ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
世界平和監視機構コンパス 特務隊所属 スーパーミネルバ級MS惑星強襲揚陸艦 ミレニアムは総裁ラクス・クラインの密命を受けて、プラントから地球に向けて移動していた。
任務の正確な情報はごく一部の限られた者しか知らない。
「しかし、ミレニアムでお姫様の家出の手伝いとはな……世界は平和になった物だ」
「そうですね。まだ油断できない状況ではありますが、それでも確実に『戦争のない世界』へと向かっていると思われます」
「『戦争のない世界』か。これはセナ君の功績だと思うかい? ハインライン中佐」
「いえ。あり得ません」
「ほう。随分とハッキリ言うじゃないか」
「当然です。武力を排除すれば世界が平和になる。などあり得ない。この結果はあくまでこの世界に住む人間が選んだ結果に過ぎない」
「だが、あの時、君も聞いただろう? セナ君の声を」
「……確かに。地球を包んでいた虹色の光。そして軌道上からも確認出来た黄金の巨体。あれらを通して彼女の嘆きは聞こえました。叫びと言っても良いかもしれません」
「そうだな。我々はあまりにも彼女に頼り過ぎていたのかもしれん」
「そうですね」
ハインラインとコノエは静かに目を伏せながら、セナの心からの叫びを思い出す。
ただ、平和が欲しいのだと。
愛する人たちが穏やかに笑って過ごせる世界が欲しいだけなのだと。
まるで何も知らぬ子供の様な言葉で、血反吐の様な想いで、苦しみながら世界中に放たれた声を。
「我々は遅すぎたのかもしれないな」
「そうかもしれません。ですが……」
「まだ、やれることはあるはずだ。か」
コノエはモニターに映る地球を見つめながら呟くのだった。
ブリッジでコノエとハインラインが静かに話をしている頃、格納庫ではシン達が大騒ぎをしながら機体を前に言い争いをしているのだった。
「だからさー! 今度は俺がフリーダムに乗りたいんだって」
「アンタにはデスティニーがあるでしょうが」
「もう解体されちゃっただろー!?」
「だったらハイネと同じ様な設計で組みなおして貰えば良いじゃない!」
「いや、なんか違うんだよ。ハイネに借りたけどさ。なーんかしっくりこないって言うか」
「まぁ、俺の奴は例のフレームが最初から採用されてないからな」
シンとアグネスの言い争いに、笑いながら介入したハイネは、シンとアグネスの背を叩きながら、仲裁モードに入る。
それはミネルバにハイネが乗っていた時から変わらない姿であった。
「でも、例のフレームは全て廃棄処分って事になったからさ。シンが望む機体はもう出てこないだろうなぁー」
「えー。そんなぁー」
「仕方が無いだろう。シン。アレが何を引き起こしたか。お前だって忘れた訳じゃないだろう」
「それは、そうだけどさ。レイ。でも、あのデスティニーはセナが俺の為にって用意してくれた機体だから」
「……」
シンの言葉にレイやハイネ。アグネスも黙ってしまい、格納庫にはやや重い空気が流れる。
が、そんな重い空気を破壊する様に、朗らかな声が響き、シン達はその声がした方へ敬礼をするのだった。
「ありがとうございます」
「いえ! 総裁もお疲れ様です」
「はい。皆さまも日々、ご苦労様です」
ラクスは笑顔のまま敬礼をすると、案内をしていたルナマリアや、シン達を連れて格納庫の奥へと向かった。
そこには、ラクスの護衛任務と同時に行われる予定だった任務に関わる物が配置されている。
「実はシンさんとレイさんには新型機のテストをしていただきたいと思っております」
「新型機……でありますか?」
「はい。資料は今転送いたします」
ラクスは手元の小型端末を使い、シンとレイの小型端末へ情報を転送しながら、新型機を覆っていたカバーを外した。
「例のフレームを使わず、より小型でより高性能な機体を目指して開発された機体となります。正式名称、フォーミュラー91。長いので、開発部の方ではF91と呼称していますね」
「F91……! これが俺の」
「はい。元々例のフレームはセナ様もいずれ廃棄する予定だったそうで。そうなればシンさんとレイさんに機体が必要だとして、セナ様が開発されていたそうです」
「セナの、機体!」
「シン」
「あぁ!」
シンとレイは拳をぶつけ合いながら、同型の二機を見つめる。
これから始まる時代の象徴となる機体を。
それから。
ラクスを地球に送り届けたミレニアムは地球の軌道上から離れ、デブリ帯へと向かった。
そして、新型機のテストをする為に、ライジングフリーダム、イモータルジャスティスとの性能試験を行うのだった。
「準備は良いか? シン、レイ。ルナマリア、アグネス」
『はい! 任せて下さい!』
『はい』
『大丈夫ですよ』
『問題ありません』
『では、F91の性能試験を行う。目標はデブリの内部とデブリ帯を抜けた先に用意した。より早く正確にこれを破壊して貰うのが性能試験となる。良いな? モニターの数字が0になったら合図だ』
ハインラインの言葉を合図として四人はモニターの数字に意識を集中させ、そのカウントが0になった瞬間、同時に駆けだしてゆく。
四人の技量や得意な戦法に多少の違いはあれど、パイロットとしては超一流であり、その動きは疑うまでもない。
故に四機はそれほど動きに違いがないままデブリ帯へと突入した。
しかし、ここで大きな差が出る。
ライジングフリーダムは17.8mなのに対し、F91は15.2mしかなく、更に最新鋭の推進システムを導入している為、デブリ内でもほぼ速度を落とさないまま突入する事が出来たのだ。
僅かにシンよりレイの方が動きが良いというのはパイロットの差としても、フリーダムやジャスティスとは明らかに進む速さが違う。
それだけ小回りが利くという事だろう。操縦性が上がったという話でもある。
「ここまで違いが出るとはな」
「まだ、これからですよ」
ハインラインの言葉に応える様に、レイのF91がレーダーに目標を捉えると、最小限の動きでデブリをかわしビームライフルで撃ち抜いた。
『っ!』
『もう目標を壊したの!?』
『俺だって!!』
そしてシンは、レイに負けない様にと腰の部分に付けられている砲を持ち、貫通力を高めてから大きなデブリが流れる一瞬の隙に、いくつかの小さなデブリを撃ち抜きながら目標を破壊するのだった。
「おぉ……!」
「ヴェスバーと呼ばれる武装です。収束率、射出速度、貫通力などパイロットがある程度自由に操作する事であらゆる戦況に対応する事が出来ます」
ハインラインがそう答えながら結果を整理していると不穏な会話が通信から聞こえて来た。
『マズイ! このままじゃ負ける!』
『こうなったら、隊長仕込みの! 加速方法で! でぇえええい!』
「っ! 止めろ! ルナマリア!!」
ルナマリアはハインラインの警告を完全に無視して、デブリを蹴りながら加速を繰り返し、目標は通りすがりにビームサーベルで破壊しながら更に加速。
最後は従来機を遥かに超える速度で最終目標にビームブーメランを放ち、最速でクリアした。
だが、これはあくまで性能実験であり、個人のパイロットスキルを見せる場ではないとハインラインに説教され、ルナマリアは肩を落とすのだった。
はい。
今日はちょっと夜がドタバタしますんで、早めの更新ですー。
明日はまたいつもの時間ですかねー
では!