ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
オーブ連合首長国代表トーヤ・マシマは、自席に深く体重を預けると深い深いため息を吐いた。
「お疲れですか? 代表」
「あ、いえ。そういう訳では無いのですが……少々緊張してしまいまして」
「それはいけませんね。誰か! 代表が! お体を!!」
「あ、いえ! そんな大きな話では無くてですね! 本当にただ緊張していただけなんです! 僕にカガリ姉さまの様な統治が出来るかと不安で……」
「あぁ……その事でございますか」
トーヤの言葉に秘書として傍に立っていた者は柔らかい笑顔を浮かべると、ならばと何処かへ連絡をした。
それから一時間程経って、トーヤの執務室に一人の男が入ってくる。
「やぁ! 聞いたよ。トーヤ。何やら悩んでいるそうじゃないか!」
「ユウナ様!」
「様なんて要らないよ。今は、君がこの国の代表なんだからね」
ユウナは来客用のソファーに座り、笑いながら大げさなポーズを取るのだった。
そしてトーヤに正面に座る様に言うと、紅茶を二つ頼む。
「それで? 君の悩みを聞こうか? トーヤ。どんな話でも僕は大丈夫だよ」
「……ですが」
「トーヤ。君はまだ何も分かっていない様だね」
「え?」
「君はまだ若い。子供と言っても良い。そんな君に代表の座を押し付けたのはカガリだ。まぁ、国連の議長に就任したから。というのもあるけどね」
「……はい」
「だから、多少恨み言を言ったって、罰は当たらないさ」
「いえ! 恨みなんて何も無いんです! 本当に、何も! ……ただ」
「ただ?」
「僕はカガリ姉さまみたいに完璧では無いので」
トーヤが漏らした言葉に、ユウナは先ほどまでの優雅な仕草など何処かへ捨てて、腹を抱えながらゲラゲラと笑い始めるのだった。
「ユウナ様!」
「いや、すまない。カガリが完璧だなんて言うから、あまりにも面白くて」
「ユウナ様は、素晴らしい方ですから。カガリ姉さまの事をその様に言われるだと思います」
「いやいや。僕もカガリもね。完璧には程遠い存在だよ。自分の出来る事を精一杯やってるだけさ」
「……」
「うん。そうだね。トーヤも僕の言葉だけじゃ納得できないだろう。カガリの事をもっとよく知ってみれば良いんじゃないかな」
「カガリ姉さまの事を?」
「そう。今は大人しく議長なんてやってるカガリが、昔はどれだけ無鉄砲で考え知らずで、暴走しがちな人間だったかって事をさ」
ユウナはそう言うと、トーヤを連れて軍本部へと行くのだった。
オーブ軍国防空軍 第七機動部隊所属 馬場小隊のトール・ケーニヒ二尉はムラサメ改の整備中に突如基地司令官より呼び出され、軍本部へと向かう事になった。
そしてその話を伝えに来た整備員と共に歩きながら話をする。
「なんだ? 何やらかしたんだ。トール」
「いや、何もやってないですよ。ホント」
「そうかぁ? 何もなく、軍本部に呼び出し。なんてないと思うがね」
「脅かさないで下さいよ……今度子供も生まれるし。今減給とかクビになるとマジでヤバいんですから」
「へへへ。精々気を付けろよ」
「分かってます!」
整備班と軽く話をしていたトールは、自分が所属する部隊の隊長を見つけて走った。
「隊長!」
「話は聞いたか」
「はい! ケーニヒ二尉! 軍本部へと向かいます!」
「あぁ、それほど緊張しなくても良い。ユウナ様からの呼び出しだ」
「ユウナ様から? ハァー。なんだ。そっかぁー」
「ま、大方、今度行う軍部全体会議後の夕食会についての話だろう。気楽に行け」
「ハッ! 承知いたしましたァ!」
「あぁ」
馬場はトールを見送り、そのまま別の所へと向かおうとしたが、ふと思い出した事があったかの様に立ち止まり、トールの名を呼んだ。
「トール!」
「はい?」
「海軍や宇宙軍の連中より、良い場所を確保しろよ!」
「分かりましたァ! お任せ下さい!」
トールはオーブ式の敬礼をしてから、ヘリに乗り込み、軍本部へと向かうのだった。
そして、それほど時間を掛けずに到着した軍本部で、トールは酷く見慣れた人物が居た事で驚きながらヘリから飛び降りる。
「アレ!? ミリィ! それにサイも。どうしたんだ? こんな所で!」
「あーん? おい。トール。軍本部がこんな所。とはどういう意味だ」
「あ! やべっ! 大変失礼いたしました! オーブを護る素晴らしい場所でありますっ!」
「よろしい。今回は見逃してやろう」
「へへっ、ありがとーございますっ!」
トールは入り口の所に立っていた警備兵と気軽に話をした後、門の所で呆れた様な顔で腕を組む二人の場所へ向かう。
「いやー。へへへ。危ない危ない」
「ちょっとトール。今がどういう時期か分かってるんでしょうねぇ」
「ハッ! 申し訳ございませんっ!!」
「もし減給とかになったらトールのお小遣いから減らすから」
「えー!? そりゃないぜー、ミリィ!」
「あなたが気を付ければ良いんでしょー!? しっかりしてよ。パパ!」
「分かってるよ。ミリィ」
ミリアリアに小言を言われ、すっかり肩を落としたトールをサイが笑いながら励ます。
「変わんないね。二人はさ」
「そうかぁ? 俺、結構たくましくなってきたと思うんだけど」
「そりゃ見た目は結構変わったけど、そういう事じゃなくて。もっとこう内面的な話」
「あぁ、トールはいつまで経っても成長しないっていう話ね」
「えぇー!? そうかぁー!? この前プラントでニコルに会った時は見違えたって言われたけどなぁ」
「ニコルさんならそう言うでしょ。気を遣われただけよ」
「ちぇー。まだまだかぁ」
「俺は、結構好きだけどな。こういう空気。昔みたいでさ」
「……あぁ、そうだな」
「そうねぇ。もう十年以上前の事だもんね」
三人は空を見上げながら、遠い昔の事を思い出す。
まだ、キラやカズイが居て、五人でヘリオポリスに居た時の事を。
「俺たちもそろそろ三十代だもんなぁ」
「そうだな」
「はぁー。若い頃に帰りたい」
「ミリアリアは今でも若く見えるけど」
「見える様に頑張ってるのよ」
「そういうモンなんだ」
ミリアリアがジト目でサイを小突き、サイは笑いながらそれを受け止める。
そして、そんな二人を見ながらトールは静かに目を閉じて、今を噛み締めた。
「そういやさ。二人はここで何してたんだ?」
「あぁ。ユウナ様に呼ばれたんだよ。昔の話が聞きたいってさ」
「昔の話ぃ?」
「そ。何でもカガリ様の話を聞かせて欲しいんだって」
「それなら、もっといい人が居るんじゃないの? 俺らはそこまで詳しくないだろ」
「確かに」
「あ。分かった。もしかして、カガリ様が砂漠で無茶やってた時の話が聞きたいんじゃないの?」
「「あぁ」」
「それなら確かに俺たちは適任かもな」
「後は?」
「ヤキン・ドゥーエの戦いの時の話とか」
「あぁ、そういえばストライクルージュで出るって言って、飛び出して行ったんだっけ」
「今思うと結構無茶してるよな。カガリ様って」
「そりゃそうでしょ」
「ん? どういう意味だよミリィ」
「だって、カガリ様はキラとセナちゃんのお姉ちゃん。でしょ?」
「あぁ。そりゃ」
「納得って感じだな」
それから、三人は軍本部の中へと案内され、予想通りカガリの暴走エピソードをトーヤに話す事となった。
トーヤはカガリの色々な話を聞くたびに、驚き、頷き、そして、自分に今必要な物を考えるのだった。
いつか、彼が目指す偉大な姉に追いつくために。
はい。
という訳でヘリオポリス組とオーブの話ですね
まぁ、多くを語る事も無いので、また明日ー