ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
コンパスの活動が減り、プラントの情勢も落ち着いている頃で、最近はよく休みを取る様になっていたタリアは、久しぶりに息子であるウィリアムと一緒に花見へ来ていた。
穏やかな風の流れるその場所は、静かで戦争からは一番遠い場所に思える。
「……良い空気ね」
「そうですねぇ」
「お母さん。アーサーさん。後は誰が来るんだっけ」
「えぇっと、どうなっていたかしら。アーサー」
「あ、はい! 今日はですね。旧ミネルバクルーの者達が来る予定ですね」
「そうなの!? じゃあ、シンさんやレイさんも来るって事!?」
「あぁ、そうなるね。ウィル」
「そうなんだ! じゃあいっぱい話聞けるかな!」
「えぇ。きっと色々と話してくれると思うわ」
タリアはアーサーと笑いながら話す息子ウィリアムを見て微笑み、空を見上げて小さく息を吐いた。
まだ旧ミネルバクルーの者達は来ておらず、三人の静かな時間が流れていたのだが、そこに一人の男が顔を出す。
「やぁ。すまないね。少し来るのが早かった様だ」
「……! あなた、ギルバート!」
「本当は大勢に紛れて軽く話だけするつもりだったのだが……これも運命という奴かな」
「何をバカな事を言っているの。貴方が早く動き過ぎただけよ」
「あぁ、そうだな。私は色々と焦り過ぎていたらしい。最近よく思うよ」
デュランダルは三人の許可を取り、レジャーシートの上に座ると、アーサーからお茶を受けとった。
そして、一口飲んでから三人を見据えた。
「そうしていると、家族の様にも見えるな」
「えぇ!?」
「止めてよギルバート。アーサーに私は勿体ないわ」
「えぇ!? 艦長!?」
慌てるアーサーにタリアもウィリアムもデュランダルも笑う。
「何? アーサー。お母さんの事、好きなの?」
「いやっ、そういう訳じゃないんだよ! って言うと、なんか酷い事言ってるみたいだね!? いや、そうじゃなくて! 僕はただ、艦長を尊敬する一人の人間として……!」
「分かってるわ。アーサー」
「艦長ぉ~!」
「貴方の想い人はちゃんと居るものね」
「ちょ、そ、その件は内密に!」
「えぇ!? そうなの!? 誰!? 僕の知ってる人!?」
「あ、いや、それは、だね」
アーサーはしどろもどろになりながら、何とか説明をしようとしたが、それも出来ず、また笑われてしまうのだった。
それから。
それほど時間も経たずに旧ミネルバクルーも一人、また一人とやってきて、各々に仲の良い者達で集まりながら話をしていた。
ウィリアムも先に話していた通り、シンやレイの姿を見つけて、武勇伝を聞くために突撃しており。
アーサーは皆の中心で騒いでいるハイネに捕まって、一緒にカラオケなどをさせられているのだった。
そんな景色を見て、デュランダルは静かに一人で茶を飲む。
どこか遠い世界を見ている様な瞳で。
そして、そんなデュランダルの下へ一人の少女がやってきて、何の断りもなく隣に座った。
デュランダルは最高評議会の議員であり、プラントの中ではそれなりに高い地位の人間なのだが、彼女はその様な事は何も気にしない。
「何一人でしんみりしてるんですか。デュランダルさん」
「私に何か用かな。キラ」
「用が無きゃ話しかけちゃ駄目ですかー。なんて言っても良いんですけど。実は用があります」
「あぁ、聞こうか」
「プラントが発見したっていう遺跡について」
「……」
「僕としては、完全に、粉々に、木端微塵に、したいんですけど。それも、まだ……出来ないんです」
「そうだろうね」
「それで? 発掘の状況はどうなんですか? 何か見つかりましたか」
「いや、残念だが……あの遺跡からは戦いに関する物しか見つかっていないよ」
「なるほど……だから滅ぼされた。という事ですか」
「そういう事だろうね」
「どれだけ長い時を生きても、どれだけ世界をやり直しても、結局人は争いの中でしか生きる事が出来ないという事ですかね」
「いや、私はそうは思わないな」
「デュランダルさん?」
キラの言葉にデュランダルはフッと笑うと、真っすぐに前を見据えた。
そして、キラにも見る様に言う。
「今私たちの前にある物は争いでは無いよ。キラ」
「だとしても、ここにセナは居ません」
「そうだね」
キラは普段見せない冷たい瞳で、デュランダルを軽く睨みつけると、何年も抱え込んできた想いを吐き出した。
「僕は、あなたの事を憎んでいました」
「そうだろうな」
「セナの事だけじゃない。ミーアの事もそう。僕はあの時、貴方を殺して、全てを終わらせようとした」
「だが、私はその直前で舞台から降りてしまった」
「……」
「全ての罪をセナに押し付けて。私は今もまるで正しい人間の様な顔をして議員をやっている。君からすれば、さぞ憎い相手だろうな」
「そうですね」
「……」
デュランダルはまるで覚悟は出来ているとでも言うようにキラを見据えるが、キラの反応は冷ややかな物だった。
「僕はもう、貴方の命になんて興味無いですよ」
「そうか」
「今、僕が貴方に願う事は、僕の大切な人達が生きるこの世界を護って欲しい。ただそれだけです。始めてしまった責任をちゃんと取って下さい」
「……あぁ」
キラの言葉にデュランダルは頷くと、静かに肯定を返した。
そして、少ししてから再び口を開く。
「そういえば」
「はい?」
「最後の戦いの時に、ミーアと少し話をしたんだよ」
「ミーアと?」
「あぁ。彼女にも君と同じ様な事を言われた。『セナに戦う理由を与えたのが貴方なら、それを終わらせるのも貴方の役目だ』とね」
何となくミーアがデュランダルに涙を浮かべながら怒っている姿を想像して、キラは少し笑った。
「デスティニープランだと、ミーアはどういう役目が相応しいと思われていたんですか?」
「突然どうした?」
「いえ。何となく気になっただけです。僕やシンは戦士で、セナは世界を導く女神。じゃあミーアは? 貴方やセナはどういう結論を出したのですか?」
「もうとっくに分かっているだろうに。君は本当に怖いな。キラ」
「まぁ、ファウンデーション王国の件やミネルバの人たちの事を考えると、議長やセナの考える遺伝子の適正という言葉がどれだけ薄っぺらいかよく分かりますよ」
キラは共に戦ってきた仲間たちを見ながら思う。
誰も彼も、元から何でも出来た訳じゃない。
与えられた役目で、自分から選んだ願いで、必死に生きて来た。戦ってきた。
それが全てなのだと。
「彼らや僕たちが、そして世界が平和へ向かって進み始めたのは遺伝子や誰かの力なんかじゃないですよ」
「分かっているさ。もう十分にね」
「それは良かった。また貴方が変な暴走をしないかどうかだけが心配でした。でも、もうその気が無いのなら、これ以上僕が言う事はありません」
「そうか」
「いつか貴方にも安らぎの時が来ることを願ってますよ。多分、セナも同じことを願ったでしょうから」
「そうだな」
デュランダルとキラは空を見上げて、ここには居ない少女を頭に描く。
戦士としての才能も、救世主としての才能も、何も持たないまま、戦いにその身を投げて、多くの事を成し遂げてしまった少女の事を。
ただ、静かに……想うのだった。
はい。
お花見会でございます。
後、多分ですがウィル君初登場!
まさかの!
いや、多分どこかで出ていた様な……?
別に裏設定でも何でもないですけど
多分この世界のキラ、世界で一番嫌いなのデュランダル議長かもしれない……。
まぁ、ミーアもセナも実質デュランダル議長のせいで死にかけたし
ついでにシン達がDESTINY編で苦しんだのも、その後のデスティニープラン騒動も
思えば全部デュランダル議長のせい……
ここまで世界が混乱したのも、全部! デュランダル議長が居たからじゃないか……!