ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
てててーてて
てててててー
ててててててててー
てて!
てててててっててってててー
(第三者視点)
クルーゼの言葉は誰に遮られる事もなく響き、キラやムウの心に影を落としてゆく。
「ここは禁断の聖域。神を気取った愚か者達の夢の跡。キラ。君は知らないだろう。今の御両親が、君の本当の親でないということを」
「貴様! 何を!」
ムウがクルーゼの言葉に反論をしようとすると、クルーゼはムウのすぐ近くへ銃弾を放ち、その言葉を遮ってしまう。
「っ!」
「当然だ。ずっと、セナが君の事を守ってきたのだからな。君の出生の秘密を」
「……!」
「そう。知っていればそんな風に育つはずもない。何の影も持たぬ、そんな普通の子供に。だが、君が普通に育つ事が我らの望みでもあったのだ。セナと私のな」
キラは、恐る恐る落ちている写真を拾い、資料へと視線を落としてゆく。
「ブルーコスモスにセナが捕まってしまった事を知った時は、キラがどうなったのか、酷く心配した。君は生まれた時から、その生みの親であるヒビキ博士と共に、当時のブルーコスモスの最大の標的だったのだからな。時が過ぎようと、その狙いが消えるとも思えん」
「ブルー……コスモス」
「だが、君は無事ヤマト夫妻の元で成長し、こうして戦火に身を投じてからも尚存在し続けている。普通のコーディネーターを凌ぐ圧倒的な力でな」
クルーゼの言葉にキラは思わず、ソファーから顔を出して、仮面を被った兄の姿を確認し、懐から銃を取り出す。
「それでは私の様な者でもつい信じたくなってしまうじゃないか。彼らの見た狂気の夢をね!」
「僕が! 僕が、なんだって言うの!?」
キラは銃を真っすぐにクルーゼへ向けながら叫んだ。
そんなキラにクルーゼは狂気の笑みを浮かべたままその答えを返す。
「君は人類の夢、最高のコーディネイター」
「……!」
「そんな願いの下に開発された、ヒビキ博士の人工子宮、それによって生み出された唯一の成功体。彼の娘。数多の兄弟の犠牲の果てにね」
「あぁ……」
「しっかりしろバカ! 奴の与太話に飲まれてどうする」
動揺するキラにムウが体を揺らしながら叫ぶが、キラには届かない。
それどころか、キラの中では自分とセナの知るはずのない記憶が溢れていた。
二つの大きなプロジェクト。
一つは最高のコーディネーターを造る為に、数多の兄弟を犠牲にして生み出されたキラ。
そしてもう一つは人工子宮ではなく、母体を完璧にするために造られた、子供を生み出す為だけのコーディネーターとして生まれたセナ。
どちらも等しく、人を人として考えていない非人道的な研究の果てに生まれた命である。
「僕は、僕の秘密を今明かそう。僕は人の自然そのままに、ナチュラルに生まれた者ではない」
「くそ……あの野郎! しっかりしろ! キラ!」
「受精卵の段階で人為的な遺伝子操作を受けて生まれた者。コーディネーター」
「ぁぁ」
「人類最初のコーディネイター、ジョージ・グレン。ふっふっふっふ。奴のもたらした混乱は、その後どこまでその闇を広げたと思う?あれから人は、一体何を始めてしまったか知っているのかね?」
キラの頭の中には、記憶にない映像が溢れてゆく。
ここで、あった記憶が、人の望みが、狂気が、キラの中に再現されているのだ。
「高い金を出して買った夢だ。誰だって叶えたい。誰だって壊したくはなかろう」
コーディネーターという種族をより完璧で、素晴らしい存在へとするために。
「だから挑むのか! それが夢と望まれて叶えるために!」
命が一つ、また一つと消費されてゆく。消えてゆく。未来という希望に溢れた闇に向かって。
「人は何を手に入れたのだ! その手に、その夢の果てに!」
クルーゼの叫びは、まるで世界の叫びだった。
小さな願いを踏みにじり、進歩の名の元、突き進んできた人類が生み出してしまった、作り出してしまった傷に世界が叫んでいる。
「知りたがり、欲しがり! やがてそれが何の為だったかも忘れ、命を大事と言いながら弄び殺し合う!」
「ほざくな!!」
「何を知ったとて! 何を手にしたとて変わらない! 最高だな人は」
ムウとクルーゼは銃を撃ち合いながら叫び、己の世界を示してゆく。
「そして妬み、憎み、殺し合うのさ! ならば存分に殺し合うがいい! それが望みなら!」
「何を! 貴様如きが偉そうに!」
「私にはあるのだよ! この宇宙でただ一人! 全ての人類を裁く権利がな!」
クルーゼは笑いながら銃を撃ち、叫ぶ。その狂気に満ちた姿にムウは足を止め、そしてクルーゼが己の仮面を外した姿に息を呑んだ。
「覚えてないかな? ムウ。私と君は遠い過去、まだ戦場で出会う前、一度だけ会ったことがある」
「……お前、その、姿は」
「ふふふふ。分かるかね? 私は、己の死すら、金で買えると思い上がった愚か者、貴様の父、アル・ダ・フラガの出来損ないのクローンなのだよ」
クルーゼはまるで泣いている様に笑い、ムウへ言葉をかける。
「親父のクローンだと!? そんなおとぎ話、誰が信じるか!」
「私も信じたくはないがな。だが残念なことに事実でね!」
ムウは必死に虚勢を張って、言い返すが、クルーゼはそれを気にした様子も見せず、淡々と返すのだ。
「セナが消えたこの世界には、もはや何の未練もない!! 全て消え去れば良い!」
「クルーゼ!!」
「ハッ!! 間もなく最後の扉が開く! 己の事しか見えぬ者たちがその扉を開く! そしてこの世界は終わる! この果てしなき欲望の世界は!」
「っ!」
「そこであがく思い上がった者達! その望みのままにな!」
「そんな事!!」
キラは、銃を持って飛び出しながら、クルーゼに向かって走った。
しかし、引き金は引けない。
「撃たないのかね?」
「……僕は、僕は! セナの願いを、ラウ兄さんにも手伝って欲しい!! 世界に平和を!」
「もう手遅れなのだよ。キラ。私はもはや止まらぬ。止まるつもりもない。ここで撃たねば、私はやはり世界を滅ぼすだけだ」
「ラウ兄さん!!」
「それは困るんだがな」
不意に、クルーゼでも、キラでも、ムウでもない人間の声が響いた。
そして、その声にクルーゼは目を見開いて、キラを庇いながら銃をその新たに現れた男へ向ける。
「争うつもりはない。銃を降ろしてくれないか?」
「……ユーレン・ヒビキ!」
「久しぶりだな。アル・ダ・フラガ氏のクローン。確かラウ・ル・クルーゼだったか」
クルーゼは即座に銃を放ち、ユーレンを撃とうとしたが、その弾丸はユーレンの前にある透明な壁に阻まれて届かない。
「あぁ、当然だが、安全対策はしているよ。私は戦争や争いごとが嫌いなんだ。ただの研究者でね」
「ふざけるな!!」
「だから無駄だと言っているんだが……まぁ、良い。私がここへ来たのはキラと話がしたかったからだ」
「……僕?」
「あぁ、そうだ。久しぶりだな。我が娘。愛しき娘よ。大きく成長し、ヴィアにも似てきたな。セナともよく似ている。キラが生きているというのが私の希望だった。さぁ、パパと呼んでごらん」
「っ! セナは!」
「あぁ、セナに会いたいのか。当然だな。姉妹とはそういう物だ。無論すぐに会う事も出来るだろうが、準備が必要でね」
「準備……?」
その言葉にキラは先ほど見た資料を思い出していた。
いくつもの実験の果てに生み出された。生み出されてしまったセナの事を。
「今のセナはまだ本調子じゃないんだ。もう少し待ってくれれば自由に動けるようになるだろう。そうなれば……」
「貴方は!」
「ん? どうした? セナに会いたいのではないのか? 大丈夫すぐに会えるさ。記憶だってちゃんとあるぞ」
「命をなんだと思っているんだ!!」
また新たに作り出した命をセナと呼ぶ。そう聞こえたキラはユーレンに銃を向ける。
しかしユーレンは焦った様子も見せず、ため息を吐くと、また時間を置いてから会おうと去ってゆくのだった。
残業祭りで遅れてすまない……すまない……
という訳で、メンデルで感動の再会を果たしたキラとユーレン。
親子の再会は感動の再会でしたね!
うーん。美しい。
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