに寝かされたセナは以前と同じ様に熱に浮かされ、荒い呼吸を繰り返している。
その痛々しい姿にキラは悲し気な顔をしながらセナの手を握り続けるのだった。
しかし、そんな二人きりの静かな医務室に大声で叫びながら入ってくる者がいた。
「セナ!!」
そう。フレイ・アルスターである。
彼女は動揺したままベッドに寝ているセナの傍に行くと、震えながらセナの体にそっと触れる。
近くには赤く染まった彼女のパイロットスーツやインナーが置いてあり、フレイはそれを見てから狂気を宿らせた瞳でキラを見据える。
「どういう事……? キラ」
そして、今回は前回とは違い、サイやミリアリアたちが付いてきており、ドアから入ってきた瞬間に、そのフレイの狂気を見てしまう。
「セナは、コーディネーターよ。なのに、なんでザフトがセナを攻撃するの?」
「それは……」
「結局、コーディネーターはみんな、そうなの?」
「フレイ。部屋に戻ろう? セナちゃんも寝てるし」
「ねぇ、キラ。答えてよ! コーディネーターは敵だって言うんなら、こんな小さな女の子も平気で傷つける様な奴らなの!? セナは相手を傷つけようなんてしてないのに!!」
「フレイ! キラだって疲れてるんだから!」
「キラ! 貴女МSを上手く使えるんでしょ!? なら殺してよ!! セナを傷つける奴!! 全員殺してよ!! コーディネーターは全員殺してよ!!」
フレイは叫びながら、サイとミリアリアに連れていかれ、キラはフレイの言葉にただ、ただ言葉を発せず俯いてしまった。
衝撃であった。
フレイとは仲を深める事が出来ていると思っていたから。
キラの中では、アスランも、トールもフレイも、みんな同じ友達だと思っていたから。
そんな中、アスランを、自分と同じコーディネーターを一方的に、ここまで言われると思っていなかったのだ。
だから、その衝撃が、キラの心を揺らし、ここまで溜め込んできた物が溢れ、嗚咽となって、医務室に響き渡った。
「どうなさいましたの?」
しかし、そんなキラの声を聞き届ける者がいた。
そう。ラクス・クラインである。
セナの部屋を抜け出し、散歩をしていたという彼女は、偶然医務室から聞こえてきたキラの悲し気な声に立ち寄ったのだという。
「戦いは終わりましたのね」
「あ! えぇ、まぁ……貴方のおかげで」
「でも傷付いてしまった方はいらっしゃるのですね」
「……はい」
「セナ様。こんなにも小さいのに、とても強いお方。戦争を止めたいのだと言っておられましたわ。平和への道を探しているのだと」
「そう、ですね」
「私、実はセナ様の大ファンなのですよ」
「そうなんですか!?」
「はい。エイプリル・フール・クライシスでのセナ様のお言葉はプラントでも聞く事が出来ましたから。是非一度会ってお話してみたいと思っていましたの」
「……」
「ですが、それどころでは無いですわね。セナ様も……そして、貴女も」
「っ!」
「とても、悲しそうなお顔をしてらっしゃるわ。良ければお話を聞かせてくださいませんか?」
「……僕は、本当は戦いたくなんてないんです。僕だって……コーディネイターですし……アスランは、とても仲の良かった友達でしたし」
「アスラン?」
「そうです。アスラン・ザラ。彼が、あのМS……イージスのパイロットなんです」
「そうでしたの。彼も貴方もいい人ですもの。それは悲しいことですわね」
「アスランを、知っているんですか!?」
「アスラン・ザラは、私がいずれ結婚する方ですわ」
「っ!?」
「あら、ごめんなさいね。アスランと結婚すると言いましても、親の決めた事ですから」
「そうなんですね」
「ですから、貴女がアスランを想っているというのなら……」
「あぁ! いえ! 違います! 今はそういう気持ちは無くて」
「あら。そうなんですのね」
ラクスは少し安堵した様に微笑み、キラの手を取った。
そして、言葉を続ける。
「でも、今は。という事は昔はあったという事なのですね」
「あ……ぅ。そ、そうですね。確かに、昔はちょっとありました。でも……そう! アスランってば酷いんですよ? 僕が頑張って作ったチョコレートを、作り方が間違ってるからこんな風になるんだ! とか言って」
「ふふ。あの方らしいですわ。そうそう! 私も婚約者として決まった後に、あの方とデートに行く事になったんですが」
「っ! そ、それで?」
「あの方。何やらジャンク屋という場所に行って、私を放り出して一人で楽しんでらしたの」
「アスランらしいや」
「それでも、私も見た事のない場所でしたから、楽しかったですね。と言ったら、次も、その次もジャンク屋へ」
「酷い!」
「私、この方と一緒になって大丈夫なのかしら。って本気で心配になってしまいました」
「ふふ。そうだね」
「ですが、悪い方では無いですから。お二人が、戦わないで済むようになれば……いいですわね」
ラクスはキラとひとしきり会話を楽しんだ後、その言葉を残して部屋に帰っていった。
そして、ラクスとの交流を切っ掛けとして、キラは一つの決断を下す。
そう。ラクスをプラントへ。アスランの元へ返すのだ。
平和を願う少女を、平和な場所へ。
それはキラがセナの為に戦う理由の一つでもあったから。
「……ラクス。起きてください」
「あら。キラ様! どうなさいましたの?」
「黙って、一緒に来て下さい。静かに」
キラはラクスを連れながら、アークエンジェルの艦内を進み、ノーマルスーツをラクスに着せて、ストライクの元へと向かった。
そしてストライクへと入ろうとした瞬間に、背後から声が掛かる。
「キラお姉ちゃん」
「っ!? せ、セナ! どうして! 駄目じゃないか! まだ寝てなきゃ!」
「ラクスさんを、返すんでしょう? 手伝いますよ」
「セナ様……!」
「ラクスさん。短い間でしたが、キラお姉ちゃんと仲良くしてくれて、ありがとうございます」
「やっぱり、セナ様は」
「さ、行ってください。お姉ちゃんと私で安全にラクスさんを送りますから」
セナはそう言うと、応急の修理だけ終わったストライクセイバーへと乗り込み、システムを起動する。
そして、カタパルトのハッチを強制的に開きながら、ストライクを先に発進させ、自身も宇宙へ出撃するのだった。
『セナ少佐!』
「はい。こちらストライクセイバーです」
『……やはり、私たちを見限られてしまったのですか?』
「いえ。違いますよ。マリューさん。ナタルさんの気持ちは分かりますし。こうするしか無かった事も分かります。ですから、これはただの我儘です」
『……セナちゃん』
「アークエンジェルは、私の家ですからね。帰りますよ。ちゃんと」
『ありがとうございます……』
辛そうに目を閉じるマリューにセナは微笑みながら、アスランとキラのやり取りを遠くから見ていた。
月で別れてしまった二人の運命が離れてゆくのを。
この運命を再び同じ道に戻す事がこれからのセナの役割でもある。
そして、イージスへラクスが渡った瞬間に、始まりそうだった戦闘もラクスの言葉で止まり、セナもキラもアークエンジェルへと帰投するのだった。
キラの幼少期、初恋話について。
まぁ、冷静に考えて、アスランみたいな格好良くて何でも出来て、頭の良い顔の良い男が居たら、そら惚れるだろうな。
という気持ちと。
アスランみたいにめんどくさくて、話を端折るから気持ちを伝えられなくて、しかも言い方が悪い奴に恋しても、すぐに冷めるやろな。
という気持ちが同居した結果。今回の話が生まれました。
アスランって遠くから見ている分には良いけれど、近づくと心底厄介なタイプな気がする。
だからアニメのラクス様もアスランの話をすると微妙に毒が混じるんですよね。
笑顔と話し方で分かりにくいけど、あれ? 結構ディスってない?
っていう瞬間がある。
まぁ、友人としては良いけど、その先に踏み込むと、アレな人なのかなと。
そう考えると、やっぱりカガリは凄い。
結局、この物語的に最後はキララクで落ち着くので、アスランが犠牲になったのだ。犠牲の犠牲にな。
という訳で、遂に本編10話。
そろそろ魔の砂漠編も近づいてきましたね。
人間関係でグチャグチャしてきましたし。
面白くなってきそうですわ。