ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
アークエンジェルからの連絡を受けて、オーブに居たカガリはキサカと共に、キラやセナが消息を絶ったという小島に来ていた。
しかし、そこはカガリが想像していた以上の地獄だった。
「ぁ……ぁぁ……」
「赤い機体が自爆したのか。それでストライクを……」
「あいつが……」
カガリはかつて無人島で出会った少年の事を思い出しながら、視界に入ってきたストライクに向かって走る。
そして、コックピットの中を見て絶句するのだった。
そこは既にまともな状態ではなく、まるで強い力で無理やり破壊された様に潰されていた。
「ぅぁ……キラ……」
「カガリ」
「これじゃあ……」
カガリは絶望に膝をつきそうになった。
しかし、捜索員の言葉に、顔を上げると、そちらに向かって走ってゆくのだった。
「キサカ一佐! 向こうの浜に!」
「キラ! セナか!?」
とにかく砂浜を前へ前へと走り、そして、捜索員が囲んでいる所へ顔を突っ込んで、その姿を見て、また言葉を失ってしまった。
「キラ!? ぁ、お、お前は」
そう。そこに倒れていたのは赤いパイロットスーツを着たアスラン・ザラだったのだ。
しかし、人命は人命である。
カガリはアスランをオーブの輸送機に乗せて、移動し始めた。
そして、アスランが目を覚ますまで傍にいたカガリは、アスランが目を覚ますと同時に話しかけた。
「っ、くっ」
「……気が付いたか」
「ぁぁ」
「ここはオーブの飛行艇の中だ。我々は浜に倒れていたお前を発見し、収容した」
「オーブ? 中立のオーブが俺に何の用だ? それとも今は地球軍か?」
「聞きたいことがある。ストライクとセイバーをやったのは……お前だな……?」
最初は余裕がある様な風に話していたアスランであったが、カガリの言葉に目を見開き、唇を噛みしめてから小さく頷いた。
「ぁぁ」
「パイロットはどうした! お前の様に脱出したのか? それとも……」
アスランは横目でカガリを見ながら何も言わずただジッと見つめる。
「見つからないんだ! キラが、セナも! ……何とか言えよ!!!」
「二人は、俺が殺した」
「っ!」
「セナは、俺とキラの戦いを止めようとして……俺達が、殺した……。キラはその後にイージスで組み付いて自爆した。あの状況では例えセナの仕掛けがあっても脱出できたとは思えない」
アスランは一つ一つ確かめる様に呟き、息を吐いた。
苦しさを体から逃す様に。
「全て終わろうとしたんだ。もう、全部」
「貴様ぁぁ!」
カガリは怒りのままにアスランの胸ぐらを掴んで叫んだ。
しかし、すぐに離れて、感情のままに壁を殴りつけて、悲しみを吐き出す。
「でも……なんで、俺生きてるんだろう」
「っ!」
カガリの燃える瞳がアスランを射抜いた。
「あぁ、そうか。あの時、脱出しちゃったんだ」
「お前……!」
「いや、お前が俺を討つからか」
アスランは薄く笑いながら、カガリを見据えて、死を受け入れる。
セナが選ばせてくれなかった未来だが、ここでカガリに討たれるのなら、それは仕方がない事だから、セナも許してくれる。
そう思ったのだ。
「キラは、危なっかしくて、訳わかんなくて、すぐ泣いて、でも優しい、良い奴だったんだぞ!! セナだって、弱いくせに、誰かを守りたいって、戦って、泣いて、それでも!」
「……知ってるよ」
「……は?」
「やっぱり変わってないんだな。セナも、キラも。何も、変わってない」
「お前」
「キラは甘ったれで、やる気になれば何でもできるのに、いつもいい加減で、セナはキラを甘やかして、そんなセナをキラは好きだって、抱き着いてた」
「知ってるのか……? 二人を」
「知ってるよ。よく、ね」
「……そんな」
「小さい頃からずっと一緒で、家族みたいに一緒だった。セナは俺の事兄みたいだって言っててさ。キラが僕の方が年上だからアスランは弟だ。なんて言ってたな」
「なんで……なんで、それでお前がキラとセナを殺すんだよ!!」
「分からない。分からないさ!! 俺にだって!! 別れて、次に会った時は敵同士だったんだ!!」
「まさか、お前が言ってた取り返したい妹って」
「そうだよ! セナの事だ! 地球軍に奪われて、アイツらに利用されて! 戦わされてたんだ!! だから、俺はキラを説得したかったのに、アイツは……いう事を聞かなくて……」
「だから殺したのか……お前が」
「敵なんだ! 今のあいつはもう……なら倒すしかないじゃないか!」
「っ、バカ野郎!! なんでそんなことになる! なんでそんなことしなきゃならないんだよ!」
「あいつはニコルを殺した! ピアノが好きでまだ15で、それでもプラントを守るために戦ってたあいつを!」
「キラだって守りたいものの為に戦っただけだ! なのになんで殺されなきゃならない!」
「……っ!」
「それも友達のお前に!」
「っ、くっ!」
「殺されたから殺して、殺したから殺されて、それでほんとに最後は平和になるのかよ! ええ!?」
カガリは泣きながらアスランを責め、自分自身をも責めた。
あの時、あの危うい姉妹を見送らなければ良かったと。
誰が何と言おうとも、オーブに留めるべきであったと。
しかしいくら後悔しようとも時計の針は戻らない。ただ、今ここにある現実を受け入れるしか無いのだ。
それから、カガリはアスランをザフトへ戻す為に水上でザフトの輸送機を待っていた。
「迎えが到着した」
「うん。アスラン。ほら、迎えだ」
「……?」
「ザフトの軍人では、オーブには連れて行けないんだ。……くそ、お前、大丈夫か?」
「やっぱり。変な奴だな、お前は。ありがとう、って言うのかな。今よく解らないが……」
「ちょっと待て。ハウメアの護り石だ。お前は危なっかしい。護って貰え」
カガリは自身の首からアスランの首にハウメアの飾り石が付いたペンダントを送る。
「セナとキラを殺したのにか?」
「もう、誰にも死んで欲しくない。そう、セナなら言うだろ」
「……あぁ、そうだな。セナはそういう子だった」
アスランはカガリに別れを告げ、イザークの待つ輸送機へと向かう。
そして、乗り込みながらイザークにストライクを倒した事を告げるのだった。
しかし一つ、アスランには悩む事があった。
それは、キラとセナの事をイザークへ伝えるかどうかだ。
「しかし、オーブか。俺もお前も妙な所であの国と縁があるな」
「そうだな」
「いつか戦争が終わったら行ってみても良いかもな……ニコルとディアッカの事はどう伝えれば良いか分からないが」
「……あぁ」
イザークは窓から見えるオーブの輸送機を見ながら目を細めた。
その瞳が何を想っているのかアスランには分からない。が、アスランはイザークに真実を伝えようと口を開いて……。
「二人はどこか遠くへ行ったと伝えるか。セナにも、キラにも、戦争の事など知らずに居て欲しいと、思ってしまう」
「……」
「こんな思いをするのは俺達だけで良いと、な」
「あぁ、そうだな」
アスランはイザークの言葉に頷いた。
そうだ。こんな思いをするのは俺だけで良い。
俺達が殺したのは、あの平和の国で出会った、ただ平和を望んでいただけの少女だったのだ、なんて……。
知っているのは俺だけで良いと、アスランは静かに頷くのだった。
はい。
という訳で慟哭の空後編。
という名のアスランサイドでござい。
うーん。書くのにアニメ無限ループしてましたけど、ここのカガリ好きすぎ侍。
好き過ぎて、ほぼほぼ変更なしや!
サボっている訳じゃないのです! 原作が良すぎるだけなのです!
じゃあ変えてるところは原作が気に入らないのか? と聞かれたらいいえ。なんですけど。
こう頭の中でカガリが叫んでてな。何も新しい事が思いつかんのや。
すまんな。
ちなみに、放映当時はテレビデオとかいう画質最悪のテレビで見てたんで気づかなかったんですけど、ここで最初カガリと話しててアスラン薄っすら笑ってるのね。
もう壊れてるやん……。
まぁ、ザフト時代の最高の友達を殺された挙句、自分で親友を殺せばそうなるんだろうけど。
でも、正直SEEDもDESTINYもアスランのコミュ力があれば早期解決出来た事ばっかりなんですよね。
結果として地球軍滅んでたりしてそうですけど。
少なくとも、ニコルとキラがプラントで生きてると思われ。
でもコミュ力のあるアスランはアスランでは無いので、その辺りはよく考えながら、アスランの前に全部救えるルートをぶら下げつつ、アスランではどうにもならない状態を作りました。
頑張りました!(満面の笑み
結果、こんな感じだけど。
まぁ、アスランも許してくれるでしょう。
という訳で次回は PHASE-40『約束の地に』ですね。
ではまた明日!