ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
バレンタインデー以降、アスランやレノアさんに合わせる顔もなく、二人と出会わない様に学校が終わってからも真っすぐ家に帰らずに、ショッピングモールなどをウロウロとしていた私であったが、タイミングが悪いもので、テロリストの襲撃に遭ってしまうのだった。
激しい銃撃音と、怒声と悲鳴が響くショッピングモールで、私も逃げる人々と一緒に逃げていたのだが、その途中に小さな店の中で泣いている女の子を見つけた。
「君! 大丈夫?」
「ふぇ? お、おねえちゃんは」
「私はセナ。この騒ぎから逃げてる所だよ。君のお父さんかお母さんは?」
「わかんない。マリー。一人で」
「そうか。なら、とりあえず逃げよう。ここに居たら巻き込まれちゃうから……」
「見つけたぞ!!!」
私がマリーちゃんに逃げようと手を伸ばした瞬間に、背中から怒りに満ちた男の人の声がした。
何だろうかと振り向くと、そこに居たのはいくつもの銃口を私たちに向けているテロリストだと思われる人たちだった。
「……な」
「コイツで間違いないんだな?」
「あぁ。写真と一緒だ」
明確にターゲットを決めていたと思われるテロリストたちの発言に私は体を強張らせた。
まさか、こいつらブルーコスモスか?
「おい。そこの娘。どけ。俺達の目的はお前の後ろにいる娘だ」
「は!?」
しかし、私の想像とは違い、彼らの目的は私ではなく、一人で泣いていた女の子だという。
意味が分からない。何でこんな小さな女の子を狙う必要がある。
そこにどんな正義がある。ふざけんな!
「い、嫌です。この子は、一人で泣いてたんですよ。そんな子を貴方たちはどんな理由で狙うんです! どんな命だって生きる権利がある!」
「ふざけるな! その娘は、ブルーコスモスの盟主! ムルタ・アズラエルの娘だぞ!! ソイツの親にどれだけのコーディネーターが殺された事か!」
「俺の妻も娘も、ブルーコスモスのテロで殺されたんだ! アイツにも同じ苦しみを味合わせてやる!」
「……っ」
私は震えているマリーちゃんを抱きしめて、銃から守りながら男の人たちを睨みつけた。
今、ここにはこの世界の縮図がある。
かつてアニメで聞いたカガリの言葉が頭によみがえった。
『殺したから殺されて、殺されたから殺して、それで本当に最後は平和になるのかよ!?』
それは、ただ何となくアニメを見ていた私にも彼女という人を強く刻み付けた言葉であった。
この言葉があったからこそ、憎しみの連鎖を断ち切るという言葉が響くのだ。
何も失っていない私に、大切な物を失ったであろう彼らに言える言葉なんて何も無いかもしれないけど。
でも、このままただ黙って殺されるのも、この子が殺されるのを見ているのも嫌だ!
「さぁ、その娘を渡せ!!」
「い、いやです」
「なに!?」
「……おねえちゃん?」
「だって、貴方たちの話を聞いていても、この子が……マリーちゃんがこんな目に合わなきゃいけない理由がない」
マリーちゃんをギュッと強く抱きしめて、震える体を何とか抑えて、言葉を重ねる。
「貴方たちのやっている事は、ブルーコスモスと同じだ! 自分勝手な理屈で、関係ない人を殺して……それじゃただの人殺しじゃないか! 誰かを想うのなら」
「このガキ!!」
「もう関係ねぇ! お前ごと殺してやる!!」
「っ!」
駄目だ。説得は出来なかった。
こうなったら、頑張って逃げるしかない!
私は銃口から逃げる様に走ろうとして、別の場所から聞こえてきた銃声にマリーちゃんを強く抱きしめながら体を強張らせた。
しかし、その銃声は私に痛みを与える様な事はなく、私の前に立っていた人たちを物言わぬ存在へと変えるだけであった。
「……っ」
そして、この地獄の様な光景に似合わぬ、軽い拍手がこの場に響く。
「いやぁ。感動的なセリフでしたよ。君。将来は良い政治家にでもなれるんじゃないですか?」
私はアニメで何度も聞いた事のあるその声に、呼吸を荒くしながらも視線を向け、見た。
高そうなスーツを着た、アニメよりもやや若いブルーコスモスの盟主。ムルタ・アズラエルの姿を。
あれから。私はマリーちゃんを預けてすぐに帰ろうとしたのだが、あっさりとアズラエルの傍に立っていた黒服に掴まり、マリーちゃんが私の服を掴んだまま離さなかった事もあり、高そうな喫茶店に連行された。
何でも頼んでいいと言われたが、正直食べたい気持ちなど欠片も湧いてこない。
だって、ここに居るのは生まれた時から私の命を狙い続けている組織のボスだ。
「おや。好みの物はありませんでしたか?」
「ならマリーが選んであげる! おねえちゃん。良い?」
「え、えぇ。はい」
「ふむ。どうやらまだ緊張している様ですね。しかし、この店は僕の部下に守らせているし。先ほどの様な無法者に狙われる事は無いですよ」
「……えと、ありがとうございます」
何とか緊張を飲み込んで、私は深く息を吐いた。
落ち着けと言われても、この状況で落ち着ける訳がない。
そして、そんな最悪の状況に拍車をかける様な人物が登場した事で、私の心臓はいよいよ限界以上の活動を始めるのだった。
「アズラエル様」
「うん。どうしたの?」
「いえ。こちらの者について、少々お伝えしたい事が」
「うん?」
何枚かの書類を持って現れたその男、ウィリアム・サザーランドは地球連合軍の大佐であり、アークエンジェルを囮にしてサイクロプスという大量破壊兵器を使用したり、プラントに核攻撃隊を向かわせたヤバい奴である。
そして、アズラエルと親しい所から、この男も当然ブルーコスモスなのだが、持ってきた書類はつまりはそういう事だろう。
私のデータはしっかりブルーコスモスのデータベースにあるだろうし。
つまり、今すぐここから逃げなくてはいけないという事だ。
「おっと。逃がす訳にはいきませんな。コーディネーター」
「っ」
しかし、流石は優秀な軍人という所だろうか。
私が少し椅子を動かしただけで、懐から銃を抜いて私に向けた。
「人類の敵。ユーレン・ヒビキが作り出した完璧な母体ですか。自然の摂理に反して生まれた化け物を増やす事に特化した生き物。人類の未来を考えるならここで確実に仕留めるのが一番でしょう」
「……私は」
「ちょっと!? ウィリアムさん! 何やってるの!?」
「マリー様。ソレからお離れ下さい。危険です」
「危険なんか無いわ! だって、さっき私はお姉さんに助けてもらったんだもの! 薄汚いコーディネーターなんかと一緒にしないで!」
隣に座っていたマリーちゃんが私に抱き着いて、先ほど私がやった様に、サザーランドを睨みつけた。
言っていることはまぁまぁ酷いが、それでも一応私の味方でいようとしてくれているらしい。
「しかし、ソレもコーディネーターです」
「関係ないって言ってるじゃない!」
「しかし野放しにすれば、またマリー様が狙われるかもしれません」
「なら、私の傍に置いておいて、繋いでおけば良いんでしょ? お姉さんがコーディネーターだって言うんなら、私たちが管理するんだし」
「……アズラエル様」
「まぁ、良いんじゃないですか? どの道まだ子供なんだ。流石にその年齢で子供を作れるって事も無いでしょう。マリーが飽きるまでこの子で遊びたいって言うなら、僕は反対しませんよ。飽きたのなら、その時処分すれば良いしね」
「やった! ほら。パパもこう言ってるんだから、銃をしまってよ」
「承知いたしました」
「良かった! じゃあこれから一緒に居られるね! 私、ずっとお姉ちゃんが欲しかったの。お姉さんはコーディネーターだけど、特別に許してあげる」
「……ありがとうございます」
とりあえず状況はどうあれ、生きている事は出来るようだ。
という訳で、私は反論や抵抗は許されず、彼らと行動を共にする事となってしまった。
一応カリダママに連絡を取る事は許されたが、直接会う事は出来なくなってしまったのであった。
「うん。そう。ちょっと生まれの方のお父さんとお母さんの関係で、地球に行く事にしたんだ。そう。場所はちょっと言えないんだけど。大丈夫。落ち着いたらまた連絡するよ。じゃあ、さよなら」
憎み合うコーディネーターとナチュラルの感動的な友情のシーンが書けて良かったです!
何か性癖が表に出ているせいで、ヤンデレ感がちらつきますが、許して欲しい。
今後も描写を止めるつもりは無いので、嫌な方はノイマン氏並の操舵テクで回避して下さい。
という訳で、ブルーコスモスの中枢にいきなり飛び込んだ訳ですが。
正直かなりの荒業だったと言わざるを得ない!
でもまぁ、こうでもしないとアズラエルとか会えないしな。
仕方なかったんや!
しかし、コーディネータースタートだと、どうあっても無理矢理になる気がする。
上手く動かせる人は天才。
ちなみに、アズラエルに子供が居るのは公式設定でございます。
息子か、娘かは詳細無いけど、確かに奧さんと子供はいるらしい。
でも、そう考えると、ジェネシスが出てきて地球が撃たれるかもしれないと知って激昂してたから、かなりのマイホームパパだった可能性がががが
ほら、そう考えると、キラ君たちとも和解出来そうじゃない?
え? 核攻撃隊の件はどうやっても擁護できない?
まぁ、それは、そう。