ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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本日、二回目の行動……!

テュュュュュュュュン
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ

チャカッツチャカッチャカッ


PHASE-36『キラ』(前編)

(アスラン視点)

 

 

 

オーブの領海へと入ってしまった足つきは、その姿を完全に消してしまっていた。

 

そして、俺たちはその足取りを追う為に、オーブへと潜入するのだった。

 

まずはオーブの内部を探る為に、イザーク、ディアッカと別れ、ニコルと共に町の中を歩き、情報を集める。

 

「見事に平穏ですね。街中は」

 

「ああ。昨日自国の領海であれだけの騒ぎがあったって言うのに」

 

「中立国だからですかねぇ?」

 

「それもあるだろうが……」

 

俺はニコルの問いに答えながら、街頭にある大型モニターに映るかつてオーブを治めていた男を見て、目を細める。

 

「平和の国、か」

 

中立だと言いながら、地球軍に協力し、МS開発をする事のどこが中立で平和なのか。

 

そのせいで、キラとセナは戦場へ向かう事になってしまったというのに。

 

俺は苛立つ気持ちを何とか抑えながら、ニコルと共に調査を行い、そしてイザーク達と再び合流するのだった。

 

「そりゃぁ軍港に堂々とあるとは思っちゃいないけどさぁ」

 

「あのクラスの船だ。そう易々と隠せるとは思えんがな」

 

「まさかぁ、ほんとに居ないなんてことはないよねぇ。どうする?」

 

「欲しいのは確証だ。ここに居るなら居る。居ないなら居ない。軍港にモルゲンレーテ、海側の警戒は、驚くほど厳しいんだ。なんとか、中から探るしかないだろ」

 

「中から探る。ねぇ……ん?」

 

「どうした。ディアッカ」

 

「いやぁ、どっかで見た鳥が飛んでるなと思ってさ」

 

「鳥ィ? そんな物。どこにでも飛んでいるだろう!」

 

ディアッカが空を眺めながら呟いた言葉に、俺も空を眺めて、そして……心臓が止まるかと思った。

 

だって、そこに居たのは。

 

空の青の中に飛ぶ、その機械の体と機械の翼は。

 

『トリィ!』

 

その声は……。

 

「へぇ、ロボット鳥だ」

 

「ヒュー。上手いもんじゃないか。アスラン」

 

俺が昔キラと別れる時に送った物なのだから。

 

 

 

俺はトリィを手に乗せながら、モルゲンレーテの金網に沿ってこちらへ歩いてくる姉妹を見て、目を細める。

 

「トリィー! どこー!?」

 

「全然見当たりませんね」

 

「ん? あー、あの人のかな?」

 

「もう、どこに行っちゃったのかなぁ」

 

「口笛とかで呼べないですか?」

 

「そういう機能は付いてなかったと思う。ほら、いつもは呼んだら来てくれるから」

 

俺はすぐ隣に立っている仲間たちに気づかれない様に、手にトリィを乗せたままキラとセナに近づいて行った。

 

もし、この出会いがヘリオポリスであったなら、素直に三人へ打ち明けて、多少無理をしたとしてもキラとセナをプラントへと連れ去っただろう。

 

しかし、もう今は駄目なのだ。

 

キラは……ストライクには撃墜命令が出ている。

 

セナも、このままアラスカへとたどり着いてしまうのなら、その前に落とせと。

 

そう命令されているのだ。

 

パイロットだとバレてしまえば、セナは何とか救えても……キラは。

 

だから、俺は周りに気づかれない様に、キラとセナに向かって歩き……。

 

「あれぇー!? キラちゃんとセナちゃんじゃん! どうしたの。こんな所で!」

 

「む?」

 

「っ! ディアッカさんと……イザークさん! それに……」

 

「あれ。バナディーヤの子かと思ったけど……おいおい。ここに居るってことは、まさか!」

 

ディアッカの言葉に思わずディアッカを見ながら俺は何か言葉を発しようとして、出来ず、固まってしまった。

 

「バレてしまいましたか。実は私たちオーブのスパイだったんです」

 

「あ、やっぱりー!」

 

「っ!」

 

「どうしたんですか? アスラン」

 

「い、いや。何でもない」

 

「そうですか? 何か様子が変ですよ」

 

「アスランの様子がおかしいのはいつもの事だろうが」

 

「あっはっはっは。そりゃそうだ。あ、そうそう。紹介するよ。これが前に言ってたアスラン。こっちはニコルだ」

 

「初めまして。セナと申します」

 

「セナさん。ですか?」

 

「どうした。ニコル」

 

「あ、いえ。よく聞いたことのある名前だなと思いまして」

 

「どこにでもいる様な名前だ。別におかしな事も無いだろう」

 

「それは、そうですね……。それで、そちらが」

 

「……キラです」

 

「あ、キラさん。なるほど……なるほど……」

 

「どうしたニコル。お前も。アスランと同じでおかしくなったか?」

 

「いや、そういうつもりは無いんですけど、偶然? いや、でも」

 

ニコルが何かを考え込むような仕草をしてすぐ、セナが本当に何も知らない少女の様な顔で、笑い、ディアッカに近づいた。

 

「そ、う、い、え、ば! ディアッカさんとイザークさんはここで何をしていたんですか?」

 

「むっ、い、いや、俺たちは」

 

「あー。なんだったかなー。あ、そうそう。観光。観光だよ」

 

「ほー。ザフトのパイロットさんが観光ですかぁー。それはそれは、入国審査は大変だったでしょう」

 

「まぁな!?」

 

「では見せてください。許可証」

 

「……」

 

「いや、あのー」

 

セナの言葉に完全に固まってしまった俺たちと、どこか心配そうに俺たちを見ているキラ。

 

そしてそんな凍り付いた空気をセナは笑いながら全て壊してしまった。

 

「ぷっ、アハハハ。冗談ですよ。冗談」

 

「……は?」

 

「私は別に国の偉い人じゃないですから。お友達のちょーっと悪い事くらい、見逃してあげますよ」

 

「ほっ……助かるぜ」

 

「たーだーし! 私もお姉ちゃんも、今すっごく喉が渇いてるんです」

 

「ハッ! すぐに買ってまいります!」

 

ディアッカはイザークと共に走ってどこかの店へ向かって行き、残された俺とニコルはニコニコ笑うセナと、どこか戸惑った様な顔をしているキラと共に立ち尽くす事になった。

 

「そういえば、ニコルさん。でしたっけ」

 

「え? あ、はい!」

 

「ちょっと気になってたんですけど、もしかしてニコルさんってピアノを弾かれてたりしますか?」

 

「え!? た、確かに僕はピアノを弾いてますが、どうして」

 

「んー。何となく、ですかね。私もピアノを弾くので、それでビビビと何かを感じたのかもしれません」

 

「セナさんもピアノを弾かれるのですか!?」

 

「はい。まさかこんな所で同士に会えるとは思いませんでした。向こうで少し話しませんか?」

 

「是非! っと、ごめんなさい。アスラン」

 

「いや、構わない。俺は少し、この子と話したい事があるから」

 

「あ、そ、そうですよね。分かりました。では、行きましょう。セナさん。あ! ディアッカとイザークはこちらで呼び止めておきますからー!」

 

ニコルは元気に手を振りながら少し離れた場所へと移動していった。

 

そして、俺はキラと二人きりになり、覚悟を決めてから口を開く。

 

「……キラ」

 

「うん。久しぶりだね。アスラン」

 

「キラ!」

 

「ラクスさんを返した時以来か。随分と久しぶりな様な気がするな」

 

「キラ。俺と共に来い! 今なら、まだ、父上に言えば何とかなる。だから!」

 

「もう、遅いよ。アスラン」

 

「……キラ」

 

「もう全部。遅いんだ。僕はこの手で、多くの人を、殺してしまったから」

 

『私の手はもう、多くの血で汚れています』

 

キラの泣きそうな笑顔に、俺はかつて聞いたセナの言葉を思い出していた。

 

「もうあの頃の、君やみんなと過ごしたあの頃には戻れないんだ」

 

『あの幸せだった時間には、月で、みんなと過ごしていた場所には戻れないんです。私にはもう、その資格がない……!』

 

「だから、せめて君の手で……」

 

キラの言葉に俺はもはや何も言えず、ただ立ち尽くしてしまった。

 

「セナをお願い。アラスカへ、地球軍の基地へ行ってしまえば、もうセナは……だから、お願いアスラン」

 

「……キラ」

 

「僕を殺して、セナを助けて」

 

キラの目からは涙が流れ、地面に落ちた。

 

俺は、何も言えず、出来ず、ただ唇を噛み締めて顔を逸らす事しか出来なかった。

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