ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
戦いは終わった。
∀ガンダムはミアによって元の時代に戻され、月光蝶も世界から完全にその姿を消した。
希望の救世主たるセナ・ヤマトの失態という事で、これ幸いと何かに利用しようと責任を追及するべきだという声がいくつかの国から上がったが、アズラエルやジブリールの圧力によってその声は潰される事になった。
そして、世界はセナの願った通り……に進む事はなく、変わらぬ姿を見せている。
「おい。アズラエル。お前、やってくれたな」
「やったと言われましても?」
「お前、廃棄コロニーの解体にわざわざブレイバーを連れて行ったらしいな? プラントの方から抗議が来ているぞ」
「やれやれ。神経質な連中ですね。ただ、プラントと同サイズのコロニーをブレイバーで破壊する演出をしただけなのに」
「お前なぁ。そういう挑発は時代が時代なら戦争に一直線だぞ」
「いやいや。まさか進化した人類を謳うコーディネーター様が、この程度の挑発に乗るとは思いませんよ。ナチュラル以下の猿じゃあるまいし」
「お前のコーディネーター嫌いも変わらないな」
「ふっ、変わる訳無いでしょう。嫌いな物は嫌い。それは変わりませんよ」
「ったく。ほどほどにしろよ。良いか? 私はちゃんと言ったからな!」
「分かっておりますとも。議長殿」
「じゃ、話はそれだけだ。わざわざ呼び出して悪かったな」
「いえ。構いませんよ。私もこちらに用がありましたからね」
「そうか。思えばそろそろ時間だな。私も行こう」
「そうですか。まぁ椅子を温めているよりは有意義でしょう」
カガリはアズラエルと共に長い廊下を歩き、ある部屋の中に入った。
その部屋は扉の向こう側にある壁が全てガラス張りになっており、外の様子が伺える様になっている。
「どうだ?」
「はい。議長。全て順調に進行しております」
「そうか」
カガリは返答をくれたスタッフに礼を言いつつ、ガラスの壁にアズラエルと共に近づいて、視線を落とす。
その場所は周囲をガラス張りの部屋に覆われた場所であり、24時間365日常に監視の兵が居る外界から完全に閉ざされた場所であった。
そして、その中央には一機のMSが横たわっている。
そのMSの名を『ホープセイバー』
「デミスシルエットの姿が見えませんが」
「デミスシルエットは完全に破壊した」
「ほぅ。出来たのですか」
「あぁ、出来たというか。勝手に壊れたというべきか。分からんが、ホープセイバーを回収する際に、その場で自壊したらしい」
「なるほど。相変わらず常識では考えられない物質ですね」
「だからこそ、セナの願う通り封印するんだろ」
カガリはアズラエルと言葉を交わしながら部屋の中で封印処理をされているホープセイバーを見つめた。
デスティニープランの件から考えても、∀ガンダムの件から考えても、この世に存在してはいけない機体だ。
故に、国連本部の地下深くに封印される事となった。
二度と目覚めぬ様に。
「……本当は解体出来れば良いんだがな」
「出来ない物は仕方ないでしょう。部品の接合部分が存在せず、何をしても傷一つ入らないあの機体をどの様に解体するというのですか。あまり技術者を責める物ではありませんよ」
「分かっている。ただ、な。このままで良いのかと不安になっただけだ」
「まぁ確かに。ホープセイバーが起こした奇跡を思えば、アレを利用したいと考える者は少なくないでしょう。だからこそ」
「私たちが世界を上手く導かなくてはいけない。と、言うんだろ?」
「えぇ。よく分かりましたね」
「常に言われていれば嫌でも覚える」
「それは重畳」
アズラエルはニヤリと笑いながら、日々為政者として成長してゆくカガリを見据えた。
そして、思い出したかの様に一つの疑問を口にする。
「そういえば、議長サン。貴女結婚はどうするつもりですか? まるで縁が無いという訳では無いのでしょう?」
「は、はぁ!? 関係ないだろ! お前には!」
「関係ないとは心外な。今の貴女のカリスマ性を考えれば、その子供は将来有望だ。早い内に産んでもらい、教育する方が世界の為でしょう。それに例のコーディネーターと結ばれれば、生まれる子はハーフコーディネーターとなる。これからの世界、ハーフコーディネーターは増えていくでしょうし。そんな彼らの希望となればと思いますよ」
「……意外だな」
「何がです」
「お前の事だから、コーディネーターは止めてナチュラルの優秀な奴にしろ。とか言うかと思ったが」
「いやいや。ナチュラルの優秀な人材は貴重ですよ。カリスマ性しかない貴女に差し出すのは、あまりにも彼らが不憫だ」
「おい! どういう意味だ! それは!!」
「そのままの意味ですが」
「この野郎!!」
「そういう気質だから、彼らの様な繊細な天才は無理だと言っているのですよ。貴女の様な人間は、アスラン・ザラの様な人間しか無理でしょう」
「……む」
「だから意味もなく迷ってないで、さっさと結婚しろと言ったのです。コトは早い方が良い。そうでしょう?」
「まぁ、考えてみるよ」
カガリはため息を吐きながらガラスの向こうへとまた視線を戻し、つつがなく進んでゆく封印作業を見据えるのだった。
それからそれほど時間も掛からずに、ホープセイバーは完全に封印された。
国連の建物がある限り、ホープセイバーが外に出る事は無いだろう。
カガリはそれを確認して、他の機体についての調査報告も受けるのだった。
「はい。ストライクフリーダム、ナイトジャスティス、インフィニットジャスティス、リュニックについては、内部フレームに例のフレームが採用されておりましたが、こちらは問題なく解体作業が完了しました」
「うむ」
「また、コックピット周辺にフレームが採用されておりましたデスティニー、レジェンドに関しても同様です」
「それで? 機体から外したフレームはどうした」
「はい。こちら議会での決定通り、可能な限り破壊作業を行い、全てが完全に破壊された事を確認しました。また、関連資料に関しても封印または削除しております」
「ご苦労」
「これでひと段落、ですかね?」
「まぁ、そうなれば良いがな。あの奇跡に変な希望を持った奴も多い。これからも監視は続けるさ」
「そうですね」
「という訳だ。地球側の監視はまた頼むぞ。アズラエル。それにジブリールやロゴスの連中にも伝えておけよ」
「当然ですよ。また戦争にでもなったら、サザーランド中将やマリー達に睨まれてしまいますからね」
「あぁ、そうだな」
「ではそろそろ僕は帰りましょう。寂しくなっても泣かないで下さいね」
「誰が泣くか!!」
カガリは机を叩きながら吠え、アズラエルはそんなカガリを見て、また笑うのだった。
そして、さっさと行けとばかりに手を振るカガリに、一言だけ余計な言葉を残して去って行く。
「あぁ、そうそう。例の大戦犠牲者の追悼慰霊団。僕とジブリールで護衛を用意しておきましたよ」
「は? お前、またブレイバーとか持っていくんじゃないだろうな」
「まさか! そんな過剰戦力は必要ないでしょう。ただ、今回はデストロイを五機ほど用意したのでね。プラントの連中も喜ぶ事でしょう」
「お前! バカっ! 止めろ!!」
「では失礼」
「アズラエル!!!」
カガリの叫びは空しく響き、結局プラントからまた抗議を受ける事になるのだった。
はい。
という訳で戦後編、開始でございます。
前のアフターストーリーよりちょーっと長いですよ。
実はこの物語において、一番お気に入りかもしれない二人の話からスタートですね。
いや、でも、アニメでもカガリとアズラエルって喧嘩友達だった様な……(存在しない記憶
後は、サイコフレームの放棄と封印に関してですが、これから先も国連(全世界)で封印を見守っていく事になります。
相互監視って奴ですね。
これでもう安全ってワケですわ。ガハハ。勝ったな。
では、また明日ー。