ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
テュュュュュュュュン
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
ドン!
デケデケデケデケ
チャカッツチャカッチャカッ
(第三者視点)
地球連合の一方的な通告で始まったオーブへの侵攻作戦であるが、戦闘開始からそれなりの時間が経っても、オーブは抵抗を続ける事が出来ていた。
それは圧倒的な物量で攻める連合軍に対して、抵抗出来てしまうほどにオーブのМ1アストレイや防衛システムが優秀であったからだ。
かつてセナの授けた戦闘支援システムがここに来て、世界にその強さを示していた。
しかし、それはあくまで一般兵同士の戦いという点においてのみであり、地球軍が用意していた新型のGATシリーズの前には然程影響のない物であった。
それ故に、地球軍のエース3機に関してはキラがフリーダムで迎撃を行っていたのだが、連携とも言えない連携であっても、ナチュラルとは思えない力量を持つ、三機にキラは少しずつ押されていた。
そして、遂にフォビドゥンの攻撃により隙を見せたレイダーの攻撃がフリーダムへ放たれ、撃墜されてしまうかと思われた瞬間、遥か上空より、赤い機体が舞い降りてフリーダムへと向けられた攻撃をシールドで受け止めるのだった。
「……ぁぁ」
突如現れた機体に動揺するキラに、赤い機体より通信が入る。
『こちら、ザフト軍特務隊、……アスラン・ザラだ。聞こえるかフリーダム!』
「アス……ラン……?」
『キラ・ヤマトだな』
アスランは通信を繋げながら、攻撃を再開した三機に対してキラの駆るフリーダムと共に迎撃をしてゆく。
それはつい先日まで敵同士だったとは思えない程に息の合ったコンビネーションであり、その攻撃に連合軍の三機はゆっくりと、だが確実に追い込まれてゆくのだった。
「どういうつもりだ! ザフトがこの戦闘に介入するのか!?」
『軍からはこの戦闘に対して、何の命令も受けていない!』
「……え」
『この介入は……! 俺個人の意思だ!!』
「アスラン……!」
キラは嬉しさと迷いの混じった声でアスランの名を呟き、唇を噛みしめた。
『キラ。話しは後だ。今は、この戦闘を終わらせる! 蹴散らすぞ!』
「……うん!」
そして、アスランとキラは協力しながら三機を迎撃し、それに合わせて敵は撤退してゆくのだった。
その撤退を見て、アスランは深く息を吐いたが、キラはスラスターを全開にして、連合軍の艦隊に単機で向かってゆく。
『キラ!?』
「まだ、やらなきゃいけない事がある!」
キラは連合軍の迎撃をかわしながら、セナより託された位置確認プログラムでこの戦争における一番の重要人物が乗っているであろう船の前に降り立って、その艦橋に触れながら直接通信を繋げた。
「こちらに攻撃の意思はありません。ただメッセージを持ってきただけです」
『メッセージ? 何です、それは。降伏したいという事ですか?』
フリーダムが触れている戦艦から、嫌味の混じった声が聞こえてくるが、キラはその声の主に向かって引き金を引きたい気持ちを抑えて、声を絞り出す。
「セナから、貴方へのメッセージです。ムルタ・アズラエルさん」
『っ!? セナから!?』
「そちらに動画ファイルを送ります。確認して下さい」
キラは一方的にそう言い放つと、戦艦への直接通信でウズミより受け取っていた動画ファイルを戦艦に送り、オーブへと戻ってゆくのだった。
憎しみは未だキラの中から消えていない。
あの男、ムルタ・アズラエルさえ居なければ、セナはずっと自分の傍に居たという思いがあるからだ。
しかし、それでもセナはあの男にメッセージを送る事を望んでいた。
この戦争を止める為に。
そしてキラはオーブの大地へ降り立つと、先ほどアズラエルへ送った物と同じ動画を再生し、失ってしまった愛おしい妹の声を聞き、姿を見て、涙を流す。
『お久しぶりです。アズラエルさん。元気にしていますか?』
『この動画を見ているという事は、私は死んでしまったか、今動けない状態だという事ですね』
『あまりアズラエルさんは長い話が好きな方では無かったですし。端的に言いますね』
『オーブを攻めるのは止めて下さい。それは連合軍にとっても、アズラエルさんにとっても大きな損失に繋がります』
『まずこの戦闘で勝利出来たとしても、オーブは連合軍へ渡す前にマスドライバーも工場も爆破し、使えなくするでしょう』
『しかもそれだけでなく、オーブを焼いてしまえば、地球はプラントに技術的に大きく遅れを取る事になります』
『そうなれば、プラントは地球を攻撃する事に躊躇いを無くしてしまいます』
『無理矢理従わせなくても、地球にある強国という形で残せば、プラントもオーブを意識しなくてはいけないでしょう?』
『上手く利用してやりましょう。アズラエルさんはそういうのが得意だったはずです』
『それに。別に連合軍に参加させなくても、オーブのマスドライバーを使う方法はあります』
『そう。お金を払って使用するんですよ』
『でも戦争に行くと言えば、使用できない可能性も高いので……ここで、どうでしょうか! 停戦の為に使うというのは!』
『護衛としていくつかМSを持っていくのは普通の事ですし。プラントとの対等な関係を維持する為に月基地へと補給をするのもおかしな事では無いですよ』
『もう大分長く戦争も続いてますし。ここで一度止まりませんか』
『兵士の方も家族の下へ帰りたいでしょうし。アズラエルさんもマリーの所へ随分と帰ってないのでは無いですか?』
『アズラエルさん』
『私は、平和な世界にこそ、ビジネスのチャンスはあると思います。命の奪い合いなんて野蛮な事はアズラエルさんも嫌いだったでしょう?』
『どうか。憎しみに心を染めないで下さい。大切な物を思い出してください』
セナの言葉はそれで終わり、動画は再生を止めた。
キラは、消えてしまったモニターに触れながら、涙を溢れさせる。
「……セナ。君はまだ、世界を護ってるんだね」
遠い海岸線の向こうに展開していた連合軍の艦隊が反転し、去っていくのを見ながら、キラは涙を振り払ってフリーダムのコックピットから地上に降りる。
そして、自身の機体であるフリーダムと並び立つ様に立っていた赤い機体、ジャスティスの存在に気づき、そこから降りてくるアスランへと視線を向けた。
遠目からでも分かる程にアスランの顔は強張っており、キラもそれに合わせて顔を強張らせてゆく。
キラはアスランへ向けて歩き、アスランもまた、キラに向かって歩く。
手を伸ばせば触れる事が出来る位置で、キラとアスランは互いに睨み合った。
「援護をありがとう。って言うべきなのかな。アスラン。それとも、僕を討ちに来た?」
「俺は……お前と、その友軍に敵対する意志はない」
「……アスラン」
「話がしたいんだ。キラ」
「僕は……」
キラは目を伏せて、アスランから視線を逸らす。
それは罪の意識からか、もしくは別の理由か、分からない。
だが、そんなキラにアスランは何も言わず、言う事が出来ず立ち尽くしてしまった。
二人の時間は、殺し合ったあの時から進んでいない。
故に、このまますれ違ってしまう……かと思われた。
しかし、そんな二人を見守っていた一人の少女がキラとアスランに向けて駆け出し、二人に無理やり抱き着いた。
「お、お前らぁぁああああ!!」
「カ、カガリ!?」
「このバカ野郎!!」
そんなカガリの行動に驚きながら、キラとアスランは少し前の昔に戻った様に、見つめ合い笑い合うのだった。
後半も書き終わっているので、準備が出来次第投稿しますわ。