ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
ヤマト家に引き取られてから一年ほど経過し、キラお姉ちゃんは幼年学校へ、そしてラウさんはプラントと地球の情勢を確認する為に世界中を飛び回っている。
私はと言えば、出来る事も無いし、幼年学校にもまだ通えないから家でカリダママと一緒に過ごしていた。
しかし、正直やる事も無いし、お姉ちゃんと同じスーパーコーディネーターの能力を使って色々な場所をハッキングして情報を集めている。
とは言っても、私みたいな子供に出来る事など殆ど無いし、悪化してゆく世界情勢を見ている事しか出来ないのだった。
そして、私はそんな風にただ過ぎていく日常を過ごしていたのだが、キラお姉ちゃんが友達を家に連れてきた事で、ある重大事項を思い出した。
「はじめまして。アスランです」
「っ!?」
「あら。礼儀正しい子ね、私はカリダ。キラのお母さんよ」
「はい! よろしくお願いします!」
ペコリと頭を下げる藍色の髪を持つ少年を、扉の陰からその姿を見て戦慄いていた。
そう。そうだ。
私はどうして彼の存在をすっかり忘れていたんだろう!
アスラン・ザラ。
特に理由はないけれど最強の男!
そしてこのコズミック・イラ世界において、最も不可思議な生態を持つ最強生物!
SEED時代には敵軍ながらキラの事ばかりを考え、暴走し、ホンマに友情か? と疑いたくなる様な熱量でキラに迫った男だ。
DESTINY時代になって、カガリという相手が出来たにも関わらず、アスランの口から出る名前は、キラキラ、キラキラ。
キラは敵じゃない。
キラは、キラが、キラの。
カガリとキラ。どちらの名前をより多く呼んだか数えてみたくなる程度にはキラオタクであった。
流石にFREEDOMではカガリが本命です! という顔をしていたが、正直DESTINY時代まではいつキラに走ってもおかしくない友情を超えた何かがアスランの中にあったのは確かだろう。
おそらく。多分。メイビー。
私の目が節穴でなければ、だ。
だから、もし……だ。
アスランがカガリという運命の相手を見つける前に、キラお姉ちゃんに恋をしてしまったら……!?
ヤバい! 映画版はキララク、アスカガだったからこそ乗り越えられたようなものなのに!
それが崩れたら……いや、そもそもだ。親友相手にあそこまで無茶をしたアスランがSEED時代に女の子であるキラお姉ちゃんに同じ対応をするだろうか?
もっと過激にアークエンジェルから奪おうとはしないだろうか?
……無いとは言い切れない。
こうなったら、キラお姉ちゃんの性別はアスランには絶対にバレない様にしないと。
ここは私が頑張る所だぞ! 頑張れセナ!
「アスラン。紹介するね。僕の妹でセナって言うんだよ」
「えと、はい。はじめまして。セナです」
「どう? どう? 可愛いし、礼儀正しいし。凄いでしょ」
「あぁ、そうだね。キラの妹とは思えないよ」
「いやいや。どう見ても僕にそっくりだし。これでも僕は立派なお姉ちゃ「あ、アスランさん!」」
「ん? どうかした?」
「あー。いえ。その……実は私、格好いいお兄ちゃんに憧れてて!」
「ほぅ」
「む」
私が誤魔化す為に放った一言は想定していた以上の効果を与えた。
アスランは少し嬉しそうな顔をして、キラお姉ちゃんが不満そうな顔をする。
そして、キラお姉ちゃんは私に抱き着くと、不満を全身で示した。
「ちょっ、離れて!」
「セナ! 僕はセナのお姉ちゃんなんだよ!?」
「キラ!?」
「お姉ちゃんでしょ!?」
暴走したキラお姉ちゃんは、自分をお姉ちゃん。お姉ちゃんと連呼し、無事アスランにキラが女の子であるとバレてしまった。
こんなにも……! あっさりと!
しかし、悔やんでいてもしょうがない。
こうなった以上は作戦変更だ!
まだアスランの中で、キラは手のかかる弟の様な位置から変わっていない。
ならば、作戦変更だ!
こうなったら、私がアスランを落として、それで適当な所で別れるしかない。
そしてカガリと運命の出会い。ゴールインまで向かわせるのだ。
私が、二人のラブラブ生活を作り出して見せる!!
という訳で、まずはアプローチである。
まぁ、とは言ってもだ。
私はなんと言ってもあのスーパー美人のヴィアママにそっくりな見た目をしているのだ。
こんな私にアプローチをされて、惚れない訳がない。
ふふふ。
落ちろ! アスラン・ザラ!
私の完璧な魅力の前にな!
「アスランさん。お茶を用意してきました!」
「え? あぁ、ありがとう」
「あれ? セナ。僕の分は」
「あるよ。はいジュース」
「ありがとう! セナは本当にお姉ちゃん想いの妹だなぁ!」
「お菓子とかも用意しました」
「食べる! 食べる!」
「コラ。キラ! 先に宿題をやってからだ」
「えー。面倒だよぉ。良いじゃん別に食べながらでもさ」
「しょうがない奴だな。キラは」
「へへ」
キラお姉ちゃんは、にへへと笑いながら、お菓子を食べる。
そしてアスラン・ザラはそんなキラお姉ちゃんを見て、しょうがないな。と苦笑するのだった。
ん?
何かいい雰囲気じゃない?
幼馴染の恋愛物が始まる様な空気が満ちている!!
不味い! 不味いぞ!
私も介入しなくては!
セナ・ヤマト! この良い空気に介入する!!
「あ、アスランさん。今何をされているんですか?」
「あぁ、幼年学校の勉強だよ」
「そうなんですね」
「まぁ。セナにはまだ難しいかな!」
「フーン。あ。キラお姉ちゃん。ここ間違えてるよ。アスランさんでも気づかなかったんですね」
「え? そ、そんなワケ」
「……む。キラ。見直しが足りないな。ここも間違えているぞ」
「え!? えぇ!? そ、そんな」
「むー。キラお姉ちゃん。ほら、ここも間違えてる」
「キラ!」
「キラお姉ちゃん!」
私は気が付いたらアスラン・ザラと視線を交わしながら、謎の戦いをはじめ、キラお姉ちゃんが半泣きで勉強ヤダと叫び逃げ出すまで続けた。
そして、キラお姉ちゃんがベッドに飛び込んでいじけた後も、私はアスラン・ザラと視線をぶつけ合うのだった。
「……確か、セナ・ヤマト。だったよね」
「そういう貴方はアスランさんですよね」
「アスラン・ザラだ。本当は父上から名を隠せと言われていたんだけどね。君には伝えておきたいと思ったよ」
「そうですか」
アスラン・ザラは挑戦的に笑いながら私の手を取った。
そして、少年らしく笑う。
何か思っていた感じと違ったけど、間違いなくアスラン・ザラの中で強い印象で残ったはずだし。
まぁ良しとしよう。
「あら。セナ。ここに居たのね。お姉ちゃんたちの邪魔をしちゃ駄目よ」
「大丈夫だよ。お母さん」
「そう? アスラン君もありがとうね。キラだけじゃなくて、セナの面倒も見てくれて」
「い、いえ! お役に立てているのなら、嬉しいです!」
「ん?」
「ふふ。良い子良い子」
「っ!」
「あら。ごめんなさいね。癖で」
「いえ! 大丈夫です! 嬉しいです!」
「そう? じゃあ、また勉強頑張ってね。ジュース置いていくからね」
「はい!」
ん?
んん?
カリダママと話していて、頬を染めているアスラン・ザラ。
え?
まさか、まさか! この男!!
私やキラお姉ちゃんという将来美少女になる事が確定している原石を無視して、人妻に恋しているのか!?
何という男だ。
全てが規格外……!
こんな所まで私の予想を超えて行くのか……!
これが、アスラン・ザラ!
Q.アスランの信頼を得る為にはどうしたら良いですか?
A.幼少期に知り合うのが一番かと思われますが、如何でしょうか。
まぁニコルとか、二代目西川兄貴とかくらいのコミュ力があれば青年期アスランでも仲良くなれそうだけど。
仲良しというか、通訳というか。
アスランの言葉を翻訳する人間が絶対に近くに必要だよなと思う今日この頃。
ミネルバに出向する時に、アスラン語を正しくシンたちに伝える事が出来れば。
もう少し未来は変わったんだろうなぁって。
いや、でもまぁ。
映画版を見る限り、通訳居てもシンとの関係は駄目そうだから、これはもう相性ですね。
……今気づいたけど、映画版でアスランが単独行動をしていたのは。
まさかね。まさか。
そんな訳無いよね? ね?
アスランさん。コミュ力不足により、単独多めの仕事へ……?
いや、冷静に考えたら、生身の戦闘でも最強だから、潜入とか荒事が得意なだけか。
そうだよね。うん。間違いないわ。
……うん。
まぁ、という訳で、アスラン回な訳だけど。
正直一番動かすのが難しいキャラクターだよな。という印象ですわ。
どう動いてもアスランだしな。で納得出来るけど、どう動いても、これがアスランの姿か……? という疑問が頭から離れないという。
アスランさん。あまりにも。
しかし、それでも弱者を護る事に絶対正義を感じている人間だから、分かりやすい正義と悪が戦っている内は、楽だなと。
SEED後半は上手く頑張りましょう。
何だかんだと彼の運命はほぼ変わらないので。