ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
マリーちゃんと共に、アズラエル家で生活を始め、私はそれなりにアズラエル家の人々と友好関係を築いてきた。
その為、当初は首輪を付けて管理しないといけない危険な化け物という位置だったが、一年も過ぎる頃にはそれなりに信用できる相手となり、名前でちゃんと呼ばれる様になったのである。
そして現在はコズミック・イラ69。
来年には開戦し、血のバレンタインの悲劇が起こる状態となった。
つまり、地上にはこれからニュートロンジャマーが大量に撃ち込まれてエネルギー問題で大変な事になるんだよね。
なら、先手を打つ必要があるって訳だ。
「……」
「ねぇ。セナ。何してるの?」
「ちょっとした機器の開発を」
「ふぅん。セナは凄いのねぇ。まだ子供なのに」
「まぁコーディネーターですからね」
「何それ。関係あるの?」
「まぁ、あると思いますが。ほら、コーディネーターは」
「私たちナチュラルよりも全てで上回った上位種だって? アハハ。面白い冗談を言うのね。セナ。貴女、いつまでも考えた事が全て顔に出るし、服のセンスだってイマイチ。面白くない勉強じゃあすぐに寝ちゃうじゃない。どこが上位種なのよ。むしろ手のかかる妹って感じだわ」
「それは、まぁ、そうかもしれないですけど」
「でも、私こういう難しい機器の開発とか出来るんですよ? マリーちゃんには出来ないでしょう?」
「当たり前でしょ。私はセナみたいに機械オタクじゃないんだから」
「お、オタクって」
「なんでも出来て優秀だって言うんなら、今度私より上手くピアノを弾いてみなさいよ。パパより会社を上手く動かしてごらんなさいよ。ママより上手く外交してみせなさいよ」
「それは、その……ほら、それぞれの得意分野じゃないですか」
「えぇ。そうよ。それで? でも上位種だって言うんなら出来るでしょ? 出来ないって言うんなら、ナチュラルよりちょっと器用ってだけでしょ。ま、病気とかにならなくて、運動能力が高いのなら便利だろうけどさ」
「……でも」
「はぁ。本当になーんにも分かってないのね。良い? セナ。貴女はコーディネーターだわ。だからナチュラルの私より色々な事が出来る可能性があるんでしょうね。きっと練習すれば私よりも上手くピアノを弾けるんでしょ。じゃあ聞くけど、その練習する為のピアノをどこから用意するの? 貴女には、貴女を道具として作った親しか居ないのに。独りぼっちの子供がどうやって練習するの? さぁ、答えてごらんなさいよ」
「それは、その……出来ないですけど」
「そうでしょ? でも私はパパに言えば買って貰るし、ママに言っても買ってもらえる。じゃあどっちが優れた環境に生まれてるのかしら。才能だけを与えられた貴女と、才能はそれなりでも、それ以外の全てを持っている私と」
「……マリーちゃん」
「この世界で才能が全てだなんてお笑い種だわ。才能もそれを成長させる環境と、知られる為の運が必要だわ。その一つしか持っていないのに、上位種だなんて随分と視野が狭いと思わない?」
「……そうかもしれません」
「でしょ?」
「でも、それなら何故、皆さんはコーディネーターを憎むのでしょうか?」
「呆れた。セナは本当に何も分かってないのね。なら分かりやすく例えてあげるわ。セナ。貴女の前に、優しい両親がいて、お金持ちで、可愛くて、誰もが羨む地位を持った私の様な人が現れて、貴女にこう言ったのよ。お前は私と違って何も持ってない子供なんだな。つまりお前も、お前の家族も、友人も、お前を愛する人間も、お前が愛した人間も全て劣った欠陥人間なんだなって」
「そんな事は!」
「ソレよ。今貴女の中に芽生えた感情が、私たちナチュラルが持っている感情なのよ。私たち個人を何も知らない癖に、宇宙から見下ろしている神気取りの愚か者。それが私たちの知っているコーディネーターだわ」
「……」
「勿論大人たちには別の思惑もあるんだろうけどね。根本にはこういう気持ちがあるって私は思ってるわ」
私はマリーちゃんの言葉に何も言い返す事が出来ず、黙り込んでしまった。
そしてそんな私を後ろから抱きしめて、マリーちゃんは耳元で囁く。
「そんなに悲しい顔をしないで。大丈夫。私もパパもママも、それにウィリアムさんも。貴女の事は気に入っているもの」
「便利な駒として?」
「バカね。セナがセナだからよ。ま、セナがパパの仕事を手伝ってくれるお陰で会社の業績は上がったみたいだし、そういう意味じゃあ便利かもしれないけどね。だからって私もパパも、セナを無理矢理働かせたりはしないでしょ?」
「それは、そうですね」
「だから、セナは何も気にしなくて良いの」
「……はい」
何だか丸め込まれた様な気がしないでも無いけれど、言い返して何か生まれる訳でも無いし。私は言葉を飲み込むのだった。
そんなこんなで日々は過ぎ、コズミック・イラ70。2月11日。
遂に地球、プラント間で戦争が始まってしまった。
アズラエルさんの家に来てから三年の間にアズラエルさんと共に軍部の偉い方と話す機会があり、何とか戦争を止められないかと動いていたが、どうにも出来なかった。
世界という大きな流れの前に個人が出来る事など殆どないのだ。
しかし、それでも核攻撃なんてやっぱり駄目だと、私はアズラエルさんに直談判をしていた。
「アズラエルさん! 少しお時間良いですか!?」
「はい? どうしたんですか? そんなに血相を変えて。何かシステムトラブルでも起こりましたか? それであれば、いつもの様に担当の者と話をして下さい。専門の事は僕もよく分かりませんからね」
「プラントとの戦争についてです」
「あぁ、その件ですか。それで? どうかしましたか」
「アズラエルさんは核攻撃を考えていますね?」
「えぇ。当然です。こんな戦争で時間を掛けるほど暇じゃあありませんからね。さっさと撃ってさっさと終わらせるべきです」
「お願いします。核攻撃は止めて下さい!」
「何故ですか? 理由が聞きたいですね」
書類をめくる手を止めて、私をジッと見つめるアズラエルさんに、私は大きく息を吐いて口を開いた。
この人に感情論とか、人道を説いても無駄だ。大切なのは、メリットとデメリットだ。
「プラントへの核攻撃はどうやっても一回しか成功しません」
「……ほぅ。その理由を聞きましょうか」
「プラントは既に核分裂を抑制する兵器の開発に成功しているからです」
「いつものハッキングですか?」
「はい。確かな情報です。その兵器の名前は『ニュートロンジャマー』と言います。おそらくプラントは核攻撃をされた時点で、この兵器を使用します。しかも民間人へ核が放たれれば報復に、地球へとこの兵器を撃つかもしれない。そうなれば」
「エネルギー危機が起こり、戦争どころではなくなる。ですか?」
「そうです」
「まぁ、確かにそれは厄介ですね。一応確認ですが、迎撃策や回避策はありますか?」
「ありません。数基でも十分に地球を覆いつくせるだけの兵器が、迎撃される以上の数撃ち込まれると考えても良いでしょう。それにこの兵器には、通信の妨害機能もありますから、誘導兵器による迎撃なども出来ません」
「ふむ。それは想定以上に厄介な兵器の様だ。例のジンというMSの問題もあるし。手段を急いでも良い事は無さそうですね。分かりました。確かに今の段階で核を使うのはあまり有効ではない様だ。この件は資料に纏めていますか?」
「はい。アズラエルさんのメール先に送付済みです」
「よろしい。では地球連合軍の方に話を通しておきましょう」
「ありがとうございます!!」
「いえいえ。構いませんよ。あー。まぁ、見返りにはなりますが、またパーティーに参加して貰えますか? 君にまた会いたいと言う連中が多いものでね」
「わかりました。その程度なら」
「では日程は追って連絡しますよ」
「はい」
私はアズラエルさんとの話を終えてから執務室の外へ出て、大きく息を吐いた。
緊張した……。
でも、とりあえずは踏みとどまってくれたし。今後の事はその時、その時で頑張って説得しよう。
そう思っていた。思っていたというのに。
『セナ。聞こえますか? 先に謝っておきましょう。僕の忠告を聞かず、撃ってしまった愚か者が居たようです。ユニウスセブンは完全に崩壊しました。セナ? 聞こえますか?』
アズにゃんを止めれば、ブルーコスモスが全体止まるか? と言われると、別に止まらないというのは、続編のDESTINY、FREEDOMでも分かっている事なので。
多分なんですけど、盟主の位置ってゴーサインは出せるけど、ストップサインは出しても意味無いんじゃないかなって。
SEED世界は割と個人的な感情を優先されがちなので。
有名な所で例のセリフ「ナチュラルの捕虜なんか要るかよ!」がある訳で。
これなんか軍人としてはほぼあり得ない行動な訳ですけど、まぁあの時イザーク以外の皆さんやってらっしゃいましたし。
コズミック・イラの民度なんてこんなもの。
やっぱりガンダム世界でも最低クラスの民度なのでは……?
という訳で、歴史通り血のバレンタインは起こりました。
一応経緯としては
アズにゃん「(敵の新兵器の対策が出来るまで、少なくとも)今は核ミサイルを撃つな」
ブルコス将校「承知いたしました!(まだ向こうのMSも多いし)核ミサイルは撃ちません!」
~戦闘中~
ブルコス将校「そろそろ核ミサイルを撃つぞ」
ブルコス兵「え? アズラエル様が撃つなって言ってませんでしたっけ?」
ブルコス将校「タイミングの話だから、ヨシっ!」
ブルコス兵「ヨシっ!」
セナ「何を見て、ヨシっ! って言ったんですか!?」