ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
チャカッツチャカッチャカッ
(第三者視点)
アークエンジェルのMS・MA管制担当であるミリアリア・ハウは自身の目の前にある画面の映像が理解出来ず、小さく声を漏らしていた。
「ぇ」
最初はトール・ケーニヒのスカイグラスパーが信号消失し、ミリアリアがトールを呼びかけている間に、セナのストライクセイバー。そして最後にストライクの信号が消失した。
「トール! セナ中佐! キラ! 返事をしてください! キラ! トール! セナちゃん! 聞こえますか? 応答して下さい! キラ! トール! キラ! セナちゃん!!」
ミリアリアの叫び声にマリューが視線を向けていたが、通信が入り、ムウとの会話に意識を向ける。
『今の爆発音は?』
「爆発は分かりません。ですが現在……ストライクセイバー、ストライク、スカイグラスパー2号機、全ての交信が途絶です」
『なっ……』
「キラ! キラ! 応答して! トール! トール! ぁ!」
「もう止めろ」
「ぇ?」
「艦長! 艦の被害の状況は!? ここで呆けていても、どうにもなりません! 急ぎアラスカへ向かい! 救助部隊を!」
「ナタル……!」
「今の我々の戦力では、中佐方をお助けしようにも、ザフトの増援が来るだけで全滅します! 艦長!」
「……っ! マードック曹長!」
『そう酷くはねぇです。ホースブランケットの応急処置さえ終わりゃぁ飛べまさぁ!』
マリューはナタルやマードックの言葉に考え込んだ。
ナタルのいう事は正しい。
しかし、マリューの心は今すぐにでもアークエンジェルを降りて、セナ達を探しに行きたかった。
だが。
「っ! ろ、6時の方向、レーダーに機影! 数3!」
「ディンです! 会敵予測、15分後!」
マリューはどうにかして、セナ達を救出出来ないかと頭を回し、方法を考える。
「げ、迎撃用意!」
「無茶です! 現在半数以上の火器が使用不能です! これではディン3機相手に10分ともちません!」
しかし、マリューの言葉にナタルの忠告が突き刺さる。
そしてマリューが迷っている間にミリアリアが通信をキラに繋げようとした。
「っ! キラ! キラ! 聞こえる!? 応答して! ディンが! セナ中佐!!」
「いい加減にしろ!! この状況ではMIAだ。それに、例え生きていたとしても……! お前の通信が中佐たちを殺す事になる」
「っ!」
「艦長! 今は急ぎアラスカへ向かい! 通信を! そして救助部隊を中佐たちのいた場所へ送るのです!! それしかありません!! そうでなくては、僅かに残っている可能性すら消え失せる事になる!!」
「くっ」
「ディン接近! 会敵まで11分!」
「うそ、嘘よ……トールが」
「ミリィ!」
ナタルとマリューが言い争いをしている間に、ミリアリアは現在の状況が耐えられずにブリッジから飛び出して行ってしまった。
ナタルはそんなミリアリアを目線で追う事もせず、血が流れ落ちる程に右手を握りしめて、マリューへと訴え続けた。
そう。ナタルだって出来る事なら、行きたいのだ。瓦礫をどかしてでも、炎の中だろうと、行きたい。
行って、セナの小さな体を抱きしめて、アークエンジェルに、安全な場所へ連れてゆきたいのだ。
しかし、軍人として育ったナタルの理性が、この状況で、その様な行為をする事の無意味さを自身に訴え続けていた。
「パワー、戻ります」
そして、ノイマンの言葉を合図として、マリューが再び前を向く。
「離床する。推力最大!」
「離床。推力最大」
「2号機とストライク、ストライクセイバーの最後の確認地点は?」
「7時方向の、小島です」
「この状況で戻るなど出来ません!」
「少佐……一号機は」
『駄目だ! まだ出られん!』
「艦長! 離脱しなければやられます!」
「でも……もしかしてキラもトールも脱出してたら……!」
「黙れ!! そんな希望的観測で、艦の全員を殺すつもりか!! 中佐なら、中佐なら迷わず進めと言ったはずだ!」
「アラスカ本部とのコンタクトは?」
「応答ありません!」
「ラミアス艦長!!」
「打電を続けて。……それと、島の位置と救援要請信号をオーブに」
「オーブ? しかしあの国は」
「アラスカより、オーブの方が早いわ! 連絡が取れないアラスカより、オーブよ! どんな形であれ、生きていて欲しいの。勿論セナちゃんだけじゃなくて、キラちゃんやトール君もね」
「……分かりました」
「ディン接近! 距離8000!」
「機関最大! この空域からの離脱を……最優先とする!」
アークエンジェルは加速しながら、戦闘区域を抜けてゆく。
背後から追いかけてくるディンから逃れる様に。
アークエンジェルがアラスカへ向けて動き始めた頃、格納庫ではムウが動き始めたアークエンジェルに一人呟いていた。
「離脱するのか。艦長」
そして、ちょうど格納庫にフラフラと迷い込んできたミリアリアを見つけて、駆け寄った。
「おい!」
「……トール?」
「お嬢ちゃん……」
「トールは?」
「う……」
「そんなハズないんです。トールが帰って来ないだなんて、MIAだなんて、そんな……」
ムウは泣き崩れるミリアリアを慰めようとして、伸ばした右手を握りしめ、近くにあったシミュレーターを殴りつけながら感情のままに叫ぶのだった。
「くっそぉぉー!!」
ムウの胸にあるのは後悔だ。
ヘリオポリスで自分の発した言葉が、あの優しい少女たちを殺した。
今回出撃する前だって、明らかに様子がおかしかった。
それを気づいていながら何も出来なかった自分への憤りがあった。
だからこそ、アークエンジェルがアラスカの近海へ来てから、ムウは整備員を説得し、スカイグラスパーを修理して貰おうとしていた。
「ほら、頼むよ」
「少佐! 発進は許可致しません。整備班を、もう休ませて下さい!」
「オーブからは、まだ何も言ってきてないんだろ?」
「ええ、でも……」
「船はもう大丈夫なんだ。ならいいじゃねぇかよ」
「いえ、認めません!」
「けど! あいつら、もし脱出してたら……!」
「解ります! 私だって出来ることなら今すぐ助けに飛んでいきたいわ! でも! それは出来ないんです!」
「艦長……」
「今の状況で、少佐を一機で出すようなこともできません。それで貴方まで戻ってこなかったら私は……!」
「……」
「今はオーブと、キラちゃん達を信じて……留まって下さい」
「……ラジャー」
ムウは、マリューの肩を叩きながら、小さく呟くのだった。
だが、ムウもマリューもまるで納得出来ていない事は互いに分かり切っている事であった。
そして、ムウとマリューが格納庫で話をしている頃、遺品を整理する為にセナの部屋に入っていたナタルは部屋を見渡しながら、小さく息を吐いた。
「中佐……本当に何も無いのだな」
ナタルは誰に聞かせるでも無く、一人呟きながら、セナとの日々を思い返し、備え付けられた椅子に座る。
「……思えば、私は中佐に頼ってばかりだったな」
天井を眺めながらナタルは呟いた。
「中佐」
閉じた目から涙が流れる。
『よすがを見つめて悲しんでいては、次は自分がやられる。戦場とは、そういうところだ』
ここに来る途中でサイに言った言葉をナタルは思い出しながら、自嘲気味に笑うのだった。
「情けない事だ。こんな事では、人に何も言えんな」
「だが……」
「少しだけ……許してください。中佐」
ナタルはそのままセナの部屋で静かに別れの時を過ごしているのだった。
はい。
という訳で個人的に一番盛り上がる慟哭の空ですね。
タイトルからして熱い。
慟哭(どうこく)とは
[名](スル)悲しみのあまり、声をあげて泣くこと。
でも、原作だとあんまりキラ君の事悲しんでいる人がアークエンジェルに居なくて、何ともな気持ちでした。
軍人だからなのか……。
そう考えるとムウさんとマリューさんは軍人失格かもですが、良い人なんだなぁ。という気持ちが大きい。
まぁ、ナタルさんノイマンさん辺りも表には出さないでしょうけど、色々思ってそうで、良いですね。
やっぱりアークエンジェルは人情派が多い。
という訳で、ここをやるなら絶対にナタルさんを入れるぞ! という意気込みで、積み上げてきました。
主人公への信頼を。
でも、積み上げてきたは良いけど、結局色々と悩んで、どういう風な流れにするかは直前まで決まらず、とりあえず書いて走ってみるという形にした訳ですが。
まぁー。一応納得できるものは出来たかな。というくらいですかね。
うーん。難しい。
そして、次回はさらに難易度高いカガリとアスランなので……。
まぁでも大体原作通りやし、そこまで難しくはないかな。
ほな、また明日。