ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
PHASE-59『辿り着いた日常』(前編)
(第三者視点)
全ての争いは終わった。
キラ、セナ、クルーゼは戦後のどさくさに紛れて、地上へと……オーブへと逃げてきていた。
そして、オーブにある小島の研究室で、一組の夫婦と対面しているのだった。
「……つまり、寿命の問題は解決出来るんですね?」
「あぁ。無論だ」
「兄さん!」
嬉しそうにクルーゼの腕に抱き着きながら笑うキラを見て、白衣を着た男、ユーレン・ヒビキは不満そうな顔をしながら再度頷いた。
「そう。パパは天才だからな」
「ありがとう。ユーレンさん」
「構わない。私はキラのパパだからな」
「……」
「パパだ」
キラは微妙な顔をしながら、助けを求める様に自身によく似た女性ヴィア・ヒビキへと視線を送る。
その視線を受けてヴィア・ヒビキはため息を吐きながら、昔話を始めるのだった。
「昔はね。こんな風じゃなかったのよ。研究に対して情熱を燃やして、研究一筋っていう感じの人だったわ」
「何を言うか! 君への愛を忘れた事は無いぞ! 誕生日も記念日も、何一つ忘れた事はない」
「……と、まぁ。一部の事に対して異常に執着するタイプの人でね。思い込んだら一直線で、キラを最高のコーディネーターにする! なんて言って、私から奪っていったりもしたの」
「何を言う! 子供に最大限の愛情を注ぐのは当然だ! 君に似た最高の容姿! そして、どんな夢も叶う才能! そして、どんな相手でも愛した相手の子を成す事が出来る体! 全ての夢が叶う! 完璧な人生だ!」
「とまぁ、倫理観をどこかに捨てて来たような性格だから、結局ブルーコスモスに追われる事になっちゃってね。カリダに預ける事にしたのよ」
「しかし、やはりカガリにもコーディネートをするべきだったのでは無いだろうか。キラ。カガリはどうだ? 何か不満は無いか? やはりあるのでは無いか?」
「あなた。今私が話してるから黙ってて」
「む。君が言うのなら、良いだろう」
「それで、半年くらいは普通だったんだけど、キラ達が居なくなってからユーレンがおかしくなっちゃって、娘に会いたい。どうして娘はここに居ないんだ。って騒ぎ始めたのよ」
「当然だろう! 私は父親だぞ! 父と娘は一緒に居るべきなのだ。大きくなったらパパと結婚する! と言われるのが父親の夢だ! そうだろう?」
ユーレンはこの場に居る全員へ同意を求める様に視線を移したが、誰一人として頷く事はしなかった。
しかし反応が無いことに落ち込むユーレンを見て、セナが焦った様に声を上げる。
「わ、私は好きな人とか居ないので、パパと結婚したいなー。って思ってますよ?」
「セナ! なんて良い子なんだ君は!」
ユーレンはセナを抱きしめ、喜びを示す。
そんなユーレンにヴィアは冷めた目を送りながら、セナに言葉を渡すのだった。
「セナ。良いのよ。そんな、思っても無い事言わなくても」
「ま、まぁ。まったくの嘘という訳でもないですから。パパは格好いいですし。頭も良いですし。それに、ラウ兄さんを助けて貰いたいですし……」
「セナ……」
クルーゼはユーレンに捕まってしまったセナを見て、目を伏せる。
そして、穏やかな笑みを浮かべるとセナに言葉を向けた。
「セナ。良いんだ。自分を犠牲にするような事はしないでくれ……。私は君たちにこうして想われるだけで十分だ。もう私の人生に悔いはない」
「そんな、兄さん!」
「ラウ兄さん!」
「ほら。貴方のせいで大変な事になってるわよ? どうするの? これ」
「ぐぬぬ。分かっている。あー。我が愛しの娘たちと、その兄を名乗る男」
「……」
「……」
自分をジッと感情の読めない目で見つめるキラとセナにユーレンはウッと引くと、大きく息を吐いた。
そして、セナの頭を撫でながら明らかに無理をしている笑顔を浮かべる。
「君たちの兄ならば……私の息子も同然だな。ならば、まぁ、親としては、健康にしてやりたいと、思うかもしれないかもしれないな」
「どっちなんですか! ユーレンさん!」
キラの言葉にユーレンは辛そうにキラを見て、キラはその目に大きなため息を吐いて、少し嫌そうに口を開いた。
「えと、ユーレンパパ?」
「よし。今すぐ君を治そうじゃないか。ラウ・ル・クルーゼ」
「一つ、確認したい」
「なんだ」
「貴様にとってセナとキラは」
「どちらも大切な娘だ。当たり前だろう? ヴィアの娘なんだぞ」
「そうか」
「イチイチ確認する事じゃないがな」
「ハッ! なら、まったく気に入らないが、受けてやろう。ユーレン・ヒビキ」
二人の男は睨み合いながらも治療に臨み、それから一か月も経てば、もうクルーゼを苦しめて来た発作も無くなるのだった。
それからユーレンとヴィアは子供たちの傍に居たいという事で、その小島に住む事になり、ヴィアやクルーゼはカリダやハルマとの感動の再会を果たした。
何だかんだとキラもセナもヴィアとヤマト夫妻どちらも親として想い、共に静かな生活を送っている。
そして、たまに寂しがるユーレンを父と呼び、定期的に餌を与えたりしているのだった。
そんなある日。
キラ達が住まう静かな島に訪問者がやってきた。
それはキラとセナの姉であるカガリだったのだが、その隣には嫌味な笑みを浮かべているアズラエルと、その妻。そして娘のマリーがおり、二人はセナの姿を見つけると綺麗な靴や服が汚れるのも気にせず砂浜を駆けてセナに抱き着くのだった。
セナはそんな二人の抱擁を受けながら二人が無事であった事に涙し、戦争を止める事が出来て良かったと心から喜ぶ。
「あー。セナ? 実はですね。この島。僕が買い取ったんで。今日から僕の島です」
「えぇ!? そうなんですか!? で、では、私たちは出ていかないと」
「それは気にしなくても大丈夫です。お金も要りません。ただ、僕もいい加減最前線で戦うのは疲れました。余生はこの島でのんびりしようと思ってね。まぁ、ご近所さんが住んでいるのも、それはそれで面白いでしょう」
「アズラエルさん……! ありがとうございます!」
「私は認めてないからな! セナやキラの傍に住むだと!?」
「認めないも何も。僕は正式な契約をかわしてここに居ますからねぇ。オーブの姫が何を言おうと関係ありませんよ」
「なにをー!?」
「ま、まぁまぁ。カガリ」
キラは怒り狂うカガリをなだめつつ、アズラエルを見据える。
かつて自分からセナを奪い取っていった男を。
「ん? あぁ、そうか。君がセナの姉ですか。なるほどよく似ていますね。自称姉とは大違いだ」
「自称じゃない!!」
「はいはい。分かってますよ。自称お姉サン」
「キー!! こいつ! キラ! 私はコイツが嫌いだ!!」
「あーうん。しょうがないよね」
「まぁ、なんであれ。小さな島の中で住むんだ。仲良くしましょう。セナのお姉さん」
「……」
「ん? どうしました?」
手を差し出しながら、首を傾げるアズラエルにキラは真剣な顔でその姿を見つめる。
「僕は、正直貴方を好きにはなれません」
「あぁ、それはそうでしょう。僕だってコーディネーターを好きにはなれない」
「でも、貴方がセナを守ろうとした事だけは、分かってます。それにこれからも同じであると信じています」
「おや。そんな所まで同意見とは……ふふ。思ったよりも貴女とは仲良くなれそうだ」
キラとアズラエルは友好の証ではない握手をして、それぞれ一定の距離を取る。
友人にはなれない。
だが、同士にはなれる関係であると。
そう互いを認識しながら。
アマプラに配信されたSEED FREEDOM 面白すぎて一生見てる。
BDの発売も決まったみたいですわ。
クリスマス。
今年のクリスマスは決まりましたわね。
はい。という訳で、ようやく書く事が出来るコメディ回。
SEED本編はシリアス過ぎてどうにも出来ませんでしたが
戦争が終わればこっちのモンですわ。
楽しい。