ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
バレンタインデー。マリーちゃんとアズラエルさんへのチョコレートを作っていた私は、アズラエルさんの言葉を聞いて、そのまま倒れてしまった。
頭は冷静に事態を受け止めているのに、心が少しも追いつくことは無かったのだ。
そして次に目覚めた時、私はいつも寝ているベッドの上に居て、すぐ近くの椅子にはアズラエルさんと心配そうなマリーちゃんが座っていた。
「起きたのね!? 良かった。もう! 心配したんだから!」
「ごめんなさい。マリーちゃん」
「体に不調はありませんか?」
「はい。大丈夫です。アズラエルさん」
「それは良かった。では、通信で話した話の続きをしましょうか」
アズラエルさんは使用人さんに私を支える様に言うと、いくつかの資料を渡してきた。
それは、私がアズラエルさんに見せたニュートロンジャマーの情報が書かれているものだった。
「セナの情報から最悪の事態を想定する場合、このとんでもない兵器が地球に撃たれるという話でした。そして、これを防ぐ事は困難であり、撃たれた場合地球はエネルギー問題で完全に干上がると」
「はい。しかし、対策はあります」
「ほぅ。聞きましょうか」
私は近くに居たメイドさんにお願いして、自分用のパソコンを持ってきてもらうと、設計だけしていた装置をアズラエルさんに見せる。
「これは?」
「ニュートロンジャマーの無効化装置です」
「……なるほど。では早速、これを量産し、あの忌々しい砂時計を全て叩き落としましょう」
「無理です」
「どういう意味ですか?」
「この装置は大型なので、発電所に付ける事は出来ますが、ミサイルに付ける事は出来ません」
「小型化の目途は」
「……私一人では、とても」
「……」
嘘を吐いて首を振る私をアズラエルさんはジッと見つめる。
おそらく、私の嘘に気づいているのだろう。
その上で糾弾せずに、ただ私の真意を見極めている様に思えた。
そして長い沈黙の後、アズラエルさんは深いため息を吐いて、苦笑した。
「その甘さはいずれ貴女自身を滅ぼす事になりますよ。コーディネーター共はセナの優しさになど気づきはしない。ナチュラルと共に居る裏切り者だと貴女に銃口を向けるでしょう」
「それでも、私はこれ以上戦争を続けて欲しくないのです」
「なるほど。これはやられましたね。ここまでの全てが貴女の手のひらの上でしたか」
「そういう訳では」
「ふむ。ではあくまで偶発的な物だと? まぁ、それならそれで脅威ですがね」
「……えと。話に入ってしまってごめんなさい。パパ。話についていけないのだけれど」
「あぁ、すまないね。マリー。つまりはこういう事さ。セナはね。何が何でも今回の戦争を止めようとしているんだ」
私は肩を竦めるアズラエルさんと不思議そうに首を傾げるマリーちゃんを黙って見つめる。
「戦争を止める? でもセナ一人に出来る事なんて何も無いわ」
「いや、ある。そうだね? セナ」
「……はい」
「どういう事? セナ。ちゃんと説明して」
「えと、そのですね。戦争をする為には民衆の支持が必要なんです。たった一人の人間が戦争を止める事が出来ない様に、たった一人の人間が戦争を始めて継続させる事は出来ませんから」
「うん。そうね。それで?」
「今、地球の人たちにとって戦争というのは遠い世界で起こっている事なんです。ですが、これからプラントの人たちが、ユニウスセブンに核を撃たれた報復に、ニュートロンジャマーを撃った場合、地球の人たちはいきなり地獄に叩き落とされます。そしてこの時に発生するコーディネーターへの憎しみを利用して、地球連合軍はより苛烈な戦争を行おうとするでしょう。しかし、そこでエネルギー問題だけを解決する装置が提示された場合、地球の人たちは争う理由を失う可能性が高いです」
「そうね。さらに言うなら、また同じ様な目に遭うかもしれないなんて考えて臆病風に吹かれてしまうんじゃないかしら。なるほどね。上手くやったものだわ。セナ。そうね、貴女、戦争を止めたい。止めたいって言ってたものね。その為に、プラントの人たちを犠牲にしたんだ」
「ちがっ」
「違わないわ。だって、貴女は私たちが核ミサイルを撃つという事を知っていたのに、それを止めなかったじゃない」
「そ、それは」
「うん。分かってるわよ。自分の命が大事だったんだものね。分かってるわ。貴女は名前も知らない人間たちより自分の方が大事だった。ただそれだけだものね。何もおかしな事なんて無いわ。だって、セナが本気でプラントに警告をして、止めれば止められたもの。まぁ、そんな事をしたら、貴女は裏切者として私たちに殺されてしまったでしょうけれど」
「……ぁ、あぁ」
「ふふ。ありがとう。セナ。やっぱり貴女は私の大切な『家族』だわ。ただ同じ様に生まれたってだけの化け物じゃなくて、同じ人間の私たちを選んでくれたんだものね。だって、そうよね? プラントの民間人がどれだけ死のうと、何もしなかったのに。私たちの為には動いてくれるのだから。きっとプラントに居た人間はみんな貴女を恨んでるでしょうね」
「ご、ごめ……ちが……ごめんな、さい」
「良いのよ。大丈夫。私たちが護ってあげるわ。だって私たちは家族だものね」
ポロポロと零れる涙は拭っても、拭っても溢れてきてしまう。
呼吸も上手く出来なくて、ズキズキと頭が痛い。
そんな中、私を抱きしめて、マリーちゃんは耳元で囁く。
「ねぇ。セナ。本当の家族になりましょう? 私の妹になるの。本当のね。それで、一緒に、この装置を大々的に発表して、戦争を止めましょう。大丈夫。私もこの戦争を止めたいって思ってたの。だから、一緒にね」
「……うん」
「ありがとう。じゃあお父様。準備を進めましょうか。さ。セナ。これから忙しくなるわ。今はゆっくり休んで。はい。お薬」
私はマリーちゃんに言われるままに薬を飲んで、ベッドに寝た。
そして目を閉じる。
眠気はすぐに襲ってきて、私は深い闇の中に落ちていくのだった。
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コズミック・イラ70。4月1日。
後に『エイプリル・フール・クライシス』と呼ばれる最悪の事件が発生する。
地球全土に核分裂を抑制するニュートロンジャマーが撃ち込まれたのだ。
これにより、深刻なエネルギー危機が発生し、地球の国家全ては混乱とコーディネーターへの憎しみに包まれるかと思われた。
しかし、そうはならなかった。
何故か。
救世主が現れたからだ。
セナ・アズラエルと名乗る彼女は、通信が制限されているハズの地上で、世界中の人に対してエネルギー問題は解消出来ると訴えた。
そして、真実その通りに地球連合への救援要請をするだけで、限定された範囲ではあるが、ニュートロンジャマーを無効化する装置を配備されるようになり、エネルギー問題は解消されていったのである。
人々はコーディネーターへの憎しみよりも、彼女への感謝を強めた。
例え彼女自身がコーディネーターであると明かされても、この感謝は弱まるどころか、強くなり、彼女が平和の重要性を訴えていた事もあり、世界は段々と反戦の空気になりつつあった。
しかし、そんな時、一つの事件が起きる。
そう。いつもの様に平和を訴えていた彼女が、コーディネーターのテロリストによって襲われたのである。
彼女自身は何とか無事であったが、自分を護り命を落としたナチュラルの護衛に対して涙する彼女の映像を見た世界中の人々は怒りに震え、立ち上がった。
ただ平和を訴えていただけの彼女に銃口を向けたコーディネーターを許すなと。
彼女の願いを踏みにじり、その手に銃を取る。
かくして世界は一気に果てのない戦争へと足を踏み出してしまうのだった。
争いの多い世界。平和を訴えると狙われがち。
何で平和って良いですよね。って言っただけで、襲撃されないといけないんですか?
え? 戦争を起こすのに邪魔だから?
うーんこの。
ちなみに、この話を読むと、セナちゃんを狙ったのはアズラエルとマリーなんだろうな。って思うかもしれないんですけど!!
そんな酷いことをする訳無いじゃないですか!
ただ、何故か次にセナちゃんが行く場所がコーディネーターのテロ集団にバレていて、何故かセナちゃんの前まで素通り出来て、何故か一発撃つまで誰も止めなかっただけなんです!
無実なんです! 本当なんです!!
セナちゃんを庇った勇敢な護衛さんが、どっかの地球連合軍基地にいるという噂があるんですけど! 他人の空似という奴です!
世界には似た人が、三人は居ますからね!
という訳で、戦争はどんどん泥沼化していくゾイ
また次の更新で会いましょう。