ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
ててててーんてん てんてんてーん
(第三者視点)
ザフトの追撃を振り切ったアークエンジェルは、何とか第八艦隊へと合流し、その艦隊へと加わった。
そして、ハルバートンを迎え入れるべくマリューとナタルは格納庫へと向かうのだった。
「艦長! ストライクのこと、どうされるおつもりですか?」
「どうって……どういうこと?」
「あの性能だからこそ、彼女が乗ったからこそ、少佐の身は守られ、我々はここまで来れたのだということは、この艦の誰もが分かっていることです」
「……」
「しかも少佐の姉なのでしょう? であるならば、少佐を守る為ならば!」
「ナタル」
「っ!」
「私はね。逆の事を考えているの」
「逆、ですか?」
「そう。セナ少佐をキラちゃんと一緒にアークエンジェルから下ろして、普通の民間人として生きて貰いたいって思ってるわ」
「バカな! 少佐を、このまま手放すなど……少佐のお力は」
「どれだけの才能があっても!! あの子は軍人じゃない。普通の女の子よ!」
「っ!」
「戦う事で傷付くあの子を、無理矢理戦わせる権利なんて、私たちには無いわ!」
「……ですが、もはや少佐をザフトもこのまま黙って見過ごす事はしない。それは貴女も分かっている事でしょう! ラミアス大尉!」
「そうね。だからこそ、選ぶのは少佐だわ」
「……分かっています」
苛立つ様に言葉を返したナタルに、マリューは心の中で溜息を吐きながらエレベーターに乗り込むのだった。
そんなどこかぎこちない二人がたどり着いた格納庫では、既に他のメンバーが待っており、マリューとナタルもその列に並んでハルバートンの到着を待つのだった。
そして、それほどせずにハルバートンが小型の輸送機に乗って現れ、マリューはそれを敬礼しながら待ち受ける。
「ん? おぉー! いやぁ、ヘリオポリス崩壊の知らせを受けた時は、もう駄目かと思ったぞ。それがここで、君達と会えるとは!」
「ありがとうございます! お久しぶりです、閣下!」
「先も戦闘中との報告を受けて、気を揉んだ。大丈夫か!?」
「はい。皆無事でここまでたどり着きました」
「それは良かった。それと……」
「ハッ! ナタル・バジルールであります!」
「第7機動艦隊、ムウ・ラ・フラガであります」
ハルバートンは、ナタルとムウの言葉に頷きながら、二人の前に立ち、言葉を掛ける。
「うむ。よくぞ無事にここまで来た。それに、君が居てくれて幸いだった!」
「いえ、さして役にも立ちませんで」
「その様な事は……」
「あっ、遅れました!」
「おぉ! セナ嬢! 久しぶりだな!」
「えと、そうですね。お久しぶりです。ハルバートンさん。あ、いえ! ハルバートン准将」
「良いさ。ハルバートンおじさん。なんて呼んでくれても良いがな!」
「閣下、それは」
「む? 良いではないか。彼女は軍属では無いのだ。ただの民間協力者に軍の規律などと言えんよ」
「それで、彼らが」
「はい、艦を手伝ってくれました、ヘリオポリスの学生達です」
「そうか! とんでもない状況の中、よく頑張ってくれたなぁ。私からも礼を言う! それに君達の御家族の消息も確認してきたぞ。皆さん、御無事だ!」
ハルバートンの言葉に皆が喜びに沸く。
そして、それからハルバートンはマリューらと共に今後について話す為に別室へと向かうのだった。
「しかし、まぁ。この艦一つとG1機のために、ヘリオポリスを崩壊させ、アルテミスを壊滅させるとはなぁ」
「だが、彼女らがストライクとこの艦だけでも守ったことは、いずれ必ず、我ら地球軍の利となる」
「アラスカは、そうは思ってないようですが」
「ふん! 奴等に宇宙での戦いの何が分かる! ラミアス大尉は私の意志を理解してくれていたのだ。問題にせねばならぬことは、何もない」
「閣下」
「しかし、問題は他にもあります。アズラエル少佐についてです」
「っ」
ハルバートンの副官であるホフマンは苦々しい顔をしながら、体調の問題があり、奥に座っているセナに視線を向けた。
その視線は以前に会った時同様に、セナという存在への疑念が含まれている様に見える。
「アラスカより、早くアズラエル少佐を連れてこいとの指令が再三にわたり来ておりますからな」
「そうなのですか?」
「あぁ、サザーランド大佐より、だ。何ならアークエンジェルを落としてでも、アズラエル少佐だけは何としてもアラスカへ無事に降ろせとの事だ」
「サザーランドめ。好き放題言いおって」
「もし、問題がありそうでしたら、単独でアラスカへ行きますが。一応ストライクセイバーにも単独での大気圏突入機能がありますし」
「いかん!! セナ嬢!」
「駄目です! セナ少佐!」
「いけません! 少佐!」
「えと、はい」
ハルバートン、マリュー、ナタルの三人に激しく反対され、セナはしょんぼりとしながら頷いた。
それから、ハルバートンは咳払いをしつつ、場を整えると、再び口を開く。
「とにかくだ。アークエンジェルはセナ嬢と共にアラスカへ降りてもらう。G兵器とその情報をアラスカへ。その後の人員配置にて月へ戻す事となるだろうが、すまんが、頼むぞ、ラミアス大尉」
「ハッ!」
「それで、他の問題として、例のストライクのパイロットはどうしますかな?」
「キラ・ヤマトは、妹であるセナ少佐、そして友人達を守りたい。ただその一心でストライクに乗ってくれたのです。我々は彼女の力なくば、ここまで来ることは出来なかったでしょう。ですが……成り行きとはいえ、自分の同胞達と戦わねばならなくなったことに、非常に苦しんでいました」
「……っ」
「誠実で優しい子です。彼女には、信頼で答えるべき、と私は考えます」
「しかしこのまま解放しては……!」
「僭越ですが、私はホフマン大佐と同じ考えです。彼女ならば、例えどの様な事態になろうとも、少佐やアークエンジェルを守り切れるとそう確信しております」
「それで? どの様にするつもりだ。その少女は戦いを望んでは居ないのだろう?」
「それは! アークエンジェルにはセナ少佐も乗っておられるのですから! それで!」
「私は反対です」
「セナ少佐!?」
「本人もこう言っておるようだが?」
「しかし、我々だけでは……!」
「この道は私自身が選んだ道。もし姉が争いの無い道を選ぶのなら、そうあるべきだと私は感じております」
「「……」」
セナがニッコリと笑いながら告げた言葉に、ホフマンとナタルはどこか不満そうであったが、それを口に出す事はしなかった。
そして、今後の方針も決まり、ナタルとホフマンはアークエンジェルの艦内でヘリオポリスの学生らに除隊の手続きをしているのだった。
「除隊許可証?」
「私達……軍人だったの?」
「第8艦隊、アークエンジェル所属」
「キラ・ヤマトは?」
「あ! キラならストライクの所で」
「そうか。なら、後で渡してやれ」
「例え非常事態でも、民間人が戦闘行為を行えば、それは犯罪となる。それを回避するための措置として、日付を遡り、君達はあの日以前に、志願兵として入隊したこととしたのだ。なくすなよ」
「はぁ……」
「尚、軍務中に知り得た情報は、例え除隊後といえ……」
「あの」
「なんだ。君は戦っていないだろう? 彼らと同じ措置は執られていないぞ」
「いえ。そうではなくて! 私、軍に志願したいんですけど!」
「「えぇ!?」」
「フレイ!?」
「何をバカな」
「ふざけた気持ちで言っているんじゃありません! 私はセナとそれこそ家族の様に共に過ごしてきました。でも、このままあの子を放り捨てて、アークエンジェルを降りてしまったら、あの子、きっと無茶をしてどこかで死んでしまいます! 私はセナやキラに助けられてここまで来たのに、それを無視して、このまま他人のフリをする事が本当に正しい事なのでしょうか?」
「……それは」
「だから私、セナを支えたいんです。親友として、戦友として」
「死ぬかもしれないぞ」
「覚悟の上です」
「……分かった」
それから、フレイの言葉にトールたちも感化され、残る事に決めた。
そして、セナだけでなく友達も皆残ると言われたキラが残らないワケがなく、セナとキラを除くコーディネーターを皆殺したいという昏い願いを持つ、フレイの考え通りに、最高の戦士であるキラはアークエンジェルに残る事となった。
ガンダムの良い所はやはりすれ違っていく思いですわね。
みんながみんな、誰かの為を想って行動するのに、それが微妙にすれ違って、悲しい結末に向かってゆく。
やるせないですねぇ。
という訳で、宇宙での戦いも、後もう一話。
今日はその辺りまで頑張って書いて寝ようかなと思います。
ほな!