ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
チャカッツチャカッチャカッ
(第三者視点)
壊滅したアラスカ基地を離れ、オーブへと入港したアークエンジェルだったが、世界の情勢はそのたった数日の間にも激しく変化を起こしていた。
「私どもの身勝手なお願い、受け入れて下さって、ありがとうございます」
「ことがこと故、クルーの方々には、またしばらく不自由を強いるが、それはご了解いただきたい。ともあれ、ゆっくりと休むことは出来よう」
「ありがとうございます」
「地球軍本部壊滅の報から、再び世界は大きく動こうとしている。一休みされたら、その辺りのこともお話しよう。見て聞き、それからゆっくりと考えられるがよかろう。貴殿等の着ているその軍服の意味もな」
ウズミとマリューの会話は、マリューだけでなく、ブリッジに居た者にも強く心に残った。
そして、ウズミが出て行った後にも、それは各々の中で確かな何かとして芽生えるのだった。
そんな中、サイやカズイと共に食事をしていたミリアリアは、カガリの護衛をしていたキサカに呼ばれ、一人で誰にも気づかれぬままアークエンジェルを離れて、ある病院へと足を運んでいた。
「……一つ、約束をして欲しい事がある」
「なんでしょうか?」
「この扉の向こうに居る人物について、決して外部には話さないで貰いたいのだ。時が来るまではな」
「時、というのは……」
「ウズミ様曰く、種が飛ぶときまでは。だそうだ」
「種……?」
「まぁ、分からないだろうが。ウズミ様は全て承知しておられる。君はただその時を待てば良い」
「はぁ……」
「君に明かせば、セナ嬢の望む未来と変わってしまうかもしれない。だが、それでも、君ならば大丈夫だと、彼女は考えていた。このままでは可哀想だとな。どうか、彼女の信頼を裏切らぬようにな」
「……分かりました」
言われている言葉の意味をほとんど理解出来ぬまま、ミリアリアはその扉を開けて、中に入り……目を見開いた。
約一か月。
そう、一か月だ。
言葉にすれば容易いが、その時間がどれほどの地獄であったか、それはミリアリアが一番よく分かっているだろう。
だからこそ、彼女は扉を開き、ベッドに寝ながら自分を見て笑う姿を見て、ポロポロと涙を流した。
泣こうと思っている訳ではない。
泣きわめくほどに、気持ちが暴れている訳でもない。
ただ、ただ静かに、目の前の現実が理解できずに、彼女自身も理解できない感情のまま涙を流し、ベッドの上で包帯を全身に巻いているトールの元へとゆっくり歩み寄るのだった。
「……トール」
「へ、へへ。ひさし、ぶりだな。ミリィ」
「トール……本当に、トールなの?」
「あぁ、こんな姿だけどさ。確かに俺だよ。ミリィ」
「でも、なんで! 通信が繋がらなくて、MIAだって、言われても、それで、帰ってこなくて!!」
「……セナちゃんが、助けてくれたんだ」
「セナちゃん、が?」
「あぁ、イージスにスカイグラスパーの翼をやられてさ。このまま落ちるって時に、通信からセナちゃんの声が聞こえて、気が付いたら地面に転がってたんだ。動けなくてさ、もう駄目だって思ったんだけど、オーブの人たちに助けられて、ここに来た」
「……トール……とーる!!」
「あぁ、わりぃ。ミリィ。ごめん。心配かけた」
「ほんと、本当だよ! 私、ずっと、こんなの悪い夢だって思って、それで、それで!」
「ホント、ごめん……それでさ。ミリィ。キラとセナちゃんはどうなったんだ? みんな教えてくれなくて」
「キラは無事よ。あの時、トールの少し後にキラも通信が繋がらなくなって、MIAだって言われたんだけど、ザフトのМSにのって帰ってきたの」
「ザフトのМS!?」
ミリアリアとトールの会話にカーテンの向こうから声が割り込んできた。
それに、ミリアリアは驚くが、トールは笑いながら、その向こう側にいる人物に話しかける。
「ニコル。もう隠れてなくて大丈夫だぜ」
「……ごめんなさい。二人の感動の再会でしたのに。邪魔をしてしまいました」
「気にすんなって」
「……えと、トール。この人は?」
「あぁ、俺と一緒にこの秘密の病室に運ばれたニコル・アマルフィって奴で、ニコルもザフトじゃあ死んだ事になってるらしい」
「まぁ、トールさんとは死人友達という奴ですかね」
「そう、なんだ」
「驚くなよ? ミリィ。なんとニコルはあのブリッツのパイロットだったんだ」
「ブリッツ!?」
「はは。そうですね。お恥ずかしながら、僕はお二人の敵という奴ですね」
「おいおい。寂しい事言うなよ。俺らここで友達になったんだろ」
「まぁ、それはそうですが、やはりコーディネーターとナチュラル。ザフトと地球軍ですからね。敵対はしょうがないかと思います」
「そうだなぁ」
「ま、待って。待ってよ! トール! 待って……じゃあ、貴方がブリッツのパイロットって事は、イージスは」
「はい。僕の同僚、アスラン・ザラが乗っていました」
ミリアリアは先ほどまであった親愛のような気持ちが一気に消えてゆくのを感じた。
トールが生きていた事は嬉しい。
キラだって生きていた。
でも、違う。
こんなへらへらと会話をしていい相手では無いのだ。
「……」
「どうしたんだよ。ミリィ」
「セナちゃんは、イージスに殺されたわ」
「……っ!! まさか、本当に?」
「えぇ。間違いない。だって、あの時、ストライクと、キラと戦ってたのは、イージスだもの」
ミリアリアはニコルを睨みつけながらトールにミリアリアが知っている真実を告げた。
その言葉に対して、ニコルがどういう反応をするのかとミリアリアとトールは伺うが、その答えは静かな涙であった。
「……やはり、そうなってしまったのですね」
「あなた」
「僕らがオーブへ潜入した日。僕たちはキラさんとセナさんにモルゲンレーテの工場付近で会い、話をしました」
「っ!」
「アスランが言っていました。彼女たちはかつて月で共に暮らしていた家族の様な人だと。アスランも彼女たちを助けたいと語っていました」
「なら、どうして……いや、そうか。俺たちか」
「おそらくは、そうなのでしょうね。そして、おそらくセナさんは、キラさんとアスランの殺し合いを止めたかったのでしょう。それで、自らを犠牲に……くっ」
「……そうか。っ、そう、か。くそ。情けない。俺は、情けねぇな」
「トール……」
「結局俺たちは、ずっとキラとセナちゃんの荷物だったんだ。俺たちが居たから、二人はあそこで戦い続けていた。こんな事になるのなら、こんな……」
トールは涙を流しながら、後悔を語る。
そして唇を噛み締めながら、天井を睨みつけた。
「……ミリアリアさん。でしたね。セナさんとキラさんの事。教えて下さってありがとうございます。お陰で決心がつきました」
「……」
「オーブでセナさんが言っていました。いつか、平和になったら、その時は僕のピアノを聞かせて欲しいと。でも、もうあの人は居ません。ですが、あの人の願いは、ここにあります」
自らの胸を叩き、ニコルは決意を秘めた瞳で語る。
彼女がニコルに残した夢を。
「僕はこの戦争を止めます。こんな悲しみばかりの戦争は間違っている。だから……」
「ニコル。俺も、協力する」
「トール!」
「大丈夫だ。ミリィ。もう危ない事はしないよ。ミリィがここに居るって事はアークエンジェルも居るんだろう? なら、アークエンジェルで、俺にも出来る事を探す。俺も、もう、大事な人を失いたくないんだ。ミリィもキラも、サイもカズイもさ」
「トール……」
ミリアリアはトールの手を取りながら、涙の滲んだ顔で笑う。
かつて共にあった時の様に。
「分かった。じゃあ、私も一緒に戦うよ。トールと」
かくして秘密の再会は誰に気づかれる事もなく、静かに終わるのだった。
コズミック・イラで何か隠してても違和感のない国!
オーブ
連合の新型МSを隠して
アークエンジェルを隠して
謎の金ぴかMSを隠して
他、核動力MSを隠して……!
まぁ、人を隠すくらいは余裕ですね。
という訳で、ニコル、トールの帰還。
ニコルの機体どうするべか……。