ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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本日、四回目の行動……!

テュュュュュュュュン
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ

チャカッツチャカッチャカッ


PHASE-37『さだめの楔(くさび)』

(第三者視点)

 

 

 

まだ早朝の早い時間を、アークエンジェルはオーブの護衛艦と共に進んでいた。

 

まだ戦闘は始まっていないが、アスランたちとの邂逅により、戦闘が始まる事を知っているキラとセナはそれぞれの機体に乗りながらその時を待っていた。

 

そして、遂に艦内で放送が流れ、キラとセナは指示されるままに出撃をする。

 

キラの乗ったストライクがアークエンジェルの艦上で直接アークエンジェルからエネルギーを受け取りながらアグニを構え。

 

ムウとトールのスカイグラスパーが上空からキラの支援と、敵機との戦闘。

 

セナはストライクセイバーで上空へと向かい、可能であれば敵機に接触して機体の制御を奪う。

 

そんな作戦で始まった戦いであったが、キラが想像していたよりも戦いはアークエンジェル側に有利に動いていった。

 

誰も無茶をせず、襲ってくる敵を攻撃し、追い返す。

 

非常に上手く事は進み、最初にバスター。次にデュエル。そしてブリッツと順番にグゥルという名のモビルスーツ支援空中機動飛翔体から落とし、空中戦が出来ない状態へと追い込んでいった。

 

何もかも順調で、上手く進み……いや、上手く行きすぎていた。

 

あっさりと三機を海に叩き落としたストライクは、トールからソードストライカーを換装し、アスランの駆るイージスへと迫る。

 

そして、キラは今回も駄目だったかと顔を歪めながら、アスランを撤退させるべく通信を繋げるのだった。

 

「もう下がれ! 君達の負けだ!」

 

「何を!」

 

「止めろアスラン! これ以上戦いたくない!」

 

「何を今更! 討てばいいだろう! お前もそう言ったはずだ! お前も俺を討つと! 言ったはずだ!」

 

「アスラン!」

 

ラクスをアスランに返す際に、キラとアスランが交わしてしまった約束という名の呪いが二人を縛り付ける。

 

そして、もう終わりたいというキラの願いがストライクの動きを完全に止めていた。

 

大型対艦刀シュベルトゲベールを振り上げたまま、フェイズシフトの落ちたイージスを見据える。

 

「……」

 

「……」

 

一瞬の間が出来て、次の瞬間にそれは現れた。

 

荒々しい音を立てながら、ブリッツがミラージュコロイドを解除し、ランサーダートを一本手に持って、走ってきたのだ。

 

その、突然のブリッツの登場に、キラは動揺し、ソードストライクの大型対艦刀を意識もせぬままブリッツへと向けてしまった。

 

そして、激しい火花を散らしながら、ブリッツの胴体コクピットにシュベルトゲベールが直撃し、ブリッツは動きを止める。

 

「……ぁ、ぁぁ」

 

「え?」

 

次の瞬間、ブリッツは耳を塞ぎたくなる様な爆発音をさせながら、大爆発を起こすのだった。

 

キラはその光景を見ながら立ち尽くしていた。

 

だが、通信から聞こえてくる声に、意識を取り戻す。

 

『お姉ちゃん! キラお姉ちゃん! 聞こえますか!? そちらから大きな音が聞こえましたが、キラお姉ちゃん!?』

 

「せ、な……」

 

キラは震えている自分の体を抱きしめながら、荒い呼吸を繰り返して、視線をさ迷わせる。

 

『っ、ニコルゥゥウウウ!!!』

 

通信から聞こえてくるアスランの声にも反応できず、キラはただ首を振るのだった。

 

そして、そんな中で、手を伸ばし、モニターに居るイージスへと触れる。

 

「アスラン……」

 

その声はどこか助けを求める様で、救いを求める様な声であった。

 

しかし。

 

『……キラ』

 

通信から帰ってきたのは憎しみに染まった、アスランの声であった。

 

その声にキラは怯え、体を震わせる。

 

こんなハズではなかった。

 

こんな風になりたかった訳では無かった。

 

死にたいと願っていたはずの自分が生き残り、何故あの少年が死なねばならなかったのか。

 

キラは何も答えが出せないまま、意味のない言葉を呟くばかりであった。

 

「ご……め」

 

『お姉ちゃん! 撤退しましょう! これ以上ここに居ては危険です!』

 

「セナ……僕は、僕は!」

 

『お姉ちゃん……』

 

通信から聞こえてくるセナの声と、アスランの嗚咽。

 

それら全てがキラを追い詰め、ストライクはストライクセイバーに抱えられたままアークエンジェルへと帰投するのだった。

 

 

 

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全ての戦闘が終わり、セナは大粒の汗を流しながら、コックピットの中で呼吸を整えていた。

 

ここまで全て準備はしてきたが、それでも実際に起こった行動はセナの体力と精神力を限界ギリギリまで削っていたのだ。

 

上空から戦場を見つつ、ブリッツが海へと落ちて、アスランとキラの居る小島へと上がった事を確認してから、一気に小島へと近づいた。

 

アークエンジェルとスカイグラスパー、ストライクや4機のG。そして、ザフトの潜水艦。

 

それら全てのシステムに入り込んで、システム上からはストライクセイバーが未だ上空に居る様に見せて、機体はミラージュコロイドで隠した。

 

そして、ブリッツに触れてシステムの内部に侵入すると、ブリッツの全てを奪い取った。

 

『うわっ! な、なんだ! これは!?』

 

『ごめんなさい。ニコルさん。貴方の機体。いただきます』

 

『その声! やっぱり貴女がセナさんだったんですね!?』

 

『はい。そうです』

 

『貴女だってコーディネーターなんでしょう!? だったら何で僕らと敵対するんですか!?』

 

『私には私のやらねばならない事があるんです』

 

『やらねばならない事……?』

 

『だからその為にも』

 

セナはブリッツからニコルを地面に落とし、その衝撃で気絶させると、ブリッツを外部から操作して、ミラージュコロイドを使用し、ストライクへ近づけてからそれを解除した。

 

そしてストライクがブリッツに反応し、ブリッツを大型対艦刀シュベルトゲベールで撃破するのを確認し、ストライクへと通信を繋げたのだ。

 

「……オーブへの連絡は出来ました。後はウズミ様が彼を隠してくれる」

 

セナは一人コックピットで呟きながら、天井を仰いだ。

 

外からはセナやキラがコックピットから出てこない事で大騒ぎとなっているが、今のセナにそんな事を気にしている余裕はない。

 

「これで後は、キラとアスランが互いにぶつかり合って、キラがプラントへ……ラクスさんの所へ行けば、この世界は救われる。戦争が、終わる」

 

セナは目を閉じて、涙を振り切ると、大きく息を吐いて笑顔を作った。

 

いつもの笑顔を。

 

「あー。あーあー。うん。んん」

 

そして発生の練習をして、一呼吸おいてから微笑みながら口を開いた。

 

「はい。セナです。セナ・ヤマトです。はじめまして。こんにちは」

 

「どうかしましたか? 大丈夫ですよ。私は大丈夫です」

 

「キラお姉ちゃん。ラウ兄さん。お父さん。お母さん。アスランさん。レノアさん。パトリックおじさん」

 

「カガリお姉ちゃん。ウズミ様。キサカさん。エリカさん……」

 

「マリューさん。ナタルさん。ムウさん。マードック曹長……」

 

「ノイマンさん。ロメロさん。ジャッキーさん。ダリダさん」

 

「トールさん。ミリアリアさん。サイさん。カズイさん。フレイ。マリー。アズラエルさん」

 

「ディアッカさん。イザークさん。ニコルさん。バルトフェルドさん。アイシャさん……」

 

「……」

 

セナは一人一人名前を呟きながら、一筋の涙を流した。

 

そして、ストライクセイバーのモニターを撫でると、目を閉じた。

 

「それに、セイバー。今日までありがとうございました。あなたの事、最初は嫌な名前なんて言ってしまって、ごめんなさい。あなたには何度も助けて貰いました」

 

「あなたと一緒に最期を迎えられるというのは、とても幸せな事なのでしょうね。臆病で弱い私を、今日までありがとう」

 

「少し早いですが、これが私の『終わらない明日へ』ですね」

 

「これからの事は大丈夫。キラお姉ちゃんもアスランさんも強い。ラウ兄さんやニコルさんだってきっと二人の力になってくれる」

 

「だから、もう全部。安心ですね」

 

セナは笑いながら、また涙を流す。

 

呼吸を整えたり、目を閉じたり、振り払っても、手で拭っても、その涙はいつまでも止まる事は無かった。

 

「……っ、しにたく、ないよぉ」

 

「まだ、まだ、みんなと一緒にいたい。お姉ちゃんたちとずっと、ずっと一緒にいたい」

 

「あぁ……でも、駄目なんだ」

 

「私は、そうやって願っていた人たちをみんな、殺してしまったから。私は、もう、駄目なんだ」

 

「今日まで、こんなにも長く生きていてごめんなさい。でも、どうか……どうか。この命が終わる事で、失われた多くの命に安らぎが訪れますよう……どうか」

 

セナはその小さな両手を握りしめて、何かに祈る。

 

そして、涙を止めてから、コックピットハッチを開いて、外に出るのだった。

 

「おぉ! セナの嬢ちゃん! 大丈夫か!?」

 

「え? あ、ごめんなさい。ちょっと機体のシステムを弄ってて、外に出るの忘れてました」

 

「これだもんなぁ~! あんまり心配させんなよ!」

 

「えへへ。ごめんなさい。私は大丈夫です」

 

ニッコリと、セナはそう告げるのだった。

 

いつもと変わらない笑顔で。




シリアスが続くので、あとがきはなしな方向
雰囲気大事
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